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ドキュメント内 宮城県製材企業の現況と問題点(3) (ページ 39-48)

資料:宮城県水産林業部『製材工場実態調査結果』 (1978年) , 31H

卿東北電力株式会社総合研究所『電力股備の観点からみた東北の製材業の動 向調査』 10頁。

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:喝

② 「協同(業)化を行なう。 」

原木の購入加 工販

47 10

比率(%) 55.3 11.8

融 2 1

資料:同上, 31頁

先とする多くの製材企業において著い、価格低落と売れ行き不振を引き起 こし,採算割れ(投げ売り) ,代金回収の悪化をもたらし, さらに当該業 界の零細性・脆弱性に規制された弱'」、な信用力を一層低め,信用不安,そ してそれらが引き起こす関連倒産という問題が指摘される。後者では,人 件費の一般的増加や前述の諸原因による素材価格の高騰を中心とした諸経 費の増大等の問題がある。

ではこれら素材の購買(入荷) と製材品の販売(出荷)に関する問題を 解決するには如何なる方法が必要であろうか。具体的にいえば,如何にす れば素材入荷価格の高騰を押さえて素材入荷量を確保し,製材品の販路を 広げられるであろうか。外材の場合には,輪出国における資源事情や輪出 国のとる政策,国産材の場合には, わが国の自然制約的事情, 日本経済全 体を巻き込んだ景気変動等の問題と関わっている。 したがって個々の製材 業者の設備の近代化や経営の合理化などの企業努力では当面解決不可能な 問題が含まれている。本稿でばそれらを除いて解決方法を提示する。それ は流通機構を改善し,最も合理的かつ機能的な素材配分と販路拡張のシス テムの確立である。まずしなければならないのは複雑な流通機構の改善で ある。これを基礎としなければこれまで進められてきた合理化も近代化も 本来の機能を発揮することは難い、であろう。すなわち内外の情勢をみる とき,外材は今日以上に価格が下落しその輪入量が増大するという見通し はない。他方, 「膨大な戦後の植林木がやがて伐期に達し,国産材供給の 飛躍的増加承おころうとし伽」 , 「80年代は国産材の時代旧」 といわれて

、赤井英夫箸『木材謂給の勵向と我が国林業』 (日本林業調査会) 9頁。

(13東北経済調査研究所『東北経済」1053号, 9頁。

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いる。このときに旧態依然の不合理な流通機構力:すみやかに素材の適正価 格をもたらさず逆に高価格を維持する機能しか果たさないのであれば,製 材品需要者力;これまで以上に急速に新建材・代替品に向かっていくこと

も, また外材製材品の進出も阻止することが不可能であるからである。

ここで是非とも指摘しておかなければならない点は,素材入荷や製品販 売面で優位な立場にあるものと劣位な立場にあるものとでは, ともに厳し い内外の制約条件を課されつつも,流通機構中で受けるダメージ,デメリ ットの度合が大きく異なっており, したがって流通機構再編の問題は劣位 に置かれた企業の立場から,それを如何に維持・発展させていくかという 観点からとりあげられなければならないということである。なぜならば金 融を媒介とした系列化を強化・促進している大規模製材企業は流通機構の 中で優位な立場にあり, ′」、規模製材企業に製材業全体の厳い、制約条件か ら起因するダメージ,デメリットを転嫁する立場にある。 したがって現在 の流通機構の再編よりもむしろ維持に利害をみいだしている。反対に圧倒 的多数の弱'」、製材企業は蟻い、状況の中で業界の不利益を最も深刻に受け とめなければならない立場に置かれている。 「中'」、企業ないしば零細企業 である製材業には中'j、企業全般にみられる共通な問題点のほか,製材業独 自の問題点も深刻に発生している畑」 ことも指摘されており,それ故, こ の層こそ流通機構の改善・再編を真剣に希求する主体である。

以上のような流通機構の変革の基本線をふまえたうえで,宮城県での具 体的な変革の内実は如何なるものとなろうか。それは複雑な木材流通機構 の中で'1,規模零細企業が直面している問題から自ずと明きらかにされる。

それは第2章で述べた「原料高の製品安」という状況である。 したがって 流通機構改革の内容は「原料安の製品高」をもたらすための組織化・協業 化の施策となろう。このことの具体的な検討はここでは避けるが⑪, この

⑲東北電力株式会社総合研究所『電力設備の観点からみた東北の製材業の動 向調査』 1頁。

鋤組織化・協業化の概念は多岐にわたっており,その検討は筆者の力量をこ える。ちなみに,その問題については商工組合中央金庫『協業化の現状と諸 問題』参照。

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組織化・協業化こそ単に流通上のそれ−素材の共同仕入,製材品の共同 出荷一に限らず今日弱'」、零細製材企業が直面している離しい諸問題に鰻

も効果的に対処しうる手段であろう。

弱小零細層の製材業者の組織化・協業化された入荷方法は,共同出資さ れた資金力を背景として,外材の場合にば商社から,国産材の場合にば民 間山林所有者あるいは営林署等から,直接的に大量の素材を購入しうる道 が開け, それまで個別的に多くの中間流通業者を介して高価な素材を購入 しなければならなかった方法に大きな変化を与えるであろう。よくいわれ るように「木材ば投機性の高い商品である。⑪」近年の如く激い、景気変 動や木材価格の乱高下の影響があれば, そうした機会に乗じて中間流通業 者は投機的利益を姫得するために行動する。 したがって中間流通業者を介 さない方法は通常の木材転売手数料とそれに上乗せされた投機的費用を除 くことが可能になるという点で2重に重要な意味を持つ。また素材生産業 者に依託する場合でも豊富な資金を背景にして強い立場で交渉し有利な価 格で契約を結ぶことが可能となる。

素材の在庫を確保し価格を安定させるために重要な役割を果たす市売市 場(原木市場)から共同購入することも考えられる。この方法は,一般 に,企業構造が弱体で,高稼働を維持する必要があり,価格調整力をもた ず,流通過程においても在庫量がきわめて少なく,価格変動に有効に対処 し得ない四, といわれている木材業界の体質向上をもたらすと考えられ る。

以上のほかにも組織化・協業化による施策が考えられるが,いずれの場 合においても「L,わゆる"短かく太いパイプ"の出現画」に通じ,零細層の 製材業者に有利に機能するであろう。

次に販売に関する組織化・協業化に関していえば,安定的な販路確保と

剛北田和夫著「木材業界』 (教育社) 73頁。

前掲書, 42‑43頁参照。

燭林業新聞,昭和55年5月27日付。

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適正価格の保持がその最大の効用である。なぜならば,すでにみたように 零細層の製材企業はその企業近辺に存在する大工,工務店,家具建具店等 の'j、さな「直接舗要者」に圧倒的に依存し, 「市売市場」 (製品市場)へ の依存は小さい(第2章) 。共同出荷はこうした状況を逆転させる。そう することによって,決済が迅速であるという市売市場の機能が,販路の拡 大と適正価格をもたらすからである。

尚ここで看過してならない点は,販路の開発・拡大を目的とする組織 化・協業化を追求することである。例えば大量出荷によって大手建設業者 との取引を有利にしたり,積極的に県外まで販路を広げることである。 さ らにヨリ長期的には蝦終需要者である住宅醗入者をも含めた3者による住 宅建設の共同事業をも志向すべきであろう。

以上,宮城県の製材企業が今日直面している主要な問題の解決策を, ′」、

規模零細層の協業化・組織化による流通機構の再編にもとめた。 しかしこ れが現実的に可能なものであるか否かについては未だ検討すべき多くの課 題が残されている 。

流通上の組織化・協業化の最も合理的かつ機能的な形態は生産過程の一部 までも包摂したものとならざるをえないであろう。 しかしこれに対しては宮 城県の製材業者の反晦は複雑である。宮城県林政課『製材工場実態調査』

(昭和53年)によれば,現在の場所より「適地力:あれば移転する」ことを希 望した製材業者でも, 「製材団地へ」行くことを望んだ業者は80人中18人で 全体の23. 1%に過ぎず,そのほかの8割近くのものが「各企業独自で」移転 することを望んでいる(同書, 31頁)。この理由はさまざま考えられるが,一 つには事業の共同化により他企業への系列化の不安があること,つまり「製 材団地」の如き強力な結合関係にはいれば,恐らく規模力$大きく資金力豊富 な企業がイニシアチブをとり共同化のメリットを独占し,他方,零細規模の 企業は景気の調節弁として利用される懸念があると思われる。

さらに,行政サイドの問題としては,事業の共同化が中'j、企業基本法,中 小企業近代化促進法の柱の一つともいうべきものであり,それらの法律が構 造改善事業というかたちで各業種に具体化されているものの宮城県において は製材業では実施されていないということ,そしてそれが実施される時には i)現在の情勢を適確に把握し, ii)圧倒的多数の零細規模の製材企業の立場 に立ち, iii)地域の特徴を十分考慮すべきである, ということである。従来 のやり方に対しては次のような批判も指摘されている。 「昭和30年代以降の L、わゆる『近代化路線』はあくまでも効率性を追求する立場から,地域の実

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