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C年   代

ドキュメント内 1  工房 関係 遺物 (ページ 38-45)

2)

平城京 内での平城宮土器Ⅲの実態は不明な点が多いが

,ま

とまった資料 としては

,前

川遺跡

3)

(左京九条一坊

)や

左京八条一坊六坪

SK3300の

出土土器 な どをあげ る ことがで きる。 また,

4)

関連 資料 としては

,左

京 四条 四坊九坪

SK2412出

土土器 があ る。

SK2001出

土 土器 は

こ うし た平城官土器Ⅲの解 明に資す る好資料 であ り

,上

師器椀

A(以

下椀

Aと

省略 す る

)を

中心 とし て分析を行 なってみたい。

まず

,平

城宮土器Ⅲ の基 準資料 であ る平城宮

SK 820出

土土器 では

,椀

AI(口径 18.7cm), 椀

AⅡ

(口

16.8cm)が

あ る。 それに対 し

,SK 2001で

,椀 AⅡ ,椀 AⅢ

(口

12.5cm)

が主体 で

,椀 AIは

その可能性 のあ る小破片が

2個

体 あ るにす ぎない。前川遺跡

,SK3300に

おいて も同様 の傾 向がみ られ る。 こ うした椀

Aの

あ りかたの差 が平城官 と平城京 との上器 の差 のひ とつ としてあげ られ るか もしれ ない。 あ るいは

,SK 820に

た また ま椀

AⅢ

が欠落 してい た とい うことも考 え られ るが

む しろ椀

AXが

特殊 な存在 であ って

基本的 に椀

Aは ,椀 AI

・ 椀

AⅢ

2種

で 構成 され

推移 してい った とい うのが

平城京 におけ る 実態 では なか ろ う

5)         6)

か。杭

Aが,金

属器 の模倣 形態 として 出現 した とすれ ば

,正

倉院宝物や興福寺金堂鎮壇具 にみ るよ うに

,祖

型 にな った と考 え られ る金銀器椀 に椀

AⅡ ,椀 AⅢ

と法量が近似す るものがあ る ことが注 目され る。金属器 を志 向 した とい う考 えに依拠すれば

,椀 Aの

出現期 にす でに椀

AI,

AⅡ ,椀 AⅢ

3種

の区分 が成立 していた とみ られ る。椀

AIが

平城官 におけ る特殊 な存在 で

,出

土量 も限 られ る とい うことが明 らかにな りつつある現在

,特

に平城京域 においては椀

A

,椀 AⅢ

を主体 として推移 してい った とす るほ うが妥 当であろ う。

また

,平

城宮 土器Ⅲ は

,椀 Aを

組成 に含 む ことが重要 な指標 として あげ られ て い る。 しか し,

Aを

器種構成 に もたず

,「

ほぼ天平年間中頃」で平城宮土器 Ⅱの新相 とされてい る左京四条 四坊九坪

SK2412出

土 土器 は土師器杯・ 皿類 に連llrk暗文 が皆無 で

,須

恵器杯

B蓋

に顕著 な屈 曲 がみ られない とい う特徴 を もち

,法

量分布 か らみて も

,平

城宮土器Ⅲ の古相 とす るべ きか もし れ ない。 そ うす る と

,椀 Aの

出現を もって平城宮土器Ⅲを

2期

に細分 で き

,SK2001出

土土器 はその新相 とす ることがで きるが

,平

城宮 内での良好 な資料 が不足 してお り

ここでは以上 の 見通 しを述べ るだlrtにとどめ

,将

来 の検討 を待 つ こととした い。

1)SK2001に

おいては上師器杯・皿に漆が付着 し た ものはみ られないが

,本

遺跡の他の遺構の出土 例では薄い膜状に付着 し

,須

恵器食器 と同 じ使用 形態であった ことがわかる。

2)奈

良市『平城京朱雀大路発掘調査報告書』1974。

3)奈

良国立文化財研究所『平城京左京八条一坊三

0∂

・六坪発掘調査報告書』1985。

4)奈

良国立文化財研究所『平城京左京四條四坊九 坪発掘調査報告』1983。

5)宮

内庁『正倉院の金工』1976。

6)帝

室博物館『天平地宝』1937。

外 国 製 品 に つ い て

平城官・平城京 内における奈良時代の外国産の土器には

,唐

お よび統一新羅の製品が知 られ ている(Tab.9)。 唐 の製品には

,三

,青

,白

磁があ り

大安寺

,左

京八条条間路東堀河 など

7遺

跡か ら計200片以上が出土 している。統一新羅の製品には緑釉陶器 と陶質土器があ り,

4遺

跡か ら計

5点

が出土 している。未だ資料不足の感が強いが

,唐

三彩の出土は平城京 内だけ であること

,統

一新羅 の製品については

,平

城官では緑釉陶器・ 陶質土器 ともに出土 している が平城京 内は陶質土器に限 られ る

,な

どの特徴を指摘できよう。陶質土器の器形は

,重

・ 瓶で あ り

,新

羅では 日用上器 としてのほか

,蔵

骨器 としても多 く用 い られ る器種 も含 まれ る。今回

1)

報告 した統一新羅陶器は

,そ

の伴出土器からみると従来の年代観 とは合致 しない。 この点 も今 後問題になろ う。

この ような外国製品の平城京への流入の背景 とその使用形態に関 しては

,今

後 の資料の増加 に待つ所が大 きい。

調 査 数 次 条 坊 位 置 遺 構 種 類 器 種 10

110

32

172

1962

1978

1965

1986

平城宮 内裏北方 平城宮

 

院 平城宮

 

院 平城宮

内裏東方

整地 層

SD 2700 唐 白磁

 

青磁

 

双耳壷 統一新羅

緑釉

 

壷 統一新羅

陶質

 

奈文研『平城宮報告Ⅶ』1976 奈文研『 昭和53年度平城概報』

同『年報1979』 1979 奈文研『年報1966』 1966 奈文研『 昭和61年度平城概報』

奈 良市

 127

156‑32

奈良市

  73

奈良市

 130

奈良市

  93

93

奈 良市 東 市 4

160

1987

1985

1966

1984

1987

1985

1975

1983

1985

右京五条 一坊十五坪 右京八条

一坊十四坪 大安寺

(左京六条)

左京二条 二坊十二坪 左京三条

四坊十一坪 左京七条

二坊六坪 左京八条

三坊十坪 左京八条

条間路位置 左京九条

三坊十坪

欝 劫 麟 幹 欝 壕 S D・ .5

枷 鞠

唐 三彩

 

杯 統一新羅

陶質

 

瓶 唐 三彩

 

陶枕

唐 三彩

 

陶枕

白磁

 

円面硯 唐

三彩

 

輸花杯 唐

青磁

 

壷 統一新羅

陶質

 

壷 統一新羅

陶質

 

奈良市『奈良市埋蔵文化財調査概要報 告書

 

昭和62年度』1988

本書

奈文研『奈文研年報1967』 1967,大 安 寺史編集委員会『大安寺史・史料』1984 奈良市『平城京左京二条二坊十二坪発 掘調査現地説 男会資料』1984 奈 良市『奈良市埋蔵文化財調査概要報 告書

 

昭和62年度』1988

奈良市『奈良市埋蔵文化財調査報告書 昭和60年度』1988

奈文研『平城京左京八条三坊発掘調査 概報―東市周辺東北地域 の調査』1976 奈良市『平城京東市跡推定地の調査Ⅱ

―第4次発掘調査概報』1984 奈文研『平城京左京九条三坊十坪発掘 調査報告』1986

奈文研『年報1986』 1987

Tab.9 

平城宮・ 京出土唐 。統一新羅陶器一覧表

1)金  

元龍「統一新羅上器初考」『考古美術』162・ 163,1984。

09

土 器 の胎 上 分 析

出土土器の一部について胎土分析を行ない

,産

地推定など今後 の検討 に備 えた。試料は

SK

2001出

土須恵器を主 とし

,統

一新羅陶器なども扱 った (Tab。 10)。

試料をそれぞれ約

0.5gず

つ採取 して

,ほ

う酸 リチ ュウムと混合 し

ビー ドサ ンプラーを用 いてガラス化 した。 ガラス化 した ものを

,蛍

X線

分析法に より測定 した。 なお

,標

準試料 と キ して,」

G‑1,JB‑1を

用いた。

この分析では

資料

No.7の A1203の

合有量が 他に比べて高 く

粘生成分が多いことを 示 している。また

CaOが

少ない ことも注 目され る。

これ らのデータは

,今

後の産地推定のデ ータとして基礎的知見に資す ることができると考え る。今後

,土

器の胎土分析にあたっては

,こ

こで試みた ような定量分析を進め

,分

析データの * 集積をはかることが必要である。

番 号 成 分

1 2 4 7

Si02 Ti02 A1203 Fe203

MnO MgO CaO

Na20

K20

P205 Rb20 SrO Zr02

71.0 1.2 19,0 3.9 0.030 1.5 0,54 0.62 1.8 0.047 0,013 tr O.026

67.0

0。97 21.0

6,0 0.031

1.1

0。35 0.43 2.5 0,049 0.016 tr O.029

69,0 1.3 20.0 4.8 0.031 1.3

0。34 0.65 2.6 0,061 0.015 tr O.026

72.0 1.0 19.0 4.0 0.034

0。83

0。44 0.86 2.2 0.058 0,014 tr O.028

69.0 0.88 20,0

4.8 0.028 0.71 0,75 1,3 2.6 0,046 0.016 0,014 0.031

66.0

1.1

23.0 4.5 0,030 1.3

0。37 0.89 2.4 0.065 0.017

tr O.028

67,0 1.0 26.0 4.3

0.56 0.089

0。24 1.5 0,046 0,012 tr

O.022 71.0

0.98 20,0

3.7

1.1

0.38 0.48 2.6 0,054 0.018 tr O,028

72.0 1.0 17.0 5,9 0.068

1.1

0,51

0。90 2.1 0.085 0.014 0.011 0,028

99.676 99。475 100,123 100。464 100。175 99.7 100。769 100。34 100,716 1〜3・

6;須

恵器壷

K  4;須

恵器董

P(PL.38227)5。 8;須

恵器壷

L 7;須

恵器董

B(Fig.45‑

338) 9;統

一新羅陶器 (PL.43望05) 1〜6・8;SK 2001   7,SK 1942   9;SK 2084

Tab。

10 

土器 の蛍光

X線

に よる定量分析結果 (数値は重量比を示す)

ど′0

5木 製 品

今回報告す る各調査区か ら

,工

,紡

繊具

,服

飾具

,部

材など,100点 を こえる木製品が出土 した。その大半は井戸に埋没 していたもので

,ほ

とん どが破損品である。

SE 1870で

は井戸の 側板に大形曲物容器の底板が数枚転用 されてお り

,SE 1375の

井戸側板の一枚には多足机の天

*f板

が再利用 されていた。いっぽ う

,10基

の井戸か ら出土 した斎串の中には完形品が多 く

,埋

没 していた理由が

,破

損 したために投棗 された他の木製品 とは異なっていた ことを示 している。

なお

,い

くつかの木製品について年輪年代測定を行なっているので参照 されたい。

A 木工具 TL.45)

 

(1)丸

棒状の木柄で

現状では

3片

に割れてお り

完全には接合 しない。心 持丸材を利用 し

,周

側面を維方向に細か く削 って

,断

面をほぼ円形に整形 している。一端の木 口面に不整円形の茎孔を とどめ

,茎

を焼 き込んで挿入 した痕跡がある。

SE 1550出

土。現存長

15 cm,径

1.0〜

1.2cm,茎

孔の直径

0.4cm,同

長 さ

5,lcmで

ある。ム ラサキシキブ材。

 

(2〜 7)刀

子は

7点

出上 した。 いずれ も破損品で

刀身を欠 くもの もある。

1)

2・

3は ,側

面形 が柄 の中央部分 で刀背方 向に曲折す る

I型

式 に属す る。

2は

柄 の中に鉄 刀身 の茎だけが残 る。SE 1385出土。長 さ

12.8cm,幅 1.6cm,厚

1.3cm,茎

孔 (柄元

)縦

0.8

cm,横

0.5cm。

3は

柄元 を欠損 し

,割

れ 口に焼 き込みに よる茎孔 の一部を とどめ る。SE 1550 出土。 現存長 さ

12,Ocm,幅 1.7cm,厚

さ 1.4cm。 41よ刀身 の大半 と柄 の後半部を欠 く。柄 は 残存部分 では曲折 して為 らず

,長

さか らみて

,柄

元 か ら柄頭 まで直線状 の九棒 であ るⅢ型式 と 推定 され る。柄 の断面形 は卵形 であ る。 刀身 は柄 元 に近 い部分 が残 るが

,銹

化 が進 み

,本

来 の 形状を とどめていない。

SE 1305出

上。柄 の現存長 さ

7.5cm,幅 1.4cm,厚

さ 1.Ocm。 5も 刀身の前半部 と柄 の後半部 を欠損 してい る。刀身は平造 り。棟厚

2.5mm。

柄 はて いね いに肖1

って断面精 円形 に整形 し

,柄

元か ら柄 頭 にかけて少 しずつ太 くつ くる。SE 1917出土。現存長 さ

6.lcm,柄

元 での幅

1,Ocm,同

厚 さ

0.8cm,柄

の中央付近 での幅

1.2cm,同

厚 さ 1.Ocm。

6は

刀身 の一部 が残 り

,茎

部分 に柄 の木質 が付着す る。刃関 と棟 関をつ く り出 した角棟 の平造 り。棟厚

0.3cmo SE 1550出

土。

 7は

刀身を欠 き

柄 も後半部 を折損す る。 柄 の断面 は円形 に近 く

,柄

元木 口に茎孔 が残 る。柄 の現存長 さ

5.5cm,厚

1,lcm,茎

径 (柄 元)0.65 cm×

0.3cm,茎

孔 の長 さ

4.2cmo SE 1385出

土。

PL.3321の

刀子 は柄 を欠 く刀身 の一部。刃関・

棟 関 をつ く り出 した角棟 の平造 り。現存長

4.6cm,刀

身 幅

1.lcm,棟

0.2cmo SE 1550出

土 。2・ 6・

7が

ム ラサキシキブ材

, 3が

ア カガシ亜属材

, 5が

カキ ノキ材

, 4が

ケヤ キ材。

刀子輪

(8)二

枚合 せ の輪 と考 え られ る。 小片 であ るために全容 を知 りが たいが

外 面 は縦方 向にて いね いに削 り平滑 に整形す る。 内面 は浅 く参1り熾 くだけで

,細

かい調整 を施 さ ない。

2枚

合 わせ る と

,幅 1.5cmほ

どの刀身を納め ることがで きる。

SE1870出

土。現存長 さ

4.Ocm,幅 2.3cm,厚

さ 0,7cm。 スギ材。

(9)ヒ

ノキの板片を細長 い機状 に加工 した もので

身 の部分 は先縁 にむけて やや 薄 く削 っている。柄尻は両側面 か ら斜めに削 り落 して圭頭状 につ くる。身の片面 と両側面

,先

 

 

1)奈

良目立文化財研究所『木器集成図録 近畿古代編』1984,pp.3,9。

ドキュメント内 1  工房 関係 遺物 (ページ 38-45)

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