5. 日本の EC 市場規模
5.1. BtoB-EC 市場規模
5.1.2. BtoB-EC 市場動向
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図表 5.1-7 JNX 加入会社数推移
B) 食品
「食品」においても、市場規模の拡大に伴い、広義及び狭義のBtoB-EC市場規模、EC 化率が進展した。市場規模の拡大に加え、BtoB-EC市場規模、EC化率が進展した要因の1 つとして、大手GMS(総合スーパー、General Merchandise Store)、大手SM(スーパー マーケット、Super Market)を中心に、流通BMS(Business Message Standard)5が広 く導入され、普及期に移行しつつあることが挙げられる。
消費財の流通効率化を目指すため、イトーヨーカ堂、イオン、国分、菱食、味の素、花 王等製造、小売、流通の大手15社を母体とした「製・販・配連携協議会」6によると、2011 年末から2012年末にかけて流通BMS導入を表明した企業が50社から86社に拡大したと いう7。また、流通BMS 導入を表明した86社のうち、53社を小売業が占め、これら小売 業の取引先数は700件から6.7倍となる4,700件に拡大したという。2011年時点において 流通BMSの導入を計画し、移行を進めているイトーヨーカ堂やイオンに加え、サミットや 西友、東急ストアが新たに計画を固めた。
5 流通BMSとは「流通ビジネスメッセージ標準(Business Message Standard)」の略であり、消費財流通業界におけ る標準のメッセージ(電子取引文書)と通信プロトコル/セキュリティに関するEDI標準仕様である
6 製・販・配連携協議会とは、流通BMSの普及、返品による廃棄削減等の環境対策、リベートや手数料の透明化等サ プライチェーン上の様々な課題を解決するために、製(製造業)、販(小売業)、配(卸売業)の各企業が業界を横断し て協力的に取り組みことを目的に、2011年5月に発足した協議会である
7 製・販売・配連携協議会ホームページより
53 218 311
629 867
1,257 1,382 1,468
1,971 2,028 2,088 2,261
4,000
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500
2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年
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このように流通 BMS が流通大手を中心に普及、拡大している一方で、中小スーパーマ ーケット等においては、従来規格であるJCA手順から流通BMSへのスイッチングコスト やITリテラシー不足等が、流通BMS導入の障壁となっている。これらの導入障壁を支援 するために、日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、一般社 団法人新日本スーパーマーケット協会、一般社団法人日本ボランタリー協会の流通業界 4 団体が連携し、流通BMSのクラウドEDIサービスを提供しはじめた。同サービスを梃子 に流通BMSの普及、拡大をさらに促進していくという。
また、食品におけるBtoB-EC市場規模、EC化率が進展した要因としては、インフォマ ートによって運営される、食品におけるBtoBプラットフォーム「FOODS Info Mart」の 利用企業が拡大したことも挙げられる。
「FOODS Info Mart」は、食品メーカー、食品卸、小売・飲食店間における新規取引先 の開拓から受発注までの一連の商取引業務をインターネット上で実現可能とするプラット フォームである。同プラットフォームでは、国内利用者向けに「ASP受発注システム」、「ASP 規格書システム」、「ASP商談システム」、「ASP受注・発注システム」、「クラウドサービス」
の5つのサービスを提供している(図表5.1-8)。
「ASP受発注システム」は、外食チェーン等の買い手と、卸売等の売り手間の受発注業 務の電子化を支援するサービスである。本サービスを通じた2012年の取引高は7,124億円 であり、対前年度比15.6%伸張した。毎日、約20,000店舗の飲食と20,000社の卸売が取 引を行っているという。サービスの利用企業数は年々増加しており、2012年第4四半期時 点で、買い手が1,082社23,053店舗、売り手が21,842社利用している。従来、東名阪を 中心とした外食チェーンに利用されていたのが、近年においては東北、四国、九州等の外 食チェーンや、給食会社、カラオケチェーン、ホテルチェーン、ブライダル会社等にも利 用されはじめたために利用企業数が増加した。本サービスを提供開始した当初は外食チェ ーン等の買い手を中心に導入を推進してきたが、買い手による導入が進むにつれて、卸売 等の売り手においても「FOODS Info Mart」を利用することによるメリットが実感されは じめ、近年においては売り手から買い手に対して導入を推奨する動きが見られることが利 用企業数増加の背景にある。
「ASP 規格書システム」は、外食チェーンと卸売間、または食品メーカーと卸売間で、
食品のアレルギー物質、賞味期限、栄養成分、原材料、添加物等の食品情報等が記述され た商品規格書を電子化し、授受することを支援するサービスである。2012年第4四半期時 点では、外食チェーンが159社、卸売が222社、食品メーカーが4,446社利用している。
主に前述の「ASP受発注システム」の利用企業が併用していることが多い。
「ASP商談システム」は、主として食品メーカー、卸売、地方特産品生産者等の売り手 と、外食チェーン、スーパーマーケット、ホテルチェーン等の買い手をマッチングするサ ービスである。2012年第4四半期時点では、売り手が6,540社、買い手が2,024社利用し ている。
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「ASP受注・営業システム」は、莫大なシステム投資が困難な個人飲食店と、卸売間で、
新規取引先の開拓や受発注業務の電子化を支援するサービスである。前述の「ASP 受発注 システム」と「ASP 商談システム」を統合し、機能をシンプルにしたものである。これま で卸売においては、多くの個人飲食店に対して一店、一店アプローチすることが効率面に おいて困難であったのが、本サービスを通してアプローチできるようになったという。本 サービスの利用企業数は2012年第4四半期時点で、個人飲食店が17,946店舗、卸売が150 社であり、同サービスを通じた2012年の取引高は86.6億円と前年度から伸張した。
同社が主としてサービスを提供している外食チェーン市場は、近年においては伸び悩ん でいるものの、EC化率拡大の余地は非常に高く、前述の「ASP受発注システム」及び「ASP 受注・営業システム」を通じた取引高を、2012年度の 7,394億円から 2014年度までに1 兆円にしたいと考えている(図表5.1-9、図表5.1-10)。
図表 5.1-8 FOODS Info Mart 提供サービス一覧
サービス名 サービス概要 サービス利用企業数
(2012年第4四半期)
ASP受発注 システム
買い手(主に外食チェーン等)と売り手(主に 卸売)が日々の受発注業務をWeb上で実現可 能とするシステム
買い手:1,082社、23,053 店舗
売り手:21,842社 ASP規格書
システム
買い手(主に外食チェーン及び卸売)と売り手
(主に食品メーカー及び卸売)との間で取引商 品の商品規格書の提出・回収業務をWeb上で 実現可能とするシステム
外食チェーン:159社
卸売:222社
メーカー:4,446社
ASP商談 システム
買い手(主に外食チェーン、スーパーマーケッ ト、ホテルチェーン等)と売り手(主に食品メ ーカー、卸売等)が商談をWeb上で実現可能 とするシステム
買い手:2,024社
売り手:6,540社
ASP受注・営業 システム
買い手(主に個人飲食店)と売り手(卸売)間 で「ASP受発注システム」と「ASP商談シス テム」が利用可能に統合し、機能をシンプルに したシステム
買い手:17,946店舗
売り手:150社
クラウド サービス
売り手(主に食品メーカー)が買い手(主に卸 売)に対して、販売促進用の商品情報やレシピ 情報等をWeb上で提供可能とするシステム
買い手:469社
卸売:158社
メーカー:100社
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また、同社は、国内で提供している「ASP受発注システム」と「ASP受注・営業システ ム」を、中国においても提供している。北京と上海を中心に2012年第4四半期時点で、465 店舗が利用しており、うち半分が現地企業によって利用されている。
今後は中国の他、タイやマレーシア、ベトナム、ミャンマー、インドネシアへの進出も 視野にいれている。
図表 5.1-9 FOODS Info Mart 利用企業数推移
303 625 1,125 3,229 3,938 5,379 7,464 11,179
14,164
17,03318,38220,24022,324 25,735
31,479
34,86836,689
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000
1998年1999年2000年2001年2002年2003年2004年2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年2014年
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図表 5.1-10 FOODS Info Mart 取引高推移
C) 繊維・日用品・化学
「繊維・日用品・化学」においては、市場規模の縮小に伴い、広義BtoB-EC市場規模が 縮小、狭義BtoB-EC市場規模は横ばいであった。しかし、「食品」と同様に流通BMSの導 入拡大や、各企業における電子商取引の普及拡大の取り組みが、広義及び狭義EC化率の進 展に寄与しているものと考える。
日用品・化粧品業界をはじめとした消費財メーカーと卸売業間のEDIサービスを提供す るVAN運営会社であるプラネットは、同社のEDIの利用が増加しているという。
プラネットは、1985年に、ライオンやユニ・チャーム等のメーカー8社の合意の下、業 界共通の情報インフラ構築を目的に設立された。当初は、日用品・化粧品業界のメーカー と卸売業間のEDIサービスが対象であったのが、現在では、OTC医薬品(一般用医薬品)、 健康食品、ペットフード・ペット用品等の業界にも利用が拡大した。また、資材サプライ ヤーとメーカーの間でもEDIサービスを展開している。
同社は、メーカーと卸売業間の取引業務の効率化を支援するEDIサービス「基幹EDI」、 資材サプライヤーとメーカー間のEDIサービス「資材EDI」の他、メーカーと卸売業が取 引する際に必要となる標準取引先コードを提供する「取引先データベース」、商品情報をメ ーカー・卸売業・小売業の流通3層で共有可能とする「商品データベース」、さらにはメー カー・卸売業・小売業間のマーチャンダイジング業務を支援する「バイヤーズネット」等 のサービスを提供している(図表5.1-11)。
162 604
1,324
2,430
3,410
4,201
4,952
5,647
6,335
7,394
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000
2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年