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105 3)マッサージ

6. ADL 練 習

患者が安全かつ安楽な生活が営めるよう起き上がりや立ち上がり、歩行、トイレ動作などの生活に おける動作のコツの指導や杖や福祉用具など補助具の選定が重要である。起き上がりは、臥位 から側臥位になり、上肢の筋力を補うため両下腿部をベッドより垂らす重心移動を利用したパターン を指導する。立ち上がりにおいては、ベッド高を少し高くすることで楽に立ち上がることができる。歩行 は、下半身麻痺や筋力低下により起立困難であってもティルトテーブルを利用すれば立位保持可 能であり、前段階として使用すれば精神的効果も大きい。トイレ動作は、患者の自尊心にも直結する 重要な動作であり、トイレまでの動線の確保や移乗方法・安楽な着座姿勢の確認、福祉用具の活 用などを用いて動作の維持を図る。

骨転移患者においては、病的骨折のリスクが見落とされていたり、過度な安静を強いられている 場合も多い。そのため、病状や予後からどこまで荷重や ADL を許容できるかについて、整形外科医 による判断を仰ぎ目標設定することが望ましい。理学・作業療法士はリスク管理のうえ、姿勢や動 作との関連性を考慮し、病的骨折や脊髄障害を生じて QOL を低下させないように以下の配慮が必 要である。

① 体幹装具作製や杖などの補助具の選択

② 大きな衝撃や捻転力が加わらない具体的な ADL 指導

③ 環境を整備し転倒、転落に配慮

④ 家族への介助指導

*脊椎転移患者の ADL 指導例

・横向き姿勢

①図のように両膝を立てます。 ②肩と膝が捻らないように棒状にして

横向きになります。手すりを持って行った方が 楽に行えます。

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・ベッド操作による座位姿勢(上:良いやり方 ○、下:悪いやり方 ✖)

○①ベッドの足側をあげて凹んだ位置に ②次に頭側をあげて座位になります。

お尻がくるように姿勢を調整します。

✖①ベッドの足側をあげないで頭側のみ ②足側に身体が下がり腰部で曲がり をあげた場合 ます。

注意:腰痛を引き起こすことになります。

・起き上がり~端座位

ベッド操作による座位姿勢から

①ベッドの足・頭側をあげた姿勢 ②ベッドの足側を下げます。

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③ベッド柵を持ち身体が捻らないよう ④端座位姿勢になります。

にしながら両足をベッドから下ろします。

・側臥位からの起き上がり

①横向き姿勢 ②両足をベッドから下ろします。

③身体を捻らないようにして両手で ④端座位姿勢になります。

ベッドを押して起き上がります。

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7.精 神 的 な援 助 (QOL 向 上 )

患者・家族の精神的な援助(QOL の向上)を支援することはリハビリテーションの目的の一つで ある。リハビリテーションは、ADL を支援することによって QOL の維持・向上を図るだけでなく、活動場 面の提供や社会的役割などへの働きかけを通じて患者・家族の QOL 向上に貢献できる。身体 機能の喪失感の強い患者に対して、自動介助運動などを用いて運動機会を提供することが患 者の生活における達成感、充実感の充足につながることがある。また、孫や子どもへのプレゼント を作ることや家族に料理を振舞ったり、味付けを指南したりする活動場面が役割や生きる意味を 再認識できる機会につながることがある。このようにリハビリテーションは、がんによる影響と向き合 いながらの生活を患者・家族自身が再構築することを支援する。

8.退 院 支 援 ・在 宅 生 活 への支 援

患者・家族が望む療養場所での生活を実現するために、自宅環境に合わせた ADL 指導や家 族指導、自宅の環境評価、住宅改修、福祉用具の導入等のアドバイスは、退院先での生活の 再建や生活場面における転倒、転落などの事故を未然に防ぐため重要である。また、医師や看 護師、ケアマネージャー、医療ソーシャルワーカー等の関係職種と協力し、介護保険・身体障 害者手帳の申請やケアプランの作成、サービス利用を援助し、治療後すみやかに在宅等の生 活に復帰できるよう支援するとともに、家族の負担や不安を軽減させ、退院後も患者・家族が望 む生活を継続できるよう在宅医療を支える専門職種と連携し支援する。

参考文献

1) 仲 正宏:終末期ケア.図解理学療法技術ガイド(第 2 版).文光堂,2001,pp409-413 2) 庄本 康治:最新物理療法の臨床適応.文光堂,1999.138-158

3) 田沼 明,辻 哲也:進行がん患者に生じる廃用症候群の予防の実際. 緩和ケア 16:23-27,2006 4) 青木 朝子,辻 哲也:リンパ浮腫治療のエビデンス.緩和ケア 16:44-48,2006

5)島崎寛将他:緩和ケアが主体となる時期のがんのリハビリテーション.中山書店,2013

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社 会 的 支 援

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医 療 ソ ー シ ャ ル ワ ー カ ー に よ る 社 会 的 支 援

がん患者・家族は、治療による医療費や生活費などの経済的不安を始め、多くの心理的、社会 的不安を抱えている。医療ソーシャルワーカーは、患者およびその家族を、社会生活を営む一人の 生活者としてとらえ、心理的・社会的不安を軽減し、よりよい社会生活を送ることができるよう、社会 福祉の視点から、こころと暮らしのサポートを行う。利用できる社会資源・制度について情報提供し、

他職種、他機関と連絡調整を行いながら、その活用を援助している。

患者・家族への支援の手順

1) 患者・家族と面談し、抱えている問題を把握するとともに、回復が見込めない中で療養の場 所が変わることへの不安等の感情を受け止め、精神的サポートを行う。

2) 問題を整理し課題を検討する。

在宅療養をする上での問題(家族の介護力、住宅状況、必要な医療処置、患者・家族の 不安)、ホスピスまたは療養型病床への転院をする上での問題(病状、経済状況、患者・

家族の不安)を患者・家族より聴き取る。

3) 緩和ケアチームで決定した目標設定に沿って、情報収集・連絡調整を行う。

4) 患者・家族に、退院後の療養の場の選択肢について説明・情報提供をし、自己決定でき るよう援助する。利用可能な制度の活用を支援する。

5) 退院に向けて、関係機関(在宅緩和ケア医、訪問看護ステーション、緩和ケア病棟、療養 型病床、ケアマネージャー等)との、連絡調整を重ねる。

6) 患者・家族への支援の中で、在宅緩和ケア医、訪問看護ステーション等と共同で退院前 カンファレンスを開催する必要がある場合は、その設定と調整を行う。

7) 治癒が見込めない中で、療養場所が移行することに対する患者・家族の不安・ショックは 大きく、また家族間の意向の違いや病状の変化に伴う気持ちの変化もあるため、状況を見 ながら面談を重ねて意思確認をし、支援方針の軌道修正をしていく必要がある。

経済的問題に関する資源

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