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第Ⅲ部 目次

1.2. CE マーキング概要 2

RoHS(II)でCEマーキングが新たに義務化されました。CEマーキングに関する質

2 中小企業基盤整備機構 J-net21 ここが知りたいRoHS指令 コラム RoHSII)が要求するCEマーキングに関する情報整 理」より引用(http://j-net21.smrj.go.jp/well/rohs/column/120323.html

Ⅲ-3

問が増えてきていますので、改めてCEマーキングに関する情報を整理したいと思いま す。

(1)

非含有保証

RoHS(II)の目的は第4条1項の「加盟国は上市される電気電子機器に附属書IIに記 載された物質を含まないのを確実にするものとする」(Member States shall ensure that EEE placed on the market ・・・・・ does not contain the substances listed in Annex II.)です。

この附属書IIで特定された物質の非含有義務を受けて、第7条で製造者に次の義務を 課しています。

a. 電気電子機器の上市の際には、製造事業者は、第4条の要件(非含有義務)に従 って当該製品が設計、製造されていることを確認する。

b. 製造事業者は、必要な技術文書を作成し、Decision No 768/2008/ECの付属書II モジュールAに従い、内部生産管理手順を実施もしくは実施された状態とする。

c. bにおいて規定された手順に従って適用要件の順守が確認された電気電子機器

について、製造事業者はEU適合宣言書を作成し、CEマーキングを完成品に貼 付する。

製造事業者は特定物質の非含有を設計段階、製造段階で確認し、技術文書を作成し、

Decision No 768/2008/ECのモジュールAで管理された状態にする義務があります。

(2)

Decision No 768/2008/EC

Decision No 768/2008/ECはNew Legislative Framework(NLF)の構成する規定で、

従来のニューアプローチ指令を強化し、製品の市場流通のための「法律的枠組み」を 構築するもので、2010年1月1日に施行されました。

NLFは既存の指令が改定されるときに盛り込まれる運用がされ、現状では玩具指令 に続いてRoHS(II)が2番目の適用指令となります。

NLFはCEマーキングの信頼、権威を高めることを目的としています。このための取 組みが次項です。

1) 適合性評価の強化した適合性評価機関の認定(Accreditation)

2) 健康と環境を重視した市場監視(Market surveillance)を強化し、違反製品 の市場排除

指令ごとに微妙に異なる適合宣言書や技術文書の項目の統一や制度全体の簡素化に よる中小企業にも有益な枠組みになっていますが、違反に対して厳しい運用となりま す。

Decision No 768/2008/ECの附属書I・R7条では、製品を誰から購入し誰に販売した

かの記録を残す義務が要求されており、トレーサビリティが強化されています。

(3)

RoHS(II)の表示要求

NLFのトレーサビリティ要求に合わせてRoHS(II)では、製造事業者の義務として

Ⅲ-4 第7条に次を要求しています。

g. 製造事業者は、型式、バッチ、シリアルナンバーもしくはその他の製品特定が 可能な情報を電気電子機器に貼付することとし、寸法もしくは特性により製品 への貼付がかなわない場合には、これらの情報を包装、もしくは電気電子機器 に同梱される文書にて提供することとする。

h. 製造事業者は、電気電子機器上に問い合わせ可能な製造元名、登録商標名もし くは登録商標および住所を記載することとし、それがかなわない場合には、包 装もしくは電気電子機器に同梱される文書にて該情報を提供することとする。

記載する住所は問い合わせが可能な単一の住所とする。製造事業者名および住 所の貼付に関する条項を含む本規定と少なくとも同等の厳格さを持つ本規定以 外の連合規制が適用される場合には、それらの条項が適用されることとする。

CEマークの寸法は、765/2008/ECの附属書IIで適用法に定めない限り5mm以上とし ています。これを受けて、RoHS(II)第15条(CEマーキングの貼付に関するルール および条件)で次に条件を示しています。

「CEマーキングは、可視的、明瞭、かつ消えないように電気電子機器の完成品、も しくはその銘版に貼付することとする。それがかなわない場合、もしくは電気電子機 器の品質保証ができなくなる場合には、包装、および電気電子機器に同梱される文書 に貼付することとする」

(4)

違反処置

NLFにより、CEマーキング違反処置は厳しく当局が摘発することになります。RoHS

(II)第13条(EU適合宣言書)の第3項で「EU適合宣言書を作成することにより、製 造事業者は本指令の電気電子機器に関する規定の順守に対して責任を負うこととす る」とし、第7条(製造事業者の義務)で次を要求しています。

i. 上市した電気電子機器について、本指令への適合がされていないと思われる、

もしくはしていないと信じる製造事業者は、当該電気電子機器について、適切 な場合には即座に是正措置をとることとし、本指令に適合させる、販売を中止 する、もしくはリコールを行うこととし、即座に不適合と是正措置について当 該電気電子機器を上市している加盟国の国内所轄官庁に通知することとする。

j. 製造事業者は、加盟国の国内所轄官庁からの要求に応じ、当局が容易に理解で

きる言語にて、電気電子機器が本指令への適合を証明するために必要なすべて の情報および文書を提供することとし、また当局と協力のもと、当局の要求に 応じ、上市した電気電子機器の本指令への順守を確認するための対応すること とする。

違反を確認した当局は、EUの緊急警報システムRAPEXで1つの国で摘発された事項 がEU全体に通報する仕組みが使われる見込みです。

NLFにより、従来に増した厳しい措置が行われるようになります。

(5)

CEマーキングが要求する技術文書

RoHS(II)で要求されるCEマーキングには、Decision No 768/2008/ECのモジュー

Ⅲ-5 ル Aが適用されます。

モジュール A(内部生産管理)とは、第1項で「内部生産管理と製品試験は、第2項、

第3項および第4項に定める義務を製造業者が履行し、また、関連製品が同製品に適用 する法律文書の要求事項を満たすことについて、単独でその責任を負うことを確保・

宣言する際用いる適合性評価手順である」としています。

第2項は技術文書、第3項は製造、第4項は適合マークおよび適合性宣言書に関する 義務が記述されています。

技術文書の義務は次のとおりです。

 製造業者が技術文書を作成する。

 技術文書は、関連要求事項に定める製品適合性への評価につながり、リスクに 対する適切な分析および評価を含める。

 技術文書は適用可能な要求事項を詳細に記載し、製品の評価、設計、製造およ び運用に関する情報にできる限り触れる。

 可能な限り、技術文書には少なくとも以下の要素を含める。

a. 製品の概要

b. 構成部品、組立品、回路などの構想設計、製造図および図解

c. 製品の製造図および運用を理解するために必要とする説明および解釈

d. 整合規格および/または既に「EU官報」に開示された評価基準の全部または一 部に適用するその他関連技術仕様、ならびに整合規格が適用できなかった場合、

法律文書の必須要求事項に対応するために採用されたソリューションの説明を 記載する一覧表。整合規格が一部適用できる場合、同技術文書では、どの部分 が適用できるのかを詳細に記載する。

e. 設計計算、実行した検査などの結果 f. 実験レポート

技術文書はRoHS(II)第7条j項「製造事業者は、加盟国の国内所轄官庁からの要求 に応じ、当局が容易に理解できる言語にて、電気電子機器が本指令への適合を証明す るために必要なすべての情報、及び文書を提供することとし、また当局と協力のもと、

当局の要求に応じ、上市した電気電子機器の本指令への順守を確認するための対応を 行うこととする」により、EUの公用語(英語、ドイツ語、フランス語など23言語)の 1つ以上で記述することが要求されます。

(6)

EU適合宣言書

RoHS(II)第13条で適合宣言書が要求されています。この適合宣言は相手国に対す る順法宣言の意味を持っています。適合宣言書(Declaration of Conformity; DoC)は、

その機器が該当する指令の全ての要求(特に必須要求)に適合する旨の、製造業者、

もしくはEU域内の指名された代理人の文書による宣言です。

製造業者かその代理人は、EU域内への製品の出荷に先立って、「要求への適合性の 証明を行ない」、「適合宣言書を作成、署名し」、「機器にCE マークを貼付」の手順で

Ⅲ-6 適合宣言を行うことになります。

適合宣言書の項目は機器の識別番号や製造者の名称、所在地など附属書VIに規定さ れています。

第13条2項

EU適合宣言書においては、製品の情報を記載し、附属書VIに規定の要件を含め、常 に最新の情報に更新されるものとする。製品が上市された加盟国の求める1つ以上の言 語に翻訳されているものとする。本指令以外の連合規制において、本指令と少なくと も同等の厳格さの適合性評価手順の適用が必要な場合には、本指令第4条(1)の要件 の順守をその手順の中で証明することとし、独立した技術文書を作成することとする。

適合宣言書は輸出先国の指定された言語により記載することになります。

EUの公用語は23言語ですが、加盟各国言語は、例えば、オランダ語はオランダとベ ルギーで、フランス語はフランス、ベルギーとルクセンブルクで使われていますが、

ルクセンブルクではルクセンブルク語が公用語となり、キプロスではトルコ語が公用 語となっていますが、EUの公用語にはなっていません。細かなことですが、このよう な点にも留意する必要があります。

(7)

整合規格

適合宣言は相手国に対する順法宣言ですが、順法確認が国によって異なることは、

市場の自由流通というEC設立目的からすると大きな問題になります。

製品が規格に適合していれば法律要求事項に適合していると見なされます。この規 格が整合規格と言われるものです。

RoHS(II)の整合規格として。EN50581が2012年11月に官報(Official Journal of the

European Union)で告示されました。

サプライヤーからの非含有証明の扱いという点では、REACH規則のSVHC含有情報 との関連も考慮する必要があります。分母の問題、元素の濃度と化学式の濃度の違い なども考慮した簡便な方式の導入が必要となります。

また、情報の信頼性も課題となりますが、信頼性の視点では企業に品質マネジメン トシステムが必要となります。ISO9001マネジメントシステムの第三者認証まではい かなくても、実効ある仕組みは必要と思われます。中国RoHS(II)(自主認証実施規 則)では、マネジメントシステムの要求があります。

2. 2 . 適合 合宣 宣言 言書 書及 及び び技 技術 術文 文書 書テ テン ンプ プレ レー ート ト( ( R Ro oH HS S(II I I) )対 対応 応 2.1. CEマーキング関連での技術資料作成について

(1)

イントロダクション

CEマーキングでの自己宣言は企業としての宣言であり、対外的にすべてにおいて優 先される大事な宣言文です。自己宣言するにはそれらの証拠となるデータや技術的な