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4.医薬品の製造販売承認及び製 造業許可の要件

医薬品が高品質の製品として患者の下 に提供されるためには、医薬品が実際に製 造される段階において適正な管理が行われ る必要がある。すなわち、製造する者の資 質、製造する場所の構造設備が適切なもの でなければならない。更に、製造工程の全 般にわたって科学的合理性に基づいて適切 な管理が行われ、製造される必要がある。

1969年7月に世界保健機関(WHO)の総 会(世界保健総会:WHA)においてGMP の導入が勧告されてからは、世界の各国に おいて医薬品の製造段階における品質を確 保する方法として採り入れられてきた。日 本においても、GMPについては、ハード面 は「薬局等構造設備規則」、ソフト面は「医 薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管 理」でそれぞれ既定されていた。これは、

従来の薬事法が承認と品目許可の制度が異 なる法体系となっていたためであった。し かし、2005年4月1日の改正薬事法施行によ り、新たに「医薬品及び医薬部外品の製造 管理及び品質管理の基準に関する省令(以 下、GMP省令)」(2004年12月24日付厚生 労働省令第179号)が定められ、GMPソフ トの中に医薬品の特性に応じて必要となる GMPハードが統合された。具体的には、第 9条でGMPが適用される製造所の基本的な 構造設備基準が定められ、また、第23条に 無菌医薬品の製造所の構造設備基準が規定 された。従来の薬局等構造設備規則につい ては、「薬局等構造設備規則の一部を改正 する省令(2004年12月24日付厚生労働省令 第180号、一部改正:2005年4月1日付厚生 労働省令第73号)として改正されている。

2005年4月1日の改正薬事法改正施行によ

り、GMPは、製造販売承認の要件となり(法

第14条第2項第4号)、構造設備規則は製造 業の許可要件となった(法第13条第4項第1 号)。製造所における製造管理又は品質管 理の方法が基準に適合していると認められ ないときは、厚生労働大臣は製造販売承認 を与えないことができる。また、製造所の 構造設備が基準に適合しないときは、厚生 労働大臣又は都道府県知事は製造業許可を 与えないことができる。

原薬については、「原薬GMPのガイドラ インについて」(2001年11月2日付医薬発 1200号:ICH-Q7A、現ICH-Q7)に別添され る原薬GMPガイドラインを参考とするこ ととされている。

以下に医薬品のGMPソフト部分につい て総括する。

1) 必要書類

GMP省令では、医薬品製造所における作 業をすべて製造管理と品質管理のための作 業に分けて、それぞれに必要な書類として すべての作業条件、作業内容を網羅して標 準化した基準書類(製品標準書、製造管理 基準書、製造衛生管理基準書及び品質管理 基準書)とそれに基づいて具体的な作業を 行う際に必要な書類(製造指図書)、更に すべての作業を実施した結果の記録(製造 に関する記録、製造衛生管理に関する記録、

試験検査に関する記録等)、保管出納に関 する記録等の整備を要求している。これら の書類は、製造管理及び品質管理が正しく 行われるうえで必要と思われるものがあれ ば、適宜補足追加して整備されるべきであ

り、これらの記録類は、作成日より一定期 間の保管を義務づけている。

なお、生物学的製剤及び生物由来製品の 場合には、当該製品の使用により患者等に 健康被害が発生した場合に原因究明を行う ために必要な記録を保存することが義務づ けられている。

2) 人事組織

医薬品製造所における作業は、すべて、

前に述べた基準書類に基づいて製造管理及 び品質管理が実施され、それぞれの作業の 結果については各部門の責任者が責任を負 い、最終的に出荷される医薬品についての 出荷適否の判断については、従来は医薬品 製造管理者が行っていたが、品質部門が担 うことに変更された。製造所における製造 管理及び品質管理全般にわたる問題につい ては、薬事法によって各製造所におくこと が定められている医薬品製造管理者が最終 的に責任を負うことになっている。

GMP省令第4条には、製造所における組 織として製造部門から品質部門を独立さ せ、それぞれの業務を適正かつ円滑に実施 しうる能力を有する責任者を製造所の組 織、規模及び業務の種類に応じ適切な人数 を置くことになっている。医薬品製造管理 者については薬事法の規定によりその職務 は明らかであるが、GMP省令第5条に、医 薬品製造管理者の業務の一つとして、製造 管理及び品質管理に係る業務を統括するこ とが規定されている。

3) 製造管理

製造業者等*は製造部門に手順に関する

文書に従って、以下の業務を適切に行わせ なければならない。

・ 製造指図書を作成し保管すること。

・ 製造指図書に基づき製品を製造す ること。

・ 製品の製造に関する記録をロット ごとに作成し、保管すること。

・ 製品の資材について、ロットごとに 確認すると共に、その結果に関する 記録を作成し、保管すること。

・ 製品等はロットごと、資材は管理単 位ごとに適正に保管し出納を行う と共に、その記録を作成し保管する こと。

・ 構造設備の清浄を確認し、その結果 に関する記録を作成し保管するこ と。

・ 構造設備を定期的に点検整備する と共に、その記録を作成し保管する こと。また、計器の校正を適切に行 うと共に、その記録を作成し保管す ること。

・ 製造、保管及び出納並びに衛生管理 に関する記録により製造管理が適 切に行われていることを確認し、そ の結果を品質部門に対して文書に より報告すること。

註)製造業者等:製造業者及び外国 製造業者

4) 品質管理

製造業者等は、品質部門に、手順に関す る文書に従って、以下の業務を計画的かつ

適切に行わせなければならない。

・ 製品等についてはロットごとに、資 材については管理単位ごとに試験 検査を行うのに必要な検体を採取 すると共に、その記録を作成し保管 すること。

・ 採取した検体について、ロットごと 又は管理単位ごとに試験検査を行 うと共に、その記録を作成し保管す ること。

・ 製品について、ロットごとに所定の 試験検査に必要な量の2倍以上の量 を参考品として、製造された日から 当該製品の有効期間又は使用の期 限に1年を加算した期間適切な保管 条件の下、保管すること。

・ 試験検査に関する設備及び器具を 定期的に点検整備すると共に、記録 を作成し保管すること。また、試験 検査に関する計器の校正を適切に 行うと共に、その記録を作成し保管 すること。

・ 採取した検体についての試験結果 の判定を行い、その結果を製造部門 に対して文書により報告すること。

更に、製造業者等は輸入先国の試験 検査を利用する場合には、品質部門 に以下の業務を行わせなければな らない。

・ 製品等が適切な製造手順により製 造されていることを定期的に確認 すること。

・ 外国製造業者の製造所が、その国に おける製造管理及び品質管理に関 する基準に適合していることを定

期的に確認すると共に、その記録を 作成し保管すること。

・ 外国製造業者が行った試験検査の 記録を確認すると共に、その記録を 作成し保管すること。

5) バリデーション等の手順に関する文 書

製造業者は、バリデーション、変更の管 理、逸脱の管理、苦情処理、回収処理、自 己点検及び教育訓練等の業務を適切に行う ため、それらの手順に関する文書を製造所 ごとに作成しなければならない。

6) バリデーション

製造業者等は、あらかじめ指定した者 に、手順に関する文書に従って、以下の業 務を行わせなければならない。

・ バリデーションの計画及び結果を 品質部門に対して文書により報告 すること。

また、製造業者等は、バリデーションの 結果に基づき、製造管理又は品質管理に関 し改善が必要な場合には、適切な措置を講 じるとともに、当該措置の記録を作成し保 管すること。

7) 変更の管理

製造業者等は、製造手順等について、製 品の品質に影響を及ぼすおそれのある変更 を行う場合には、あらかじめ指定した者に、

手順に関する文書に従って、以下の業務を 行わせなければならない。

・ 当該変更による製品の品質への影 響を評価し、その評価結果を基に変

更を行うことについて品質部門の 承認を受けること。

・ 変更を行うときは、関連する文書の 改訂、職員の教育訓練その他所要の 措置を採ること。

8) 逸脱の管理

製造業者等は、製造手順等からの逸脱が 生じた場合には、あらかじめ指定した者に、

手順に関する文書に従って、以下の業務を 行わせなければならない。

・ 逸脱の内容を記録すること。

・ 重大な逸脱が生じた場合は、製品の 品質への影響を評価し、所要の措置 を採ると共に記録を作成し、保管す ると共に、品質部門に対し報告及び 確認を受けること。

9) 品質等に関する情報及び品質不良の 処理

製造業者等は、医薬品の品質等に関して 情報を得た場合は、その品質情報に係る事 項が当該製造所に起因するものでないこと が明らかな場合を除き、あらかじめ指定し た者に、手順に関する文書に従って、以下 の業務を行わせなければならない。

・ 当該品質情報に係る事項の原因を 究明し、製造管理又は品質管理に関 し改善が必要な場合には、所要の措 置を講じること。

・ 当該品質情報の内容、原因究明の結 果及び改善措置を記載した記録を 作成し、保管すると共に、品質保証 部門に対して文書により速やかに 報告し確認を受けること。

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