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自発性を高めるための教師の働きかけについて
1研究の目的
本研究の目的は,学級活動における児童の自発性を高めるための教師の働きかけについ て,検討することです。
Oなぜ,自発性を高めることが大切なのカ、?
「自ら学び,自ら考える力の育成」が強調され,今まで以上
に児童の自主的・自発的な学習の促進や実践的な活動が重要視されています。特に学 級での活動においては児童自身が発案したり,自分で活動を工夫したりするなどの自 発的な行動が求められています。
社会的な要請から 新学習指導要領では,
人間の発達課題の観点から
エリクソンらの研究によると,児童期は内的・外的な力を統制しながら,自分の要 求を表現する時期と考えられ,この時期に自発性を身につけることがこれからの発達 の上で重要であるといわれています。
動機づけとの関わりから
ド・シャームスらの研究によると,人間の最良の状態としては能動的であるべきで あるとし,指し手意識(自分の行動は自分自身の選択により,決定したと感じている
こと)が行動に大きな影響を与えると考えられています。
○なぜ,教師の働きかけに注目するのか?
児童が自発的な行動がとれない,自発1生が発揮できない原因として,「教師が児童に自 分の行動について考えさせる場を与えていない,与えていても適切な支援を行っていない」
「学級集団が自分から行動することを抑制する雰囲気をもっている」ということがあげら れます。つまり,教師の働きかけにより児童の自発1生は大きな影響を受けると考えられま
す。
そこで,教師が働きかけを:工夫することで,児童の自発性を高めることができるのでは ないかと考えました。児童は,教師からの働きかけを受けて,自分の中にある力を自覚し,
自信をもち,自分から進んで行動していこうとする意欲をもっていくと考えられます。そ の中で,児童の価値観も変容し,学級の雰囲気も自発的な行動を肯定的にとらえるように なると想定されます。
○なぜ,学級活動か?
児童が学校生活の中で自発性を発揮しやすい場として,特別活動があげられます。各教 科・道徳はその教科の特質や指導内容に大きく影響され,また先生方の指導法も幅広いた め,教師の働きかけ以外のものの影響を受けやすいと考えられます。そこで,今回の研究 では,特別活動,特に学級を基盤とする学級活動の場に絞って行います。
資料1
2基本的な教師の働きかけについて
以下にあるような教師の働きかけのサイクルを特別活動(学級活動)の適切な場面で行 ってください。働きかけを行う場や方法は4ページ以降に例示しておりますが,児童がで きるだけ頻繁に出会う場面を取り上げてください。
○多舌骨捌
く自己決定・自己選択させる〉
① 教師から現状や問題,活動の趣旨について,子どもたちに伝える。また,児童 からの提案であれば,提案理由や活動内容を補足する。
・子どもが「〜ことしたいんだけど」とか「やってみたいな」という気持ちをも つたときに,「いいね」「やってみたら」「先生も助けてあげるよ」などの助言 をして,自発的な行動を促してください。
・教師からの提案の場合は,その趣旨や問題の説明を中心にして,その後の行動 は児童ができるだけ決定できるようにしてください。
② それについて子どもの考えや要求や意志を表明させる。
・子どもが「… してもいいですか」と聞きに来たときなど,「あなたはどう したいのか」を聞き返し,自分自身で判断し行動するように促してください。
・子どもからの意見が少なかったり,偏ったりした場合は「〜や〜も考えられる よ」などのアドバイスをしてください。
③ 自分にあうものやふさわしいもの,クラスにとってふさわしいと考えるものを 決定・選択させる。
・決定・選択した理由を確認するなどして,よりよい自己決定が行えるようにし てください。その際明らかに無理なときなどは「これは先生の考えなんだけ ど… 」というように,命令的でないような助言をしてください。
・決定した後はその活動に対する意欲づけを行ってください。
↓
児童の,舌動
↓
○,舌動響
く評価する〉
自分で考えて行動したことに対する賞賛をする。
・結果のみに注目するのではなく,それまでの過程をも考慮して,プラスの評価 を行ってください。
・他者との比較ではなく,以前の自分との比較の中で,児童の成長や努力を自覚 できるように配慮してください。
資料1
3 働きかけを行う上での留意点
①児童の発達段階に応じた自己決定に留意してください。
自己決定や自己選択といったことはどの学年にも共通することですが,年齢や経験によ って,多少配慮することがあります。
例えば,学年があがるにつれて,自分にできそうにないことを「がんばればできるよ」
と励まされても,かえって心配になったり,あきらめたりすることもあると考えられます。
また,自分でうまくいかなかったと思っていることを賞揚されても,次はがんばろうとい う気持ちにはつながらないと思います。
また,自分で決定したり,選んだりする児童の経験の違いによって,とんでもない決定 や選択をしたり,どうしていいかわからなくて困ったりすることもあると思います。
そのあたりのことを考慮しながら,自己決定・自己選択の内容や範囲については,例示 をもとに,学級の実態に応じて行ってください。
②「自己決定・自己選択をする」謹「教師は発言しない・何もしない」ではありません。
「児童に任せる」とか「児童に決定させる」ということは,必ずしも「教師は発言をし ない」「教師は何もしない」ということを意味しません。直接には何もぜず見守っておく
というのも1つの方法ですし,助言を行うという方法もありますし,励ますということも あると思います。
大切なことは,教師からの一方的な指示ではなく(緊急時を除いて),児童の「やって みたい」という気持ちを実現できる方向に援助していくことだと思います。
資料1
4 働きかけの具体的な場面
働きかけを具体的な場面として,5つの活動を例示しています。参考にしてください。
<例示1> 清掃活動
○ラ響動前
①清掃時間の前,班長や代表の進行でそうじのめあてを決めることを知らせます。
例 「今日はどんなめあてでがんばるかな」
②各清掃グループで「今日のきれいにしたいこと」などもめあてを発表させます。
・すべてのグループを見ることができないので,今日注目する児童やグループを決 めて行ってください。
・清掃場所や学年によって児童が気づかないこともあると思いますので,その時は 「〜しなさい」という表現は避け,「〜もあるよ」といったアドバイスは場面に よって行ってください。
例 「特に汚れているところはないかな。」
「どうしてその掃除をしょうと思ったのかな。」
「〜することもできそうだよ。」
③各清掃グループでめあてを決定します。
・内容や方法によって,めあてがグループで1つにまとまる場合と個々で決めたも のを各自で行う場合があると思います。
例 「今日しておいた方がいいのはどれかな」
「きっと清掃が終わったら気持ちよくなると思うよ」
↓
児童の,舌動
↓
05舌動後
清掃時間終了後,めあてに関する評価をしてください。
・注目した児童やグループを丹心にプラスの評価を行ってください。
例 「ちゃんと自分で考えてそうじできたね」
「前,気づかないところに気づいてきれいにそうじできたね。」
「前よりやり方を自分で考えたところがすごいね。」
「うまくいかなかったけど,○○を工夫すればうまくいきそうだよ。」
※注目する児童やグループはできるだけ偏りのないように工夫してください。
資料1
<例示2> 話合い活動(学級活動)
05舌動前
●議題づくりの段階で
・児童から「… したいんだけど」といったような声が出たときに,次のような 助言が考えられます。
例 「とってもいいこと思いついたね。いいアイデアだよ」
「やってみる?先生に手伝ってもらいたいことはある?」
●話し合いの段階で
①提案の理由を補足するなど,話し合いの目的を明確にするようにしてください。
例 「今日は〜について決めるんだね」
②児童が提案する活動をできるだけ出させてください。
・話合いのルールに従って,児童が考えを発言しやすいようにしてください。
例 「… もあるし,○○もあるけど,どうだろうね」
「今自分が思っていることを発表してごらん」
rたくさん意見を出してみることも大切だね」
③提案の中から,決定・選択をさせます。自分たちで決めたという感覚をもたせるこ とができるように助言をしてください。
・教師は状況によってアドバイス・助言を行いますが,「〜にしなさい」「〜にし よう」といったような教師が決めたような言い方は控えてください。
例 「先生はちょっと心配なことがあるんだけど,… 」 「これみんなだけでできそう?」
・話合いの終わりに,今日の話合いの振り返りを行ってください。
例 「この案には決まらなかったけど,良い案を出してくれたのでみんなよく考 えられたね」
「自分から〜いう意見を出せたので,充実した話し合いになったね」
「こうしたらいいなあという意見が言えたのがよかったね」
↓
児童のラ舌動
↓
○,獅噛後
話し合ったことを実行・実践した後の振り返りをさせてください。
例 「みんなでいろんな意見を出し合ったので,いい活動ができたね」
「前よりみんなのアイデアがつまった楽しい活動ができたね」
「自分たちで工夫して実行できたので,次も何かできそうだね」
資料1