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D-1 死後 CT で骨幹端骨折の描出が可能であった一例

小熊栄二

1, 2)

、佐藤裕美

2)

、細川崇洋

2)

、古西崇寛

2)

、鍵本聖一

1, 3)

、窪田 満

3)

、萩原

真一郎

3)

、平野朋美

1, 4)

、西本 博

1, 5)

埼玉県立小児医療センター小児虐待対応チーム

1)

、放射線科

2)

、総合診療科

3)

、ソー シャルワーカー

4)

、副病院長

5 )

小児の死後 CT ( AiCT )では死因の推定とともに生前の養育状況、すなわち虐待行 為の有 無の評価が重要な実施理由となる。骨幹端骨折は虐待との関連性が高い 骨折であり、こ れが描出できるかどうかは、小児の AiCT の価値に大きな影響を与え うる。 今回われわれは、暴力的な振盪が目撃され、不幸な転帰をたった生後 60 日 の男児に AiCT を施行し、脛骨の骨幹端骨折を描出しえたので、必要な撮影条件や 画像処理法に言 及しつつ呈示する。

a b

c d e

図脚注 骨幹端骨折は、乳児期に関節周囲で最も脆弱な一次海綿骨で生じる骨幹端の横 断 骨折であり(a)、四肢に粗暴な伸展・捻転などが加わって生じる(b)。 骨幹端骨折は虐待

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第五部 Ai 画像の活用

に特徴的な骨折で重要であるが、その明確な描出は容易ではない(c)。 本症例では、AiCT の実施により受傷後 24 日以上経過しているにもかかわらず、左脛骨遠位 骨幹端骨折が明 瞭に描出された(d,e対比)。

-Memo-

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第五部 Ai 画像の活用

D-2 Ai を施行して良かった一例

佐貫榮一

日本大学医学部放射線医学系

産婦人科に入院していた患者さんが急になくなった。母子ともに失った御主人は、こ の悲しみの余りにか産婦人科医に原因は?などと怒鳴っていた。妊娠中毒が重症で すからの答えには、だから大きな病院に遠くから連れて来て大変なお金は差額ベッド 代などを払って---。急死ですので死亡診断書が書けない、の答えには、剖検はい まさら傷をつけたくないと拒否。司法解剖は長期にわたって入院しているのに書けな いとはどういうことですか?訴えてやる等々。感情的に拗れてしまった。産婦人科から の相談を頂き、ご主人そして関係関連機関などの了承のもとに X 線 CT 検査を施行し た。所見は下図(1)および(2)のごとくであった。ご主人は悲しみのなかにも納得され た様子で、放射線科には有り難うございました、産婦人科にはお世話に成りましたと 告げては深々と頭をさげて、母子ともにお帰りになった。

画像(1)脳溝が消失し、これに置き換わるごとく高吸収値域が分布しているのを認める。

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第五部 Ai 画像の活用

画像(2)腹部X 線CT検査 両側腎において皮質と髄質の間に明らかな石灰化巣が帯状に認められ た。

-Memo-

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第五部 Ai 画像の活用

D-3 石膏歯型模型の 3D-CT 画像を用い、咬創の検証を試みた一例

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