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0217 北アルプス/VR:槍ヶ岳北鎌尾根

ドキュメント内 西朋28 (ページ 82-85)

日程:2002.10.11 夜行〜10.14  参加者:尾崎, 他 1 名   

行動概要 

12 日(土)6:10 中房温泉発,8:10 合戦小屋,9:05 燕山荘,12:20 大天井ヒュッテ,12:45 貧乏沢 下り口,14:40 天上沢合流点,15:00 北鎌沢出合(幕),18:00 就寝 

13 日(日)3:20 起床,4:50 出発,5:05 北鎌沢右俣左俣分岐,6:45 北鎌沢のコル,8:10 独標基部,

9:30 独標,12:35 北鎌平,13:50 槍頂上,14:40 槍岳山荘,17:00 槍沢天場(幕),20:30 就寝 

14 日(月)4:30 起床,6:15 出発,6:35 槍沢ロッジ,8:20 徳沢,9:35 上高地   

10/11

急行アルプスの席を取るべく, 早々と 22 時半頃新宿駅に向かうが, すでに人が多い.座席の確 保はみごとに失敗し, 満員で出発した.  

 

10/12:快晴 

穂高駅には 4:50 ごろ着く. バスに乗り継ぎ中房温泉へ. ロータリーが出来ていて, 昔と少し 雰囲気が違って変な感じだ. 夜行で非常に眠く, ところどころ居眠りしながら行くが, 燕山荘ま では 3 時間で登り, 大天井ヒュッテまではさらに 2 時間強で行く.  

貧乏沢の下りは分岐の指導標があるものの, はじめ少しだけヤブっぽい. 右から顕著な窪を合 わせると, ちょろちょろ水が流れ始める. 所々, ガラガラの岩を落とさないよう慎重に行く必要 がある. しかし基本的に靴を濡らすことなく, 容易な下降だ. 川原沿いに行きづまったら左岸 1 段上に踏み跡がある. 貧乏沢下部と天上沢・貧乏沢合流点には水流が豊富だったが, 北鎌沢出合 の幕営地に水流は無い. 15 時着.  

北鎌沢出合の右岸は,槍の穂先が北鎌支稜の上にちょうど見えて,なかなかいいロケーション. 

槍の穂先から斜め上へ, 空を区切る光幕が大自然の不可思議を感じさせ, 明日への期待を膨らま せる. タネを明かせば残照によるチンダル現象にすぎないが. 北鎌沢の偵察に行く. 同ルートで 槍へ抜ける 2 人パーティは左岸にテントを張っている. 

 

10/13:快晴 

4:50 発.北鎌のコルまで 2 時間を一気に登る.天上沢から北鎌沢左俣右俣の出会いまではすぐ で,10 分もかからないのではないか?右俣はとても小さいので,暗いと見落としそう.左俣が緩 やかに左カーブを描くが右俣はまっすぐである.しかし, 自然に行くと左俣に入ってしまう. 前 日の明るいうちに偵察をしておいたほうがよい.出合い地点には小さなケルンと赤ペンキ,靴が

残置されていた.北鎌沢右俣に入ると,少し行くと水が出ている.北鎌のコルまで忠実に沢筋を 詰める. 上部ほど急になり, 無木立になってからが思ったより長い. 正面の白樺を目指して登る. 

北鎌のコルは狭いが, 1 張り分ほどの狭いテン場がある. ここからも急登だが,踏み跡は明瞭で,  天狗の腰掛までは案外近い.むしろこのあたりの方が幕営しやすそうだ.  

  肝心の独標は,直登すると時間を食いそうなので巻きルートを取る. しかし西面は日陰で, 雪 もついており, 凍っていそうだ. アイゼンとバイル使用で慎重に行く. 出発前,アイゼン,バイ ルは不要かとも思ったが持ってきて良かった,というか,この時期の山なら持っていくべき.右 へトラバースするとやがて水平から登りトラバースとなり, さらに高度感のある狭いバンドを伝 う. その後踏み跡が不明瞭になるので, 直上ルートを取ったが, 岩が不安定で落石を頻発させて しまう. 結局独標のほとんど頂上付近の稜線に登ってしまったようだ. ここで後からきた昨日の 2 人パーティは, そのままトラバースを続けたらしく, 支稜から我々を抜かしていった. この支 稜も見た目必ずしもベストとは言い難いようである. また, 巻きルートに入ってからも側壁に残 置が見られたが, 独標を直登するなら, 真正面から取り付くのが一番良いように思われた.  

碧空を背景に,新雪をまとった岩々が誇らしげに輝く. 中腹は草紅葉の斜面に黄色や赤に染ま った木々が続き, もっと下には針葉樹の黒い森が広がる. まさに三段染め. 谷川が深く轟き, 動 と静の対比をみせる. 地球はこんなに美しいんだ, なーんて…自然が人間をはるか超越した存在 であることをあらためて実感する. 

  基本的に,独標と北鎌平手前(P15 だと思う)以外,すべて稜線沿いの行動.技術面での不安は 無い.岩質が安定したところと不安定なところのギャップが激しい.P12 か P13 での懸垂下降(支 点あり, ザイル使用はこの一回だけ)時に,支点のシュリンゲを残置のみに頼らず持参の物を足 すべきだった.懸垂はこの支点が壊れたらおしまいなので,大いに,非常に,反省している.い たるところに赤ペンキ印つけられている. 場所によってはルーファイしやすく有難いとも感じる が, 全く不要のところのほうが圧倒的に多い.確かにひどい.犯人は北岳バットレスや谷川のペ ンキ犯と同一犯らしいと, 大天井ヒュッテの親父がかなり怒っていたことを思い出す. 

P15 を右から巻くと, 一張りほどの整地スペースがあり, 尾根も少し広がってくる. 北鎌平か と思わされたが, その先の本当の北鎌平は想像以上に広く, 逆光の大槍が黒々と聳えている. 12 時 40 分着. この先の登りがとても長く急な壁に見え, どうなることか. 時間も天気も余裕なの で長めに休憩しルートを観察する. ごみの散乱が気になるが, 極限状態で脱出した先人の足跡と 感じてしまう.  

どこでも歩いて行ける広い尾根となって傾斜が増していくが, やがて収斂されていく. 槍の登 りは部分的に 3 級上くらいだが, それほどの困難は無い.基本的に左寄りにルートを選定してい く. 有名な 2 ヶ所のチムニーは上の 1 ヶ所を通ったが, 下のは別ルートを通ったようである. 上 のチムニーを越し(3 級上くらい), 左に木の杭を見, そのまま直上すると, 左に巻き込む様にか ぶりぎみの岩場となる. ここがもっとも難しいが, いずれにしろ 3 級上くらいか. 杭に向かって 左へ巻いたほうが容易かもしれない. 全体として見た目ほどの困難はなく, 北鎌平から 50 分で

頂上に達する(13 時 50 分). 

槍ヶ岳山荘に着いたのは 14 時半過ぎなので槍沢のテン場まで下山.U 字谷のモレーン地形は黄 葉に染まり, 新雪をまとった大喰岳が高い. なんて風光明媚なのだろう. 

 

10/14:快晴 

平和な朝を迎える. テン場はゆっくりと 6 時過ぎに出発したが, 歩き始めればガンガン下る.

屏風岩を眺める...徳沢のみ休憩する. 

  この道を歩くのは 4 年ぶりだ. 奥俣白出合い〜横尾間の梓川川原に造成された作業自動車道は,

1998 年からそのままで, 使用が続いているのか.立石などの名勝がつぶされており, このどこが 国立公園だ. このどこが天下の上高地だ. 無残な姿に心が痛むし, 非常に腹立たしい.砂防工事 など含め,河床が固定されればケショウヤナギは絶滅してしまう.よく見ると, 対岸には奥俣白 谷の砂防ダムも見える. 

9 時半過ぎにバスターミナルに到着し, 北鎌山行は無事終了する. 何より天候に恵まれた. 次 は湯俣から行ってみたいものだ. 

  最後に, 今山行の実施にあたり常に適切な助言を下さり, 同行いただいた「ぶなの会」の松本 さんに感謝いたします. カメラをやめたのは悔やまれます。 

ドキュメント内 西朋28 (ページ 82-85)