図
6.6.1
送水往温度制御の場合の天井放射パネル放熱に関する計算フロー 天井放射パネル環境温度の計算6.7 第 6
章まとめ本章では,汎用エネルギー計算への適用が可能な天井放射パネル供給熱量や形成される温 熱環境を評価する実用的な計算方法を検討し,天井放射パネルのスリットによる対流熱移動 や放射計算の簡易化に伴う放射熱伝達率について解析した。
得られた知見は以下の通りである。
(1)天井放射パネル供給熱量の計算方法として,天井放射パネルの表面熱伝達率に配管部と パネル部の断面長さとパネル部のフィン効率条件を加えた等価熱伝達率を定義すること により,天井放射パネルを熱性能が等価な配管とみなして,放射,対流熱伝達量を計算 する方法を提案した。
(
2
)天井放射パネルがスリットを有することによる対流熱移動を,実測による室内と天井内 の熱収支から検討し,冷房時は天井内側パネル対流成分の52~62%が室内へ移動し,暖 房時は室内側パネル対流成分の52
~56%が天井内へ移動していると推定した。
(3)天井放射パネル用の平均放射温度を面積比より求めて供給熱量を計算する場合に,天井 内側パネル表面の放射熱伝達率を周囲面の放射率,天井放射パネルの設置率および室面 積から推定する上で参考となるデータを示した。周囲の放射率が低い場合は,天井放射 パネルの設置率を高くするにつれて天井放射パネルの放射熱伝達率を低くする必要があ る。
(
4
)周囲の空気温度,平均表面温度およびパネル送水往条件の実測値を与条件として,提案 した天井放射パネル供給熱量計算法を用いて送水還温度と熱量を計算した結果,計算値 は実測値と概ね一致し,周囲の環境温度や送水条件の変動による天井放射パネル熱量変 化が再現され,本計算法が有効であることが確認できた。(5)天井放射パネルを導入した場合における室熱平衡式,壁面熱負荷計算式,および室内環 境に関して,汎用エネルギー計算に適用可能なエクスプリシット法を用いた実用的な計 算方法を提案した。
提案した天井放射パネルによる供給熱量と室環境に関する計算法によって,天井放射パネ ルの対流熱伝達と放射熱伝達を実用的に区別して計算することが可能となる。
この計算法を汎用エネルギー・環境シミュレーションツールに組み込むことにより,任意 の建築条件や空調条件から,天井放射パネルを導入した場合における供給熱量と放射の効果 を考慮した室環境を動的に評価することが可能となる。
第
6
章 参考文献1
)郡公子,石野久彌,長井達夫,村上周三:建築総合エネルギーシミュレーションツールBEST
のための建築熱シミュレーション法に関する研究,空気調和・衛生工学会論文集,
No.162
,pp.9
-15
,2010.9
2
)空調設備基準委員会第2
小委員会負荷計算法分科会:電算機による動的空調負荷計算法,空気調和・衛生工学,Vol.46,No.3,pp.3-37,1972.3
3)空気調和・衛生工学会:空気調和衛生工学便覧第 14
版 1基礎編,p.402,2010.24)塩谷正樹,郡公子:スリットを有する天井放射パネルユニットの熱性能に関する研究
第2
報 汎用的な熱性能計算法の整理,日本建築学会大会学術講演梗概集,D-2分冊,pp.1223-1226,2013.8
5
)塩谷正樹,郡公子:スリットを有する天井放射パネルユニットの熱性能評価 第3
報 熱 性能と室内環境の計算法の検討,空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集,pp.417-420,
2013.9