皿
α
A
(6
)B
(7)C
(6)D
(6)E
(7)F
(6)G
(6)視 覚障がい の ある乗客をめ ぐる バ ス 車内で の 出来事
場 面はあるバ ス の車 内。 視覚障 がい のある乗客に優先座席を譲る
か否か を めぐり, 女子 高校生 と男子大学生とがや りと りする。
出生前に ダウ ン症 児で ある可能 性が判 明し た母親と家族の 出産に伴 う葛藤
ある妊婦が出生前診 断の 結果に 動揺し な が らも, 夫 や 義母の 反 対, 地域に おける障がい 児 ・者へ の差別 や偏見に屈せ ず, 出産を決 意 する まで の ス
F
一リー。
知的障がい者の作業所建設に伴 う地域内 コ ソ フ リク ト
知的障がい者の 就 労のた めの作業所 建設が予 定されて い る, ある
地域が舞台。 建設を推進 する当事者と その親た ち, 建設を阻む地域 住 民た ち, 両 者の間を仲介しよ うとする行政 職員 との や り と り。 被差別 部落 出身青 年に対する就職差別
被差 別部 落 出身の青年が就職差別に直面 する。 場 面は就職試験の 面接会 場。 青 年 と面接官た ち とのや りと り。
ス ーパ ーマ ーケ ッ トに おける知 的 障がい者雇用をめ ぐる従 業員 間の 葛 藤
舞台はあるス ーパ ーマ ーケ ッ ト。 知 的障がい のある子 どもた ち が 度々店 内で ト ラ ブル を起こす。 その後, 会社の方針に よ り障害者雇 用が決ま っ た が, 知的障がい の ある従業 員の受 け入 れをめ くつ , 従 業 員 問の様々 な葛藤が ミーテ ィ ソ グ場面で噴 出する。
聴 覚障がい者の 日常生 活上の様々な困難
第
1
作は, 聴 覚障がい の ある女子大生が 1 日の 出来事を 回想する。 精 肉店で の店員の心 無い対応,書店での万引き犯扱い の ト ラブ
ル , 火 災現場での 避難の遅れ等。
第2 作は, 聴 覚障がい の ある女性 が発作で倒れた母親の救急対 応
に直面 する。 転居 間 もない 隣人は取り合っ て くれず, ようや く理解 ある隣 人の支援が え られる。 近隣地域 との関 係性を問題提起 し たス
トーリー
o
認 知症 独居高齢者の 地域生活の諸困難 とそれ を支え る小地域 見 守 り 支 援
軽度の認 知症高齢者が独 居して い るが, 近 隣住 民を寄せ つ けず,
ゴ ミの処理も ま ま な らず, ボ ヤ騒 動を 引 き起 こす。 危険を理 由に地 域か ら排 除し よ う とする住民た ち が多い中, 独居高齢者を支える新
龍 谷大学 論集 一
91
一皿
B9
o
皿
A
H
(6)1
(7)J
(7)K
(7)L
(6)住 民が出現 し, 小さな支援の輪が広 がっ て い く。
児 童 自立支援施 設と 入所児童に対 する偏見
実習 生 の実 体 験に基づ くス トー リー。 児童 自立支 援 施設に実習配 属 が 決まっ た 二 人の 女子大 生の 不安と戸 惑い, 家族の 懸念 が拡大 する。 実 習中に入 所 児童と直接 向き合っ た二人は 自らの先 入観 や偏 見に次第に気づ い て く。 実習後, そ れ らの気づ きを家族や友人た ち に語 り, 理解を促して い く。
認知症高齢 者 を狙っ た悪質 リフ ォ ーム 被害とその予 防
認 知症高齢 者 を狙 う悪質 リフ ォ ーム業 者 と, その被害の予 防に取 り細む在 宅介 護支援セ ン ター職 員, 近隣 住民に よる フ ォ ーマ ル ・イ
ン フ ォ ・一マ ル な地 域の支援体制 が問わ れ る。 解 決策の
1
つ と して成年後 見制 度の利 用 が促 され る。
被差別部落出身青年に対する結婚差 別
被差 別部落 出身の青年が女性 (中学校教諭)の 自宅へ 結婚の挨拶
に行 くところか ら,彼の 出身地に疑念を抱く父親,困惑する母親, 両親の対応に戸惑 う娘のや りとりが展 開される。 女 性は担 任ク ラス
で部 落問題を取 り上げ よ うと試みた り, 結 婚相 手の青年を人権 啓発
の講 演会 講師に招い た りするが…やは り父親の理解は得 られ ない。 学 校に おける障がい児に対 する い じめ
中学校のある ク ラス で の出来事。 読むのが苦 手 な女子 生徒をめ ぐ
っ て, 配慮する教師と その対応に 疑 念を 募 らせ る クラス メ イ トた ち。 家族 とも相談の上, 学習障害の 事実をク ラス メ イ トに伝 える こ
とに よっ て, ク ラ ス内の関 係は次第に変化して い く。 知 的障 がい 老をめ ぐる大学 生の葛藤
主 人公は知 的障 がい 者更 生施設で実習 を経験した女子 大生。 施設 内で は当事者をある程 度受 容で ぎる よ うに な り, 彼 らへ の 偏見 ・差 別 も無 くなっ た と思っ て い た のだ が…。 実 習中の休 日に 自宅へ 帰る 電 車 内で見知 らぬ知的障がい 者に話し か け られ, 関わ りを求め られ るも, 混乱 ・動揺し, 受容で きなか っ た。 実習場面 と公 共の場面で
の対応の ギャ ッ プ に思い悩む女 子大生, その対応を めぐる友人た ち との や り と りが展 開 され る。
注)ただし, 各 グル ープ の テ ーマ およびシ ナ リオ の概要は, P 一ル プレ イソ グの内容に 即 し て中根が整理 し た もの であ り, 表中の ( ) 内は学 生数を さす。
の
が
30
%,が
70
%に 変 更を余儀な くさ れ た 。一
92
一 社会福祉専門教 育における演劇 的手 法の意義 と可 能 性の探求 (中根 )( 3 )
教育実
践の 結 果 とその概
要2005 年度実践
に おけ る4
ク ラ ス ,12
グル ー プの学 習活動
は表
】V
−1
の よ うに 整理 で きる。その
特
徴をい くつ か 指摘
す れ ぽ,第 1
に, 前 期 開 講の2
ク ラ ス に お い て は6
グル ー プ の うち
5
グル ープが,視覚 障
が い を は じ め ダウ ン症候群
, 知的障
がい , 聴 覚
障
がい な ど何 らか の 障がい をめ ぐる 問題を取 り上 げてい た。第 2
に ,後
期開
講の2
ク ラス に お い て は夏 期 休 暇 中の 現 場実習 体
験を反 映
した テ ーマ 設 定が な されて い た。 具 体 的に は , グル ー プ
H
の 「児童
自立 支援
施 設と入所 児 童に対 す る偏
見
」 とグル ー プL
の 「知的障
がい者
を めぐ
る大学生
の葛
藤」 が その 典 型で あるが , そ れ 以外
に も実
習に お ける認知症 高齢 者 との 関わ りの
体
験を 通じ て, グル ー プG
や1
の よ うなテ ーマ も間接的
で ある が,取
り上げ
られ てい る。
第
3
に, 僅か に2
つ の グル ー プであるが, 部落
差 別 問 題が取
り上げ
られて い る。V
.演 劇 的 手 法 が 社 会 福 祉 専 門 教 育
に問
い かけ
る もの( 1 ) 専 Ewn
モ デル ー技
術 的熟達 者
モ デル か ら反省的実
践 家 モ デル ヘ ーこれま で演 劇 的手法の
意義
と可能
性を, 主 とし て 学 生が 厂臨 床の知」 を発見
・獲得
す る た め の ア プ ロ ーチ とし て述ぺ て きた が, そ れは ま た質
の高
い専 門
職の養
成, さ らに は 卒後
の研
修に お い て も重 要 な意 味
を もつ と考
えられ る。 なぜ なら,
「臨 床の 知」 の発 見 ・ 獲 得を 必 要 とする の は 学生に
限
らず,現
場 の実
務 者に お い て も同 じで あ り, 学 生の 教 育 / 学習
方 法を問 うこ と と実務者
の 研修 教 育/
学 習方法
を 問 うこ と とは連 続線
上 に 位置
づ けられ る か らで ある。こ の
点
を 理解す
る ため に は, まず現行
の専門職養
成教 育
がどの よ うな専
門職
モ デル を
前
提と して組
み 立て られ て い るか を問い直
す 必要が ある。 ドナル ド ・シ ョ ー ン
( D
.A
.Sch6n )
に よれ ば,専
門職
に は 「技
術 的熟達
者モ デル 」 と 「反
省 的 実 践 家モ デル 」 の2
種 類が ある。 すな わ ち,2
つ の 専 門職モ デル とは 「技 術 的 合 理 性」 を 中 心 概 念 とし た 「技 術 的 熟達
者モ デル 」 と,「行 為の 中の 省 察」 を 中心 概 念 と した 「反
省
的実
践 家モ デル 」 とに 整理 され て い る(
シ ョ ー ン=
佐藤
ほ か 訳2001 )
。ま
ず
,「
技術的熟達 者
モ デル 」 は,専 門分
野に お ける科学
的な知識
や技術
を 問題解
決に適
応す る 専門
職の モ デル で あ り, 具体 的に は, 決まっ た規
則 や法
則, 原理 な ど を さ ま ざ ま な問 題解決
に適
応させ ,専門
職 と して の 職務
を遂
行 す 龍谷大学論集 一 93 一る と
考
え られて い る。こ れに
対
し, 「反 省
的実践
家モ デル 」 は, 既存
の 専 門 化された 狭い領域
の体 系 的
な 理論や技術
だ けに 依拠す
る の で は な く, 「行為
の中
の省
察(
reflectionin
action)
」を実
践 原理 と した専 門
職の モ デル で ある。 こ こ に い う 「行 為
の中
の
省察
」 と は, 日常
の 不 確実
で複 雑 な問
題状
況につ い て, 状 況の新
た な 理解
と変
化を 目的
として,問
題状
況との 対話
を通 して,自
らの実
践を省察
し,探求す
るこ とで ある。 具 体
的
に は ,直
面 する問題
や状 況の 意味
を問い , 自らの行為
の 前提 と なる考え方な どを吟 味 する と考え られて い る。それで は ,
現行
の 社 会福
祉 援 助 技 術 演 習はい ず れの 専 門職 モ デル に立脚
してい るの だ ろ うか 。
2001 年 度
に おける演習時
間の倍増
を契機
として昨今
,多数
の演
習教
科書
が市
販さ れ て い るが, そ の代表
的教
科書 2
冊の 目次 構 成を整理 し たの が
蓑 V
−1
で ある。章節
の構成
は多
少 異 なるもの の, そ の 中核
は ソ ー シ ャ ル ワ ー ク実
践ま たは社
会 福 祉 実 践の 展 開 過程 を 理解 し,実
践 場面を具 体 的に イ メ ージする た め に設 定
された事 例の 検 討を通して, 基 本 的な援助技術
と援助
や支
援の 視点
を学
ぶ こ とに あ る。換
言 すれ ば, ソ ー シャ ル ワ ー ク ま た は
社会福 祉援
助技 術の 「技術
的合
理 性」 に も とつ い た様 々 な知 識の習得
と事 例へ の適
用 が主 眼に置
か れて い る、 そ の意
味で は 「技
術 的熟達者
モ デル 」 に 立脚 し て い る と考 え られ る。 つ ま り, 学 生は社
会福祉
援助
技 術 論で 学んだ 様々 な理 論 やモ デル ,ア プ ロ ーチを
事
例に適
用 す る擬似体
験を 通 して, 基 本的 な援助技
術 の習 得 と援 助や支援
の視点
を獲得
する こ とが期待
されて い るの であ
る。しか し, そ の 一
方
,学
生た ち は社会
福 祉援 助技
術現
場実習
の中
で様
々 な ジ レンマ を経
験
する た め,実 習後
の 事後
指導
・学習
に お い て ジ レ ン マ 分 析を行
う意
義 や 必要性
が指摘
されて い る(米
本ほ か編著 2002
:192 )
。 た だ し, ジ レ ン マ は学生に 限 らず, 現場 の
実
務者
た ちに とっ て も 日常 的に 経 験 さ れて い る。 例え ば,認
知 症 高齢 者 グル ー プホ ーム ・ス タ ッ フ が直 面 する様々 な ジ レ ン マ の諸 相 を筆 者
が探索的
に 明 らかに した よ うに( 中根 2005
:2
−24 )
,社 会福
祉 現 場の 実際
は 「問 題 状 況 との 対 話」 な くし て は成
り立た ない 。こ の こ とを考
慮
す れぽ,「技 術 的
熱
達 者モ デル 」 に立脚
した演習教
育の 展 開に は
自ず
と限界
があ
り, 厂反 省的 実践 家
モ デル 」 に立脚す
るこ とが 求め られてい る と