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284.イシクラゲ Nostoc commune  ネンジュモ科 方名:モーアーサ

聞取:海岸端の岩場に少し生えているだけで少ない。奥ではあまり利用しない。

食:臭いが強いのでムッチーには使わない。アオノクマタケランを使う。

282.ハナシュクシャ

Hedychiumu coronarium

 ショウガ科 方名:メーガ

[74]

聞取:これが生えている場所は、昔人が住んでいた所と、100歳ぐらいになる先輩から聞いた。メーガン クブという地名があり、メーガがたくさん生えている窪地という意味。2mぐらいにも育つので、使 うのに便利。むしろを作ったり、屋根の材料にした。壁とかも作れるし、茎の繊維で紐も作れる。。

283.ハイゴケ

Hypnum plumaeforme 

ハイゴケ科 方名:マーランブックイ

聞取:マーカヤの根や日当りのいい場所に生えているマーランブックイを利用して女子は毬を作り、男子 は固く丸めて野球ボール代わりにして遊んだという

284.イシクラゲ

Nostoc commune

 ネンジュモ科 方名:モーアーサ

聞取:マーカヤなどの草の生えた所や畑の隅に生えるノリで、雨が降ったあとは緑色に膨れあがり、乾燥 したら黒くなる。海のアーサのようにして食べた

[73] 那覇市在住の當山喜世子(大正6年生)によると、戦前は子どもが熱を出すと市場にリュウキュウバショウの芯を買って、そ の汁で子どもの体を拭いたという(当山未発表)

[74]メーガとはミョウガが転じたものと思われる(全形はよく似ている。ただし、白いきれいな花が茎の先に咲く)。

図 53 上: バ シ ョ ウ の 繊 維、 下:

バショウの茎(僞茎)部分 **

動物方名語彙

000.動物一般

方名:イチムシ

聞取:広い意味の動物一般をイチムシと呼んでいる。

001.じゃこうねずみ[75]

方名:ビーチャー

分類:リュウキュウジャコウネズミ

[76]

 

Suncus riukiuanus

002.ねずみ

方名:ウェンス 分類:クマネズミ属

聞取:畑や家にいるのも同じように呼んでいた。

食:健康ではない子どもたちに食べさせていた。通常は食べない。

003.はつかねずみ

方名:-

分類:ハツカネズミ属

004.けながねずみ

方名:-

分類:ケナガネズミ 

Diplothrix legata

聞取:普通のネズミの三倍ぐらいある(図1上)。昔、木の上にいるのを捕まえて学校で飼っていた。

005.とげねずみ

方名:ヤマアラシ

分類:オキナワトゲネズミ 

Tokudaia muenninki

聞取:本体は見たことがないが、山中でトゲの皮だけが残っている[77]のをよくみた。ヤマアラシと呼んだ

(図1下)。

006.こうもり

方名:ハーブイ

分類:クビワオオコウモリ 

Pteropus dasymallus/

翼手目

聞取:コウモリはガジュマルの赤い実を食べる。ハーブイという木があってコウモリが集まる。コウモリ がいる木にもハーブイという。地名にもハーブイがある。ハーブイガマといって洞窟にコウモリがい る。また、戦時中に掘った防空壕跡には小型のコウモリが生息しているが、数は少ない。

[75] 動物方名調査では、質問の段階では種を特定せずに、一般的な呼び方で質問するようにしている。それで、ひらがなや漢字で 表している。

[76] 方名で答えたあとに、種が特定できる場合は和名と学名で表した。

[77] リュウキュウコノハズクなどに襲われて皮だけが残されたものと思われる。

図 1 上:ケナガネズミ(奥)、下:

トゲネズミの皮だけが残った状 態(国頭村与那覇岳)

007.兎(うさぎ)

方名:ウサギ

食:戦前は食べるために飼育していた。戦後はいない。

生産:戦前は軍用品のために皮をとっていた。

008.猿(さる)

方名:サールー

聞取:奥に猿はいないが、地名にサールバンタというのがあるって、猿も上るのが険しい崖という。干支 でもサールーと呼んでいる。

009.犬(いぬ)

方名:インヌ’クヮ

聞取:大きいものはインヌクヮで子犬はインヌクヮングヮー。

社会生活:奥では猪垣を放棄した 1959 年まで個人では犬は飼えない決まりがあった。インビキ[78]と言っ てハチバー(猪垣)の中に侵入した猪をとることを部落から委託された人がいて、その人だけが猟犬 としての犬を飼うことができた。委託料は特に支払われず、捕獲した猪の肉を売って収入としていた。

猪が少なくなり、捕獲数が減り餌に困ったことから、餌場として与えられたところがインヌカバルと して奥の地名に残った。このように、以前は猟犬の士気を乱すということで、他にイヌを飼わないよ うに字で管理していた。

010.猫(ねこ)

方名:マーウタ、マウタ

聞取:戦前からいた。野猫をヤママーゥタといった。

011.馬(うま)

方名:ウマ

聞取:戦前は馬はいなかった。それで、戦前は、山作業には馬を使わなかった。

012.豚(ぶた)

方名:ワー

聞取:子豚はワークヮ、母豚はアパーワー、雌豚はミーワー、雄豚はウーワー、種豚はアッカサーといっ た。

魔除け:戦中は、豚を屠殺をしたらスイジガイをさげたが戦後はさげなくなった(図2)。牛・馬・山羊 の小屋にはスイジガイをさげなかった。

013.牛(うし)

方名:ウシ

聞取:子牛はウシンクヮー、雄牛はウーウシ、雌牛はミーウシ。

014.山羊(やぎ)

方名:’ピーダー

[78] 猟犬を使った猟師

図 2 紐でさげたスイジガイ *

聞取:母山羊はアパー’ピーダー、雄山羊はウー’ピーダー、子山羊は’ピーダンクヮーといった。

食:食べた。

生産:糞を肥料用の堆肥にする[79]

015.いのしし

方名:ヤマシ

分類:リュウキュウイノシシ 

Sus scrofa riukiuanus

社会生活:畑を荒らす害獣。1903 年部落周囲に約9kmの大猪垣を構 築し部落の共同猪垣とし、畑の面積や地形的な難度を考慮した分割を 行いそれぞれを畑主に与えて管理させた。戦後の過疎化で維持管理で きなくなり 1959 年に放棄した(図3上)。現在は部落の中まで猪が時々 侵入してくる。インビキが捕獲した猪の下あごは、トーグラ(台所)

の壁に吊るして保管し、捕獲した猪の数が 1 千頭になると供養した(図 3下)。

016.じゅごん

方名:ダンヌイル

分類:ジュゴン 

Dugondugong

聞取:海の草を食べる。食べたら長生きすると言われている。戦後すぐ、自分らで不発弾で作ったダイナ マイトを使用して捕まえて食べた。美味しかった。僕らが食べたのはこの一頭だけ。

017.いるか

方名:ピトゥ 分類:歯鯨亜目

聞取:奥にはあまり入ってこないが、戦後何匹か入ってきた。戦後、奥の中学生がピトゥ食べて、運動会 の練習をしているとき、お尻から漏れ出るという事件があった。自分も経験した。

食:戦後は、よく食べた。名護から肉を売りにきた。時たま食べる物がない時はジャガイモと一緒にし て食べた。けっこうおいしかった。脂かすは豚の餌だが、たまには食べたりもした。おいしかった。

生産:僕らが小さいころ、脂かすをトラックで山積みして売りにきた。カゴに担いで持って帰り、豚の 餌にした。

018.くじら

方名:グンダ

[80]

分類:クジラ目(イルカと呼ばれる小型の歯鯨亜目を除く)

聞取:地名にグンダマモイというのがあり、クジラが寄った所ということだった。また、部落東側のアサ チザキの近くの浜に、鯨が打ちあがった浜という事でグンダバマという地名が残っている。

019.あひる

方名:アペラー、アペルー

聞取:あまり飼うことはなかった。食べた。

[79] 家畜の糞尿に草などを混ぜた肥料をイチムシンクェーといった(上原資料)

[80] 上原邦夫資料確認

図 3 上:奥の山中に残る猪垣、下:

台所の壁に吊した下顎 *

020.鶏(にわとり)

方名: ’ トゥイ

聞取:種類はタウチーがあるが飼わない。他にデコー、コーチン、チャーマー。戦前は各家庭で鶏を飼っ ていた。食べた。

021.さぎ類

方名:スーサジ(白いサギ)、クルサジ(黒いサギ)

分類:サギ科

聞取:必ず北(与論島)からシロサギが飛来するので、ユンヌスーサジ(与論のシロサギ)とも呼んでい る。

022.ばん

方名:フミル

分類:バン 

Gallinula chloropus

聞取:川のアムト(防風林)などにすむ。水田にもいたが追いかけても捕まえられない。

023.やんばるくいな

方名:アガチ、(アガチャー*)

分類:ヤンバルクイナ 

Gallirallus okinawae

聞取:奥には何百匹といる。飛ばなくて走るからアガチという(図4)。

食:食べたことはない、捕まえられなかった。

024.のぐちげら

方名:ヒーチッカ

分類:ノグチゲラ 

Sapheopipo noguchii

聞取:奥にたくさんいる。小さいもの[81]にもヒーチッカと呼んでいる。

025.あかひげ

方名:アコーンユイユイ

分類:ホントウアカヒゲ 

Erithacus komadori namiyei 聞取:奥にたくさんいる。

026.さしば

方名:ピーンピィ

分類:ワシタカ目/サシバ

Butasturindicus 食:捕まえることはない(食べなかった)。

027.他のたか類

方名:ペンサ

[81] オリイコゲラと思われる。

分類:ツミ

[82]

 

Accipiter gularis

聞取:タカより小さいのがペンサ。小さいペンサが9、10月頃タカより早く飛来する。

028.うずら

方名:-

分類:ミフウズラ 

Turnixsuscitator 聞取:奥にはいないようだ。

029.しぎ類

方名:-

分類:シギ科

聞取:昔は、よく田んぼに飛んできた。

030.きじばと

方名:’ポートゥ

分類:キジバト 

Streptopelia orientalis

031.ずあかあおばと

方名: ’ ポートゥ

分類:ズアカアオバト 

Treron formosae 聞取:朝晩なく。

032.うしばと

方名:ウシボートゥ

分類:カラスバト 

Columba janthina

聞取:小学校の時、山で遊んでいる時にウシボートゥが牛みたいに鳴くので急いで帰った。

033.このはずく

方名: ’ チ ’ コホ

分類:リュウキュウコノハズク 

Otusscopselegans 聞取:チコホと鳴くので名前も同じ。

034.あおばずく

方名:ビー

分類:アオバズク 

Ninox scutulata

俚諺:ビービーと鳴く。これが鳴くと近いうちに人が亡くなる。

035.かわせみ

方名:-

[82] 同定は、他の地域でもペンサに類する方名に含まれていることによるが確認が必要。

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