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4) 効能・効果について

ドキュメント内 untitled (ページ 117-120)

機構は、本薬の効能・効果は、「1. イマチニブ抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病、

2.

再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病」と設定し、効能・

効果に関連する使用上の注意として以下の内容を注意喚起することが適切であると判断し た。

·  未治療の

CML

及び

Ph+ ALL

に対する本薬の有効性及び安全性は確立していない。

·  イマチニブ不耐容例に本薬を使用する際には、慎重に経過観察を行い、有害事象の 発現に注意する必要がある。

·  染色体検査又は遺伝子検査により慢性骨髄性白血病と診断された患者に使用する。

専門協議では、専門委員から以下のような意見が出された。

・  本薬は未治療

CML

に対しても有効性が期待されることから、本薬の一次治療として の開発状況を確認する必要がある。

・  「イマチニブ抵抗性」及び「イマチニブ不耐容」に一般的な定義はなく、「イマチニ

ブ抵抗性」及び「イマチニブ不耐容」は、通常、臨床現場では個別の患者背景に基づ いて、個々の主治医により判断されているものであり、厳密な基準を設けることが困 難である。しかしながら、当該判断は厳密な基準は無くとも、臨床試験で規定した当 該定義等も参考とし、専門知識を有する個々の医師により適正に判断される限り、「イ マチニブ抵抗性又は不耐容」を効能・効果に含めても臨床使用では問題は生じない。

・  臨床試験で使用された「イマチニブ抵抗性」及び「イマチニブ不耐容」の基準は、本 薬の適用を検討する上で参考となると考えられることから、臨床現場に適切に情報提 供する必要がある。

・  イマチニブに不耐容の

CML

患者に本薬を使用する際に、交叉不耐容が生じうること が明確になるような注意喚起が望ましい。

また、専門委員より、①効能・効果で「イマチニブ抵抗性又は不耐容」の内容が設定され るのであれば、当該効能・効果から本薬は二次治療としての使用に限定されることは明らか である旨、②一次治療でのイマチニブ使用時に染色体検査又は遺伝子検査により

CML

と既 に診断されており、また、Ph+ ALL においても同様に前治療施行時には診断されているこ とから、本薬投与前に

CML

及び

Ph+ ALL

の診断を目的とした新たな染色体検査や遺伝子検 査を行う必要はないと考える旨の意見が出されたため、機構は使用上の注意の項において

「未治療の慢性骨髄性白血病に対する本薬の有効性及び安全性は確立していない」及び「染 色体検査又は遺伝子検査により慢性骨髄性白血病と診断された患者に使用する」旨を敢えて 注意喚起する必要はないと判断した。

機構は、専門協議での議論等を踏まえ、以下のように考える。

本薬は、イマチニブ治療中に

Bcr-Abl

変異により十分な効果が得られなくなったフィラ デルフィア染色体を有する白血病患者への治療薬を主な開発コンセプトとして開発された 経緯があることに鑑み、CMLの効能・効果については、イマチニブ抵抗性の

CML

患者に 対する薬剤であることを設定し、イマチニブに不耐容の(忍容性のない)

CML

患者に対す る薬剤であることを効能・効果に敢えて明示する必要はないと判断した。ただし、イマチ ニブの副作用等でイマチニブの投与が適切ではないと判断された症例の治療選択肢は限ら れること、臨床試験ではイマチニブに忍容性のない患者も組み入れられ、当該患者へも有 効性が期待できると判断したことから、当該患者での使用を妨げるものではない旨を効 能・効果に関連する使用上の注意の項へ記載することが適切と考える。

また、「イマチニブ抵抗性」及び「イマチニブ不耐容」を厳密に定義することは困難であ るものの、造血器悪性腫瘍に関する専門知識を有する個々の医師により適切な判断は可能 と考え、参考として臨床試験で使用された基準を資材等で情報提供することが適切と考え る。

以上より、機構は、以下の内容を申請者に指示し、申請者はこれに従う旨回答した。

·  効能・効果は「1. イマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病、

2.

再発又は難治性のフィラ デルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病」と設定すること。

·  効能・効果に関連する使用上の注意の項において、「慢性骨髄性白血病患者に本剤を 使用する際には、イマチニブに効果不十分又は忍容性のない患者を選択すること」及 び「イマチニブに忍容性のない患者に本剤を使用する際には、慎重に経過観察を行い、

副作用発現に注意すること」の内容を設定すること。

·  本薬の臨床試験で用いられた「イマチニブ抵抗性」及び「イマチニブ不耐容」の基準 について、資材等を用いて医療現場に情報提供すること。

さらに機構は、本薬の今後の開発計画について説明を求め、申請者は一次治療における本 薬の開発について、以下のように説明した。

CML-CP

の一次治療での本薬の臨床開発に関しては、3試験(CA180-056、CA180-040及 び

SWOG0325

試験)が実施中である。当該

3

試験では、本薬

100mg QD

とイマチニブ

400mg QD

を比較している。CA180-056 試験は

1

年間投与での

CCyR

を主要評価項目とし、20 年    に試験成績が得られる予定である。当該成績に基づき、米国、欧州及び日本で未治療

CML

を対象とした承認申請を計画している。

機構は、CML-CPに対する本薬の一次治療としての有効性及び安全性の評価には、標準 治療として用いられるイマチニブと比較した臨床試験成績が必要であると考える。当該試 験において本薬の有効性及び安全性が示された場合は、遅滞なく承認事項一部変更承認申 請を行う等の本薬の適正使用のための方策を適切に講じる必要があると考える。

5)

用法・用量について

(1)CML-CPについて

機構は、以下の理由から、CML-CPに対する用法・用量は「通常、成人にはダサチニブと して

1

100mg

1

1

回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。」の内容 で設定することが適切であると考えた。

国内臨床試験(CA180-031試験)の第Ⅰ相期は

50、 70

及び

90mg BID、第Ⅱ相期は 70mg BID

で実施されており、

CML-CP

に対する国内申請用法・用量は50mg BID、増量時

90mg BID

と設定されていた。一方、海外では、初回承認時は開始用量

70mg BID、増量時 90mg BID

であったが、海外第Ⅲ相試験(CA180-034試験)の結果に基づく用法・用量の変更申請を 経て、承認用法・用量は開始用量

100mg QD、増量時 140mg QD

へと変更された。

100mg QD

の検討を含む、実施中の国内臨床試験(CA180-138試験)は中間成績が得られているが、

日本人では

1

100mg

を超える用量の使用経験が得られていない。

機構は、

CML-CP

に対する本薬の至適用法・用量は

CA180-034

試験の結果から

100mg QD

とされ、国際的に

BID

法が推奨されていない状況であることに鑑み、また、現時点で

CA180-138

試験の中間成績では、100mg QDは日本人において投与開始

6

カ月間は忍容可 能であり、

Major CyR

も認められていることから、本邦における開始用量として

100mg QD

を設定可能と考えた。ただし、1回

100mg

を超える用量の日本人での使用経験は得られて いないことから、海外とは異なり、140mg QDへの増量は設定せず、適宜減量のみとする ことが適切と考えた。

(2)CML-AP、CML-BC及び

Ph+ ALL

について

機構は、以下の理由から、CML-AP、CML-BC及び

Ph+ ALL

における用法・用量は、「通 常、成人にはダサチニブとして

1

70mg

1

2

回経口投与する。なお、患者の状態によ り適宜増減するが、最大

1

90mg

1

2

回までとする。」の内容で設定することが適切 であると考えた。

当該疾患における有効性及び安全性は海外臨床試験で設定された

70mg BID

で得られて おり、日本人症例では、国内

CA180-031

試験において

90mg BID

までの忍容性が得られて いること、また、海外では

100mg BID

までの増量が承認されているが、日本人では

BID

法 において

1

90mg

を超える用量の使用経験が得られていないことから、増量時の最大量 として

90mg BID

を設定することが適切と考えた。

また、他の抗悪性腫瘍剤との併用についてはエビデンスが得られていないことから用 法・用量に関連する使用上の注意として、「他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及 び安全性は確立していない」旨を注意喚起することが適切と判断した。さらに、減量・休 薬・中止基準については、臨床試験で使用された基準を情報提供する必要があると考えた。

専門協議では、以上の用法・用量及び用法・用量に関連する使用上の注意の設定内容に関 する機構の判断は、専門委員から概ね支持された。また、専門委員からは以下のような意見 が出された。

・  CML-CP

に対する本薬の上限を、使用経験に基づいて

100mg QD

とすることは理解でき

るものの、海外試験成績を踏まえると、

100mg QD

で効果不十分な症例に対して

1

日投 与量として

140mg(70mg BID)まで増量可能な設定とすることも考えられる。

・  CML-CP

において、

100mg QD

50mg BID

を比較した場合、

AUC

は変わらないが、

50mg BID

に比べて

100mg QD

では

C

maxが高値を示すことによるリスク増加の可能性がある ことから、国内臨床試験での安全性を確認する必要がある。

・  海外では CML-CP

に対して

140mg QD

への増量が可能となっているが、

140mg QD

の国 内症例はなく、海外と同一の用法・用量が設定できないこと、また、海外では

CML-CP

以外も

BID

から

QD

への用法・用量の変更が進められているにもかかわらず、国内で の

QD

の検討は海外より遅れており、

BID

で承認せざるを得ない、という事態を申請者 が招いたことは大きな問題であると考える。

・  食事の影響に関する注意喚起を行うことも検討する必要がある。

  機構は、海外臨床試験においても

100mg QD

で開始した場合の増量は

140mg QD

と規定さ れており、100mg QDで効果不十分な症例において

70mg BID

として

1

日投与量を増量した 場合の有効性及び安全性は明らかではないと考える。国内臨床試験(CA180-138試験)成績 では、100mg QD及び

50mg BID

の安全性は中間成績の段階で特段の差異は認められておら ず、Cmaxが高値を示すことによるリスク増加の可能性は、現時点では不明であると考える。

海外では

CML-CP

以外でも

BID

から

QD

への用法・用量の変更が進められていることから、

申請者は、本邦でも当該承認事項一部変更承認申請を行う等の本薬の適正使用のための方策 を適切に講じる必要があると考える。また、本薬の食事による

PK

の変動は小さいことが示 されていることから(「審査報告(1)4.1 生物薬剤学に関する資料」の項参照)、食事の影 響に関する注意喚起を行う必要はないと考える。なお、米国の添付文書(2008年

5

月版)

では、食事摂取を問わず服薬可能なこと(「SPRYCEL can be taken with or without a meal.」)

が明記されている。

ドキュメント内 untitled (ページ 117-120)