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名古屋大学 地球水循環研究センター 鋤柄 千穂

[FRRF

観測の目的

]

高速フラッシュ励起蛍光光度計(

Fast Repetition Rate Fluorometer, FRRF

)は、海水中の植物プランクトンに対して青色光を高速で点滅照 射を繰り返し、得られた蛍光の時間的変動を捉えることで、植物プラン クトンの光合成に関する生理状態を計測することのできる装置である。

白鳳丸

KH-13-3

次航海では、

FRRF

観測を行うことにより、冬季混合 から成層化に向かう水塊構造の変化が、植物プランクトン生理状態に及 ぼす影響を調べることを目的としている。この研究は、観測対象海域で の春季の植物プランクトンブルームの発生メカニズムの解明にも役立 つと思われる。

[

現場観測

]

CTD

観測点(

C001~C018

)において、水深

200m

まで

FRRF

(紀本 電子工業社製)を吊り下げ観測を行った。この時、ワイヤーの繰り出し スピードは

0.2 m s

-1とした。

FRRF

は、太陽光のもとでの植物プラン クトンの蛍光を測定する明室と、太陽光が遮光された状態でのプランク トンの蛍光を測定する暗室を備えており、各深度における光条件での明 室・暗室中の植物プランクトン細胞の高速フラッシュに対する蛍光を測

定した。そして、繰り返して照射されるフラッシュに対する蛍光強度の 増大の過程を解析にすることにより、光化学反応系

II

の量子収率(

F

v

/F

m) や有効光吸収断面積(σPSII)を算出した。結果は次ページ以降に示し た。

[

採水観測

]

植物プランクトンの生理状態は、測定時の光条件に大きく左右される。

前述のように、

FRRF

は暗室を備えており、植物プランクトンが測定直 前まで受けていた光の履歴は、暗室へサンプル水を導入するパイプを通 過することで解消されると考えられている。しかし、日中や日没直後に おける植物プランクトンの光の履歴は暗室への導入時間では解消でき ない可能性がある。そこで、本研究では、ニスキンボトルで採取したク ロロフィルサンプルの一部を、

6

時間以上暗所に静置したものを、ベン チトップ式

FRRF

で測定した。結果は、次ページ以降に示した。

[

有光層深度について

]

なお、

FRRF

観測を行う上で、海中の光合成有光放射(

PAR

)は重要 なパラメータであるため、

FRRF

のフレームには

PAR

センサーが搭載 されている。晴天の日中に

FRRF

観測を行った

C011,C012

PAR

観 測結果から求めた有光層の水深は、それぞれ

70 m (C012)

50 m (C011)

であった。

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