第 5 章 GUI プログラムの理解支援システム ORCA 19
5.3 Eclipse との連動機能
ORCAは統合開発環境(以下、IDE)であるEclipse1のプラグインとして実装されており、
Eclipseとの統合が図られている。可視化システムをIDEに統合することにより、従来IDEが
提供するプログラム静的情報やデバッガを使った理解に加えて、GUIプログラムを操作しな がらの動的解析による理解を行うことが可能となる。また、ORCAでは変数情報の提示をし ていないが、IDEのデバッガを用いればプログラム実行時における変数の値等を取得できる ようになる。さらに、IDEにはエディタも備わっているため、可視化システムを利用した理 解作業後あるいは作業中に、即座にプログラムの編集作業に取り掛かることができる。この ようにして、統合により可視化システムとIDEがそれぞれ提供する情報を補完しあうことが 可能なため、本環境を利用することで理解作業の向上が期待できる。
ORCAはEclipseに統合されているため、ORCAの起動はEclipse上から行う。起動を行っ ている様子を図5.8に示す。Eclipse上でJavaプログラムプロジェクトの中から対象となるプ ログラムのmainメソッドを持つクラスを選択し、ポップアップメニューからORCAの起動 メニューを選択することで、ORCAが起動される。
次にORCAの表示とEclipseとの連動機能について述べる。この機能にはまずORCAから
Eclipseエディタ上へのソースコードジャンプがある。ORCAのグラフ表示部に示されるソー
スコード行をクリックすると、Eclipseのソースコード編集画面上において、クリックされた クラスのソースコードエディタが開かれ、クリックしたソースコード行が表示される(図5.9
参照)。またEclipseエディタ上のソースコードに対してもソースコードの実行が可視化され
A
A
A B
B
B
A
B C C
C
C
シーン1 シーン2
シーン3 シーン4
図5.7: 連続したズーミング走査の様子
ポップアップメニューから ORCAを起動する
図5.8: EclipseからのORCAの起動
1. ORCA上のソースコード をクリック
2. Eclipseエディタ上の 該当する行にジャンプ
図5.9: ORCAからEclipseエディタ上へのソースコードジャンプ機能
実行された行にはマーカ が付加される
図5.10: Eclipseエディタ上へのマーカ表示機能
る。図5.10のように、ORCA上で強調表示された行に対応して、Eclipseエディタ上のソース コードの左横にマーカが配置される。これによりEclipseエディタ上でも操作毎のソースコー ド実行箇所がわかる。このようにEclipseとORCAでは連動機能を実現しているため、双方 が提供する情報が対応付けやすくなっている。なお、現在はこのマーカに対してEclipse側か ら操作を行うことは禁止しており、ORCA上で可視化結果を選択して切り替えた時のみマー カの表示が切り替わる。