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Mar Feb

Jan Dec

表14 宮城県内 8 箇所 (Bay X、Farm A~G) における冬季

(12月~3月) におけるマガキのノロウイルス陽性率(%)

〔() 内は (陽性個体/検査個体) 〕

0 (0/29) 7 (2/30)

17 (5/30) 24 (7/29)

G1or G2

0 (0/29) 3 (1/30)

13 (4/30) 14 (4/29)

G2

0 (0/29) 3 (1/30)

3 (1/30) 14 (4/29)

G1 Farm G

3 (1/30) 10 (3/30)

3 (1/29) 28 (8/29)

G1or G2

3 (1/30) 3 (1/30)

0 (0/29) 21 (6/29)

G2

0 (0/30) 7 (2/30)

3 (1/29) 10 (3/29)

G1 Farm F

10 (3/30) 43 (13/30)

48 (14/29) 24 (7/29)

G1or G2

10 (3/30) 23 (7/30)

28 (8/29) 17 (5/29)

G2

20 (6/30) 37 (11/30)

28 (8/29) 17 (5/29)

G1 Farm E

N.D 26 (7/27)

53 (16/30) 48 (14/29)

G1or G2

N.D 15 (4/27)

33 (10/30) 38 (11/29)

G2

N.D 19 (5/27)

50 (15/30) 24 (7/29)

G1 Farm D

10 (3/30) 10 (3/30)

57 (16/28) 41 (12/29)

G1or G2

0 (0/30) 7 (2/30)

39 (11/28) 31 (9/29)

G2

10 (3/30) 7 (2/30)

57 (16/28) 21 (6/29)

G1 Farm C

0 (0/15) 7 (1/15)

8 (1/13) 20 (2/10)

G1or G2

0 (0/15) 7 (1/15)

8 (1/13) 20 (2/10)

G2

0 (0/15) 0 (0/15)

0 (0/13) 0 (0/10)

G1 Farm B

77 (23/30) 38 (10/26)

100 (30/30) 47 (14/30)

G1or G2

77 (23/30) 38 (10/26)

100 (30/30) 47 (14/30)

G2

0 (0/30) 3 (1/26)

0 (0/30) 3 (1/30)

G1 Farm A

100( 10/10) 100 (15/15)

87 (13/15) 47 (7/15)

G1or G2

100 (10/10) 100 (15/15)

87 (13/15) 40 (6/15)

G2

30 (3/10) 13 (2/15)

40 (6/15) 20 (3/15)

G1 Bay X

Mar Feb

Jan Dec

表14 宮城県内 8 箇所 (Bay X、Farm A~G) における冬季

(12月~3月) におけるマガキのノロウイルス陽性率(%)

〔() 内は (陽性個体/検査個体) 〕

図 6 宮城県内の養殖海域 5 箇所 (Farm C~G) における冬季 (12月~3月) マガキの ノロウイルス遺伝子数 (copy数/消化盲嚢) の平均値

図 6 宮城県内の養殖海域 5 箇所 (Farm C~G) における冬季 (12月~3月) マガキの ノロウイルス遺伝子数 (copy数/消化盲嚢) の平均値

7

宮城県内養殖海域

5

箇所 (Farm C~G) の海域における、夏季 (7月~10月)の 海水の大腸菌群数の平均値

7

宮城県内養殖海域

5

箇所 (Farm C~G) の海域における、夏季 (7月~10月)の 海水の大腸菌群数の平均値

8

宮城県内養殖海域

5

箇所 (Bay X、Farm A~G) の海域における冬季マガキの ノロウイルス遺伝子数 (copy数/消化盲嚢) と、夏季の海水の大腸菌群数の平均値 の相関関係 (

R

= 0.916

p

<0.05

N

= 5)

8

宮城県内養殖海域

5

箇所 (Bay X、Farm A~G) の海域における冬季マガキの ノロウイルス遺伝子数 (copy数/消化盲嚢) と、夏季の海水の大腸菌群数の平均値 の相関関係 (

R

= 0.916

p

<0.05

N

= 5)

第 4 章 総 合 考 察

現 在 、ノロウイルスによる食 中 毒 は発 生 件 数 、患 者 数 ともに最 も多 く、ウイルス 性 食 中 毒 のほとんどがノロウイルスによるものとなっている。ノロウイルスはヒト体 内 で増 殖 した後 下 水 とともに排 出 される。つまりノロウイルス患 者 が増 えるという ことは、海 域 に放 出 されるノロウイルスの数 が増 加 することであり、 マガキのノロウ イルス汚 染 は養 殖 業 にとって深 刻 な問 題 である。 しかし現 在 ノロウイルス汚 染 を 対 象 とし、かつ有 効 な汚 染 指 標 は確 立 されていない。そこで本 研 究 では、第 2 章 において、マガキの食 品 の安 全 指 標 として従 来 から用 いられている大 腸 菌 群 数 を カキ生 息 海 域 において測 定 し、同 時 にマガキ消 化 盲 嚢 から RT-PCR によりノロウ イルス遺 伝 子 を検 出 するという調 査 を 12 ヶ月 行 い、海 水 の大 腸 菌 群 数 をノロウイ ルス汚 染 の指 標 として用 いることができるのかを検 討 した。その結 果 、大 腸 菌 群 数 は夏 季 に値 が最 大 になり冬 季 にはほとんど検 出 されなかった。対 照 的 に 、ノロ ウイルスは夏 季 には マガキからほとんど検 出 されないが、冬 季 には調 査 を行 った 3 点 全 てにおいて検 出 されるという結 果 であった。すなわち、大 腸 菌 群 数 の変 動 はマガキのノロウイルス汚 染 の挙 動 とは 一 致 せず、ノロウイルス陽 性 率 が高 くな る冬 季 においては海 水 の大 腸 菌 群 数 はノロウイルス汚 染 の指 標 と はなり得 ない と 考 えられた 。しかし、調 査 海 域 ごとの大 腸 菌 群 数 の多 さ に注 目 すると、夏 季 を 中 心 に菌 数 が多 く検 出 される海 域 は冬 季 のマガキのノロウイルス陽 性 率 が高 く、

尐 なく検 出 される海 域 では冬 季 のマガキのノロウイルス陽 性 率 は低 いという結 果 が得 られていた。このことから、海 域 の大 腸 菌 群 数 によりマガキのノロウイルス汚 染 の大 きさを予 測 できるのではないかという仮 説 を立 てた。

第 3 章 では第 2 章 で立 てた仮 説 を確 かめるために、新 たに 5 箇 所 の養 殖 漁 場

にて7月 から10月 にかけての夏 季 に海 域 の大 腸 菌 群 数 を調 べ、 12月 から翌 年 2月 にかけての冬 季 にマガキのノロウイルス陽 性 率 を調 べた。第 1 節 では第 2 章 で行 った結 果 と併 せて 8 箇 所 の海 域 において両 者 の関 係 と見 たところ相 関 が有 意 に認 められ 、大 腸 菌 群 数 を もと に冬 季 マガキのノ ロウイルス汚 染 の予 測 が可 能 であると考 えられた。第 2 節 で、さらにリアルタイム PCR により Farm C~G の 5 箇 所 においてノロウイルス陽 性 サンプルを用 いて 定 量 評 価 を行 った結 果 、12 月 から翌 年 3 月 にかけての冬 季 マガキのノロウイルス遺 伝 子 数 と夏 季 の海 水 中 の 大 腸 菌 群 数 の多 さにも相 関 が認 められた。すなわち、絶 対 数 を知 ることはできな いが、夏 季 の大 腸 菌 群 数 の多 寡 によって、冬 季 のノロウイルス数 の多 尐 を予 測 できると考 えられる。ノロウイルスの数 の多 尐 を予 め知 ることは、浄 化 を考 える場 合 に大 きな意 味 を持 つ。Doré (1998) らの実 験 で、バクテリオファージの浄 化 処 理 において浄 化 処 理 前 のファージの数 が浄 化 処 理 後 のウイルス残 存 に大 きく影 響 することが示 されており、今 回 の結 果 は浄 化 処 理 を前 提 としたカキの管 理 方 法 を考 えても有 用 である可 能 性 を示 した。

二 枚 貝 のウイルス汚 染 に関 して、Le Guyader et al. (2000) はマガキとムラサ キイガイからウイルスの検 出 を行 った結 果 、ノロウイルスは冬 季 に多 く検 出 される という結 果 が得 られたと報 告 している。BurkhardtⅢ and Calci (2000) は、アメ リカガキにおいて糞 便 大 腸 菌 とウイルスの指 標 としてバクテリオファージを用 いて 濃 縮 率 の変 動 を 調 べ、バクテリ オファ ージの濃 縮 が冬 季 に高 くなったと報 告 し て いる。そして彼 らはこの濃 縮 率 の高 さをウイルス 粒 子 とカキの粘 液 のムコ多 糖 の イオン結 合 が関 係 しているのではいかという推 測 をしている。このように冬 季 マガ キのノロウイルス汚 染 に関 する結 果 は、以 前 に他 の研 究 において報 告 されている 結 果 と同 様 の傾 向 を示 した。

大 腸 菌 または大 腸 菌 群 数 による微 生 物 汚 染 の指 標 として水 産 物 の汚 染 度 を 評 価 することにより 、コレラやチフスのような細 菌 感 染 症 は大 幅 に減 ったものの、

ノロウイルスによる胃 腸 炎 は減 っていない (室 賀 ・高 橋 , 2005)。漁 獲 して出 荷 す るまでにカキをタンクに入 れ滅 菌 海 水 をかけ流 す浄 化 処 理 が行 われているが、こ の方 法 も細 菌 数 の減 尐 には効 果 があっても、ノロウイルスに対 してカキの安 全 を 完 全 に保 障 するものとはいえない。ノロウイルス食 中 毒 はウイルス量 100 個 以 下 で も 発 症 し う る と い わ れ 、 ま た 、 ノ ロ ウ イ ル ス は ヒ ト 組 織 血 液 型 抗 原 ( HBGA:

hist-blood group antigen) を認 識 して結 合 し、カキの消 化 盲 嚢 にも同 様 な抗 原 があり特 異 的 に結 合 するといわれており (Le Guyader et al., 2006、 Tian et al., 2006)、浄 化 処 理 の困 難 さの理 由 の一 つであると考 えられる。

大 腸 菌 群 数 は日 本 を含 め多 く の国 でも幅 広 く用 いられている汚 染 指 標 であり、

測 定 は簡 便 であるという利 点 がある。今 回 の実 験 では海 水 の大 腸 菌 群 数 を用 い て漁 場 の評 価 をし、冬 季 のノロウイルス汚 染 の大 きさを 夏 季 のデータから推 し量 るということを試 みた。冬 季 マガキのノロウイルス汚 染 の大 きさは、RT-PCR を用 いたノロウイルス陽 性 率 (汚 染 個 体 数 ) による評 価 と、リアルタイム PCR を用 い たノロウイルス遺 伝 子 数 による評 価 の2種 類 の方 法 を用 いた。これら 2 つはそれ ぞれ夏 季 における養 殖 海 域 の海 水 の大 腸 菌 群 数 と相 関 が認 められた。今 回 の 研 究 から、従 来 から数 多 くのデータが蓄 積 され、今 後 も調 べられていく各 海 域 の 大 腸 菌 群 数 のデータをノロウイルス汚 染 度 の推 定 にも用 いうる可 能 性 を示 すこと ができた。すなわち、夏 季 の大 腸 菌 群 数 は冬 季 マガキのノロウイルス汚 染 の有 効 な指 標 の1つとして大 いに活 用 すべきであると考 えられる。

しかし、本 研 究 で行 った評 価 方 法 については、まだ多 くの検 討 課 題 が残 されて いる。1 つの例 としては夏 季 の水 温 躍 層 の形 成 と秋 季 以 降 の鉛 直 混 合 の問 題 が

ある。すなわち、下 水 のような陸 水 の影 響 のおよぶ範 囲 が、夏 季 と冬 季 では異 な るのではないか考 えられることである。当 然 、垂 下 されているカ キに対 する影 響 の あらわれ方 が異 なること が予 想 される。夏 季 は各 海 域 と も成 層 期 であり 、そこ に 流 れ込 む下 水 がすぐには深 層 と混 ざるとは考 えにくく、 ほとんど表 層 の水 のみに 陸 水 の影 響 があらわれると考 えられる。一 方 で、冬 季 は鉛 直 混 合 期 であり、表 層 の海 水 は深 層 の海 水 と混 合 しやすく陸 水 の影 響 を捉 えにくいと考 えられる。逆 に 言 えば、鉛 直 混 合 によって陸 水 中 のノロウイルスがマガキの垂 下 水 深 まで下 がり、

マガキに取 り込 まれやすくなるのかもしれないが、現 在 のところ海 水 中 でのノロウ イルスの動 態 は不 明 である。

本 研 究 では 7 月 ~10 月 の 4 ヶ月 の期 間 の海 水 の大 腸 菌 群 数 で表 したが、一 般 的 に、細 菌 は無 機 塩 、重 金 属 イオン、抗 生 物 質 などによる作 用 、捕 食 、物 体 へ の吸 着 と沈 殿 、栄 養 の欠 如 、海 水 温 度 、太 陽 光 線 などの作 用 を受 けて死 んでい くと考 えられる (沿 岸 環 境 調 査 マニュアルⅡ; 1990)。したがって、大 腸 菌 群 数 の ように細 菌 の生 菌 数 にもとづい て海 域 の汚 染 度 を評 価 する場 合 、 こ れらの要 素 を考 慮 した的 確 なサンプリングを行 うことが重 要 である。これら の点 を考 慮 した上 で、今 後 はさらに調 査 地 点 を増 やすこと、またノロウイルス汚 染 のさらに尐 ない海 域 でのデータや今 回 調 査 した海 域 とは 大 きく隔 たった海 域 でのデータを 加 えるこ とで、より精 度 の高 い予 測 が可 能 となると考 えられる。

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