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-図4-19 252Cf自己核分裂放射線源からの中性子エネルギースペクトル ただし、 中性子検出器には� 5.08cm x 5.08cmのNE213を用いた。

- 89

-ことにより、 252Cfの自己核分裂からの放出中性子エネルギースペクトルが得 られた。 各科5.08cmX 5.08cmNE213有機液体シンチレータを用いて測定さ

れた 252Cfの自己絞分裂からの放出中性子エネルギースペクトルを図-1-1 9に 示す。 縦軸は、 単位立体角及び単位エネルギー当たりに規格化された、 任意単 位である。 252Cfの自己核分裂からの放出中性子は本来等方に放出されるはず であるが、 各検出器で測定されたスペクトルは1 !vI e V付近でばらついている。

この検出器問の中性子スペクトル の相違が、 ディスクリレベル付近での検出効 率の不安定性に起因するものと考えられる。 1 5。 及び90。 方向の検出器を除 くと、 1!vI e V以上では中性子スベクトルはほとんど一致している。 そこで、 ま ず、 ほぼ一致している30。 、 6 00 、 1200 及び1500 の検出器でのスペクト ルの平均値件ave.(En)を求める。 得られた平均値件a ve. (En)と各検出器のスペ クトルの値千CfU, E n)の比を、 補正係数とした。

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(4-11)

ただし、 1から6までの値を とるiは、 150 から1500 までの6方向に対応する。

式(4-11)から得られた補正係数fcメi,Eη)を各角度方向の中性子スペクトルに乗 じることで、 Amバイアスを用いた1 !vI e Vから3!vI e Vまでの領域における検出 効率の不安定性についての補正を行った。

4. 8. 4 タイムウオーク

TOF測定においては、 検出器からの信号はコンスタントフラクシ ョンディ スクリミネーター(CF D )によりロジック信号に変換される。 CFDを用いる

利点は、 最大波高に対して 4定の割合の波高でトリガーが出力されるため、 出 力のタイミングが入力信号の大小に依存しない点である。 ただし、 これには入 力信号の立上り部分の時定数が波高に対して常に一定であることが必要である。

本研究のように、 測定対象となる中性子が1!vI e VからGeV程度までの広いエネ ルギ一範囲にわたる場合、 高エネルギー中性子を検出する際に光電子増倍管や 増幅回路などで信号の飽和現象が起きてしまう。 このため、 低エネルギー中性 子と高エネ ルギー中性子を検出した場合とで、 得られた信号の立上り部分の時 定数が異なってしまい、 トリガ一信号 の出力タイミングに最大約1 ns程度の差 (タイムウオーク)が生じてしまう。 木研究のように飛行距離が1m程度と非 常に短い場合、 約1 nsのタイムウオークによる影響は、 特に100 ÌY[ e V以上の高

- 90

-エネルギー中性子を測定 する場合に顕著となる。 このため、 以下に述べる手法 に よりCFDでのタイムウオークの補正を行った。

n-γ波形弁別を行った後のy線のイベントについて、 TOF一信号電荷一 次元表示を行った様子を図-1-2 0に示す。 横軸のTOFは、 各イベントの即発y 線ピーク からの時間差を示している。 また 、 中性子検出器からの信号電荷を幅 250 nsのゲートを用いてADCに記録した値を縦軸に示す。 図4-20-a及び図-1-20-bは、 それぞれタイムウオーク補正を行う前と後 のγ線の 二次元表示 であ る。 図�1-20-a を見ると、 ターゲットからの即発γ線が、 TOFの値がo ns付近 に多く分布している様子が分かる。 また、 パックグラウンドγ線又は遅発γ線 が、 図の広い範囲に渡って分布していることも分かる。 さて、 即発γ線は本来 図中の破線 に沿って分布しているはずである。 し かし大きな信号が検出された 場合、 タ イムウオークの影響に よりCFD からの出力のタイミングが早くなっ てしまう。 これは、 図�-20- aにおいてADCの値が300チャンネル付近から即 発γ線の分 布 が曲がり始めている様子 からも分かる。 このため、 タイムウオー ク補正では、 TOF一信号電荷二次元分布上で曲がっている即発γ線分布を図 中の実線で模擬し、 破線で示されるような縦軸と平行 な直線状 分布となるよう に各イベントを横軸に対、して平行移動させた。 つまり 、 即発γ線の二次元分布 が直線に なるよう、 信号電荷の大きさに応じてTOFの値を 補正した。 タイム ウオーク補正後のγ線のTOF一信号電荷二次元分布を図4 - 20・bに示す。 TOF の値でo ns付近に、 直線状に即発γ線が分布している様子が分かる。 図4-20で は、 γ線についてのみタイムウオーク補正を行っているが、 中性子についても 上で述べたものと同じ方法でタイムウオーク補正を行った。 すなわち、 タイム ウオーク補正前(実線)と補正後(破線)の時間標準を用いて、 信号電荷の大 きさに応じてTOFの時間を戻した。 ただ し、 高エネルギ ー中 性子を検出した 場合、 y線よりも大きな信号電荷 が得られる場合もある。 このため、 図中に示 されるようにタイムウオーク補正前の標準(実線)は、 即発γ線分布の上端か ら外挿した直線とした。 CFD で用いたディレイは] n sであったため、 どんなに 大きな信号が入力した場合 でもタイムウオークは最大1 nsと考えられる。 この ため、 タイムウオーク補正前の標準(実線)は、 TOFの値で-1 nsとなったと

ころからは一定となるように縦軸と平行になるようにした。

図4 - 20を見ても分かるように、 タイムウオーク補正は高波高のイベントで ある高エネルギー中性子のエネルギ一決定に対して より効果的である。 タイム ウオーク補正では飛行時間は最大1 ns程度時間的に遅い方向へ修正されるため、

補正前は高めだった中性子のエネルギーは低く補正されることになる。 本研究 のように飛行距離が1m程度と短い場合、 例えば中性子エネルギー が500ìvl e V

- 91

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州4-20-a タイムウオーク補正前の即発γ線の

TOF-信号電荷二次元分布灰

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図4-20-b タイムウオーク補正後の即発γ線の

TOF-信号電荷二次元分布図

3 2 1 0 田1

Time of Flight (ns) 0 4

5

93

-と700rvr e Vの中性子問での飛行時間差はわずか0.33nsである。 このため、 特 に数100 rvr e V以上の中性子エネルギーがタイムウオーク補正によりかなり修正 され、 補正前と補正後では断面積データが明らか に改善された。 また、 測定系 の時間分解能はTOFスベクトル上での即発γ線ピークの半値幅で求め たが 、 タイムウオーク補正によって即発y線ピークそのものが狭くなり、 測定全体の

エネルギ一分解能も向上した。

4. 9 不確定性及びエネルギ一分解能

データ解析で行った各補正並び に検出効率の係数及び不確定性の一覧を 表1 -2に示す。 ただし表4-2には統計誤差を除 いている。 表を見ると、 補正量が取 も大きいのはターゲット内での多重散乱中性子に 関する補正であり、 その大き

さは0.5から2までとなって いる。 しかし、 核内及び核外粒子輸送カップリン グ計算コードNM T C / J A E R 1 -9 4 + :tvr C N P - -4 A及び筏内粒子輸送計算コード NUCLEUSの正当性は明確ではないため、 多重散乱補正に関する不確定性を正

確に評価することは困難である。 このような事情から多重散乱補正についての 不確定性は、 一律に20%と大きめ に評価した。 なお、 ベ ト検出器での減衰に関 する補正及びディスクリレベル付近での検出効率の不安定性についての補正に

ついての不確定性は、 共に10%程度と見積もった。 中性子検出効率の不確定性 は、 SCINFULコードを用いた80rvr e V以下の範囲では、 4. 6節で説明したよ うに10%とした。 修正したCEC ILコードの計算結果は80:tvleV以上の領域で用 いたが、 比較できる実験データが存在しないため にその不確定性を正確には評 価できない。 このため、 80rvr e V以上での検出効率の不確定性は、 80:tvIe V以下 のそれよりも若干大きい15%とした。 以上の各補正及び検出効率の不縫定性は、

結局全体で約25%程度となった。 図4 -2 1に実験データの典型的な誤差の例を /1、す。 図は1.5GeV陽子が鉄ターゲットに入射したと きの60。 方向での中性子 生成二重微分断面積を示しており、 誤差棒の上側及び下側は、 それぞれ統計誤 差及びデータ補正 に関する不確定性を示している。 図4 -2 1を見ると、 データ 補正に関する不確定性と比較して、 統計誤差が非常に小さいことが分かる。 こ のため、 最終的な 測定誤差の大きさはデータ補正に関する不確定性によって決 定されるといえる。

DEn

相対性理論を考慮した場合の中性子TOF測定のエネルギ一分解能En は、 時

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問に関する不確定性7及び位置に関する不確定性工を 用いて、 次式のように 表せられる{37)O

- 9.1

-表'+-2 各補正の係数及び、イミ的;定'1ゾ1:

Type of Data Corrections Factor Uncertainty

ìvI ul tiple-Scattering Effects 0.5 to 2.0 20 %

Atten uation Effects at Veto Detector 1.0 to 1.1 10 %

Efficiency Correction with 252 LII.JL.Cf source 1.0 to 4.0 10 %

- 95

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10'

1 00

1 03

10' 1 02

Neutron Energy (MeV)

図4-21 本研究で得られた実験データの誤差の例

実験データは、 1.5GeV陽子をFeターゲットに入射したときの60。 方向での 中性子生成二重微分断面積であり、 上側及び下側の誤差棒は、 それぞ、れ統計 誤差及びデータ補正の不確定性を示している。

- 96

-そ=(ETC2)(l fi2) ゾ (¥r +(午r

(4-12)

本研究で、行っ た中性子TOF測定において、 時間に関 する不確定 性

には次の

ことが考えられる。

( 1 )中性子放出時間の不確定性 ・ ・ ・ 陽子がターゲットに入射し、 原子

核と反応を起こして中性子を放出するま での時間のゆらぎ。

( 2 ) 中性子 検出時間の不確定性 ・ . . 検出 器(主に 光電子増倍 管)や

CFD等の測定系全体での信号の伝達による時間のゆらぎ。

M

ま た、 位置に関する不確定性τには次のことが考えられる。

( 3 )ターゲット位置の不確定性 - ・ ・ 陽子がターゲットに入射した際、

反応が起こ り中性子が放出された位置についての不確定性。

( 4 )検出位置の不確定性 . . NE213シンチレータ内で 検出された位 置についての不確定性。

今、 ( 1 )及び( 3 ) については、 反応で生成された中性子とy線との聞に違

いが無いと仮定する。 すると、 TOFスペクトル上の即発y線ピークの半値幅 より、 ( 1 )、 ( 2 )及び( 3 )の不確定性を直接得ることができる。 ただし、

( 4 )の 検出位置の不確定性 については、 中性子と γ線を 検出する場合で事情

が異なる。 有機液体シンチレータでγ線を検出 する場合、 入射γ線もシンチレ ーション光の速度と等しく光速である。 今、 γ線と電子が相互作用を起こした 場所で瞬間的にシンチレーション光が発生すると仮定する。 すると、 γ線が 検 出器表面に入射してか ら光電子増倍管にシンチレーショ ン光が到達するまでの 時間は、 γ線が電子と相互作用を起こした 位置に依存することなく、 常に一定 と考えることができる。 ただし、 ここではシンチレーション光のシンチレータ

内面での反射は考えない。 一方、 低エネルギー中性子の速度は光速よりもかな り遅い。 つま り、 シンチレータ の入射面付近で中性子が検出された場合、 光電 子増倍管付近 で検出されるよりも時間的に早くシンチレーション光が光電子増 倍管に到達してしまう。 このため、 検出器から の出力信号のタイミングは、 シ ンチレータ内部での中性子 検出位置に依存することに なってしまう。

以上の理由から、 即発γ線 の半値幅からエネルギ一分解能を求める際には、

( 4 )の補正としてシンチレータ厚さ の半分を考慮することに した。 最終的に、

本研究でのエネルギ一 分解能は次式で表すことができる。

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