Memory
Instrument 2
Processor Router
Router
Memory Processor Instrument
3 Router
Instrument 4
Sensor A
Sensor RTC B
Sensor C
Telemetry / Telecommand Prime
Telemetry / Telecommand Redundant
図
3.3:
統合アーキテクチャ(Integrated Architecture)
の概念図(SpaceWire 101 Seminar, 2006 MAPLD International Conference
より)
この図により説明された統合ネットワークは、欧州が得意としている形式的手法に基づく概念であった。
これを実際に開発し、軌道上で実証することに世界で最初に成功したのが
ASTRO-H
である。物理的なイ ンタフェース仕様のみならず、論理的にも信頼度に応じて適切なネットワーク構成を取り、サブネットワー クとして構成した。これらのサブネットワーク間の接続はSpaceWire
の特徴を活かし、複雑な変換をする ことなくシームレスに繋がっており、診断やオフノミナル運用の際にはDirect RMAP
コマンドを用いてサ ブネットワーク間横断的にコマンド送信を可能としている。この概念にもとづき、ASTRO-H
で具体的に 実現したSpaceWire
ネットワークトポロジーの概略を図3.4
に、ネットワークの概要を3.1
に示す。図
3.4: ASTRO-H
のSpaceWire
ネットワークのトポロジー12
表
3.1: ASTRO-H
のSpaceWire
ネットワークの概要SpW
機器数52
SpW
ノード114 (
パスアドレスの最大ホップ数10)
SpW
リンク 約120
本のSpaceWire
リンク,
約50
のSpaceWire
ルータ 通信レート15 Mbps (max)), 7 Mbps (nominal)
リンクレート
10-50 MHz
内部記録容量12 Gbits ∗
(BOL:
管理領域、誤り訂正符号 領域を除く実使用量)
地上との通信S-band 2 Mbps, X-band 8 Mbps
3.3 ASTRO-H の SpaceWire ネットワークの構成
図
3.5
に衛星バス系のSpaceWire
ネットワークのトポロジを示す。基本構成として、後述するASTRO-H
のバス系標準コンピュータ「SpaceCube2
」を用いたSMU
を頂点とし、各サブシステムのコンポーネント を葉とするツリー構造になっている。姿勢系は、やはりSpaceCube2
コンピュータによるAOCP
が頂点と なる姿勢系サブネットワークを構成している。衛星バスネットワークの根幹を形成する
SpaceWire
ルータ群(SWR1, SWR2, SWR3)
は、それぞれA
系/B
系の2
系から成り、それぞれ主系/
従系ネットワークを構成している。主系/
従系ネットワークを、い くつかの箇所で相互接続(
クロスストラップ接続)
することで冗長度を高めている。SXS
サブシステムにおいては、PSP
、冷凍機ドライバ、FWE
等、接続されるコンポーネントが多いた め、それらからのSpaceWire
リンクをSXS
用のSpaceWire Router (SXS-SWR)
で集約してから衛星バ ス系ネットワークと接続する構成となっている。SXS
では試験の各フェーズで検出器やデュワー、各冷凍 機のオペレーションを効率よく実施するため、衛星バス全体の電源を入れること無くMD
コネクタ経由でSXS-DIST
に外部電源から給電した状態で試験できること、という要求がある。SXS-SWR
によりデータ 通信系を衛星バスから切り離すことで、外部電源給電時にも各機器をSpaceWire
インタフェース経由で制 御できるようになっている。13
実験報告書 8-2 SpWネットワーク p.781
Space Cube アーキテクチャと SpaceCube 2
50 1. インタフェース接続規格に SpaceWire を採用
スケーラブルなネットワーク型宇宙機アーキテクチャを実現するためには「システムとしては高い柔 軟性 を持つが、ハードウェア的に規定された」インタフェースを持つ機器が必要。
2. 搭載機器のプラットフォーム化
標準ミドルウェア、および Application Program Interface(API)に対する要求仕様を纏めると共に、 安 価な標準試験装置を SpaceWire 規格制定元の欧州のメンバと共に整備した。これらのプラットフォー ム の整備により、多くの企業/大学/研究所が互換性のある搭載機器を開発できるようにした。
3. T-Engine アーキテクチャから宇宙機システムに必要な要素を厳選
T-Engineアーキテクチャをベースに宇宙機システムに必須の機能を 集約した。
4. 小型・軽量化、低消費電力化、低コスト化
マイクロプロセッサと周辺デバイスを内蔵した 1 チップマイクロコントローラや、大容量メモリなどによ り、低コストに搭載コンピュータ が構成
地上用SpaceCube by JAXA/シマフジ
搭載用SpaceCube2 by NEC
実験報告書 8-2 SpWネットワーク p.783
設計基準書
• ASTH-112 SpaceWireネットワーク設計基準書
‒ SpaceWire越しにやりとりされるデータ転送の方法を規定。
‒ 各機器はこれに従って設計。動作確認を行った。
• RMAP Read
‒ PULLアーキテクチャ
‒ Initiator が要求した時にのみ要求した量のデータ転送が行われる。
デバイス側は指示の通りに転送 するのみ。
• 時分割
‒ ネットワーク全体を時分割共用 (Time Division Multiple Access;
TDMA) で 動作させることで、各通信サービスにそれぞれ通信帯域 を割り当てた。これにより、同一通信経路上での SpaceWire パケッ トの衝突とブロッキングによる通信レイテンシの増大を防いだ。
51
図
7.2: SpaceWire-to-GigabitEther
の概要5 3.
ブロック図本装置の ハードウェ ア ブロック図 を 示 し ます。
IP PROC
SOCK EP
SOCK EP SSDTP
APP
GBE MAC MGM
PHY
SSDTP APP
MEMR IF
TCP/IP Header DEC/ENC
MII/GMII MDIO MEMC
MEMC IF
SpW INET
SpW INET
DDR2 128MByte
(Config EP) RMAP
SpW IF SpW
IF SpW
IF V850
IF V850
TEST
port0
port:10030 port:80
LVDS
LVDS
LVDS REG
32bit
32bit 8bit 16bit/500Mbps
Internal Clock 125MHz
SpW Router
SpW-GbE FPGA Block
200Mbps
200Mbps
200Mbps
MEMW IF MEMR IF
MEMW IF
32bit EEPROM
IF EEPROM
MEMR IF MEMW IF CTRL
CTRL STATUS
32bit
wp, rp wp, rp
SPI 16bit
LVDS BUF
LVDS BUF
LVDS BUF
SpW LVDS IF
200Mbps N.C.
LVDS BUF
Port#1
#2
#3
#4
port:10031
REG
FPGA
Port#2
Port#3
Port#4 Port#9
Port#6
Port#7
Port#8
N.C.
Port#5 Port#0
図
7.3: SpaceWire-to-GibabitEther
のブロックダイアグラム47
SpaceWire により可能となった汎用試験・検証環境の整備
実験報告書 8-2 SpWネットワーク p.814 52
▐ Reference Protocol Stack ▐
SpaceWire
(ECSS-E-ST-50-12C) Scheduling
Protocol ID / RMAP (ECSS-E-ST-50-51C/52C)
Retry/Redundancy Segmentation
PTP PnP
User Application
図
7.1:
参照するプロトコルスタックと対応する試験装置7.2
産学連携で開発された汎用試験装置7.2.1 SpaceWire-to-GigabitEther
SpaceWire
インタフェースを搭載した科学観測装置や地 球観測センサー等を開発する際には、開発モデル
(BBM)
段階から実験室レベルで利用できるSpaceWire
インタフェースデバイスが必要となる。とくにASTRO-H
搭載のX
線観測装置 を開発するにあたり、一般的なPC
からSpaceWire
パケットやTimecode
を送受信するため の装置として、SpaceWire
とGigabitEthernet
をブリッジするデバイス「SpaceWire-to-GigabitEther
」を開発した(図7.2
)。ブロックダイアグラムを図7.3
に示す。本装置は、SpaceWire
およ びRMAP
プロトコルに よる通信を行なうためのC++
言語ソフトウエアライブラリ「SpaceWire RMAP
Library
」とあ わせて10
以上の大学や研究機関・企業ですでに利用されており、今後の宇宙機ミッション向けにも利用が広がっている。
46
SpaceWire規格を検証 するシステム。
アプリケーションソフトを 試験するシステム。
これらのシステムはASTRO-Hの開発と 並行して開発された。今後はこれらを 用いて開発時間の短縮ができる。
開発システムを多数用意することで開
発時間の短縮をはかった。
SpaceWire を活用した検証環境の日欧共同開発成果
53
査することによりノミナルの試験条件の設定の不足や不備が検出される。このような地道な研究開発を進 めた結果、日本と英国(ひいては欧州)の担当者の理解と要望が一致した
RMAP
標準規格が完成された。この研究開発プロセスを図