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第 4 章 予備実験

4.3 予備実験 2

4.3.2 BF ロボット有無比較実験

BFロボット有無比較実験では,先に説明した「びっくりクマさんのゲーム」について,

ロボットの動きがある場合 (Session A)と無い場合 (SessionB)の各Sessionを一人の被験 者に対して交互に三回ずつ行った.また,各Sessionの順番による違いを調べるために,

Session Aから始める被験者をGroup Aとし,Session Bから始める被験者をGroup Bと して実験を行った.被験者は19歳から25歳の健康な男子6人,女子10人,計16人で,

一人の被験者について以下の要領で,計六回のSessionを行った.全ての被験者には予め,

ゲームのストーリーやシステムの仕組みなどの内容,実験の進め方等を説明した.

Group A:1st turn (Session A,Session B)→2nd turn (A,B)→3rd turn (A,B)

Group B:1st turn (Session B,Session A)→2nd turn (B,A)→3rd turn (B,A)

4.3.3 BFロボット有無比較実験の結果

被験者のSessionの回数とSCR変動量との関係のうち,Group A,Bの典型的被験者の グラフを,それぞれ図4.3.3,4.3.3に示した.このグラフより,Group Aの方がSCR変 動量が多いこと,そして全体的に,ロボットのモーションがある場合と無い場合 (Session A,Session B)とのSCR変動量が交互に増減していることがわかった.

ここで,2つのグラフの六回目のSessionについて注目すると,他のSessionでの変動量 よりも,比較的SCR変動量が大きかったことが観察された.この現象について被験者に インタビューを行ったところ「最後だからゲームをクリアしたかった」という感想が得ら れた.この実験の結果から,六回目のSessionのデータに関しては,ロボットのモーショ ンの有無に関わらず,そのような被験者のモチベーションの変化が,SCR変動量に大きく 影響していたことが確認された.

次に,Group A,Bの被験者におけるSCR変動量の平均を示したものを図4.3.3に示す.

この図から,Session BよりもSession Aの実験の方がSCRの変動量が大きかったことが 観察され,それらの間に有意差が確認された.

このように,BFロボットモーション実験の結果から,被験者の反応に合わせたロボッ トの動作が,ゲームクリアに関する強いモチベーションを与えていたことが確認された.

ロボットを用いたことによって,ロボットを用いなかった場合のゲームよりも,被験者自 身の状態やPC画面上のキャラクタの状態など,より多くの情報を直感的に得ることがで

trials

SCR values

0 200 400 600 800 1000

1 2 3 4 5 6

A B A B A B

図 4.10: Sessionの回数とSCRの関係 (Group A)

Figure 4.10: Number of trials and SCR values relation (Group A)

trials

SCR values

0 200 400 600 800 1000

1 2 3 4 5 6

A

B B A B A

図4.11: Sessionの回数とSCRの関係(Group B)

Figure 4.11: Number of trials and SCR values relation (Group B)

SCR values

1st turn 2nd turn 3rd turn Session A Session B

0 200 400 600 800 1000

図4.12: BFロボットモーション実験におけるSession Aと Session BのSCR変動量の平 均の比較

Figure 4.12: SCR values comparison of Session A with Session B in experiment of BF robot motion