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DNAR 指示は日本版 POLST -Physician Orders for Life Sustaining Treatment- ( DNAR 指示を含む)「生命を脅かす疾患に直面し

ドキュメント内 DNRについて考える (ページ 51-64)

DNAR DNR

6. DNAR 指示は日本版 POLST -Physician Orders for Life Sustaining Treatment- ( DNAR 指示を含む)「生命を脅かす疾患に直面し

ている患者の医療処置(蘇生処置を含む)に関する医師によ る指示書」に準拠して行うべきではない

日本版POLST(DNAR指示を含む)は日本臨床倫理学会が作成し公表している

POLSTは米国で使用されている生命維持治療に関する医師による携帯用医

療指示書である

急性期医療領域で合意形成がなく十分な検証を行わずに導入することに危 惧がありDNAR指示を日本版POLSTに準じて行うことを推奨しない

日本集中治療医学会 Do Not Attempt Resuscitation(DNAR)指示のあり方についての勧告

POLST とは

Physician Orders for Life-Sustaining Treatment

• 米国で提唱された概念

• 医師からの指示

• 対象:重症患者が終末期に受ける医療の質 を向上させる目的で開発され予後1年以内 もしくは高齢で終末期に自分の思う通りの ケアを受けたい患者

• 転院しても共有される

• 全米の多くの州(50州中40州以上)で採用 か◌゙進んでいる

A:心肺蘇生(CPR)、B:医学的処置、

カリフォルニア州のPOLST

学会の POLST に対する考え

• 米国でも根強い反対意見や肯定的導入効果への疑問があり法制上の 問題点が指摘されている制度

• 日本集中治療医学会では勧告とは別に以下の指示書の中でPOLSTに対 して意見を述べている

• 医療費削減の道具であるという見方ができる

• 必要な医療を制限している可能性がある

• 患者がPOLSTを携帯していれば救急隊が搬送しないとか高齢者を切り捨

てる免罪符に使われ救命の努力が放棄されるなどの懸念がある

• 考え方や法律など様々なものが異なる海外のものを直接取り入れること への懸念がある

「生命維持治療に関する医師による指示書(Physician Orders for Life-sustaining Treatment:POLST)とDo Not Attempt Resuscitation(DNAR)指示」

Do Not Attempt Resuscitation(DNAR) 指示のあり方についての勧告

7. DNAR 指示の実践を行う施設は、臨床倫理を扱う独立した病

院倫理委員会を設置するよう推奨する

日本集中治療医学会倫理委員会が評議員を対象に施行した「臨床倫理に 関する現状調査」では、臨床倫理を扱う独立した倫理委員会が設置されて いる施設は67.1%である

勧告を踏まえて

• DNR ( DNAR )と治療制限について

• DNR ( DNAR )という言葉の誤解

• 現代の ICU において DNR ( DNAR )という言葉は必要か

について検討する

DNR ( DNAR )と治療制限について

「 DNR ( DNAR )は治療制限の一部であるが DNR ( DNAR )によって それ以外の医療・ケアが制限されてはいけない」

• 厚生労働省のガイドラインと3学会合同ガイドラインに準じてDNR(DNAR) 指示もそれ以外の終末期になされる治療制限も行われるべきである

• 治療制限には酸素投与、気管挿管、人工呼吸器、補助循環装置、血液 浄化、昇圧薬、抗不整脈薬、抗菌薬、輸液、栄養、鎮痛・鎮静、ICU入室

などが含まれる 3学会合同ガイドライン

DNR

治療制限 DNAR DNR 治療制限

DNAR

DNR ( DNAR )という言葉の誤解

• DNR ( DNAR )指示で CPR 以外の治療制限まで行われている

• 終末期医療と DNR ( DNAR )を混同している

• 非終末期など本来適応ではない蘇生の可能性がある病態・

患者に対しても DNR ( DNAR )指示が出されている( ADL が低い、

後期高齢者等)

• DNR ( DNAR )を取らないと何か問題があった時に殺人容疑で 書類送検・起訴されてしまうと思っている

• Partial DNAR を DNR ( DNAR )だと思っている

• 1 回 DNR ( DNAR )を取得すれば終わりだと思っている

など 誤解の多くは言葉の曖昧さや共通認識形成の

難しさ・不十分さからきていると考えられる

Int J Gen Med 2016;9:213-220.

現代の ICU において DNR ( DNAR )という 言葉は必要か?

3つのケースのシミュレーション(日本)

1:進行癌、2:進行認知症、3:非末期心不全

各ケースで DNRの有無で 行われる治療の 割合

Int J Gen Med 2016;9:213-220.

• DNRがあってもCPRに含まれる医療行為をする医師が意外といる

• DNRという言葉が曖昧なままでは治療制限による害を及ぼすかもしれない

医師の意思決定に影響する侵襲度による影響

全ケースとも高侵襲である程影響した 各ケースでDNRの有無で行われるCPRの割合

→DNRありで心停止ならCPRを行わないがVFなら DNRがあってもCPRを行う医師が意外と多かった

最悪予後群(Decile10:神経学的良好予後予想率4.0%)のDNR指示率は36.0%

JAMA. 2015 Sep 22-29;314(12):1264-71.

院内心停止後に自己心拍を再開した患者における心拍再開12時間以内の蘇生不要

DNR)指示と神経学的アウトカムの関連を検討(n=26,327

現代の ICU において DNR ( DNAR )という 言葉は必要か?

• 文献が示すように DNR ( DNAR )指示があっても状況によって は該当する医療行為を行っていたり DNR ( DNAR )指示の有無 と予後予測が相関していなかったりと DNR ( DNAR )という指示 の存在自体がとても曖昧である

• 予定外のイベント(医原性の合併症による心停止など)や

DNR ( DNAR )指示に至った原因以外での心停止(治療可能な

心停止など)といったあらゆる状況において DNR ( DNAR )指示

を細かく設定することやこのような状況でも DNR ( DNAR )指示

を有効にするのかをあらかじめ決めておくことは現実的では

ない

現代の ICU において DNR ( DNAR )という 言葉は必要か?

• 繰り返し述べているように DNR ( DNAR )への誤解というものは 根深いものがあり共通認識の形成や DNR ( DNAR )マニュアル を独立して作成することで改善される可能性はあるが理想論 と言えるかもしれない

• 少なくとも治療制限を含め患者への最適な医療について

日々話し合いを行い患者本人・家族・医療者間で合意形成

が得られているような ICU においてはわざわざ誤解を生じや

すい DNR ( DNAR )という言葉を使う必要がないのではないか

と思われる

まとめ

• DNR という言葉がこの世に生まれて 40 年が経過した

• 2016 年に行われた DNR ( DNAR )に対する現状・意識調査から DNR ( DNAR )に関する様々な誤解や問題点が浮き彫りとなり 日本集中治療医学会から「 DNAR 指示のあり方についての勧 告」が出されるに至った

• DNR ( DNAR )は「心停止時に心肺蘇生をしない指示て◌ ゙あり通 常の医療・看護・ケアに影響を与えない」ということである

• 共通認識が形成され DNR ( DNAR )の独立した運用指針が作

成されるのが理想であるが日々患者への最適な医療につい

て話し合いを行なっている ICU においては誤解を生じやすい

DNR ( DNAR )をもはや使用する必要はないのかもしれない

ドキュメント内 DNRについて考える (ページ 51-64)

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