3‑17
4. 応急対策
雪崩発生の危険性が高い場合における道路の安全確保のための応急対策には下記に示す2 つがある。
1) 通行止めの実施
2) 雪崩の危険性軽減のための応急対策
雪崩の危険性軽減のための応急対策には、雪崩発生区内で実施する処理と発生区外で実施す る処理がある。
【解 説】
雪崩発生の危険性が高い場合、道路の安全確保のために実施する項目として、1)通行止めの実施、2)雪崩の 危険性軽減のための応急対策の 2 つがあり、両者を組み合わせることもある。本章では、2)雪崩の危険性軽減 のための応急対策の具体例を示し、応急対策を実施する際の参考資料とすることを目的とする。
4‑2
4.1雪崩の危険性軽減のための雪崩発生区内における応急処理
雪崩の危険性軽減のための応急対策は、発生区における応急処理が主体となる。発生区にお ける応急処理には、機械や人力、火薬を用いて斜面の積雪を処理する方法がある。
【解 説】
雪崩の危険性軽減のための応急対策は、発生区における応急処理が主体となる。発生区における応急処理に は、図 4.1-1に示すとおり、機械、人力、火薬を用いる方法がある3)。以下にこれらの応急処理方法の概要を 示す。
発生区における
応急処理の方法 (1)機械処理
(2)人力処理
(3)火薬処理
特殊車両
雪庇処理
雪踏み
図 4.1-1 発生区における応急処理方法3)
(1)機械処理
機械処理は、バックホウ、トラッククレーン等の特殊車両を用いて、斜面積雪や雪庇等を落下させたり、掻 き落としたりして、斜面積雪の安定化を図るものである。機械処理は火薬処理と比較し小規模な斜面において 実施されている3)。表 4.1-1にこれらの応急処理方法の概要を示す。
表 4.1-1 機械処理の種類と方法3)
方 法 処理方法
バックホウによる方法 法面の積雪又は法肩や土留め擁壁上端の雪庇や巻きだれを掻き落とす。
ワイヤーロープ 方式
トラッククレーン 利用による方法
トラッククレーン車の本体とブーム先端に弓や弦のように取り付けたワイヤーロー プを雪庇や巻きだれの背後にまわしたままトラッククレーン車を道路に沿って移動 させ雪庇等を切断し滑落させる。ただし、道路標識等の施設が作業の障害となる。
ブルドーザー利用 による方法
路肩場に固定したワイヤーロープをブルドーザーで引っ張りながら道路に沿って移 動し、雪庇や巻きだれを切断し落下させる。
バックホウ付き除雪トラックによる 方法
除雪トラック上部にバックホウの回転部を備え付けた構造の処理車で、法面の積雪又 は法肩や土留め擁壁上端の雪庇や巻きだれを掻き落とす。
(2)人力処理
人力による処理は、斜面の積雪を踏み固めたり、小規模な巻きだれや雪庇をスコップ等を用いて切り落とし たり掻き落としたりする方法である。これは主に機械力を用いることができない箇所を対象としている。作業 は、積雪が比較的安定した時期を選んで少人数のグループにより進められる。また、斜面上の積雪を小段状に 踏み固め、雪崩発生を抑制する方法もある3)。
表 4.1-2に人力処理の種類と方法を示し、以下ではそのうち雪庇処理と雪踏みについて説明する。
表 4.1-2 人力処理の種類と方法3)
方 法 処理方法
1)雪庇処理 スコップによる掻き落とし 切り落とし
尾根・法肩・防雪小段・土留め擁壁の上端や小段等の雪庇や巻きだれを、
スコップにより掻き落としたり切り落としたりする。
ワイヤーロープによる切断 法肩上に固定したワイヤーロープを人力で引っ張って道路方向に移動し、
雪庇や巻きだれを切断して滑落させる。
トラッククレーン
(高所作業車)の利用
作業員が自力で上れないような急な法面などで、トラッククレーンのブー ムから吊り下げたゴンドラや高所作業車を用いて、法肩の雪庇や巻きだれ を除く。
2)雪踏み 比較的小規模な斜面や法面で、積雪を小段状に踏み固めて安定化させ、雪
崩発生を抑制する。