に
蘯 字
の
義
に
つ い
て
検
す る に、『
如 意
眞
言 釋』
に は、
ま
ず
心 真 言 一に 切 法 了
義 不
可 得
の
義
が
あ
り、
真
言 陀 羅尼
に 一は 切 法 無 因
の
義 と
菩 提
道場
の
義
と が 示 さ れ て
い
る
。
こ の
了
義
不 可
得
は
『
釋
字 母
品
』
の
智
不 可
得の
義
と
相
通ず
る と
こ
ろ あ ろ う
。
特
に
、
不 空 所 説
の
『
瑜
伽
略 述 三 十 七尊
心要
』
の
大 円 鏡 智
絶
哩娜
野 心(
耳
◎
翅
包 が、
‘
き
字の
根 柢
的 内容
と し て
指 摘
し
う
る が、
大 師
の
『
請
來
目 録』
に
も
『
三
學 録
』
に
も
み え
ず
、
大 師
の
領 域
に は 位 置
づ
け さ れ
て
い
な
い
。
大 師
に
あ
っ
て は
、
・
薫
字 は
『
理 趣
』釋
の
大
樂 金 剛 不 空 三 昧 耶 本 誓の 心
真
言 た る藁
字
に
依
拠 し、 一 切 如来
の
妙
徳
が、こ の
藁
字 か ら 展 開 し、
『
吽
字義
』
構
築の 土 台
と
な
っ
て
い
っ
た
こ
と
が
知 れ る
。
ま た
、
大 師
は、
・
薫 字
能 生の
義 を
『
十
住
心論
』
に 示 し、 顕
密
二
教
の
判 釈
の
根 拠 と し
て、 真 如 所
説
の
顕 教 す
ら、
畠
字 愛
所 生
の
法 で あ
る
、
と
の
深 秘 釈 を 示 し
て い
る
。
ま た、
藁
字
一 切法 無
因の
義
が
『
如 意
眞 言 釋
』
に 注
義
さ れ て
い
る こ
と
に つ い
て み る に
、
第
3
図
に
示
す
が
如 く、
『
大
日
經
疏
』
と
彼 此
一味
に し て
、
こ
れ ら
を
ふ
ま え て、 大
師 は
『
吽 字 義
』
の
阿
字
一
門
切 諸 法 因 不 可 得の
実
義
を構 築
し てい
っ
た
。
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智豊合 同教学 大会紀要
更
に、 大 師 は
、
こ の
秘 辺
か ら
、
無
因無 果 本 来 清
浄 に し て円 寂
の
義
を も 導き
出
し
、
次
の
蠡 字
菩 提 道場 義 を
展 開
す
る の で あ る
。
こ の
菩 提 道
場 義
で は、
大 師 は、
直 接
、
『
如 意
眞
言 釋
』
を 依 用 し
て
い
る 事 実 を 指 摘 し て
お
い
た
(
第 4
V図
。
次
に、
。
牽
字 恐
怖
の
義
で あ る が、
大
正蔵 経
の
活
字 部
分 に あ る が
、
そ れ は
、
『
如 意
眞
言 釋』
の
策
子
原
本に は な く、
大
師
の
『
吽
字義
』に
あ 一る 文
を、
後
世、
恐 ら く 浄 厳
等
が、
引 用 加
筆
し て
増 広 部 分
と
し て
い
っ
た と み
ら れ
る
。
6
、
『
如 意
眞 言
釋』
に は、
策
子に み ら れ
る
原
初 形態
と
、
大
正 蔵 経 本
に み
ら れ る 増 広 部 分
を
含 む もの
と、 二
本 あ る
。
そ こ で、
混
入 し た 増 広 後 補
の
部 分 を、
第 6
図 一に 覧 し て
示
し た
。
こ の
こ と は、
策
子 原本
に
大 師 自
筆
の
『
如 意
眞
言 釋』
が 存
在 す
る こ と に よ
っ
て、
今
日
明 ら
か に
峻
別す
る こ と が
で き る も
の で あ る
。
こ
れ は、 一
つ に は
、
大
正 大 蔵 経 本 編纂 者
の
秀 れ た 異 本 校 合
の
勞 苦 と 成
果
に
負 う
と こ ろ で、
学
恩 を 感
謝
し た
い
。
な お
、
増
広 部
分に は、 布
字 観 な
ど、 あ
と づ
け る
べ
き 補 足
調
査箇
所 が あ ろ う が、小 論
の
目 的
と は 別
個
の
問
題で
あ る か ら
、
今
は 立ち 入 ら な
い
。
7
、右
の
如
く
、策
子 所 見の
『
如 意
眞
言 釋』
を
検
討 し てき た が、 凡
そ 次
の
如 く、 そ
の
思 想 的
役
割 と意 義
を示
し 得
よ
・
つ
。
『
如
意 眞 言
釋』と
大
師自 身
が
命 名
し た
本 儀 軌
は、
唐
土 に 入 唐
中
の
極
め て
短 時
日 の
間 に、
自
か
ら
書
写
し たも
の
で、
梵 漢
とも
祖本
を
忠 実
に
筆
写 し た もの と み
ら れ
る
。
筆 致 は、
策
子中 随
一の
神
品 と 評
す
べ
き も
の で
あ る だ け に、 そ
の
実 体
の
文 献 的 思
想 的
研究
が
俟
た れ る と こ ろ で
あ る が、
今
日
、
殆 ど 皆
無
で あ る の で
、
本
論 に おい
て い
さ さ か 究 明 を 試
み た
。
『
如
意 眞
言
釋
』に は、
如 意
輪 菩 薩
の
心
真
言 と真
言陀 羅 尼
が
梵
字悉 曇
で
書
写 さ れて あ る が、 少
く と も
十
一箇
所一
84
一N工工一Electronlc Llbrary
『如意輪菩薩觀門義注 秘訣』 攷
に
問 題
点
が
あ り、
そ れ
等
は、 別
の
祖 本 を
窺
わ せる
策
子 第二 十 九 帖
の
”
梵 眞
言 茱 子”
中
の
、
大
師筆
写の
梵 字 悉
曇
の
真
言に
よ
っ
て 対
校
し
、
充 分 比 較 研 究
す
るこ
と
が で き た
の で、
『
如 意
眞 言
釋』
の
梵 字 悉
曇
は、 一 応
の
校 訂
が
で
き た
。
『
如
意 眞
言 釋』
に お け る 思
想
的・教 学 的
ポイ
ン
ト と し て、
彦
と
蘯 学
の
義
注の
在 り
方
か
ら、 そ
の
史 的
役
割 と特
質
と
を 検
討 し、大
師
の
真 言 密 教
と
の
関
係
の
究
明 に
つ
と め た
。
6
↓三
身
の
義
の
中
で
、
皸
字 本
不 生 義 を 義 注 し乍
ら
、
判 字
報身
義
を 説 き、未
だ
、
法 身
義 を
説く
に 至
っ
て い
な
い
点
や
、
刈 字
に
法
身の
義 あ り と し て
、
化 身
の
義
とす
る
大
師が
依 用 し な
か
っ
た こ
と、
ζ
に
総 別
の 二
義
あ り とす
るこ
と や、
未
だ 恵 果
所
伝の
庵
の
五
義
が 説
か
れ
て
い
な
い
こ
と な ど か
ら し て
、
思 想 的 に
未
だ未
尽の
領
域 が
残
っ
て
い
る
こ
と を
指 摘
し
う
る
。
・
誕
字の
義
で は
、
『
如
意 眞
言釋
』
に は、 不 空
の
『
金
剛 頂
瑜
伽
略 述 三 十 七
尊
心 要
』
所 説
の、
蘯
字 大 圓 鏡 智 乾 哩
娜
野 心
(
葺 量 旨
)
や、
『
理 趣 釋
』
の
藁 字
大 樂 金剛
不 空 三昧
耶本
誓 心 が 義 注 さ れる に 至
っ
て
い
な
い
点
か ら も
、
『
如
意
眞
言 釋
』
が、
密 教
思想
形 成 過 程で
、
円 熟
に
向 う 少
し 前
の
段
階に
位
置
す
る 片
鱗
を窺
わせ る
も
の で
あ る
。
依
っ
て、
『
佛 書
解 説 大 事 典』
に は
、
こ の
『
如 意
眞 言
釋』
を
「
或
い
は 惠 果 和 尚
の
作
で は あ る ま
い
か
」
(
神
林
隆 浄、
第
八 巻、 三 六 九
頁
c
)
と の
推 論
が
提 起 さ れ て あ る が、 私
に は、 不 空・ 惠 果 以
前
の
成 立 と
考
え ら れ
る
。
ま た、 大 師
の
真
言
密教
に は、
『
吽
字義
』
に
も 所
引 が あ る が、 総じ て、 真 言 宗
徒 所 学
の
金 剛 頂
宗
経の
末 尾
に
位
置づ
け さ れ て
、
雜 部 真 言 經
で は な
い
も
の の
、
大
師の
真
言 密教
の
体 系
の
中 で は こ の
『
如
意 眞
言 釋』
が、
可 な り 批 判
的
に 依 用 さ れ て
い
る
こ と が わ か る
。
し か
し、 こ の
『
如 意
眞 言 釋
』
が、
真
言行 者
の
四
度
加行
の
根 幹
を な す 十 八 道の
本 尊
た る 如 意 輪
尊
の
觀 門
義
注 秘訣
と し て
常
に
貴
重 な 儀軌
で あ る こ
と に
は 変 り は な
い
。
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智豊合同教学大 会 紀 要
註 1
、三 十 帖 策 子 第 十 四 帖 末
に
大 師 自 筆
の
「
茱 子 総 目 録
」
あ り、 そ
の
三 葉 目
に、
「
如 意 眞 言 釋 等 茉
子一
」
と あ る
の が
、
当 面
の
策 子 第
二 十 七 帖
に 相 当 す る
。
2
元 亀 三
年
(一 五 七 二
)
八 月 十 三
日
金 剛 峯 寺 順 良 於 仁 和 寺 御 室 御 所 書 写 な る
本
奥
書、 享 和 三 癸 亥 天(一 八
〇
)三
夏
六 月 宝 福 寺 増 辨 写 得( 朱 印 在 判)
『
根 本 大 和 尚 御
眞
跡 策 子 等目 録 全
』
一 巻、
筆 者 所 蔵
。
3
、三 十 帖 策 子 第
二 十 七
帖 現 存
の
経 軌
は 左
の
如 し。
『
如 意 輪 菩 薩 觀 門 義 註 秘 訣
』
『
大 曼 荼 羅 十 七 尊 釋
』
『
金 剛 頂 瑜 伽 十 八 會 指 歸
』
『
金 剛 項 經 金 剛 界 毘 盧 舍 那 三 摩 地 禮 懴 文
』
4
、拙 論、
三 十 帖 策 子
に み ら れ る 大 曼 荼 羅 十 七
尊 釋 に
つ
い
て、 印 仏 研
20
の
2
、
昭
47
・
3
。
拙 論、
三 十 帖 策
子 に み ら れ る 金 剛 頂 瑜 伽 經 十 八
會 指 歸
に つ
い
て、 智
山 学 報
21
、48
昭・
3
。
拙 論、
三 十 帖 策 子
に み
ら れ る 金 剛 界 禮 懴
に つ い
て
、
密 教 学 研 究
6
、昭
49
・
3
。
5
、註
2
参 照
。