B 型肝炎ワクチン
• ほとんどの国では定期接種 (universal vaccine)
• 3回接種での免疫獲得率は40歳未満で95%, 40-60歳で90%, 60歳以上で65-70% (WHO, 2002)
• 血液検査での免疫は4年後に33-50%で陰性化
• 免疫獲得後の感染防御効果は10-20年以上
狂犬病
• 150カ国以上の国や地域で発生
• 毎年55,000人以上が死亡
• 発症した動物(唾液)との接触で感染
• 原因動物はほとんどが犬(他に猫・蝙etc.)
• 郊外 > 都市部、子供 > 大人に多い
• 発症後の致死率はほぼ100%
• 発症前の診断は不可能
• 動物咬傷後、毎年1500万人がワクチン接種
狂犬病の流行地域
WHO, 2008
狂犬病が無い国はほとんどない
狂犬病ワクチン
• 暴露後に発症を予防するには5回のワクチン 接種と免疫グロブリン注射が必要
• 適切な医療機関が周りにない地域への渡航 者・小児に暴露前接種の必要性が高い
• 暴露前に3回のワクチン接種があれば、暴露 後にワクチンのみを2回追加接種
• 暴露前接種は国内ワクチンは0, 1, 6ヵ月、国 外ワクチンは0, 2, 3-4週間で3回接種
• 2~5年間毎に追加接種が必要
日本脳炎
• ウイルス性脳炎
• 豚や水鳥に感染・増殖
• 蚊によって媒介される
• 潜伏期間は5-15日
• 感染後も発症することは稀 (約1/250)
• 渡航者での感染報告は稀
• 有効な治療方法は未確立
• 発症後の後遺症は44%
• 発症後の死亡率は16%
日本脳炎の流行地域
国内での報告は
1990年代より10例未満
日本脳炎ワクチン
• 1954年~推奨によるワクチン任意接種
• 2005年より接種差し控え、2009年より接種再開
• 定期接種で接種歴があれば1~2回の追加接種
• 長期・流行期の渡航、屋外活動では推奨が強い
• 現段階では4-5年毎の追加接種が推奨
腸チフス(未承認)ワクチン
• 細菌性腸炎、国内報告は50-100例/年
• 食べ物による経口感染が基本(不衛生な環境)
• 潜伏期間は8-14 (5-21)日
• 発熱、腹痛、発疹、便秘、下痢
• 長期の抗菌薬治療が必要
• 致死率1%以下(抗菌薬使用)
• 便に排出が続くことある
• 食料品を扱う場合就業制限
腸チフスの流行地域
腸チフスワクチン
• 不活化ワクチンと生ワクチンの2種類あり
• 現時点で国内での認可なし(輸入ワクチン)
• 国内の流通は不活化ワクチンが多い
• 不活化ワクチン接種回数は1回のみ
• 発症予防効果は約50% (一部の菌にのみ効果)
• 有効期間は2-3年
コレラ
• Vibrio cholerae O1 or (>) O139による急性下痢疾患
• O1 strain: classic or El Tor, serotype: Inaba or Ogawa
• 80% までの症例は水分補給のみで改善する
• 無治療の場合、脱水により数時間の経過で死に至る ことがある(小児や妊婦)[致命率50-70%]
• 年間推定300-500万の感染、10-12万人の死亡
• 1991年のscreeningで日本人旅行者の感染リスクは
5/10万人 (Felix W, 1995)
• 法的就業制限と便の陰性化確認 (3類感染症)
• ワクチンは重要な予防策である一方で、安全な水と 衛生的な環境が最も重要
WHO position paper 2010
2010年は
症例の
>50%
が南米(主にハイチ)
国内でのコレラの報告
コレラワクチン
• 1960~70年代中心に全菌体死菌注射ワクチン
(O1) が使用されるも、予防効果50%, 有効期間6か
月, 副作用のため製造中止(2009年9月)
• WHO position paper (2010)で推奨されるワクチン
Dukoral® (WC-rBS)
1991年にSwedenで認可、60か国以上で使用
不活化O1+遺伝子組替コレラ毒素(B)を含む経口ワクチン
Shanchol® (mORCVAX®)
1997年にベトナムで開発、2004年にWHO GMP準拠
2価(O1 + 139)の経口ワクチン、2009年にインド, ベトナム で認可
ワクチンが未開発の感染症の予防
• 正しい知識を持つ
• ワクチン以外の予防法
• 早期診断・早期治療
• 適切な対処
熱帯地域の感染症
• 日本では馴染みのない感染症も地域によっ てはよくある発熱疾患
• 重症化しやすいことがある
• 帰国後に発症することがある
• 国内では見落とされることがある
マラリアに関する基本事項
• 世界で2億1600万人の感染、65.5万人の死亡者
• 人から人へ蚊によって媒介される
• 都市部よりも田舎に多い(夜間)
• 悪寒や戦慄を伴う急な高熱で発症
• 重症化しやすいマラリアの潜伏期12-35日
• 病気の進行速度が早い
• 重症マラリアの死亡率: 治療をしても15-20%
• 早期診断、早期治療が重要
• 内服薬による予防が可能
マラリアの流行地域
デング熱に関する基本事項
• 世界で5000万人の感染、近年増加傾向
• 西太平洋地域と東南アジア地域で約70%が報告
• 人から人へ蚊によって媒介される
• 田舎よりも都市部に多い(日中)
• 急な高熱で発症、頭痛、眼の痛み、筋肉痛、発 疹等を合併しやすい
• 一部、出血傾向、血圧低下を伴う出血熱に進行
• 特別な治療なし、対症療法で経過観察
デング熱の流行地域
蚊に媒介される病気の対策
• 必要に応じて予防内服(マラリア)
感染のリスクと予防内服の副反応のバランス
• 蚊に刺されにくい時間帯、時期、場所
• 蚊に刺されにくい服装
• 肌の露出部位には虫除け薬(DEET)