有害事象の発現率はブロモクリプチン群の 90. 5%,プラセボ群の 76.9%に対して,プラミペキソール
L- DOPA 1 日投与量
1001〜9999 mg 4 (5.1) 7 (8.3) 10 (12.1) 21 (8.5)
塩酸セレギリン なし 33 (41.8) 39 (46.4) 38 (45.8) 110 (44.7) の使用 あり 46 (58.2) 45 (53.2) 45 (54.2) 136 (55.3) p=0.676c)
c)
治験薬のコンプライアンス服薬不良(服薬率:30.6〜72.7%)の症例が計
6
例(PPX群:2例,BROM群:1例,プラセボ群:3 例)あった。また,服薬率が不明な症例が計4
例(PPX群:3例,BROM群:1例)あった。d)
治験薬の投与量と投与期間維持期で最高投与量(用量レベル
11)の投与を受けた症例の割合および最終投与量ならびに漸増期お
よび維持期の投与期間を表ト−129に示した。維持期で最高投与量の投与を受けた症例の割合はPPX
群(プラミペキソール
4.5 mg/日)で 38.9%
(28/72例),BROM群(ブロモクリプチン 30 mg/日)で55.1%
(43/78例),プラセボ群で
63.5%(47/74
例)であった。維持期最終時投与量(平均値±S.D.)はPPX
群 が3.36±1.16 mg/日, BROM
群が22.64±9.65 mg/日であった。また, PPX
群およびBROM
群の維持期間 はプラセボ群に比べ長かった。表ト−129.治験薬の投与期間と投与量
維持期における投与量 投与期間(日)
最高投与量a)の症例の割合 最終投与量(mg/日) 漸増期 維持期 PPX群 38.9% (28/72) 3.36±1.16 68.65±21.98 138.31±61.30 BROM群 55.1% (43/78) 22.64±9.65 72.45±22.27 141.89±60.89 プラセボ群 63.5% (47/74) − 73.46±20.25 114.06±68.68 a):PPX群:プラミペキソール 4.5 mg/日,BROM群:ブロモクリプチン 30 mg/日 平均値±S.D.
(Page 147, Appendix 15.9.2, Table 4.3.1, 4.4.1)
e)
有効性i) UPDRS Part II(日常生活動作)−有効性主要評価項目−
ITT
解析対象における日常生活動作13
項目について,on
時の合計スコアおよびoff
時の合計スコアを 平均した投与前および維持期最終時のUPDRS Part II
合計スコア(中央値)および変化量(維持期最終 時−投与前)を表ト−130に示した。維持期最終時のUPDRS Part II
スコアは投与前と比較してPPX
群 で2.50,BROM
群で1.50,プラセボ群で 0.50
減少し,3 群間に有意な差が認められた(p=0.0007)。2 群間ごとでそれぞれ比較すると,PPX
群およびBROM
群はともにプラセボ群に比し有意に減少した(そ れぞれ,p=0.0002,p=0.0171)。PPX群とBROM
群間には有意な差は認められなかった(p=0.1831)。なお,主要目的の
PPX
群とプラセボ群の比較ではPP
解析対象例でも解析を行ったが,ITT解析対象 例と同様に2
群間に有意な差が認められた(p=0.0001) (表ト−131)。表ト−130.ITT解析対象例における
UPDRS Part II
中央値(25%点, 75%点) 検定a) 例数 投与前 維持期最終時
変化量 (維持期最終時−
投与前)
変化率 (%)
変化量の比較 p値 11.00 8.00 −2.50 −26.67
PPX群 79
(8.50, 17.00) (4.50, 14.00) (−6.00, 0.00) (−46.67, 0.00) 10.25 9.25 −1.50 −13.96 BROM群 84
(8.00, 15.00) (5.25, 13.75) (−5.00, 0.50) (−42.63, 5.41) 12.00 11.00 −0.50 −4.76 プラセボ群 83
(8.50, 16.50) (7.50, 17.00) (−2.50, 1.50) (−20.00, 12.50)
3群間 PPX vs プラセボ BROM vs プラセボ
PPX vs BROM
0.0007 0.0002 0.0171 0.1831 a):3群間ではKruskal-Wallis検定,各2群間ごとの比較ではWilcoxon検定を用いた。 (Table 9.3.1.3.1:1, 9.3.1.3.2:2) PPX群:プラミペキソール群,BROM群:ブロモクリプチン群
表ト−131.PP(Per-Protocol)解析対象例における
UPDRS Part II
中央値(25%点, 75%点)例数 投与前 維持期最終時 変化量
(維持期最終時−投与前)
Wilcoxon検定 (変化量の比較) PPX群 73 11.00 (8.50, 16.50) 7.00 (4.50, 13.50) −2.50 (−6.00, −1.00)
プラセボ群 74 11.25 (8.00, 16.00) 10.50 (7.50, 16.50) −0.50 (−2.50, 1.50) p=0.0001 PPX群:プラミペキソール群 (Table 9.3.1.1.3:1)
ii) UPDRS Part III (運動能力検査)
−有効性主要評価項目−ITT
解析対象における投与前および維持期最終時でのon
時の運動能力検査14
項目を合計したUPDRS
Part III
スコア(中央値)および変化量(維持期最終時−投与前)を表ト−132に示した。維持期最終時の
UPDRS Part III
スコアは投与前と比較してPPX
群で6.00,BROM
群で5.00,プラセボ群で 2.00
減少 し,3
群間に有意な差が認められた(p=0.0017)。2
群間ごとでそれぞれ比較すると,PPX
群およびBROM
群はともにプラセボ群に比し有意に減少した(それぞれ,p=0.0006,p=0.0113)。PPX群とBROM
群間 には有意な差は認められなかった。なお,主要目的の
PPX
群とプラセボ群の比較ではPP
解析対象例でも解析を行ったが,ITT解析対象 例と同様に2
群間に有意な差が認められた(表ト−133)。表ト−132.ITT解析対象例における
UPDRS Part III
中央値(25%点, 75%点) 検定a) 例数 投与前 維持期最終時
変化量 (維持期最終時−
投与前)
変化率 (%) 変化量の比較 p値 79 25.00 16.00 −6.00 −34.88
PPX群
(17.00, 37.00) (9.00, 26.00) (−14.00, −1.00) (−61.54, −6.67) 84 23.00 17.00 −5.00 −23.83 BROM群
(23.00, 30.50) (10.00, 24.00) (−13.50, 0.00) (−50.00, 0.00) 83 24.00 21.00 −2.00 −5.71 プラセボ群
(17.00, 35.00) (14.00, 32.00) (−8.00, 3.00) (−30.00, 12.12)
3群間 PPX vs プラセボ BROM vs プラセボ
PPX vs BROM
0.0017 0.0006 0.0113 0.3582 a):3群間ではKruskal-Wallis検定,各2群間ごとの比較ではWilcoxon検定を用いた。 (Table 9.3.1.3.2:1, 9.3.1.3.2:2) PPX群:プラミペキソール群,BROM群:ブロモクリプチン群
表ト−133.PP(Per-Protocol)解析対象例における
UPDRS Part III
中央値(25%点, 75%点)例数 投与前 維持期最終時 変化量
(維持期最終時−投与前)
Wilcoxon検定 (変化量の比較) PPX群 73 24.00 (17.00, 37.00) 16.00 (9.00, 25.00) −7.00 (−14.00, −2.00)
プラセボ群 74 23.50 (16.00, 35.00) 20.00 (12.00, 32.00) −2.00 (−8.00, 3.00) p=0.0008
PPX群:プラミペキソール群 (Table 9.3.1.1.4:1)
iii) UPDRS Part II
およびPart III
スコアの推移UPDRS Part II
スコア(中央値)の推移を図ト−10に示した。投与4
週後にPPX
群のUPDRS Part II
ス コア(中央値:10.00,25%点:6.00,75%点:15.00)はプラセボ群(中央値:10.00,25%点:7.50,75%与
8
週後にプラセボ群に優り,以降36
週後までプラセボ群に優った。投与スケジュールでの投与8
週 後のブロモクリプチンの投与量は7.5 mg/日であった。なお,漸減期終了時における UPDRS Part II
はPPX
群およびBROM
群ともに投与前とほぼ同じスコアになった。PPX群:プラミペキソール群,BROM群:ブロモクリプチン群 (Table 9.3.1.1.4:2) 図ト−10.UPDRS Part IIスコア(中央値)の推移
UPDRS Part III
スコア(中央値)の推移をに示した。PPX
群のUPDRS Part III
スコアは投与6
週後(投 与スケジュールでの投与量:2.25 mg/日)にプラセボ群に比べ優り,以降,維持期最終時の36
週後まで 優った。BROM群は投与8
週後(投与スケジュールでのブロモクリプチン投与量:7.5 mg/日)にプラセ ボ群に優り,以降36
週後までプラセボ群に優った。なお,漸減期終了時におけるUPDRS Part III
はPPX
群およびBROM
群ともに投与前とほぼ同じスコアになった。PPX群:プラミペキソール群,BROM群:ブロモクリプチン群 (Table 9.3.1.1.4:3) 図ト−11.UPDRS Part IIIスコア(中央値)の推移
投与前値からの変化量についてのPPX群とプラセボ群の比較(Wilcoxon検定)
投与期間(週) 2 4 6 8 10 12 16 20 24 28 36 p値 0.9604 0.0392 0.0027 0.0019 0.0036 0.0058 0.0019 0.0101 0.0014 0.0013 0.0002
0 2 4 6 8 10 12 14
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 投与期間(週)
PPX群、79例 BROM群、84例 プラセボ群、83例
UPDRS PartⅡ合計スコア
投与前値からの変化量についてのPPX群とプラセボ群の比較(Wilcoxon検定)
投与期間(週) 2 4 6 8 10 12 16 20 24 28 36 p値 0.3595 0.1471 0.0043 0.0082 0.0141 0.0030 0.0002 0.0024 0.0013 0.0011 0.0006
UPDRS Part III
0 5 10 15 20 25 30
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 投与期間(週)
PPX群、79例 BROM群、84例 プラセボ群、83例
UPDRS Part Ⅲ合計スコア
UPDRS Part II
iv) UPDRS Part II
およびPart III AUC,UPDRS Part IV
およびPart I〜IV
合計スコアUPDRS Part II
およびPart III
のAUC(area under the curve),UDPRS Part IV(治療の合併症)ならびに
UPDRS Part I(精神機能,行動および気分)から Part IV
までのスコアを合計した合計スコアの投与前からの変化量を表ト−137に示した。なお,AUCは長期にわたる効果を検討するために算出した。
UPDRS Part II
およびPart III AUC
AUC
は維持期のvisit 9〜12(投与 16〜28
週後)およびvisit 14(投与 36
週後)の各スコアから投与 前のスコアを引き,台形法によって求めた。したがって,マイナスの値が改善を示す。UPDRS Part II AUC
の中央値はPPX
群,BROM群およびプラセボ群でそれぞれ−2.50,−1.80およ び0.70
で,3群間に有意な差が認められた。2群間ごとの比較では,PPX群およびBROM
群はプラセ ボ群に有意に優った。なお,PPX群とBROM
群間には有意な差はみられなかった。UPDRS Part III AUC
もPart II AUC
と同様の結果で,PPX
群およびBROM
群はプラセボ群に有意に優 った。PPX群とBROM
群間には有意な差はみられなかった。UPDRS Part IV
合計スコアUPDRS Part IV
合計スコアはジスキネジア,症状の日内変動および他の症状の日内変動に関する11
項目から構成されている。スコアの変化量(維持期最終時−投与前)で
3
群間に有意な差は認められなかった。
UPDRS Part IV
は,L-DOPA
治療によるドパミン系運動性合併症の有無およびその重症度の評価,さらには治療薬に共通してみられる有害事象の有無を評価する項目として作成されており,以下に示す
A.
ジスキネジア,B. 症状の日内変動,C. その他の合併症の3
種の下位項目から構成されている。A.
ジスキネジアジスキネジアは不随意に顔面,頚部,体幹や四肢などにおきてくる舞踏病様症状で,パーキンソン病 では,長期
L-DOPA
治療の経過中に発現することが多い。L-DOPA誘発性のジスキネジアは,ドパミン の血中濃度の上昇による基底核での過剰ドパミン濃度に基づくPeak dose dyskinesia
が多く,L-DOPAのover dose
を示しているものと考えられている。そのため,L-DOPAの減量によりジスキネジアも軽減することが多い7)。また,
L-DOPA
併用下ドパミン受容体作動薬をある程度以上増量すれば,用量過剰によ るジスキネジアの発現や増悪がみられる。そのため,ドパミン受容体作動薬をある程度以上増量する場 合には,それに伴って相当量のL-DOPA
の減量が必要になる54)。本試験では,表ト− 134に示すように,UPDRS Part IV Aスコアの投与前からの変化量は,PPX群で
−0.03±1.70(平均値±S.D.),BROM群で−0.51±1.73,プラセボ群で−0.53±1.62であった。このよう に,ジスキネジアの発現に関してすべての群でスコアはほぼ不変あるいは減少しており,悪化の傾向は みられなかった。一方,有害事象としてのジスキネジアは
PPX
群40.0%, BROM
群45.2%およびプラセ
ボ群
26.5%にみられており,PPX
群,BROM群で高かった。本試験では,L-DOPA用量は試験期間中一定とすることになっているが,ジスキネジアが発現した症例では,治験薬の減量に加え,L-DOPAの減 量などの処置が行われている。そのため,有害事象としてジスキネジアが高率に発現しているものの,
維持期最終時点の
UPDRS Part IV A
のスコアでは,上昇がみられなかったものと考えられる。表ト− 134.Part IV A ジスキネジア Dyskinesias
投与前 維持期最終時 変化量
症例数 76 76 76
PPX群
平均値±S.D. 1.82±2.06 1.79±1.81 −0.03±1.70
症例数 81 81 81
BROM群
平均値±S.D. 2.20±2.12 1.69±1.91 −0.51±1.73
症例数 80 81 80
プラセボ群
平均値±S.D. 1.93±1.95 1.40±1.93 −0.53±1.62 PPX群:プラミペキソール群,BROM群:ブロモクリプチン群
B.
症状の日内変動パーキンソン病患者に対し
L-DOPA
を長期に投与していると,症状の日内変動であるwearing−off
現 象, on-off現象の発現がみられる。wearing-off現象は,L-DOPA製剤の服用が始まって,通常は5
年前後 経過して出現することが多い。日内変動の発生機序としては,パーキンソン病の初期には血中L-DOPA
濃度の変動を緩衝するための線条体のドパミン神経細胞が十分に残存しているため,半減期の短いL-DOPA
の1
日1−2
回の投与でも症状の日内変動が少ない。しかし,パーキンソン病進行期になると線条体ドパミン神経終末の変性が進行し,投与された
L-DOPA
を保持できる時間が短くなり,それに伴いL-DOPA
の効果の持続時間が短縮する7,55)。したがって,血中L-DOPA
濃度の変動によって症状の変動が顕著に出現すると考えられている。通常,
L-DOPA
服薬後,効果がみられる時間をon
時間,効果がなく なった時間をoff
時間とよんでいる。またon-off
現象は服薬と関係なく急に症状の改善や悪化がみられ る現象である。UPDRS Part IV B
ではこれらの日内変動のoff
時間の有無と,その起きている時間の内のoff
時間の長さを調査することを目的として作成されている。本試験における
B
のスコアの変化量を表ト− 135に示した。PPX群,BROM群およびプラセボ群で それぞれ−0.95±1.41,−0.63±1.48,−0.01±1.55であり,PPX群,BROM群はプラセボ群よりも大き な減少を示した。表ト− 135.Part IV B 症状の日内変動 Clinical Fluctuations
投与前 維持期最終時 変化量
症例数 79 79 79
PPX群
平均値±S.D. 3.58±1.22 2.63±1.20 −0.95±1.41
症例数 84 84 84
BROM群
平均値±S.D. 3.30±1.04 2.67±1.43 −0.63±1.48
症例数 83 83 83
プラセボ群
平均値±S.D. 3.37±1.07 3.36±1.38 −0.01±1.55 PPX群:プラミペキソール群,BROM群:ブロモクリプチン群