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RT-PCRDD法およびRAP-PCRDD法により、
両系統ラットにおける肝臓でのmRNA発現をそれぞれフインガープリントすることができた。 またPCR-select
cDNA subtraction法により、 両系統ラットにおいてコレステロール摂食により強発 現している遺伝子をそれぞれ検出した。 これらの方法によって、 両系統ラットおよ び食事コレステロール侵食において発現ノミターンの異なった、 高コレステロール血 症発症に関係する可能性がある21個の遺伝子の候補を選別する事に成功した。第VI章 総括
食事コレステロール摂取に対して高応答性を示し、 容易に高コレステロール血症 を呈する外因性高コレステロール血症(ExHC)ラットにおける高コレステロール
血症発症機作の解明とその病態発症に対する食事および薬物の改善効果について検 討した。
まず、 食事コレステロールに対する肝臓のコレステロール代謝関連タンパク質の 遺伝子発現の応答について、 ExHCラットとSDラットで比較検討した。 食事コレス テロールに応答してExHCラットのコレステロール7αーヒドロキシラーゼ、mRNAi!
とその活性は増加した。 食事コレステロールに応答してExHCラットのLDLレセプ タ-mRNA量は低下したが、 LDLレセプタータンパク質量はラットの系統や食事コ レステロールの影響を受けなかった。 アポA-IV mRNA量は食事コレステロールの 影響を受けなかったが、 ExHCラットで低い値を示し、 血清アポA-IV濃度も同様で あった。 これらの結果から、
ExHCラットにおける高コレステロール血症の発症は、
コレステロール代謝関連遺伝子の発現のみで説明することはできず、 その他の脂質 代謝経路との相互作用についても検討する必要があると考えられた。
ExHCラットの肝臓トリグリセリド濃度はSDラットのそれと比較して低いことが 知られている。 そこで肝臓のトリグリセリド代謝関連酵素の活性と遺伝子発現に及 ぼす食事コレステロールの影響についてSDラットと比較検討した。 脂肪酸合成酵素 の活性はSDラットに比べE泣-ICラットにおいて低い値を示した。 NADPHの供給系 であるグルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼおよびリンゴ酸酵素活性は、 系統およ び食事による影響は見られなかった。 トリグリセリド合成の律速酵素として知られ るホスファチジン酸ホスホヒドラーゼ活性は、 SDラットに比べExHCラットにおい て低い値を示した。 ミトコンドリアにおける脂肪酸酸化の律速酵素であるカルニチ ンアシルトランスフエラーゼ活性は、 SDラットに比べExHCラットにおいて高い値 を示した。 ベルオキシソームのß-酸化活性は、 SDラットに比べExHCラットにおい て低い値を示した。 脂肪酸合成酵素、 グ、ルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼおよび リンゴ、酸酵素のmRNAの発現量は、 SDラットに比べExHCラットにおいていずれも
低いイiむをぶした。 これらの結果から、 ExHCラットではコレステロールの摂取とは 関係なく脂肪椴酸化系の充進と脂肪酸およびトリグリセリド合成系の抑制が起こっ ており、 脂肪般の合成に関しては転写レベルで抑制されていることが示された。 し たがって、 ExHCラットの川二臓におけるリボタンパク質合成の際、 トリグリセリド 利JHの低ドがIJ IきI�こされるものと考えられた。
これまでの結*から、 トリグリセリドが少ないコレステロールエステルに富むß
VLDL様の粒子の肝臓からの分泌増加が、 ExHCラットの高コレステロール血症発症 に関与しているものとJfえられることから、 1%コレステローノレ食で1週間飼育した
SD
および�ExHCラットの、 ゴ、ルジ装置中の新/主リポタンパク質の脂質組成を検討し た。 dく1.006g / mLfful分に科!吋する新生VLDLljìの各脂質の別合には両系統ラットに おいて追いが見られた。 日IJち、 コレステロールエステルとタンパク質の割合は、 SD ラットに比べExHCラットで、向く、 逆にトリグリセリドの割合は、 SDラットに比べ ExHCラットで、低いイI立を示した。 コレステローノレエステル/トリグリセリド比を比較 すると、 SDラットに比ベExHCラットで顕著に高い値を示した。 これらの結果から、ExHCラットでは、 JÚllf 1での巽化が遅いβ-VLDL様の粒子の分泌増加が起こってお り、 このことがExHCラットの高コレステロール血症発症の原因であると結論づけ た。
更に、 このようなExHCラットの高コレステロール血症に対する食事成分および
薬物による改善について検討を行った。
まず、 食事脂肪酸の種類とExHCラットのコレステロール代謝との関係について 検討した。
コレステロール無添加条件で、は、 血清のコレステロール、 トリグリセリド、 リン 脂質濃度はすべて、 オリーブ油食群>ココナツ油食群>サフラワ一泊食群の順であっ た。 食事のモノ不飽和脂肪酸は多価不飽和脂肪酸、 飽和脂肪酸と比較して、 ExHC ラットのLDLレセプターの発現を抑制する事で血中コレステロール濃度を上昇させ る可能性がぷされた。
コレステローノレ添加食の条件下では、 血清の総コレステロール濃度はオリーブ油 食摂食群において顕著に上昇した。 ココナツ油食群はオリーブ油食群と比較して、
コレステロール7αーヒドロキシラーゼの活性およびmRNAの発現の克進などにより、
血清コレステロール濃度上昇を抑制するようであった。 サフラワ一泊食群による血 清コレステロール濃度上昇抑制機構は明らかでないが、 ExHCラットにおける肝臓 トリグリセリド濃度の低下が顕著で、ないことから、 トリグリセリド代謝を介して、
高コレステロール血症抑制に作用する可能性がある。 なお、 LDLレセプターmRNA レベルに対して食事脂肪の種類は影響しなかった。
次に、 ExHCラットではベルオキシソームのβ-酸化活性が低下していたことから、
ベルオキシソームプロリファレーターの一種であり、 血清トリグリセリド低下剤と して用いられているジェンフィブロジルのExHCラットの高コレステロール血症発 症への影響を検討した。 この薬剤投与により、 ExHCラットのコレステロール負荷 に基づくHDLコレステロール濃度の低下が改善され、 非HDL画分のコレステロール 濃度の上昇が抑制された。 ExHCラットの非HDL両分のリボタンパク質中のトリグ リセリド/コレステロール比は、 薬剤投与によりSDラットのものと同程度まで上昇 した。 薬剤投与したExHCラットでは、 肝臓のコレステロール7 a-ヒドロキシラー ゼ活性とそのmRNAおよび胆汁酸の排離電などの増加とACAT活性の低下が観察さ れた。 SDラットでは薬剤投与によってACAT活性の低下は認められたが、 コレステ ロール7αーヒドロキシラーゼに対する影響は見られなかった。 しかしHMG-CoA還 元酵素の活性の顕著な噌加が見られた。 これらの結果から、 ExHCラットで低下し ているベルオキシソームの活性を上昇させることによって、 ACAT活性、 胆汁酸合 成やコレステロールに富むリボタンパク質の分泌に改善効果がもたらされ、 高コレ ステロール血症が抑制されると考えられた。
またベルオキシソームプロリファレーターによるExHCラットのコレステロール
7 a-ヒドロキシラーゼ遺伝子発現の上昇の機構を調べる目的で核内転写因子NF-KB の発現量を測定した。 コレステロール7α-ヒドロキシラーゼ遺伝子のプロモーター
領域はNF-KBの結合領域を有することから、 この配列をプロープにしてゲルシフト アッセイ法により、 ジェンフイブロジル投与の影響について評価した。 この配列を 認識している証拠となるシフトバンドが核内タンパク質中に確認されたが、 ジェン
活性にj去が見られなかった。 したがって、 ExHCラットにおけるジェンフィブロジ ル投与によるコレステロール7αーヒドロキシラーゼ遺伝子発現の特異的誘導を、
NF-KBの発現と!刻;!llづけることはできなかった。
最後に、 食'Jfコレステロールに対して鋭敏な応答の原因となる遺伝子の検索を試 みた。 そこで、 検体問でのmRNAの発現世の違いを1枚のゲノレ上にフインガープリ ントすることのできるRT-PCR 00法およびRAP-PCR 00法ならびに比較検体問で cDNAのハイブリットを形成させ、 ハイブリッドを形成しない検体特異的遺伝子を よ門似するPCR-select cDNA subtraction法などを用いて、 コレステロール添加および 無添加食を与えたExHCラットとSDラットから、 ラットの系統および食事コレステ ロール肢食において発現ノくターンの異なった疾患遺伝チの候補を21個選別する事に 成功した。 今後このシステムにより、 ExHCラットを高コレステロール血症に導く
疾患遺伝子併を効本的に検索することができるものと考えられた。
本研究では、I1F臓からのコレステロールエステルに富むリボタンパク質の分泌充 進が、 ExHCラットの外国性高コレステロール血症発症に重要な役割を果たしてい ることを明らかにした。 また、 食事脂肪やベルオキシソームの活性を上昇させる薬 物を用いてコレステロール7αーヒドロキシラーゼの遺伝子発現を増加させる事によっ て、 高コレステロール血症を軽減で、きることを示した。 これらのことから、 ExHC ラットは高コレステロール血症発症機作を遺伝子の面から追求する上で有用なモデ ル動物であり、 かつ、 食事成分や薬剤の影響の評価にも適した実験動物となりうる。