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2.海外臨床試験

ドキュメント内 ザルトラップ 適正使用ガイド (ページ 48-56)

海外第Ⅲ相臨床試験〔EFC10262試験/VELOUR試験〕 (海外データ)

◆試験概要

目的 二次治療としてFOLFIRIを投与する転移性結腸・直腸癌患者において、ザルトラップによる全生存期間の延長をプラセボと比較検 証する。

対象 オキサリプラチンを含む化学療法で治療中又は治療後に増悪した転移性結腸・直腸癌患者1,226例 方法 前向き、多施設国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間試験

ザルトラップ4mg/kg又はプラセボを、2週間間隔でDay1に1時間静注した。ザルトラップ又はプラセボの投与終了後、速やかに FOLFIRI*1を投与した*2

*1: dl-ホリナートカルシウム400mg/m2を2時間静注、イリノテカン180mg/m2※をYコネクターから90分間静注した後、5-フルオロウラシル 400mg/m2を急速静注し、次に5-フルオロウラシル2,400mg/m2を46時間持続静注した。(注:体表面積が2.0m2を上回る場合には、安全上の理由 から、体表面積を2.0m2として、イリノテカン及び5-フルオロウラシルの実際の投与量を算出した。高度の副作用が発現した場合には、減量、又は投 与を延期若しくは中止する計画とした。)

*2: 投与期間は(病勢の)進行(PD)若しくは許容できない副作用が認められるまで、又は患者が投与の継続を拒否する、若しくは治験責任医師が投与を 中止するまで、試験薬(ザルトラップ/プラセボ及び併用を規定する化学療法)を投与した。

評価項目 <主要評価項目>

全生存期間

<副次評価項目>

無増悪生存期間、奏効率(CR又はPR)[独立判定委員会がRECISTに基づいて判定]、薬物動態、免疫原性、安全性[有害事象及び重篤 な有害事象の重症度、重篤性及び試験薬との因果関係、体重、ECOG PS 及び血圧等の身体的所見、臨床検査データ(血球数、生化 学検査、尿検査及びその他の必要な臨床検査)、並びに併用薬の情報]

判定基準 <全生存期間>

無作為化した日から死亡(原因を問わない)までの期間[本治験の終了まで生存していた場合には、全生存期間のデータは患者が 生存していることが判明している最後の日、又はカットオフ日(どちらか早い方)で打ち切り]

<無増悪生存期間>

無作為化した日から最初にPDが認められた日、又は死亡日(原因を問わない)のどちらか早い方までの期間

<奏効率>

独立判定委員会がRECISTに基づいて判定

<安全性>

NCI-CTCAE 3.0版を用いて、有害事象の重症度をグレード分類

◆患者背景

FOLFIRI +ザルトラップ

(n = 612) FOLFIRI +プラセボ

(n = 614)

年齢中央値[範囲] 61.0歳[21~82] 61.0歳[19~86]

年齢分布

65歳未満 407例(66.5%) 376例(61.2%)

65~75歳未満 172例(28.1%) 199例(32.4%)

75歳以上 33例(5.4%) 39例(6.4%)

性別

男性 365例(59.6%) 353例(57.5%)

女性 247例(40.4%) 261例(42.5%)

人種

白人 548例(89.5%) 523例(85.2%)

黒人 16例(2.6%) 27例(4.4%)

適正使用に関する事項 はじめに(適正使用のお願い) 患者選択における注意点

Q&

A 投与スケジュール 投与にあたって 投与期間中の留意点 特に注意を要する副作用 付録 FOLFIRI +ザルトラップ

(n = 612) FOLFIRI +プラセボ

(n = 614)

原発腫瘍部位

結腸 289例(47.2%) 302例(49.2%)

直腸S状部 123例(20.1%) 136例(22.1%)

直腸 197例(32.2%) 174例(28.3%)

その他 3例(0.5%) 2例(0.3%)

組織型

腺癌 612例(100%) 614例(100%)

初回診断日からの期間中央値[範囲] 14.62ヵ月[2.1~325.1] 13.67ヵ月[2.4~214.7]

転移病変数

なし 2例(0.3%) 6例(1.0%)

1個 256例(41.8%) 271例(44.1%)

2個以上 354例(57.8%) 337例(54.9%)

転移臓器

肝 459例(75.0%) 431例(70.2%)

肺 271例(44.3%) 277例(45.1%)

リンパ節 173例(28.3%) 181例(29.5%)

腹膜 68例(11.1%) 88例(14.3%)

肝転移のみ 153例(25.0%) 146例(23.8%)

化学療法治療歴 612例(100%) 614例(100%)

補助療法のみ 60例(9.8%) 64例(10.4%)

(補助療法完了後から6ヵ月以内の再発) 58例(96.7%) 59例(92.2%)

オキサリプラチン 1例(1.7%) 0例(0%)

オキサリプラチン+5-フルオロウラシル 50例(83.3%) 54例(84.4%)

オキサリプラチン+5-フルオロウラシル+生物学的製剤 9例(15.0%) 10例(15.6%)

進行癌に対する治療のみ 450例(73.5%) 442例(72.0%)

オキサリプラチンなし 1例(0.2%) 0例(0%)

オキサリプラチン 0例(0%) 2例(0.5%)

オキサリプラチン+5-フルオロウラシル 279例(62.1%) 267例(60.4%)

オキサリプラチン+5-フルオロウラシル+生物学的製剤 170例(37.9%) 173例(39.1%)

補助療法+進行癌に対する治療 102例(16.7%) 108例(17.6%)

補助療法

 オキサリプラチンなし 87例(85.3%) 92例(85.2%)

 オキサリプラチンベース 15例(14.7%) 16例(14.8%)

進行癌に対する治療

 オキサリプラチンなし 0例(0%) 1例(0.9%)

 オキサリプラチンベース 102例(100%) 107例(99.1%)

 オキサリプラチンのみ 1例(1.0%) 2例(1.9%)

  オキサリプラチン+5-フルオロウラシル 80例(78.4%) 75例(70.1%)

  オキサリプラチン+5-フルオロウラシル+生物学的製剤 21例(20.6%) 30例(28.0%)

オキサリプラチン治療期間中央値[範囲] 5.19ヵ月[0.1~23.9] 5.13ヵ月[0.5~22.8]

手術治療歴 513例(83.8%) 510例(83.1%)

放射線療法治療歴 125例(20.4%) 137例(22.3%)

*:FOLFIRI+ザルトラップ群n=610、FOLFIRI+プラセボ群n=613

※本邦でのイリノテカンの用法及び用量

イリノテカンの結腸・直腸癌(手術不能又は再発)における承認用法及び用量(A法又はB法)は、「A法:イリノテカン塩酸塩水和物として、通常、成 人に1日1回、100mg/m2を1週間間隔で3~4回点滴静注し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。B法:イリノテカ ン塩酸塩水和物として、通常、成人に1日1回、150mg/m2を2週間間隔で2~3回点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとして、投 与を繰り返す。」です。

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付録

適正使用に関する事項 はじめに(適正使用のお願い) 患者選択における注意点 投与スケジュール 投与にあたって 投与期間中の留意点 特に注意を要する副作用 付録

◆有効性

<全生存期間

*1

>(主要評価項目)

全生存期間中央値は、FOLFIRI+ザルトラップ群13.50ヵ月[95.34%CI:12.517~14.949]、FOLFIRI+プラセボ群12.06ヵ月

[95.34%CI:11.072~13.109]であり、FOLFIRI+ザルトラップはFOLFIRI+プラセボと比較して、全生存期間を有意に延長する ことが示された(層別Log-rank検定、p=0.0032)。Cox比例ハザードモデルにより推定したハザード比は0.817[95.34%CI:

0.713~0.937]であり、FOLFIRI+ザルトラップは、FOLFIRI+プラセボと比較して、死亡リスクを18.3%低下させることが検証され た。

<無増悪生存期間

*2

>(副次評価項目)

無増悪生存期間中央値は、FOLFIRI+ザルトラップ群6.90ヵ月[99.99%CI:5.881~7.852]、FOLFIRI+プラセボ群4.67ヵ月

[99.99%CI:4.074~5.552]であり、FOLFIRI+ザルトラップはFOLFIRI+プラセボと比較して、無増悪生存期間を有意に延長す ることが示された(層別Log-rank検定、p=0.00007)。また、層別ハザード比の推定値は0.758[99.99%CI:0.578~0.995]で あった。

<奏効率(CR又はPR)

*3

>(副次評価項目)

奏効率(CR又はPR)は、FOLFIRI+ザルトラップ群19.8%[95%CI:16.4~23.2](105/531例)、FOLFIRI+プラセボ群11.1%

[95%CI:8.5~13.8](59/530例)であり、FOLFIRI+ザルトラップはFOLFIRI+プラセボと比較して、奏効率が有意に高いことが 示された(層別Cochran-Mantel-Haenszel検定、p=0.0001)。

*1:無作為化した日から死亡(原因を問わない)までの期間

*2:無作為化した日から最初にPDが認められた日、又は死亡日(原因を問わない)のどちらか早い方までの期間

*3:独立判定委員会がRECISTに基づいて判定

◆安全性

副作用はFOLFIRI+ザルトラップ群611例中584例(95.6%)、FOLFIRI+プラセボ群605例中550例(90.9%)に認められ、主な副 作用(全Grade)はFOLFIRI+ザルトラップ群では下痢383例(62.7%)、悪心295例(48.3%)、口内炎286例(46.8%)、疲労254例

(41.6%)、好中球減少症239例(39.1%)、高血圧224例(36.7%)等、FOLFIRI+プラセボ群では悪心303例(50.1%)、下痢299例

(49.4%)、疲労197例(32.6%)、好中球減少症198例(32.7%)等であった。Grade3以上の主な副作用はFOLFIRI+ザルトラップ 群では好中球減少症156例(25.5%)、高血圧108例(17.7%)、下痢103例(16.9%)等、FOLFIRI+プラセボ群では好中球減少症 127例(21.0%)等であった。

重篤な有害事象はFOLFIRI+ザルトラップ群611例中294例(48.1%)、FOLFIRI+プラセボ群605例中198例(32.7%)に認めら れ、主なものはFOLFIRI+ザルトラップ群では下痢44例(7.2%)、脱水24例(3.9%)、発熱性好中球減少症19例(3.1%)、肺塞栓症19 例(3.1%)、疾患進行16例(2.6%)、腹痛12例(2.0%)等、FOLFIRI+プラセボ群では発熱15例(2.5%)、疾患進行14例(2.3%)、下痢 14例(2.3%)、肺塞栓症12例(2.0%)等であった。

試験中止に至った有害事象はFOLFIRI+ザルトラップ群611例中164例(26.8%)、FOLFIRI+プラセボ群605例中73例(12.1%)に 認められ、主なものはFOLFIRI+ザルトラップ群では高血圧14例(2.3%)、下痢14例(2.3%)、疲労13例(2.1%)、無力症10例

(1.6%)、蛋白尿9例(1.5%)、好中球減少症7例(1.1%)、肺塞栓症7例(1.1%)、口内炎7例(1.1%)、脱水6例(1.0%)等、FOLFIRI+プ ラセボ群では肺塞栓症7例(1.2%)、疲労6例(1.0%)等であった。

有害事象による死亡はFOLFIRI+ザルトラップ群611例中14例(2.3%)、FOLFIRI+プラセボ群605例中4例(0.7%)に認められた。

海外第Ⅲ相臨床試験

(n=611)

発現例数(%)

全Grade Grade 3以上

全副作用 584(95.6) 451(73.8)

適正使用に関する事項 はじめに(適正使用のお願い) 患者選択における注意点

Q&

A 投与スケジュール 投与にあたって 投与期間中の留意点 特に注意を要する副作用 付録 発現例数(%)

全Grade Grade 3以上

肺炎 2(0.3) 2(0.3)

口腔ヘルペス 2(0.3) 0

咽頭炎 4(0.7) 0

帯状疱疹 3(0.5) 0

大葉性肺炎 1(0.2) 1(0.2)

単純ヘルペス 1(0.2) 0

鼻咽頭炎 3(0.5) 0

副鼻腔炎 3(0.5) 0

歯感染 1(0.2) 0

歯膿瘍 2(0.3) 0

インフルエンザ 1(0.2) 0

カテーテル留置部位感染 2(0.3) 1(0.2)

胃腸炎 1(0.2) 0

医療機器関連感染 2(0.3) 0

外陰腟真菌感染 2(0.3) 0

感染 2(0.3) 1(0.2)

気管支炎 2(0.3) 0

憩室炎 2(0.3) 0

口腔感染 1(0.2) 0

好中球減少性敗血症 2(0.3) 2(0.3)

食道カンジダ症 2(0.3) 1(0.2)

爪囲炎 1(0.2) 0

歯周炎 1(0.2) 0

ブドウ球菌性敗血症 1(0.2) 1(0.2)

レンサ球菌性肺炎 1(0.2) 1(0.2)

β溶血性レンサ球菌感染 1(0.2) 1(0.2)

医療機器関連敗血症 1(0.2) 1(0.2)

陰部ヘルペス 1(0.2) 0

外耳炎 1(0.2) 0

顎膿瘍 1(0.2) 0

気腫性膀胱炎 1(0.2) 0

胸壁膿瘍 1(0.2) 0

口腔真菌感染 1(0.2) 1(0.2)

口唇感染 1(0.2) 0

上気道感染 1(0.2) 0

腎感染 1(0.2) 0

足部白癬 1(0.2) 0

直腸周囲膿瘍 1(0.2) 1(0.2)

直腸膿瘍 1(0.2) 1(0.2)

膿疱性皮疹 1(0.2) 0

敗血症性ショック 1(0.2) 1(0.2)

肺感染 1(0.2) 0

皮下組織膿瘍 1(0.2) 0

皮膚感染 1(0.2) 0

蜂巣炎 1(0.2) 0

扁桃炎 1(0.2) 0

肛門膿瘍 1(0.2) 1(0.2)

発現例数(%)

全Grade Grade 3以上 良性、悪性及び詳細不明の

(嚢胞及びポリープを含む)新生物 1(0.2) 0

腫瘍出血 1(0.2) 0

血液及びリンパ系障害 262(42.9) 176(28.8)

好中球減少症 239(39.1) 156(25.5)

血小板減少症 23(3.8) 5(0.8)

発熱性好中球減少症 20(3.3) 20(3.3)

貧血 15(2.5) 6(1.0)

白血球減少症 10(1.6) 3(0.5)

リンパ球減少症 1(0.2) 0

顆粒球減少症 1(0.2) 1(0.2)

汎血球減少症 2(0.3) 2(0.3)

ヘモグロビン血症 1(0.2) 1(0.2)

凝血異常 1(0.2) 1(0.2)

血栓性微小血管症 1(0.2) 0

免疫系障害 10(1.6) 0

過敏症 6(1.0) 0

薬物過敏症 4(0.7) 0

代謝及び栄養障害 167(27.3) 38(6.2)

食欲減退 144(23.6) 17(2.8)

脱水 34(5.6) 19(3.1)

低カリウム血症 2(0.3) 1(0.2)

糖尿病 1(0.2) 0

高尿酸血症 1(0.2) 1(0.2)

低ナトリウム血症 1(0.2) 1(0.2)

低リン酸血症 1(0.2) 1(0.2)

精神障害 17(2.8) 1(0.2)

不眠症 5(0.8) 0

不安 4(0.7) 0

気分変化 2(0.3) 0

錯乱状態 2(0.3) 1(0.2)

うつ病 2(0.3) 0

神経過敏 1(0.2) 0

精神状態変化 1(0.2) 0

涙ぐむ 1(0.2) 0

神経系障害 200(32.7) 30(4.9)

頭痛 76(12.4) 7(1.1)

味覚異常 37(6.1) 0

嗜眠 32(5.2) 8(1.3)

浮動性めまい 18(2.9) 0

末梢性ニューロパチー 28(4.6) 4(0.7)

錯感覚 15(2.5) 0

コリン作動性症候群 11(1.8) 0

多発ニューロパチー 10(1.6) 1(0.2)

末梢性感覚ニューロパチ- 10(1.6) 1(0.2)

味覚消失 7(1.1) 0

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ドキュメント内 ザルトラップ 適正使用ガイド (ページ 48-56)

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