• 検索結果がありません。

Clump星で、He-燃焼によるエネルギーの発生により少し膨張して密度が小さくなっているた めに、∆Pgがred giant branch にある星よりも大きくなっている。これらの星は、HR図上(右 上図)で、ほとんど同じ領域に存在し、区別する事は非常に難しいが、左上図のように、振動 の性質から明確に分離される。

のように定義すると、恒星振動周波数のコリオリ力による影響 σ1σ1 =−m

Ω(r)K(r)dr (4.0.43)

のように表される。自転のない場合には、非動径振動の周波数σmには依存しなかったが(縮 退していたが)、自転の効果でm 依存性が発生する。|m| ≤` なので、自転のない場合 (n, `)を 持つモードの振動数は異なるmのために2`+ 1個に分裂する。このことを rotational splitting という。カーネルK(r)の分布はモードによって異なるので、種々の(n, `)のモードにに対する

rotational splittings を計測する事が出来れば、恒星内部の角速度分布を知る事が出来る。大き

く分けて、p-modesは外層で振幅が大きく、g-modesは中心領域で振幅が大きいので、p-modes のrotational splittings からは外層の角速度の情報が得られ、g-modes のsplittings からは中心 部の角速度についての情報が得られる。

` = 1 (dipole) g-modes の rotational

split-tings をあらわすフーリエ解析 (振動数−振

幅)図の例 (KIC 9244992)。3つの振動数の 組(triplets)が数多くみられる。

p-mode とg-mode のrotational kernel K(r)の 例。g-modeは中心部にp-modeは外層に、それ

ぞれweight があることがわかる。

自転角速度が一定(uniform rotation) の場合は、

Cn`

∫ (2ξrξh+ξ2h)ρr2dr

∫[ξr2+`(`+ 1)ξh2]ρr2dr (4.0.44) を定義して、

σ1 =−mΩ (1−Cn`) (4.0.45)

のように表される。Cn`はLedoux定数ともいわれる。mΩCn`が星の co-rotating座標でのコリ オリ力の影響を表している。High-order g-modes ではh| |ξr| なので、Cn` 1/[`(`+ 1)]

となる。一方、high-order p-modes では、h| |ξr| なので、Cn`1となる。

4.1 赤色巨星内部の自転速度

最近、red-giantsに対するKeplerおよびCoRoT衛星の観測により、` = 1 のモードの振動数の rotational splittingsが、coreまたはenvelopeにトラップされたモードで異なっていることが明 らかになった。

赤色巨星 KIC 5356201 で観測された dipole (`= 1)の振動モードの rotational splitting が large separation ∆ν で規格 化された周波数の関数としてプロットさ れている。所々splittings が極小を示す のは、その周波数のモードの運動エネル ギーが外層(ゆっくり自転している)に閉 じ込められるためである。それ以外の領 域のモードは中心部の自転を反映してる ため、rotational splittings が大きい。

外層への振動エネルギー閉じ込めは、あ る振動数間隔で規則的に起こるので、そ れらをシフトさせて同じ所で重ね合わ せたのが右の図である。また、splittings

は maximum の値で規格化されている。

dipole modes (` = 1) に対しては、 rota-tional splitting = (1−C)Ω/(2π) と表さ れ、Cの値は、モードによって異なる(純 粋なdipole high-order g modesに対して はC 0.5)ので、そのことを考慮する事 により、外層と中心部の自転速度を導出 する事が出来る。KIC 5356201の中心部 と外層の自転の速さの比は約 20倍であ る(Goupil et al 2013)。

星震学により得られた赤色巨星とクランプ星(Core-He burning stage)の中心核の自転周期と 恒星半径の関係。赤色巨星の中心部に比べ、クランプ星の中心部はHe-burningの開始により

少し膨張しているため、自転角速度が減少し自転周期が長くなっていることがわかる。

右の図は、これまでに恒星振動を使 って計測された自転速度が恒星表面 重力に対してプロットされたもので ある(Aerts 2015)。(大雑把に言って logg > 4が主系列星でlog g が小 さいほど主系列段階後の進化が進ん だ星である。)中心部(core)と外層 (envelope)の自転の比は進化が進ん で中心部が収縮すると大きくなる事 が予想されるが、右の図では、その

比は5 – 20倍程度にしかならない事

を示している。

一方、子午面還流および乱流による標準的角運動輸送を考慮した進化モデルは、中心部の自 転速度が表面よりも千倍以上の速さで回っている事を予想している。このことは、恒星内部に おける角運動量輸送効率が現在理論的に考えられているよりも大幅に大きい事を示している。

恒星進化モデルの内部での角運動量の輸送は ((r2Ω)

∂t )

MP

= 4π 5

∂MP(ρr4ΩUr) +

∂MP [

(4πρr3)2D ∂Ω

∂MP ]

の式で計算される。

関連したドキュメント