• 検索結果がありません。

E ヨ

ドキュメント内 レクリエーション研究 (ページ 90-95)

都市における自然観察会について 一 京 都 御 苑 で の 事 例 ー はじめに

北海学園北見大学塚本珪ー 都市とその周辺における自然教室、自然観察会、バードウオッチング、アニマルトラッ キングなどは最近頻繁に行われている。その対象は中高年を始めとしてさまざまである が、京都市中には比較的自然観察会などに適した自然地があるため l年を通じて各種開催

されている。京都御苑は旧市街の中心部にあるが、周囲約 4km と広く、観察会に適して いるため多くの類似イベントが行われている。その中で環境庁・御苑管理事務所、 (敗) 国民公園保存協会京都御苑保存会、京都自然観察学習会の共催する「京都御苑自然教室

j

は 1 9 8 4 年に始められ現在に至って、 1 5 年間続いている。

この自然教室は春、夏、秋、冬の年 4 回開催され、午前 9 時から 12 時までの約 3 時間 である。インタープリターは植物、野鳥、昆虫、菌類の専門家が各分野 1~2 名と環境庁 職員及び保存会職員があたっている。

演者もインタープリ夕日として参加し、さらに御苑昆虫類の現況調査を継続している立

場から、この自然教室の入手可能な記録(t 993~1997) により都市部の自然観察会につい

ての現況と問題点についてのまとめを試みた。

1.京都御苑の自然環境

環境庁京都御苑管理事務所の管理する御苑は、総面積 650 、 0 0 0 平米、苑地 390 、 000 平米、苑路 1 6 5 、 000 平米、その他 95 、 000 平米の広さがある。宮内庁管轄の京都御所 及び大宮・仙洞御所、宮内庁関係施設用地等は現況調査外である。御苑南東部にトンボ 池、池面積 270 平米、総面積 2000 平米、自然観察路 136m 、解説板 l 基が 1 9 9 3 に造られた。

2 . 御苑の自然利用の現況

「自然教室

j

参加者数については雨天時は少ないのは当然である。また、最近の傾向と しては男性よりも女性参加者が多い。年齢相についても最近の傾向としては中高年層が多 い。集客範囲は御苑周辺の居住者が多い。自然教室への参加回数は初めての者が多いが、

毎回の固定参加者もある。開催情報については季刊の『御苑ニュース』と友人などからの 口こみが続く。自然教室の内容、講師、その他については特に問題はない。自然教室の参 加者の状況、内容と評価は天候、参加者数によって大きく変動していることも明らかであ る。悪天のときには室内での学習を主に行い、参加者数が多いときは 2 班に分けるなどの 対応をしている。

3 . 自然観察会の指導とプログラム

京都御苑の「自然教室

j

の初期にインタープリターの誰かが次のような指導方針を提案 している。 1 )知識より自然の多様性、神秘性。 2) 覚える、わかるより、考え方、つき あい方。 3) 教わるのではなく、自然のありのままの姿を感じる。 4) 自然を個別的、断 片的にみるのではなく、総括してとらえる。

これらの内容は現代の学校理科教育ではなく、自然の一員としての人間のあり方とか、

総体的に自然をみることなどをしめしている。この指導方針はジエラルド・ダレル(1 99 7 ) の思考の進み方として f なにが、どこで、どうして、なぜ

j

の 4 段階の「どうして、

なぜ

j

への領域ヘ入るものであろう。

毎回のテーマは[御苑の春にふれよう J r 御苑の夏にふれよう J r 御苑の秋にふれよ う J r 御苑の春にふれよう

j

であるが、毎年コースと内容は変わる。

4 . 都市における自然観察会の問題点

88 

京都市における自然観察会の適地は京都御苑、鴨川、下賀茂神社・札の森、植物園、深 泥池、哲学の道、大文字山、鞍馬山、貴船渓谷、比叡山など各所にある。野鳥の観察、特 に水鳥には鴨川、深泥池などで、一般のバードウオッチング、自然観察会が行われてい る。下賀茂神社・札の森は立体自然博物館としての管理がされ、朽ち木なども放置されて いる。哲学の道、大文字山などの東山一帯は野鳥、昆虫、アニマルトラッキングの適地 で、法然院を拠点にした f 森の教室

j

もある。

鞍馬山、貴船渓谷は関東の高尾山、大阪府箕面と並んで昔から昆虫類の宝庫である。鞍 馬山の鞍馬寺には博物館相当施設である f 霊宝殿

j

があって、自然系の資料展示もある。

鞍馬山から貴船渓谷への道に極相林があり野鳥などの観察に適している。

各種観察会などへの若者世代の参加が少ないことは一般的傾向ではあるが、御苑自然教 室とは別に、中・高等学校、大学への呼び掛けなども必要であると考える。御苑自然教室 のインタープリターの会議でも小中学校の生活科や環境学習のプログラムの作成の必要性 が出ている。 1 9 9 8 年度には御苑の自然のガイドブック作成の計画があり、各種プログラム も作成される予定である。御苑の自然教室の各部門のインタープリターが御苑内の現況調 査を続けていることも自然教室の新鮮さを保持している要素である。

京都御苑を始めとして社寺林はいわゆる聖域ではあるが、聖域は人間の好みに応じて形 成されるのではなく生き物たちの逃避の場であるという認識を持つ必要がある.御苑の母

と子の森の水場でも野鳥への給餌による接近が時に見られるが好ましいことではない。

自然教室や観察会は都市の自然を考えるためにもっとも適切な方法であり、体験的に生 き物や環境問題を学習できる。街の博物学者の増加と行動が都市の自然を各方面にアピー ルする事によって開発という名の破壊を防ぐことになるだろう。都市づくりのラウンド テーブルに街の博物学者の席も設けなければならない。

l羊~O

‑89‑

1主

. r . . . . . . . .

・‑‑,寝

室 i

側 ,‑K 

匡三 地 域 づ く り と 農 村 リ ゾ ー 卜

一 愛 媛 県 上 浮 穴 郡 久 万 町 の 事 例 を 通 し て 一

小 泉 勇 治 郎 ( 松 山 東 雲 女 子 大 学 ) キ ー ワ ー ド : グ リ ー ン ツ ー リ ズ ム 、 農 村 リ ゾ ー ト 、 ク ラ イ ン ガ ル テ ン 、 地 域 づ く り

は じ め に :

1 9 6 9年 に 臨 議 決 定 さ れ た 新 全 国 総 合 開 発 計 画 の 基 本 目 標 は 、 豊 か な 環 境 の 創 造 で あ っ た 。 し か し 具 体 的 な 開 発 方 式 は 、 大 規 模 プ ロ ジ ェ ク ト 構 想 で あ り 、 む つ ・ 小 河 原 や 苫 小 牧 東 の 例 に も あ る よ う に 、 課 題 で あ っ た 人 と 自 然 と の 調 和 や 自 然 の 恒 久 的 保 護 、 保 存 な ど は 達 成 で き ず に 終 わ っ た 。 ま た 、 1 9 8 7年 か ら 始 ま っ た 第 4次 全 国 総 合 開 発 で は 多 極 分 散 型 国 土 の 僧 築 を 目 標 と し 、 交 流 ネ ッ ト ワ ー ク 構 想 と い う 開 発 方 式 を つ か っ て 地 域 特 性 の 活 力 化 、 交 通 ・ 情 報 ・ 通 信 体 系 の 整 備 、 交 流 機 会 の 形 成 を 図 っ た . こ の 計 画 の 目 玉 は 、

1

9 8 7年 に 施 行 さ れ た 「 総 合 保 護 地 域 整 備 法 」 で あ っ た . し か し な が ら 、 ま す ま す 東 京 一 極 集 中 は 加 速 さ れ 、 地 方 の リ ゾ ー ト 開 発 に は だ ぶ つ い た 民 間 資 本 の 地 方 へ の 投 資 が 行 わ れ 、 バ ブ ル の 崩 犠 と と も に 開 発 計 画 は 、 縮 小 ・ 取 り や め ・ 延 期 な ど と な っ た 。

5度 目 の 計 画 で あ る 全 国 総 合 開 発 計 画 は

r

2 1世 紀 の 国 土 の グ ラ ン ド デ ザ イ ンj を メ イ ン タ イ ト ル と し 、 サ ブ タ イ ト ル と し て 「 地 域 の 自 立 の 促 進 と 美 し い 国 土 の 創 造Jを 挙 げ て い る 。 し か し な が ら 、 こ の 計 画 も 環 境 に 対 す る 認 識 の 改 善 が 課 題 で あ る と か 、 自 由 時 間 の 活 用 に 関 す る 視 点 が 欠 知 し て い る な ど の 指 摘 が あ る 。

そ う い っ た 国 家 的 計 画 が 進 め ら れ て い く 中 で 、 農 山 村 を 中 心 と し た リ ゾ ー 卜 事 業 、 ツ ー リ ズ ム が 農 山 村 活 性 化 の ひ と つ と し て 全 国 的 に 台 頭 し て き て い る .

2 1世 紀 の 国 土 の グ ラ ン ド デ ザ イ ン (5全 総 ) に お い て も 農 村 と の 関 わ り に 言 及 し て い る が 、 そ こ で は 現 在 の 農 業 改 善 と 農 村 リ ゾ ー ト と の ギ ャ ッ プ が あ る よ う に 思 え る .

本 研 究 で は 愛 媛 県 上 浮 穴 郡 久 万 町 で 実 施 さ れ て い る 「 農 村 リ ゾ ー ト 地 づ く りJを 事 例 と し て 取 り 上 げ 、 自 然 へ の 回 帰 と 環 境 保 全 志 向 の 中 で の 本 来 あ る べ き リ ゾ ー 卜 開 発 な の か を 探 っ て み る こ と と し た .

2.

研 究 の 目 的

愛 媛 県 の 中 南 部 、 上 浮 穴 郡 の 北 西 に 位 置 す る 久 万 町 は 、 四 国 山 地 に 固 ま れ た 東 経 1 3 2度 5 5分 、 北 緯 3 3度4 1分 に あ り 、 標 高4 0 0 m ‑ 8 0 0 mの高原の町である。

こ の 久 万 町 は 「 自 然 と 共 生 す る 高 原 文 化 の ま ち づ く り 」 を キ ャ ッ チ フ レ ー ズ に 、 自 然 と 共 生 す る 農 林 業 に 支 え ら れ た 美 し い 環 境 の 農 山 村 づ く り を 基 本 に 、 都 市 と 経 済 、 文 化 交 流 の あ る 農 村 リ ゾ ー ト 地 と し て 町 づ く り を 行 っ て い る 。 本 研 究 で は 、 1 9 7 2年(昭和 4 7年) か ら 始 ま っ た こ の f農 村 リ ゾ ー ト 地Jづ く り が ど の よ う な 発 想 か ら 誕 生 し 、 現 在 ど の よ う な プ ロ グ ラ ム 展 開 を し て い る の か 、 ま た 将 来 に 向 か つ て 何 を 発 信 し よ う と し て い る の か を 検 証 し て み た .

3、 研 究 の 方 法

90‑

愛 媛 県 上 浮 穴 郡 久 万 町 長 と の 面 接 イ ン タ ビ ュ ー を は じ め 、 商 工 観 光 課 ・ 農 政 課 ス タ ッ フ へ の 面 接 イ ン タ ビ ュ ー 、 久 万 町 関 係 資 料 の 分 析 ( 分 析 資 料 は 以 下 の 通 り で あ る ) を 実 施 し た。

1 ,久万町誌(増.補改訂版 1 9 8 9年 2, 平 成 1 0年 度 久 万 町 教 育 の 現 状 と 重 点 目 標 3 , 久 万 町 の ま ち づ く り 1 9 9 5年 4, 県 政 の あ ゆ み 平 成 9年 度 版 愛 媛 県

久 万 町

久 万 町 教 育 委 員 会 久 万 町

5, 生 活 文 化 県 政 新 プ ラ ン 2 1一 一 豊 か な 暮 ら し 、 ゆ と り の 社 会 、 た く ま し い 郷 土 の 実 現 一 一 愛 媛 県

6, 久 万 町 勢 要 覧 1 9 9 8 1 9 9 8年 1月 久 万 町 役 場 そ し て 、 現 地 へ の フ ィ ー ル ド ワ ー ク を 行 っ た 。

4

, 結 果 、 考 察

久 万 町 の 主 産 業 は 農 林 業 で あ る が 、 こ こ 3 0年 来 全 国 共 通 で あ る 若 年 者 層 の 都 市 へ の 転 出 に よ る 過 疎 化 、 高 齢 化 が あ り 、 人 口 動 態 は 表 ー 1のごとくである。

表 ‑1  久 万 町 人 口

人 口

i

戸 数

19 5 9年 ( 昭 和 3 4年 1 4 9 7 9人 3 2 6 0 1 9 6 5年 ( 昭 和 4 0年 1

5 6 8人 3 3 5  6戸 1 9 8 7年 ( 昭 和 62年 8 4 9 3人 3 0 1  6戸 1 9 9

月空(

!jL 1

ち 2 ~干:!__J・・・・_

̲ 

~_

̲ 

~_ ~_

̲ 

~_!-:-_   ̲ ̲ ̲ ̲ l ̲  

̲̲̲ー・

. ? . 1 R 1 竺 ‑‑

1 9 9 5年 ( 平 成 7年 7 8 9 6人 3 0 4  6戸 1 9 9  7年 ( 平 成 9年 7 7 8 0人 3 0 7 8戸

ま た 、 農 業 人 口 も 年 々 減 少 し 、 1 9 7 0年 ( 昭 和 4 5年) 7 0 9 6人であったが、 1 9 9  5年 ( 平 成 7年 ) に は 3 4 8 6人 に 減 少 し て い る 。 ま た 高 齢 化 率 も 1 9 9 5年 に は 6 5歳 以 上 の 高 齢 者 が 2 8 %になっている。

久 万 町 は 、 そ う い っ た 状 況 の な か 、 む し ろ 不 振 の 農 林 業 を 起 爆 剤 と し て 町 づ く り を 始 め た 。 そ れ は 、 久 万 町 第 3次 総 合 振 興 計 画 で あ り 、 そ の メ イ ン テ ー マ は 「 自 然 と 共 生 す る 高 原 文 化 の ま ち づ く り 」 で あ る 。 計 画 策 定 に あ た っ て 、 そ れ ら が プ ロ の コ ン サ ル タ ン ト に よ っ て 作 ら れ た の で は な く 、 町 民 の 参 加 と 協 力 に よ っ て 策 定 さ れ た も の で あ る こ と を 強 調 し て お きたい。

そ し て 、 次 の よ う な ま ち づ 〈 り の 具 体 的 な 事 業 が 開 始 さ れ た .

1 , 稲 作 省 力 化 に よ る 高 原 野 菜 栽

t

音 . ト マ ト ・ 大 根 ・ ピ ー マ ン 等 の 生 産 団 地 化 ・ 銘 柄 確 保 化 ( ト マ ト は 約 1 0億 円 産 業 に 発 展 )

, 観 光 農 業 や ク ラ イ ン ガ ル テ ン ( 市 民 農 園 ) の 推 進 、 消 費 者 ニ ー ズ に 対 応 す る 流 通 情 報 調 査 活 動 の 実 施

3,第 3セ ク タ 一 方 式 に よ る 若 手 林 業 家 の 育 成 と 、 木 造 建 築 文 化 の 再 生

91‑

ドキュメント内 レクリエーション研究 (ページ 90-95)

関連したドキュメント