第 7 章 Geant4 シミュレーション
7.2 Belle のカロリメーターと BGO+APD カロリメーターのエ ネルギー分解能の比較ネルギー分解能の比較
BGOシンチレーターの導入により、CsI(Tl)シンチレーターに対するエネルギー分解能 の改善を見積もるため、Geant4を用いてシミュレーションを行った。本シミュレーショ ンでは、BGOシンチレーターは40mm×40mm×230mmとした。このブロック25本 を5×5のマトリックスに積み重ねたカロリメーターを定義し、その中心にシンチレー ターの軸と平行にγ線を1000事象入射させるシミュレーションを、100MeV、200MeV、 500MeV、1GeV、2GeVの5つのエネルギーで行った。これによりシンチレーターのブ ロックごとのエネルギー損失を求めた。
エネルギー損失を求めた上でノイズを加え、25本のシンチレーターで検出したエネル ギーの総和を取ることにより再構成した入射γ線のエネルギー分布を図7.2に示す。この とき、ノイズは1cm×1cm APDの宇宙線テストで得たE.N.E.を用いた。APD1個で読 み出しを行う場合は0.22MeV、4個で読み出しを行う場合は0.11MeVと見積もった。エ ネルギー分布のフィットは宇宙線テストの時と同様に、Logarithmic Gaussian (式6.2)を 用いて行った。
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第7章 Geant4シミュレーション
Energy (Mev)
90 92 94 96 98 100 102
Events / ( 0.2 )
0 10 20 30 40 50 60
31
± Yield = 967
0.038
± a = 0.427
0.081
± mean = 99.865
0.048
± sigma = 1.511
Energy (Mev)
90 92 94 96 98 100 102
Events / ( 0.2 )
0 10 20 30 40 50 60
Energy (Mev)
90 92 94 96 98 100 102
Events / ( 0.2 )
0 20 40 60 80 100
120 Yield = 988 ± 31 0.030 a = 0.621 ±
0.048 mean = 99.994 ±
0.028 sigma = 1.048 ±
Energy (Mev)
90 92 94 96 98 100 102
Events / ( 0.2 )
0 20 40 60 80 100 120
Energy (Mev)
475 480 485 490 495 500 505
Events / ( 0.5 )
0 10 20 30 40 50 60 70
80 Yield = 982 ± 31 0.031
± a = 0.556
0.16
± mean = 497.79
0.093
± sigma = 3.481
Energy (Mev)
475 480 485 490 495 500 505
Events / ( 0.5 )
0 10 20 30 40 50 60 70 80
Energy (Mev)
475 480 485 490 495 500 505
Events / ( 0.5 )
0 10 20 30 40 50 60 70
80 Yield = 983 ± 31 0.042
± a = 0.764
0.14
± mean = 498.24
0.089
± sigma = 2.854
Energy (Mev)
475 480 485 490 495 500 505
Events / ( 0.5 )
0 10 20 30 40 50 60 70 80
Energy (Mev) 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000
Events / ( 1.66667 )
0 10 20 30 40 50 60 70
80 Yield = 984 ± 31 0.035 a = 0.529 ±
0.55 mean = 1982.63 ±
0.30 sigma = 10.66 ±
Energy (Mev) 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000
Events / ( 1.66667 )
0 10 20 30 40 50 60 70 80
Energy (Mev) 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000
Events / ( 1.66667 )
0 10 20 30 40 50 60 70
80 Yield = 984 ± 31 0.036 a = 0.547 ±
0.55 mean = 1982.81 ±
0.30 sigma = 10.53 ±
Energy (Mev) 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000
Events / ( 1.66667 )
0 10 20 30 40 50 60 70 80
図7.2: γ線をBGOシンチレーターに入射した際のエネルギー分布。(左)APD1個で読み 出した場合、(右)APD4個で読み出した場合。(上段)100MeVのγ入射時、(中段)500MeV のγ線入射時、(下段)2GeVのγ入射時。
第 7章Geant4シミュレーション
次に、既存のBelleのCsI(Tl)カウンターを使用するBelleII検出器でシミュレーション を行った。BelleII検出器にγ線を10000事象入射させるシミュレーションを、100MeV、 200MeV、500MeV、1GeV、2GeVの5つのエネルギーで行った。得られたエネルギー分 布を図7.3に示す。
(GeV) EnergyECL
0.08 0.082 0.084 0.086 0.088 0.09 0.092 0.094 0.096 0.098 0.1
Events / ( 0.000333333 )
0 50 100 150 200 250 300 350
400 a = 0.537 ± 0.017 0.000061
± mean = 0.096025
± 95 sig = 9020
0.000036
± sigma = 0.003147
(GeV) EnergyECL
0.42 0.43 0.44 0.45 0.46 0.47 0.48 0.49 0.5
Events / ( 0.00133333 )
0 100 200 300 400 500
0.012 a = 0.548 ±
0.00017
± mean = 0.48277
± 96 sig = 9182
0.000097 sigma = 0.010641 ±
(GeV) EnergyECL
1.75 1.8 1.85 1.9 1.95 2
Events / ( 0.00416667 )
0 50 100 150 200 250 300 350
400 a = 0.519 ± 0.013 0.00066
± mean = 1.91599
± 94 sig = 8784
0.00038 sigma = 0.03865 ±
図 7.3: γ 線を既存のBelleのCsI(Tl)カウンターに入射した際のエネルギー分布。(上 段)100MeVのγ入射時、(中段)500MeVのγ線入射時、(下段)2GeVのγ入射時。
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第7章 Geant4シミュレーション
シミュレーションの結果を図7.4と図7.5にまとめる。図7.4はカロリメーターで検出 したエネルギーと入射 γ 線のエネルギーの比をとり、その分布のピークを入射 γ線のエ ネルギーの関数として示したものである。長さ30cmのCsI(Tl)シンチレーターは16X0 に対応するのに対し、長さ23cmのBGOシンチレーターは20X0なので、シャワーの漏 れがBGOシンチレーターの場合では1/3以下となっている。図7.5はエネルギー分解能 を入射γのエネルギーの関数として示したものである。エネルギー分解能はLogarithmic Gaussianでフィットした際のσとピークの値の比で求めた。BGOシンチレーターをAPD で読み出した場合、APD1個で読み出すよりも4個で読み出す方がノイズを小さく抑えら れるので、チャンネル当たりのノイズの寄与が大きい数100MeVのγ 線検出に対してエ ネルギー分解能の改善が期待できることが分かった。また既存のBelleのCsI(Tl)カウン ターと比較すると、BGOシンチレーターをAPDで読み出した場合はエネルギー分解能 が3〜4倍改善することが分かった。
第 7章Geant4シミュレーション
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図 7.4: Ecalor/EγをEγの関数で示す。ここでEcalorはカロリメーター中で検出したエネ
ルギー分布のピークに対応するエネルギー、Eγは入射γのエネルギーである。
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図 7.5: エネルギー分解能(σ/Eγ)をEγの関数で示す。ここでσとはEγはLogarithmic Gaussian でフィットした際の幅とピーク値、Eγは入射γのエネルギーである。
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