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-0.4

0.3

第三章 (Znt_xMJO (M = A1, Ga, In)の熱電特性

3. 1 緒言

(Znt_xA1x)O叫が他の酸化物と比較して 大変高い熱電性能を有することを先に 報告した。 ZnOに A1203を添加することにより 、Seebeck係数は適度な値で保っ

たまま 、 導電率が著しく増大する。 その結果、 (Znt_xA1x)Oの出力因子は非常に 大きい値とな る。 我々は(Zn1_xA1x)O(0.02くXく0.05)の多結晶試料が、 大きな値の 移動度を有する ために 大きな出力因子を有することを明らかにした。 けれども 、 この試料は熱伝導率が大きいので、 性能指数の値はそれほど大きくな らない。

(Znt_xAlx)Oの熱伝導率熱伝導率が大きいのは、 結晶構造が単純で、 構成元素が 軽元素であることが理由であると考えられる。 格子熱伝導率がこの酸化物の熱 伝導率の中で主要な要素であることを確認した。 もし、 フオノン散乱中心を 、 電荷担体を散乱することなく効果的に導入できれば、 この材料の性能指数は大

きく改善されると考えられる。 より重い元素により導入された点欠陥は、 フォ ノン散乱により効果的なので、 本研究ではドーパントとして 、 A1 より重い13 族元素であるGaとIn を使用して熱伝導率を低減することを試みた。

3.2 実験

(ZnO.98Mo.02)O(M = Al, Ga, In)を ZnO、 Al203 、Ga203 、In 203の粉末から調製した。

これらの出発原料の酸化物をボールミルで24時間粉砕混合した。 その混合粉 末をべレツトに成形し、14000C x 10h大気中で焼結させた。 昇温速度および降 温速度は2000C h-1とした。 得られた試料の結品相は、 X線回折(XRD, Rigaku

RINT・1400)で同定した。 全ての試料の相対密度は、 アルキメデス法により測定 した。 導電率とSeebeck 係数は、 第二章と 同じ方法で室温から1000 oCまで大

気中で同時に測定した。 測定方法の詳細は既報に示す九熱伝導率はレーザー フラッシユ法 (ULVAC TC・7000)で測定した。 Hall測定は室温でvan der Pauw法 により測定した。

3.3 結果及び考察

3.3.1 電気的輸送特性

(ZnO.98A1o.02)O(M = A1, Ga, In)の導電率のアレニウスプロットをFig.1 に示す。 全ての試料の相対密度は99 %以上であった。 全ての試料は徽密な構造を有する

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-ので、焼結試料の微細構造の違いは導電率の違いの主要な理由とはならない。

我々は、ZnOへの A1 のドーピングが導電率を増大させ、導電率の温度依存性 を半導体的から金属的に変化させることを報告した向。 ドープした試料の導電 率の値の序列は、A1> Ga > In >> 無添加ZnOとな った。 つまり、ドーパント原 子の原子量の増大に伴い導電率は減少した。

Fig. 2に(ZnO.98Mo.02)O(M= A1, Ga, In)のSeebeck係数の温度依存性を示す。 ドー プした試料のSeebeck係数の絶対値は、無添加ZnOの値より小さく、10000Cま で温度上昇に伴い徐々に増大する傾向を示した。 Seebeck 係数の絶対値の序列 は、無添加 ZnO>>In>Ga今A1であった。 Seebeck 係数の絶対値と導電率のドー パント依存性は逆であることがわかる。

原子価制御の理論によると、ZnOへの三価の元素は過剰な電子を供給し、そ の結果として導電率が増大する。 これらの試料のキャリア濃度 (n )と Hall 移動 度(向)を評価するために、(ZnO.98Mo.02)O(M= A1, Ga, In)のHall係数を測定した。

室温におけるキャリア濃度とHall移動度の値をTable1 に示す。 無添加ZnOの キャリア濃度の値は1023m-3であった。 ZnOは格子間Zn 原子を有する非化学量 論化合物であり、その格子間 Zn 原子がキャリア電子を供給する。 全ての添加 試料は10おm-3 の桁のキャリア濃度を有していた。

無添加ZnOが67 cm2V-1s-1の大きなHall移動度を有することは特筆に値する。

以前の報告3)で、(Zn1_xA1x)O(0.02くx< 0.05)が無添加ZnOと同等の高い移動度を 有し、Zn-O結合がかなり共有結合性が高いことが高い電気的輸送特性の原因で あると考えられることを報告した。 けれども、Gaまたは In をドープした試料 のHall移動度の値はA1をドープした試料の値の半分以下である。 Gaをドープ した試料の Hall 移動度の値がA1をドープした試料より小さいことにより、Ga をドービングした場合の導電率の上昇が小さいことを説明でき、またIn をドー プした試料の導電率が最も低い値なのは、キャリア濃度と\'Hall移動度め両方が 小さいことが原因である。

(ZnO.98Mo.02)O(M = A1, Ga, In)の出力因子の温度依存性をFig.3に示す。 どの13 族元素を添加してもZnOの出力因子は増大した。 導電率が大きく増大し、かっ Seebeck係数の減少が比較的小さいことが、この改善の原因である。 けれども、

(ZnO.98MO.02)O(M = Ga, In)の出力因子の値は、(Zn o.98A1o.o2)Oの値の約半分である。

3.3.2 熱的輸送特性

(ZnO.98Mo.02)O(M = A1, Ga, In)の熱伝導率の温度依存性をFig.4に示す。 全ての 試料の熱伝導率は温度上昇に伴い減少し、1 0000Cで約5W m-1 K-1に収束した。

Fig. 4からドープした試料の熱伝導率は低い温度領域で、無添加ZnOの値より明 らかに小さいことがわかる。特に、(ZnO.98Mo.02)O(M= Ga or In)の熱伝導率の値は、

無添加 ZnO の値の半分以下である。 固体材料の熱伝導率 (K)はキャリア熱伝導 率(Kel)と格子熱伝導率(Kph)から成る。

K = K_\ I + IC '''ph (4.1)

フォノン熱伝導率はDebye 温度 (一般に室温以下)以上の温度では温度の逆数に 比例することが知られている九(ZnO.98MO.02)O(M= A1, Ga, In)の熱伝導率の温度 の逆数依存性は良好な線形関係を示す。 この結果から熱伝導率の大部分がフオ ノン熱伝導率であることがわかる。 また、Wiedeman n-Franz則(K;巴1 = LσT, Lは Lorentz数)で見積もられたキャリア熱伝導率の寄与が小さいことが Fig.5で確 かめられた。 いくつかの導電性酸化物でキャリア熱伝導率の寄与が小さいこと は既に確かめられている九(ZnO.98Mo.02)O(M= Ga or In)の熱伝導率の低減は、フ オノン熱伝導率の低減によることが確かめられた。 我々が予想したように、A1 と電子配置が同じで、より原子量が重い13族元素を添加することによりフオ ノン散乱が増大することを、Ga またはIn を添加することによって確かめた。

しかし、我々の予想に反して、電気的輸送特性も影響を受け、特にHall移動度 が減少した。

3.3.3 熱電性能

導電率、Seebeck係数、熱伝導率から計算した、(ZnO.98Mo.02)O(M= A1, Ga, In) の性能指数をFig. 6に示す。A1をドープした試料は、測定した全温度領域で最 も大きな性能指数の値を示した。 出力因子の減少にもかかわらず、熱伝導率が 低減したため、(ZnO.98Mo.02)O(M= Ga, In)の性能指数の値は、約6000CまでA1を ドープした試料と同程度である。 けれども、これらの試料の熱伝導率の値は、

温度上昇に伴い収束するので、(Zn o.98A1o.o2)Oは6000C以上でGaやIn をドープ した試料より大きな性能指数の値を有する。

3.4 結言

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-(ZnO.98Mo.02) O(M = Al, Ga, In)の熱電特性を調査した。 ZnOへの13族元素の添 加により、 導電率は著しく増大し、 Seebeck 係数の絶対値の減少はわずかであ ったので、 出力因子が増大した。 これらの試料の導電率の値は、 Al> Ga> In>>

無添加ZnOとなった。 この序列は、 キャリア濃度とHal1移動度の結果と一致 する。 GaまたはInのドーピングにより、 フォノン熱伝導率の低減による熱伝 導率の抑制に成功した。 その結果、 GaまたはInをドープした試料の性能指数 は出力因子の減少にも関わらず、 6000CまでAlをドープした試料と同等であっ た。 効果的なキャリアドーピングと熱伝導率の抑制の両立がZnO系熱電材料の 性能指数の改善に要求される。

引用文献

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3) T. Tsubota, M. Ohtはj,K. Eguchi, H. Arai, J. MIαter. Chem., 7 85, (1997)

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6) M. E. Fine, N. Hasieh, J. Am. Cerαm. Soc., 57 502 (1974)

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-Table 1 Carrier concentration

ri

and

Hall mobilityμH fo r (ZnO .98 MO . 0 2 ) 0

M

n

/ 1025m・3μH / cm2V-1s-1

zn 0.052 67

Al 7.2 81

Ga 7.2 33

h 3 . 2 36

切・

T / oc 1000 400 200

ロ ロロロロ 100 3.0 ト , 島

4T A

ω 1

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