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2-4  電極デバイス作製および評価・測定方法

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2-4-1:  検証1で用いる電極デバイス作製の流れ

(1)  マイクロスライドガラスを基板とし、基板洗浄を行う。まず、50%濃度の硝酸水で 1時間 浸け置き洗浄を行い、その後アセトンと蒸留水でリンスを行って、アルゴンガスで水垢を 除去する。

(2)  洗浄後のガラス基板をスパッタ用チャンバーに入れ、クロムを密着層としてスパッタリン グする。この際の膜厚は4nmとする。

(3)  白金を電極層として、クロム上部にスパッタリングする。この際の白金膜厚は250nmとす

る。

(4)  電極のセンサ面積(1×0.3cm2)を調整するため、絶縁層となる光感光性ポリイミドを白金

電極にて滴下してスピンコータにて均一な膜状にし、これをマスクアライナにて露光、現 像、キュアリングすることで電極のパターニングを行う。その後、ダイシングソーにてガ ラス基板の切り出しを行う。

(5)  切り出したガラス基板をプラズマ重合用のチャンバーに入れ、HMDSをモノマーとしてプ

ラズマ重合し、HMDS プラズマ重合膜の成膜を行う。重合条件は、真空度 4.6Pa、流量 15mL/min、放電電力150W、成膜速度は20nm/min、放電時間がそれぞれ5sec(1.7nm)、15sec

(5nm)、30sec(10nm)、60sec(20nm)の4種類の電極を作製する。

(6)  更に、酵素の固定化を容易にするため、これらの電極表面に窒素プラズマ処理を行う。放 電条件は、真空度3Pa、流量15mL/min、放電電力100W、放電時間20secとする。

(7)  次に酵素の固定化を行う。ここでは共有結合による酵素の固定化を実施する。窒素プラズ マ処理した電極表面に、2.5%グルタルアルデヒド溶液を滴下し、20分後に蒸留水で洗浄す る。

(8)  次に酵素溶液(GOD溶液)を滴下し、10分後にリン酸緩衝溶液で洗浄する。これにより、

電極表面の窒素とGODが共有結合し、酵素の固定化が行われる。

なお、過酸化水素および妨害物質であるアスコルビン酸、アセトアミノフェン、尿酸を電極 活物質とする検証では、上記(1)−(6)までの作製工程が完了したものを電極デバイスとする。一 方、GOD が固定化されたグルコースバイオセンサの特性検証では、上記(1)−(8)までの作製工 程が完了したものを電極デバイスとする。

2-4-2:  検証2で用いる電極デバイス作製の流れ

(1)  基板となるマイクロスライドガラスを混合溶液(蒸留水、アンモニア水、過酸化水素水)

で70℃、10分程度ボイリングした後、ガラスを取り出して、蒸留水でリンスし、アルゴン ガスで水垢を除去する。

(2)  洗浄後のガラス基板をスパッタ用チャンバーに入れ、密着層としてクロムを 40nmにスパ

ッタリングで成膜する。

(3)  その後、クロム上部に電極層として、白金を200nmにスパッタリングして成膜する。

(4)  成膜したガラス基板をプラズマ重合用のチャンバーに入れ、白金電極上部に、プラズマ重 合膜を成膜する。RF13.56MHz、外部電源方式、誘電結合方式のプラズマ重合装置を使用す る。プラズマ重合膜のモノマーには HMDS を用いる。重合条件は、電力:200W、圧力:

0.6Pa、成膜速度:22.2±2.8nm/minとする。AFM観察に用いるデバイスおよびQCMに用い

る電極デバイスでは、放電時間:60sec(膜厚:約 20nm)とし、グルコースバイオセンサ デバイスでは、放電時間:5sec(膜厚:約 2nm)とする。プラズマ重合膜の表面状態が異 なる複数の電極デバイスを作製するため、プラズマ重合膜の成膜後に“プラズマ処理無し、

窒素プラズマ処理(電力:100W、圧力:3Pa、放電時間:20sec、流量:15mL/min)、酸素 プラズマ処理(電力:100W、圧力:3Pa、放電時間:20sec、流量:15mL/min)を行う。

(5)  次に、プラズマ重合膜上に、GOD溶液を滴下し、約1時間自然乾燥させ、その後、非吸着

のGODを蒸留水、リン酸緩衝溶液で洗い流す。

(6)  最後にガラスカッターで適当な大きさに切り出し、カプトンテープで不要な白金を覆うこ とにより絶縁し、センサ面積(0.5×0.5cm)の調整を行う。デバイス作成後は、冷蔵庫(4℃)

にて使用まで冷蔵保管し、使用時にはリン酸緩衝溶液にて洗浄して使用する。

なお、AFM 観察に用いるデバイスは、ガラス基板ではなくシリコン基板を用いることとし、

シリコン基板上で(4)〜(5)の工程を行って作製する。またQCMに用いる電極デバイスは、ガラ ス基板は使用せず、QCM 用金電極上に(4)の工程を行って作製する。この際、両者のデバイス ともHMDSプラズマ重合膜の放電時間は60secとする。

2-4-3:  第2章で用いる評価・測定方法

(1)  作製する電極デバイスを作用電極とする3電極方式による電気化学測定:

  ・測定系

      3電極方式による電気化学測定の実験系を図2-2に示す。3つの電極を電圧・電流制御の ためのポテンショスタットに接続する。ポテンショスタットはユーザインタフェースとな るPCに接続し、PCは各種制御と測定結果の表示を行う。必要に応じて、測定容器内にあ る攪拌子を攪拌器にて攪拌し、測定溶液を均一化できる測定系とする。

対極(白金電極)

ポテンショスタット

コンピューター 参照電極(Ag/AgCl電極)

作用電極(Biosensor)

攪拌子

図2-2  3電極方式の電気化学測定系の概略図 攪拌器

・サイクリックボルタンメトリー:

リン酸緩衝容液(pH7.4)を使用し、所定濃度の電極活物質溶液(過酸化水素、アスコル ビン酸、アセトアミノフェン、尿酸)あるいはグルコース溶液を用いて、印加電位を変動 させ、電圧―電流特性を評価する。設定電位は0V−0.8V、掃引速度は50mV/secとする。

(2)  AFMによる観察:

    HMDS プラズマ重合膜と GOD との静的接触状態・固定状態を視覚的に観測し評価するた め、AFM 像およびその断片プロファイルを用いて観測する。AFM 観察は、大気中測定にて タッピングモードで行い、走査速度は0.6Hzに設定する。

(3)  QCMによる観察:

  HMDSプラズマ重合膜とGODとの吸着状態を水晶振動子の周波数変化によって観測する。

水晶振動子の電極表面に、プラズマ処理無し・窒素プラズマ処理・酸素プラズマ処理された HMDSプラズマ重合膜を成膜する。この水晶振動子電極デバイスを、20mMリン酸緩衝容液

(pH 7、25℃)中に配置する。そして所定濃度のGOD溶液を滴下する。GOD溶液の滴下に より生じる時間−周波数変化を観測し、HMDS プラズマ重合膜と GOD の動的接触状態・吸 着状態を評価する。

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