6 号
セシウムは放出割合で約 0. 7%、約 0.3%と現時点では推定される。
IV- 97 6.その他の原子力発電所の状況
(1)東通原子力発電所
3
月11
日地震発生当時、1号機は定期検査中であり、炉心の燃料は全 て使用済燃料プールに取り出されていた。地震により外部電源
3
回線全てが停止したため、外部電源喪失となり、非常用
DG(A)
(非常用DG(B)は点検中)による非常用母線への給
電が行われた。
また、4月
7
日に発生した宮城県沖地震により外部電源が喪失し、非 常用DG
が起動し電源確保を行った。その後、外部電源が復旧したもの の、非常用DG
がトラブルにより停止し、全ての非常用DG
が動作可能 でない状態に陥った。(2)女川原子力発電所
3
月11
日地震発生当時、1
号機及び3
号機は定格熱出力一定運転中で、2
号機は原子炉起動操作中であった。地震により外部電源5
回線のうち4
回線が停止したが、1
回線が残ったことから、外部電源は維持された。1
号機は、14時46
分に地震加速度大により原子炉が自動停止し、非常用
DG(A)
(B)が自動起動した。14時55
分に地震により発生した常用系高圧電源盤内部での地絡・短絡の影響で起動用変圧器が停止した ため所内電源喪失となり、非常用
DG(A)
(B)による非常用母線への 給電が行われた。常用電源の喪失により、給復水系のポンプが全台停止となったため、
原子炉への給水は、RCICにより行われ、原子炉減圧以降は制御棒駆動 水圧系により行われた。また、循環水ポンプ停止により復水器が使用で きないことから、MSIVを全閉とし、RHRと
SRV
により原子炉の冷却 と減圧操作が行われ、3月12
日0
時57
分、原子炉冷却材温度が100℃
未満の冷温停止状態となった。
2
号機は、原子炉起動操作中であったため、14 時46
分に地震加速度 大により原子炉が自動停止したことにより、速やかに冷温停止状態に移 行した。14
時47
分に発電機界磁喪失信号の発信により非常用DG
(A)、(B)、(H)が自動起動したが、外部電源が維持されていたため、非常 用
DG3
台は待機状態を維持していた。その後、津波により、原子炉補機冷却系
B
系ポンプ、原子炉補機冷却 海水系B
系ポンプ及び高圧炉心スプレイ補機冷却系ポンプが浸水し機能 が喪失したことにより、非常用DG(B)
、(H)がトリップしたが、原子 炉補機冷却系A
系が健全であったことから、原子炉の冷却機能に影響はIV-98
なかった。3
号機は、14 時46
分に地震加速度大により原子炉が自動停止した。外部電源は維持されていたが、津波による浸水でタービン補機冷却海水 系ポンプが停止したことから、給復水系のポンプを全台手動停止し、
RCIC
による原子炉への給水が行われた。また、原子炉減圧以降は制御 棒駆動水圧系及び復水補給水系による原子炉への給水が行われた。津波の引き波による循環水ポンプの全台停止により復水器が使用でき ないことから、MSIVを全閉とし、RHRと
SRV
により原子炉の冷却と 減圧操作が行われ、3月12
日1
時17
分、原子炉冷却材温度が100℃未
満の冷温停止状態となった。(3)東海第二発電所
3月11日地震発生当時、東海第二発電所は、定格熱出力一定運転中で
あった。同日14時48分、地震によるタービン軸受振動大でのタービント リップに伴い、原子炉が自動停止した。地震発生直後、3系統ある外部電 源が全て喪失したが、非常用DG3台が起動したことにより非常用機器へ の電源は確保された。原子炉自動停止直後の水位変動により、
HPCS及びRCICが自動起動し、
原子炉水位は通常水位に保たれた。その後の原子炉水位は、
RCICにより
維持され、原子炉の圧力は、SRVにより制御された。また、原子炉停止 後の崩壊熱の除去のため、RHR(A)及びRHR(B)を手動起動し、S/C の冷却を実施した。その後、津波の影響により非常用DG2C冷却用海水ポンプが自動停止し、
非常用DG2Cが使用不能となったが、残りの2台により非常用機器への電 源は確保され、S/Cの冷却は残留熱除去系RHR(B)により継続された。
3月13日19時37分に外部電源1系統が復旧し、 3月15日0時40分に原子炉
は冷却材温度が100℃未満の冷温停止状態となった。IV-99
図Ⅳ-6-1 各原子力発電所の立地地図
東通原子力発電所
女川原子力発電所
福島第一原子力発電所
福島第二原子力発電所
東海第二発電所
東京
IV-100
ドキュメント内
(1)福島第一原子力発電所の概要
(ページ 97-100)