はそれぞれ相対標準偏差として
5.0
及び44 %であり,HorRat
は2.74
であった.ジスルホトンスルホンの結果は
Table 12
のとおりであり,とうもろこしでは,平均回収率は105 %
,その室内繰返し精度及び室間再現精度はそれぞれ相対標準偏差として7.9
及び10 %
であり,HorRatは
0.46
であった.また,若令牛育成用配合飼料では,平均回収率は
103 %,その室内繰返し精度及び室間再現精
度はそれぞれ相対標準偏差として4.6
及び10 %
であり,HorRat
は0.50
であった.また,スーダングラス乾草では,平均回収率は
97.4 %
,その室内繰返し精度及び室間再現精度 はそれぞれ相対標準偏差として5.7
及び27 %であり,HorRat
は1.66
であった.なお,参考のため,各試験室で使用したガスクロマトグラフの機種等を
Table 13
に示した.Table 11 Collaborative study for disulfoton
1 2 3 4 5 6 7 8
Spiked level (µg/kg) Mean value
a)(µg/kg)
Recovery
a)(%) RSD
rb)(%) RSD
Rc)(%) PRSD
Rd)(%)
HorRat
495
2.74 49.5
5.0 44 16
401 367
702 703
374 328
249 258
1000 405
443 500
496 511
918 919
27.6
13.1 12.1 113 134
10.7 26.5 40.8
11.8 78.8 54.1
25.9
6.40 34.2
10.20 8.95
Sudangrass hay (µg/kg) 349
14.4
40.0 85.9 8.25
3.22
9.02
15 20.0
11.7
10.1
7.4
200 65.7 32.8 50.4
6.90
1.77 3.91
39 80
22 20
19.7
150 171
15.9
Formula feed for growing cattle
(µg/kg)
37.6
Table 12 Collaborative study for disulfoton sulfone
1 2 3 4 5 6 7 8
Spiked level (µg/kg) Mean value
a)(µg/kg)
Recovery
a)(%) RSD
rb)(%) RSD
Rc)(%) PRSD
Rd)(%)
HorRat
21.8 21.8 221 217
191
252 228
21.3 206
193
0.46 0.50
10 10
22 20
4.6 20.0
21.0
7.9
200 206 103 105
216 216 Corn
(µg/kg)
24.8 24.6
19.9 22.0 19.8
Formula feed for growing cattle
(µg/kg)
18.5 18.9 176 180
226 190 19.1
20.6
21.6 201
Sudangrass hay (µg/kg)
1140 1160
1070 1250
23.7 17.8 189 194
19.9
980 932
972 936
1030 1010
1150 1200
1000 974
946 1040
403 364
1.66 97.4
5.7 27 16
a) n=16
b) Relative standard deviations of repeatability within laboratory c) Relative standard deviations of reproducibility between laboratories
d) Predicted relative standard deviations of reproducibility between laboratories calculated from the modified Horwitz equation
Table 13 Instruments used in the collaborative study GC column
(i.d.×length, film thickness) Agilent Technologies HP-5 (0.32 mm × 30 m, 0.25 µm) Agilent Technologies HP-5 (0.32 mm × 30 m, 0.25 µm) Agilent Technologies HP-5 (0.32 mm × 30 m, 0.25 µm) Agilent Technologies HP-5 (0.32 mm × 30 m, 0.25 µm) Agilent Technologies HP-5MS (0.25 mm × 30 m, 0.25 µm) Agilent Technologies HP-5 (0.32 mm × 30 m, 0.25 µm) Agilent Technologies HP-5 (0.32 mm × 30 m, 0.25 µm) Agilent Technologies HP-5 (0.32 mm × 30 m, 0.25 µm) Hewlett-Packard 6890 plus
Agilent Technologies 6890N
Shimadzu GC-17A (FPD-17)
Agilent Technologies 6890N
Agilent Technologies 6890
Shimadzu GC-2010AF (FPD-2010)
Lab. No. GC-FPD
1
2
Agilent Technologies 6890N
Agilent Technologies HP6890N
3
4
5
6
8
7
4 まとめ
飼料中のジスルホトン及びジスルホトンスルホンについて,分析センター法を基に,ガスクロマ トグラフを用いた定量法の飼料分析基準への適用の可否について検討し,次の結果を得た.
1) ジスルホトン及びジスルホトンスルホンの窒素ガス乾固による影響を確認したところ,キーパ
ーとしてアセトン-ジエチレングリコール(1+1)を添加する必要があることが確認された.2)
多孔性ケイソウ土カラムによる精製を検討したところ,酢酸エチル-ヘキサン(1+1
)で溶出す る方法を選択したが,更なる検討が必要であると考えられた.3) ゲル浸透クロマトグラフィーによる精製を検討したところ, 70 mL~110 mL
の画分でジスルホトン及びジスルホトンスルホンが溶出することが確認された.
4)
ジスルホトン及びジスルホトンスルホンの検量線は20~1,000 ng/mL
(注入量として40~2,000 pg
) で直線性を示した.5) とうもろこし,若令牛育成用配合飼料及びスーダングラス乾草について,本法に従ってクロマ
トグラムを作成したところ,ジスルホトン及びジスルホトンスルホンの定量を妨害するピークは 認められなかった.6)
とうもろこし,若令牛育成用配合飼料及びスーダングラス乾草を用いて,とうもろこしに10
及 び20 µg/kg
相当量,配合飼料に40
及び200 µg/kg
相当量,スーダングラス乾草に100
及び1,000
µg/kg
相当量をそれぞれ添加した試料について添加回収試験を実施した結果,ジスルホトンの平均回収率は
21.1~142 %
,その繰返し精度は相対標準偏差(RSD
)として47 %
以下,ジスルホトン スルホンの平均回収率は72.6~211 %
,その繰返し精度は相対標準偏差(RSD
)として6.5 %
以下 の結果が得られた.7) 添加回収試験を行う際に,各農薬を添加した後静置する時間について検討を行ったところ,一
晩静置した場合,ジスルホトンの回収率が低くなる傾向があった.8)
とうもろこし,若令牛育成用配合飼料及びスーダングラス乾草にジスルホトン及びジスルホト ンスルホンとしてそれぞれ20, 200
及び1,000 µg/kg
相当量を添加した共通試料を用いて8
試験室 で本法による共同分析を実施した.その結果,ジスルホトンについて,とうもろこしでは,平均回収率は
50.4 %
,その室内繰返し精度及び室間再現精度はそれぞれ相対標準偏差として7.4
及び39 %
であり,HorRat
は1.77
であった.若令牛育成用配合飼料では,平均回収率は32.8 %
,その室内繰返し精度及び室間再現精度はそれぞれ相対標準偏差として
15
及び80 %であり,HorRat
は3.91
であった.スーダングラス乾草では,平均回収率は49.5 %,その室内繰返し精度及び室間再
現精度はそれぞれ相対標準偏差として5.0
及び44 %
であり,HorRat
は2.74
であった.ジスルホトンスルホンについて,とうもろこしでは,平均回収率は
105 %
,その室内繰返し精 度及び室間再現精度はそれぞれ相対標準偏差として7.9
及び10 %であり,HorRat
は0.46
であっ た.若令牛育成用配合飼料では,平均回収率は103 %,その室内繰返し精度及び室間再現精度は
それぞれ相対標準偏差として4.6
及び10 %
であり,HorRat
は0.50
であった.スーダングラス乾 草では,平均回収率は97.4 %
,その室内繰返し精度及び室間再現精度はそれぞれ相対標準偏差と して5.7
及び27 %であり,HorRat
は1.66
であった.9) 以上のことから,本法による飼料中のジスルホトン及びジスルホトンスルホンの同時定量は難
しいと思われる.謝 辞
共同試験にご協力いただいた株式会社島津総合分析センター及び財団法人日本食品分析センター の試験室の各位に感謝の意を表します.
文 献
1)
財団法人日本食品分析センター:平成18
年度飼料中の有害物質等残留基準を設定するための分 析法開発及び家畜等への移行調査委託事業 飼料中の有害物質等の分析法の開発,85 (2007).
2) 農林水産省消費・安全局長通知:“飼料分析基準の制定について”,平成 20
年4
月1
日,19消安第
14729
号 (2008).精度管理
1 平成 21 年度飼料の共通試料による分析鑑定について
髙橋 亜紀子*1,松尾 信吾*2,大島 慎司*3,榊原 良成*4, 田中 里美*5,高橋 雄一*6,杉本 泰俊*7,矢野 愛子*7
1
目 的
飼料検査指導機関,飼料・飼料添加物業者,民間分析機関等を対象に飼料等の共通試料による分 析鑑定を行い,分析及び鑑定技術の維持向上を図り,併せて分析誤差を把握し,飼料等の適正な製 造及び品質管理の実施に資する.
2 共通試料の内容
A
試料 幼令肉用牛育成・肉用牛肥育用配合飼料B
試料 魚 粉C
試料 鑑定用飼料原料調製試料D
試料 ほ乳期子豚育成用プレミックス3
試料の調製
3.1 試料の調製年月日 平成 21
年7
月3
日3.2 調製場所 独立行政法人農林水産消費安全技術センター肥飼料安全検査部
(1) A
試料粉砕した後,1 mm の網ふるいを通過させた幼令肉用牛育成・肉用牛肥育用配合飼料
100 kg
を用いて,以下の手順により試料を調製した.試料をよく混合した後
9
等分し,その中から4
区画を取って混合し4
等分して元に戻す.こ の操作を表1
の混合区画表により7
回繰り返した後,各区画より一定量ずつとり,1袋当たり約
180 g
入りの試料450
個を調製した.*1 独立行政法人農林水産消費安全技術センター肥飼料安全検査部,現 農林水産省消費・安全局 畜水産安全管理課,
*2 (独)農林水産消費安全技術センター札幌センター,
*3 (独)農林水産消費安全技術センター仙台センター,現 同肥飼料安全検査部
*4 (独)農林水産消費安全技術センター名古屋センター,
*5 (独)農林水産消費安全技術センター名古屋センター,現 同神戸センター,
*6 (独)農林水産消費安全技術センター神戸センター,
*7 (独)農林水産消費安全技術センター福岡センター
表
1
混合区画表
(2) B
試料粉砕した後,1 mmの網ふるいを通過させた魚粉
100 kg
を用いて,A試料と同様の操作を行 い,1袋当たり約180 g
入りの試料450
個を調製した.
(3) C
試料各原料中の夾雑物を除去し,必要に応じ粉砕した後,表
2
に掲げる10
種類の原料を同表の 配合割合でよく混合した後,A 試料と同様の操作を行い,1
袋当たり約180 g
入りの試料450
個を調製した.表
2 C
試料の原料及び配合割合
(4) D
試料ほ乳期子豚育成用プレミックス
100 kg
をよく混合した後,A試料と同様の操作を行い,1袋当たり約
180 g
入りの試料450
個を調製した.4
分析鑑定項目及び実施要領
(1) 分析鑑定項目
A
試料・・・水分,粗たん白質,粗脂肪,粗繊維,粗灰分,カルシウム,リン及びモネンシ ンナトリウムB
試料・・・水分,粗たん白質,粗灰分,カドミウム及びエトキシキンC
試料・・・10種類の原料の配合割合の推定D
試料・・・銅,亜鉛及びクエン酸モランテル
(2) 実施要領「平成 21
年度 飼料等の共通試料による分析鑑定実施要領」(103 ページ)による.5
試料袋間のバラツキ調査
A
試料,B試料及びD
試料それぞれの2
分析項目について,Thompsonらのharmonized protocol
1) に基づき均質性確認テストを行った.ランダムに抜き取った10
袋の併行分析の結果は表3
のとお りであり,その結果から一元配置の分散分析,均質性確認のための計算を行った結果は表4
のとお りであり,いずれも試料袋間のバラツキは問題なかった.回 数
I II III IV V VI VII 8 7 4 8 7 7 5 1 6 8 2 9 6 4 6 3 5 1 5 3 2 9 4 1 3 2 9 6
区画番号配合割合 配合割合
(%) (%)
とうもろこし
30
魚粉9
マイロ
10
アルファルファミール8
大麦
10
ビートパルプ8
米ぬか
10
炭酸カルシウム3
なたね油かす
10
食塩2
原 料 名 原 料 名
表
3 A
,B
及びD
試料の分析成績run1 run2 run1 run2 run1 run2 run1 run2 run1 run2 run1 run2 1 19.15 19.24 6.03 6.04 70.40 70.48 14.10 14.11 52.68 52.58 50.00 49.79 2 19.27 19.23 6.09 5.99 70.28 70.74 14.31 14.19 52.56 52.34 50.87 51.35 3 19.38 19.39 6.07 6.07 70.78 70.32 14.03 14.29 51.69 51.35 49.54 49.45 4 19.13 19.16 6.05 6.09 70.19 70.17 14.27 14.31 52.88 51.98 50.37 49.43 5 19.14 19.11 6.04 6.10 70.36 70.62 14.10 14.12 52.64 52.21 49.92 51.01 6 19.10 19.16 6.12 6.11 70.35 70.67 14.19 14.10 52.65 51.68 51.23 51.05 7 19.04 19.26 6.03 6.00 70.61 70.24 14.24 14.35 52.56 51.41 50.47 50.03 8 19.33 19.06 6.05 6.07 70.08 70.21 14.28 14.16 52.28 52.24 50.24 51.18 9 19.06 19.27 5.99 6.03 70.68 70.85 14.31 14.22 52.37 51.65 50.64 50.30 10 19.34 19.06 6.03 6.11 70.17 70.19 14.30 14.34 51.44 51.86 49.45 50.35
B
試料B
試料(g/kg) (g/kg)
(%) (%) (%) (%)
D
試料D
試料銅 亜鉛
A
試料A
試料粗たん白質 粗灰分 粗たん白質 粗灰分
表
4 A,B
及びD
試料のバラツキ調査成分名 偏差平方和 自由度 不偏分散 分散比
S
s/σ
a)S φ V F
0試 料 間
A 0.1074 9 0.0119 0.92
分析誤差
E 0.1295 10 0.0130
−b)総 計
T 0.2369 19
0.0181 9 0.0020 1.59
0.0126 10 0.0013
−0.0307 19
0.6965 9 0.0774 1.98
0.3916 10 0.0392
−1.0881 19
0.1157 9 0.0129 2.00
0.0642 10 0.0064
−0.1799 19
2.3608 9 0.2623 1.27
2.0644 10 0.2064
−4.4252 19
5.4185 9 0.6021 2.74
2.1947 10 0.2195
−7.6133 19
要因
A試料
粗たん白質
粗 灰 分
A E T
B試料
粗たん白質
A E T
粗 灰 分A E T
D試料
銅