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B=AT と表されるとき、次が成り立つ。

ドキュメント内 群論を用いたタイリング問題の判定 (ページ 32-51)

        zn/<a・,_,am>ニzn/〈b1,_,bm>

証明 行列ATはAに列基本変形を次々と行った行列である。そこで、

T・Tl…Tp(T1,_,Tpは基本行列)とし、 AにTlからTiまでを順に右 からかけた行列を、

      ATi …Ti 一 (aii),..., a,S(S))

と表すことにする。

 このとき、(aii),_,a卿)=(aii−1),_,a鏡一1))Tiより、(alの,...,a幻)は、

(aii−1),...,a鋤1))の縦ベクトルを並び替えたものか、1つの縦ベクトルの 符号を変えたもの、または補題2.5.2のように1つの縦ベクトルにほかの ベクトルのスカラー倍を加えたものである。

 よって、補題2.5.2の式(2.11)より、

        〈ai 一1),_,・Sri)〉==〈ai ),...,・鋤

であるから、

      〈ai,・一.,a.〉 =〈aSi),...,afi(i)〉

      一 〈ai2),..., aA )〉

      一〈aiP),...,ashP)〉 = 〈bi,…,bm>

である。以上より、zn/〈al,… , a.〉=zn/〈b1,_,bm>が示せた。  □

補題2.5.4整数n次正則行列で、行列式が土1であるものをAとする。

このとき、次の写像!は同型である。

         f:zn 一〉 zn

       x H一〉 f(x) = Ax (x E Z )

第2章 タイルホモロジー群 32 証明 !が準同型であることは明らかなので、!が全単射であることを示 す。写像が全単射であることと、写像に対して逆写像があることは同値 であることから、!の逆写像があることを確かめる。、4−1が整数n次正則 行列であれば、次の写像gが定まる。

         g:Zn 一〉 zn

       x H g(x) == A−ix (x E z

 実際、n次単位行列をEn、 Aの行列式をdetA、 Aの余因子行列をAと

すると、

      AA 一 (det A)En であることから、

      1 ..

      AA = En       (det A)

となるので、

       l  r       A−1=

      (det A)

となる。

 detA =士1であり、Aは整数n次行列であるから、(  1det A)Aは整数n次 正則行列である。よって、!には逆写像!一1=・ gが存在するので!は全単 射である。

 以上から、!は同型であることが示された。      □ 補題2.5.5a1,...,amをそれぞれznの元とする。このとき、同型な写像 f:Zπ一→Zηによって定まる、次の写像は同型である。

      f : z /〈ai , . . . , a.〉 一 Z /〈f(ai), . . . , f(a.)〉

       [X] H [f(X)]

証明 まず、

     [x] = [y] ==〉 x−y E (al,...,am>

         一〉 f(x) 一 f(y) E 〈f(ai),...,f(a.)〉

         一〉 [f(x)] 一 [f(y)] E Z /〈f(ai),...,f(a,n)〉

であるから、この写像はWell−Definedである。

 また、!が同型であることから、この写像は明らかに準同型であり、全 射である。

第2章 タイルホモロジー群      33

 よって、この写像が単射であること、つまり!の核が{[0]}であること がいえれば、この写像が同型であるといえる。!の核の任意の元国につ

いて、

       f([x]) 一 [o] } [f(x)] == [o]

      一〉 f(x) E 〈f(ai),...,f(a.)〉 (2.12)

      =〉 xE 〈ai,..., a.〉 (2.13)

      =〉 [x] = [O] ( Zn/〈al,...,a.〉

であることから、fの核は{[0】}である。式(2.12)から式(2.13)への変形 は、f一1を用いている。

 以上より、この写像が同型であることは示された。       □  補題2.5.3から補題2.5.5までを用いて次の定理を導く。

定理2.5.6m個のznの元(縦ベクトル)を並べたn行m列の整数行列

A=(a1,_,am),B=(b1,...,bm)について、整数基本行列のnc S, Tを 用いて

      B = SAT

が成り立つとき、群zn/<a1,...,am>とzn/〈b1,...,bm>は同型である。

証明 0=ATとおき、0=(c1,...,Cm)とすると、 Tは基本行列の積な ので、補題2.5.3より

        Zn/〈ab...,am> == Zn/〈cl,...,cm>

が成り立つ。

 次に、整数基本行列の行列式は±1なので、それらの積であるθも行列 式は土1であり、補題2.5.4よりSは、

         f:zn 一一〉 zn

       xH sx (x E zn, sx E zn)

である同型写像!を導く。

 さらに、補題2.5.5より、この!によって定まる写像

      f , zn/〈c,, . . . , c.〉 一 zn/〈f(ci), . . . , f(c.)〉

       [X] H [f(X)] =一 [SX]

第2章 タイルホモロジー群      34

は同型である。ここでB=SCより、

     bj 一 f(ci) (1 SiS m, 1 S 2」 〈一 m,iE Z, 2  E Z)

なので、以上をまとめて

  zn/〈a1,_,。m>一Z・/〈C15_,。m> 工Z・/〈b、,_,bm>

        [x]N[x] 4[sx]

であるから、上の写像は同型である。      〔コ  これらのこと及び定理2.4.2の単因子論から、次の定理を得る。

定理2.5.7n行m列の整数行列A=(a1,...,am)について、 Aの単因子

がbl,_, brならば、

    Z /〈ai , . . . , a.〉 or Z/biZ ×   ・ ・ × Z/ brZ × IZ一).S一:〈. EZIX Z

       n−r個 が成り立つ。

証明 定理2.4.2により、整数基本行列の積S,T(θはn行n列、 Tはm

7imi」iJ) :}rHivN cs sAT = ( i5 

 b.

理2.5.6より

        Z /〈ai,...,a.〉 = Zn/〈bi,...,b,〉

が成り立つ。ただし、

         b,X /O          O I lb,

         i・ 1 1 o

     bi = 1 1 1,b2 = 1 1 1   一,br =

         ol XO

s〕一・定

0⁝0砺0⁝0

第2章 タイルホモロジー群      35

である。

Z・ ・) 」Eを縦に並べたベター

i1)と表すとき・これ対応する

z・/〈b・,…,b・〉の元を

m1]と一のとき・z・/〈b・,…,br>の2元

[1],[1]に一次一

      [Z :. ] == [11 /  =  (11. ) 一 (// 1) E 〈bi b >

       klbl

      ⇔じ)お

      6

      Zl E wl (mod bl)

      Zr iii IVr (MOd br)

      O

       Zr十1 = Wr十1

      Zn = Wn であるので、

       zi (mod bi)

z /〈ai,...,a.>D

m1 i]HIZr (.M,i.O,dbr)1Ez/bizx xZ/b ZxZ−z ltirtafE一一Z一 i.ma×Z

      垢

第2章 タイルホモロジー群 の写像は同型である。

36

D

2.6 タイルホモロジー群の計算

 例2.3.4ではタイルタイプ集合Σ;1=コ】Rのタイルを用いてRl,R2を

定めた。

 このように、タイルタイプ集合Σ=[Ti,...,剛に対して、次のような R1,R2(∈B(Σ))を定められるときのタイルホモロジー群の一般的な計算 について述べる。すなわち、Rl,R2とは整数p, q, r, sを用いて

Ri = ap,q 一 ao,o R2 = ar,s   ao,o

(ただし・(1)と(りは1次七一η≠・)とする)

       (2.14)

と表されるようなB(Σ)の元である。

 以後この節では、B(Σ)が式(2.14)のようなRl,R2を含むことを仮定

する。

開﹁

 :,

o  s xx

飼A ロβ

図2.2:平行四辺形OABC

 このとき、図2.2のように点O、A、 B、 Cを定め、境界を含めた平行 四辺形OABCから、辺AB、辺BC及び頂点A、 B、 Cを除いた領域を、

Sと定義する。さらに、セルαi、,ゴ、,.嚇α扁nを、各セルの左下の格子点が

Sに含まれるようなセルとする。また、群Kを

K =((:),(g)>CZ2

第2章 タイルホモロジー群 37 とおく。また例2.3.4における表記と同様に、R1,R2及びそれらを平行移 動させたもので生成されるAの部分群を〈Rl,R2>Tと表す。

補題2.6.1群A/〈Rl,R2>Tは、[ai1,ゴ、],_,[αi。,ゴn]で生成される。つまり、

商群A/〈R1,R2>Tの任意の元[α]は[α]=Σ;L1副α吻」(kt∈Z)と表さ れる。

証明 Rl,R2の定義により[ai+p,ゴ+q]=[α嗣=回+瑠+。]であるので、

面一の船医潤につ・・て・ @一¢)・Kであれば

       [ai,」]=[α乞 ,ノ]       (2.15)

である。格子領域にあるどのセルについても、図2.2におけるAOベクト

ルとGOベクトルの平行移動を用いてS内のセルへと移動させることが

できるので、[α嗣は[ai、,ゴ、],_,[α砺,ゴ。]のいずれかと等しいことが分かる。

つまり、[α]は必ず[αi、,ゴ、],_,[αi。 ,jn]を用いて表すことができる。よって、

A/<Rl,R2>Tは、[αi、,」、],_,[ai。,ゴ。]で生成される         □

Aの元α一臥緬に対して・ 早j一(S・i)・Kと鰍・の和を

[Vt(t=1,...,n)と表す。このCtはai、,ゴtのセルを、 Kの元に沿って平行

移動したセルの係数の和である。よって、このとき

         la] = Xl [ail,o 1] +   + Xn [ain,j n]

となる。このXl,..,Xnを用いて、次の補題を得る。

補題2.6.2Aの元α=Σ勾砺%に対して、上のように定めたZl,...,Xn を考えると、[α];[0】∈A/<Rl, R2>Tであれば、ω1;一一・=Xn=0(i=

1,...,n)である。

証明 [α]=[0]ならばα∈〈Ri,R2>Tであり、αはRl, R2及びそれを平行 移動した元の1次結合で表される。Ri,R2の定義より、 Rl,R2及びそれ

を平行移動したものは、明らかにω1=…=Xn=0を満たすので、αに

おいてもXl=…=Xn=0を満たす。      □

補題2.6.3.4/〈R1,R2>Tの元は一意的にkl[αi、,ゴ、1+…+kn[ai。 ,ゴ。]と表さ れる。

第2章 タイルホモロジー群 38

証明 A/〈R1,R2>Tの元は、補題2.6.1によりkl[%ゴ、]+…+副%,ゴ。1と 表される。このように表された2元について、

kl[aii,ji] +       + kn [ai. ,」.]一kl[・・、,ゴ、]+…+藍[・in,ゴ。]

とすると

(k一kl)[α、、,ゴ、1+…+(k。 一 kA)[α縣]一[0]∈A/〈R・,R・>T

となる。

 補題2.6.2により、k1−kS=0,_,砺一紘=0であるので、 k1=

昧_,砺=監である。       □

定理2.6.4群.4/〈Rl,R2>Tは、次の写像によりznと同型である。

A/〈li{li, R2>T D S., xt[ai,,」,] e (1.1) E Z

証明 上で定まるzn→A/〈R1,R2>Tの写像は明らかに準同型である。ま た、補題2.6.1により全射であり、補題2.6.3により単射であることが分 かる。       □  定理2.6.4により、A/〈Rl,R2>T ny znである。また、式(2.15)により、

群Kの元で互いに平行移動されるようなΣの元T,T「に対して、[T]=

[T ]∈A/〈Rl,R2>Tである。 B(Σ)/〈Rl,R2>Tはすべてのタイルで生成さ れるA/〈Rl,R2>Tの部分群であるが、実際には[T]=[T ]の関係から、有 限個のタイルで生成されることが分かる。すると、

H(£) E1i! (A/〈Ri, R,>T)/(B(2)/〈Ri, R2>T)

により、H(Σ)はzn/〈a1,_,am>の形で表されることとなり、B(Σ)が式

(2.14)のようなRl,R2を含む場合には、定理2,5.7によってタイルホモロ ジー群を単因子の計算で決定することができる。

 上記の方法による、タイルホモロジー群の具体的な計算例をあげる。

例2・6・5タイルタイプ難一 m[∵よって符号付きタイリング

可能であるための格子領域Rの条件を求める。

第2章 タイルホモロジー群

          R1_ lae・o I  2:0_

R2 =

2

o

・!・煽二日11ヨ

       I    I

  I       I   I     L .  _一一一一 .一 一

  ・」 :ll田         

  ・ 1一日

図2.3:R,, R2の定め方

39

 Σのタイルを用いて、図2.3のようにR1,R2を定める。このとき、Ri=

α2p一αo,o、 R2=αo,2一αo,oであり、領域Sは図2.4の白い部分となる。ま た、S内に左下の格子点を含むセルはα0,0,α1ρ,αO,1, al,1となる。

 群.4/〈Rl,R2>Tにおいて、補題2.6.1の式(2.15)により

       [ai+2,」・] = [ai ・]

      [ai, ・,+2] = [ai,,」v]

であり,A/〈Rl,R2>Tの任意の元[α]は

       [ctz] == ki[ao,o] + k2[ai,o] + k3[ao,i] + k4[ai,i]

と表される。このとき、定理2.6.4より次のことが成り立つ。

      A/〈Ri, R2>. r一 一 z4

(2.16)

(2.17)

(2.18)

 これを図で表すと、A/〈Rl, R2>Tにおいては、[α]は図2.4のαo,o,α1,0,αo,1,α1,1

の部分のセルの和で代表されるということである。

図2.4:αはこの図の白い部分のみで代表される

[ヨの置き方は、場所を櫨に入れな1ナれば図2.5の8通りである.

第2章 タイルホモロジー群 40

EgVEF G

ロコ『[ヨ』

図2.5:タイルの置き方

菰。・

raZ,

国﹈﹃

9}o:

Lauo,o

﹄ ﹄

図2.6:セルαo,oを含むタイルの置き方

第2章 タイルホモロジー群 41  そこで、この8通りの置き方でセルαo,oを含む、図2.6のようなタイル

を考える。

 このとき、図2.6のタイルをA/〈Rl,R2>Tの元として考えると、式(2.16)、

(2.17)により、これらは.4/〈Rl, R2>Tの中ですべて、2[αo,o]+[α1,0]+[αo,1]

と表される。つまり、この8通りのタイルはすべて.4/〈Rl, R2>Tの中では 等しいといえるので、次の式が成り立つ。

閏一円一固一門

     一トー円一圃一「司・A/〈一

よって、置く向きは1種類だけ考えればよいことがわかる。つまり、

ao.I

@I

@,ESi I ,ao111,aln■  の4つについて考えれば、タイ ルタイプ集合Σのすべての元について、対応するA/〈Rl,R2>Tの元を考

えたことになる。これらは、.4/〈Rl, R2>Tの中では

in] .一 2[a,,,] +[ai,o] +[ao・i] e(1)

FL ] 一一 [ao,o] +2[ai,o] +[ai,i] e()

臼一圃咽祠一/〕

岬]一鞭祠一①

第2章 タイルホモロジー群       42

であるので、式(2.18)の同型によりA/〈Rl,R2>TをZ4と同一視すれば、

B(£)/〈R,,・R・〉・…

q①,(1川!〕〉

と表される。以上により、タイルホモロジー群H(Σ)は、

    H(Z) == A/B(£) = (A/〈R,, R,〉.) /(B(Z)/〈Ri, R2>T)

      畝〔i〕,〔州,①〉

として計算することができる。

     θ一概1〕,T一(1糧

を用いて、

        s〔■〕T一儲1〕

というように、単因子の行列に基本変形できる。

 このことから、定理2.5.7より、

         H(:) ;i Z/Z × Z/Z × Z/4Z ×Z

      2Z/4Z×Z

である。

) ei , g」ZN ti i」 iJ OER  6N 2E S 2i, 6 ti i」 [J

 ユ ユ

ー︻﹇1

(2.19)

第2章 タイルホモロジー群 43  ここで、式(2.19)の同型を与える写像について整理する。つまり、格

子領域Rについて、[珂==XO,O[α0,0]+X1,0[α1,0]+XO,1[αO,1]+Xl,1[α1,1]∈

.4/〈Rl,R2>Tのとき、 R∈H(Σ)に対応する元を各群において考える。

 ・(A/〈R1,R2>T)/(B(Σ)/<Rl,R2>T)において対応する元は、@o,o[αo,o]+

  Xl,O[α1,0]十XO,1[aO,1]十C1,1[α1,1D十B(Σ)/〈Rl,R2>Tである。

・蝋〔i川}),〔i)〉一一・

cx/;?)+〈c/)・O・OC/)〉

である。

・一一一 ヨゼ∵蕗∫㌦〕

 である。

つまり、H(Σ)ny Z/4Z×Zの対応で、上記のRに対応するZ/4Z×Zの

元は、(一2xo,o−xl,o+ωo,1(mod 4),xo,o−xl,o 一 xo,1+ω1,1)である。

 これより次のことがいえる。

定理2.6.6値が0または1であるs,tに対し、格子領域Rの中の、乞≡8

(mod 2)》≡t(mod 2)となるセルαi,ゴの数をx。,tとおくと、 Rがタイル タイプ集合Σ一

m[乱で符号付タイリングされるため噸+分条

件は、

        {

         2xo,o 十 3xl,o 十 xo,1 E O (mod 4)

         カ、っ      (2.20)

         XO,O 十 Xl,1 = Xl,O 十 XO,1

である。特に式(2.20)は、Σでタイリングされるための必要条件である。

ドキュメント内 群論を用いたタイリング問題の判定 (ページ 32-51)

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