第 3 章 提案システムと計測手法
3.3 FG を用いた輝点投影原理
はじめに、輝点投影機から投影した輝点を2台のCCDカメラを用いて撮影する(ST11)。 ここで、輝点投影機から輝点を投影する手法について述べる。
輝点投影機は、ファイバーグレイティング(FG)素子とレーザー発生器を備えている。
ファイバーグレイティング素子とは、直径20μm程度の光ファイバーをシート状に並べた、
位相分布型の回折格子である。本システムではこれを2枚直交した物を使用する。
レーザー光をFG素子に垂直に入射すると、光ファイバーがそれぞれシンドリカルレン ズとして作用し、レーザー光は、図3.5に示すように光ファイバーの焦点で集光した後、
多数の球面波となって広がる。このとき広がった光は、干渉作用により投影面に一定の間 隔で光の強弱が現れる。たとえばFG素子1枚に光を入射させた場合は、光の強弱により 対向平面上に明暗の縞模様が観察される。本システムで使用するように、2枚のFG素子 を直交させた状態で重ねたものに光を入射させた場合には、図3.5に示すように、投影面 に正方格子状に輝点行列が投影される。
FGの焦点面における光強度
f x
は定性的に、3.3 FGを用いた輝点投影原理
f
x
comb
x rect
x
g
x (3.1) である。ここで、comb x
は光ファイバを配列とした櫛形の関数、rect x
は矩形関数、 x
g
は1本の光ファイバーの焦点での光強度、は重畳積分を表す。FGの有効開口をD=1mmとし、波長がλ=810nmのレーザーを使用した場合、
23 . 10 1
810 10 1
9 3 2 2
≒
D m (3.2)
より遠方からフラウンホーファ回折とみなす事ができ、1.23m以上離れた所にできる回 折パターンは、定性的にフーリエ変換光学系で表す事ができる。
これにより投影面に生じる回折パターン
F X
は、投影面での輝点の間隔COMB X
、一つの輝点の強度分布を
SINC X
、輝点すべてについての強度分布をG X
として、F
X
COMB
X SINC
X
G X (3.3)と表す事ができる。
FG には構成が簡単であるため制作が容易であり、回折光の強度分布が高次まで一様で あること、微尐幅のスリット列とみなす事が出来ること、入射光の殆どが透過するため利 用効率が高い事などから、観察領域に輝点マトリクスを投影するための投光素子として、
使用しやすいという利点がある。これにより、図3.6のように投影面に輝点が投影される。
図 3.5 FG素子にレーザー光を照射することによって生じる輝点パターン レーザー光
FG素子
開口部
対向平面