• 検索結果がありません。

BostonChildren’sHospitalのObservershipに参加して 澁谷法子

ドキュメント内 Vol.27 No.1 2016 ISSN 2189-2466 (ページ 64-68)

 私 たちが 行ったBoston Children’s Hospital(BCH) はマサチューセッツ 州 ボストン 市 のLongwood Medical areaに位置し,ベッド数395床で入院数年間約25,000人の小児病院である。BCHは小児循環器を含 めたいくつかの科が全米No.1と評されるほど臨床で有名な病院であると同時に,Harvard大学の関連病院と して研究の盛んな病院でもある。またBCHが位置するLongwood Medical Areaは巨大病院や研究所が集ま る一大メディカルエリアである。

 実習では,他国からClinical Clerkshipとして参加していた 2 名の学生とともに各週ごとに異なるスケ ジュールで病院内をまわらせていただいた。第1,2週はinpatientのチーム,第 3 週はEPチーム(カテーテル 検査,治療,病棟の心電図を主に担当するチーム),第 4 週はConsultチームを見学した。

【Inpatientチーム】

 実習ではレジデントやフェローと行動を 共にした。入院患者を担当するレジデント は朝 6 時には出勤する。夜間勤務のレジデ ントから夜間の出来事の伝達が朝 6 時半か らあり,そのためにみんな予習をするため だ。私たちもレジデントに倣い, 6 時半に は病院に到着するようにしていた。その後 7 時15 分 からほとんど 毎 日 異 なるレク チャーがあった。アテンディングが持ち回 りでいろいろなレクチャーをしてくれた。

心雑音について,MRIについて,各疾患に ついて,と様々なレクチャーがあった。レ ジデントたちはこのように教育を受ける機 会が豊富にあることで,育つ環境にあるの だと感じた。回診ではレジデントがプレゼ

ンテーションし,フェローや薬剤師,担当看護師,患者家族が状況についてコメント,それらを総じてアテ ンディングが方針を決める,というやり方で16床ほどを 4 時間程かけて回診していた。Inpatientのチーム は午後からは各々勉強したり,指示したり,フェローのレクチャーを受けたりと自由な時間を過ごした。

【EPチーム】

 心電図,カテーテル治療を専門としたチームである。先天性心疾患のを持つ子どもたちの心臓は心臓の形 だけでなく,洞房結節,房室結節,His束など刺激伝導路も定位置には無いことがある。EPチームはそれら をも読み解く心電図のプロである。病棟(Inpatient)のチームも回診を行うが,EPチームもEPチーム独自 でカンファレンス,回診を行う。病棟に縛られることなく,病院全体でEPチームのコンサルトを必要とす る患者さんをアテンディングがそれぞれ受け持ち回診する。また,カテーテルのチームはひたすら朝から晩 までカテーテル治療,カテーテル検査を行う。日本よりもさらに専門を細分化し,専門性を高めることで,

よりよい治療をおこなっていることを感じた。

【Consultチーム】

 Consultはチームというより,フェローが持ち回りで担当する仕事だ。私たちはConsultを担当するフェ

ローに付き添って見学させていただいた。仕事内容は心疾患を持つ患者さんの救急外来,病院全体の心疾患 を持つが多疾患の主訴で入院している患者さん,隣のBrigham and Women’s Hospitalで心疾患を持つ子ど もが生まれた時の初期対応などである。フェローはConsultに対応しながら研究も行っており,寝る時間は ほとんどないと言っていた。

 BCHでは,日本と異なる病院の仕組みだけでなく,その教育体制にもたびたび触れる機会があった。前 述したモーニングレクチャーに加え,ランチ付きのランチョンセミナー,外来でのフェローとアテンディン グ,カンファレンス後や空き時間に突然始まるミニレクチャーなどである。また,私たちにも積極的に質問,

プレゼンをするよう励ましてくれることが度々あった。日本のことわざで「出る杭は打たれる」ということ わざがあるが,それとは真反対の環境であることをひしひしと感じた。出る杭は伸ばしてくれる,「こうし たい」と言うことでチャンスをくれる,勉強したいと言えば応えてくれる環境であった。

 BCHで学ぶことは多くあったが,研修先をBCHにしてよかったと思う理由は他にもある。ボストンは Harvardだけでなく,MITやBoston University, Northeastern universityなど様々な大学が集まる学術都市 であり,また狭い区域にぎゅっと見所がつまった観光地でもある。そのおかげで研修中に日本人の研究者の 交流会に参加させていただいたり,他病院の診療や研究所の見学させていただいたりといった機会を持つこ とができた。またボストンは古い町並みや歴史的建造物が残る観光地でもある。遠出しなくとも,休日には 近隣の美術館巡りをしたり散歩して町並みを見たりするだけでも充分楽しむことが出来た。

 最後に,このような貴重なobservershipの機会を設けて下さった市田先生とJane先生に深く感謝したい。

また,Health Paperに関して相談にのって下さった山本先生と東先生,メール等のチェックを行って下さっ たムラー先生,本当にありがとうございました。

学生海外研修レポート 63

2016年度海外選択制臨床実習報告書 CincinnatiChildren’sHospitalMedicalCenter

里見昌俊

【はじめに】

 今回,私は小児科の市田先生のご紹介によりアメリカ合衆国,Cincinnati Children’s Hospital Medical Center(CCHMC)で 4 週間実習させていただきました。私がこのプログラムに応募した理由は,将来的に 海外留学をしたいと考えており,また循環器の分野に興味があったからです。加えて,前年度のアドバンス 実習で海外研修に参加された先輩のお話を伺い,ぜひ挑戦してみたいと思い応募しました。

【渡航前までの準備】

 CCHMCでの実習が決まってから,循環器の秘書さんであるTeresaや海外実習生の受け入れを担当する Julieとのメールのやり取りがすぐに始まりました。また年明けぐらいには航空券やホテルの予約など,必要 なことを準備していきました。

【病院実習】

 CCHMCは,500床以上の病床を持つ全米でも屈指の小児病院です。世界中から留学生をうけいれており,

私たち以外にはドミニカ,メキシコ,ブラジル,中国,ドイツ,フランスなどからの医師,実習生をうけい れていました。私達の実習としては,循環器の外来を中心として,手術,エコーラボ,カテーテル,入院病 棟,ICUなどを見学させていただきました。外来では神経,先天性心疾患,心筋症,不整脈などに分かれて おり,日本では珍しい疾患を経験することができました。また,入院病棟では医師以外にも看護師,薬剤師,

学生がチームとして行うラウンドに毎日参加しました。この際,患者の家族を交えて症例の報告が行われ,

一人一人に丁寧に時間をかけて接していることがとても印象的でした。エコーラボではエコーに特化した実 習を行い,日本とは違ったアメリカの分業制度にとても驚きました。

【生活】

 病院に近くの宿舎を手配してもらい,また周りにレストランや薬局があり生活面で困ることはあまりあり ませんでした。交通機関も発達しており,移動に関しても不自由はありませんでした。宿舎での生活は,さ まざまな国の人と共同生活でしたが,パーティーなどを通じてどんどん仲良くなれてすごく楽しかったで す。また,休日の旅行はNBAやMLBの試合を見に行ったり,他の都市に旅行もでかけたりとても充実して いました。

 英語に関しては,特にリスニングが難しく感じました。はじめは現地の人の話すスピードについていけず,

様々な場面で苦労しました。その後は徐々に慣れてなんとなくわかる様になっていきましたが,リスニング についての準備不足を痛感しました。

【最後に】

  4 週間というわずかな期間でしたが,アメリカと日本の医療の違いを知ることができました。またそれだ けでなく,言語や文化が違っても自分から踏み出せる勇気が大事だとすごく痛感しました。今回の貴重な経 験を通じて,自分のあり方や考えを見つめ直すことができたと思います。

 最後に,海外実習にご尽力いただいた市田先生,山城先生をはじめとする先生方,保健管理センターや学 務課の方々に深く感謝を述べさせていただきます。本当にありがとうございました。

学生海外研修レポート 65

2016年度海外選択制臨床実習報告書

ドキュメント内 Vol.27 No.1 2016 ISSN 2189-2466 (ページ 64-68)