入院中の患者が他医療機関を受診した場合の取扱いについては、診療報酬上で包括評価 されている特定入院料算定病棟の入院患者のみが対象となっていましたが、平成 22 年度改 定で出来高算定(入院基本料等)病棟及びDPC算定病棟の入院患者も対象となりました。
平成24年度改定では、病棟の特徴から他医療機関受診の必要性がやむを得ないと考えら れる精神病床、結核病床、有床診療所に入院中の患者が透析や共同利用をすすめている検 査のため他の医療機関を受診する場合の評価が見直されました。
1)出来高病床(入院基本料等算定病床)の入院患者
出来高算定である精神病棟入院基本料・特定機能病院入院基本料(精神病棟)算定病棟 に入院中の患者が他の医療機関を受診した場合は平成22年度改定で精神病棟入院基本料・
特定機能病院入院基本料(精神病棟)の本体報酬を30%減額した点数を算定することにな りましたが、平成24年度改定で透析又は共同利用を進めている検査(PET、光トポグラ フィー又は中枢神経磁気刺激による誘発筋電図検査)のために、他の医療機関を受診した 場合については精神病棟入院基本料の本体報酬の15%減額した点数を算定することになり ました。
2)特定入院料算定病床の入院患者
特掲診療料
医学管理等 在宅医療 検査 画像診断 投薬 注射 リハビリテーション 精神科専門療法 処置 手術 麻酔 放射線治療 病理診断
児童・思春期 精神科入院医療管理料
精神科救急入院料
精神科救急・合併症入院料 精神科急性期 治療病棟入院料 精神療養病棟入院料
※2 ※2 ※1
認知症病棟入院料
※2 ※2 ※1 *
包括されている項目 算定可能な項目
※除外薬剤、注射薬の費用算定可
※1 認知症患者リハビリテ-ション料、リハビリテ‐ション総合計画評価料算定可 ※2 除外薬剤、注射薬の費用算定可
* 人工腎臓(60日以内)除外薬剤、注射薬の費用算定可
【 他医療機関が特定入院料に包括されている診療の費用を算定する場合 】
特定入院料である精神科救急入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併 症入院料、児童・思春期精神科入院医療管理料、精神療養病棟入院料又は認知症治療病棟 入院料算定病棟に入院中の患者が他の医療機関を受診し、他の医療機関が特定入院料に包
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括されている診療の費用を算定する場合は特定入院料の本体報酬の70%減額した点数を算 定することになりますが、平成24年度改定で透析又は共同利用を進めている検査(PET、
光トポグラフィー又は中枢神経磁気刺激による誘発筋電図検査)のために、他の医療機関 を受診した場合は特定入院料の本体報酬の55%減額した点数を算定することになりました。
ただし、平成24年度改定で認知症治療病棟入院料の包括範囲が見直され、入院60日以内 に限り、J-038人工腎臓(透析)が包括対象外となったため、認知症治療病棟入院料の入院中 の患者であって透析のみを目的として他医療機関を受診する患者については、入院日から 起算して61日以上の場合に限られます。
【 他医療機関が特定入院料に包括されている診療の費用を算定しない場合 】
特定入院料算定病棟に入院中の患者が他の医療機関を受診し、他の医療機関が特定入院 料に包括されている診療の費用を算定しない場合は特定入院料の本体報酬を30%減額した 点数を算定することになりますが、平成24年度改定で透析又は共同利用を進めている検査
(PET、光トポグラフィー又は中枢神経磁気刺激による誘発筋電図検査)のために、他 の医療機関を受診した場合は特定入院料の本体報酬の15%減額した点数を算定することに なりました。
ところが、精神科関連の特定入院料である精神科救急入院料、精神科急性期治療病棟入 院料、精神科救急・合併症入院料、児童・思春期精神科入院医療管理料又は精神療養病棟 入院料は検査及び処置(透析)の項目は包括対象となっており、他の医療機関が包括され ている診療の費用を算定しない場合に該当しないため、特定入院料の本体報酬を15%減額 した点数を算定することはできません。
ただし、認知症治療病棟入院料は、平成24年度改定で入院60日以内に限り、包括対象項 目であるJ-038人工腎臓(透析)を算定することが可能となったため、認知症治療病棟入院料 算定病棟に入院中の患者が透析のみを目的として他の医療機関を受診した場合は、入院60 日以内に限って他の医療機関が包括されている診療の費用を算定しない場合に該当するた め、入院60日以内に限って認知症治療病棟入院料の本体報酬の15%減額した点数を算定す ることができます。
3)DPC算定病棟の入院患者
DPC対象病院の入院患者が他医療機関(外来医療機関)を受診した場合は、平成 22 年 度改定で入院医療機関であるDPC対象病院が他医療機関で行った診療行為の費用(初・
再診料)あるいは包括外部分の診療行為の費用を全て算定し、入院医療機関から外来医療 機関に合議の上で精算されることになります。そのため、他医療機関が提供する診療行為 によっては診断群分類が変更される場合があります。他医療機関で行った診療行為の費用 をDPC対象病院で請求することになりますが、DPCの評価体系を改善していく上でも データを一元管理するために導入された仕組みと考えられます。
4)算定上の留意点
入院医療機関では、診療報酬明細書の摘要欄に「他医療機関を受診した理由」、「他医療 機関で受診した診療科」及び「 他(受診日数:○日)」を記載します。出来高入院料を 15%
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減算する場合若しくは特定入院料等を 15%、30%又は 55%減算する場合は他医療機関(外 来医療機関)の診療報酬明細書の写しを添付することになります。
なお、1 点未満の端数があるときは、小数点以下第 1 位を四捨五入して計算します。
5)合議の上で精算
他医療機関(外来医療機関)が診療の費用を一切算定しない場合は、入院医療機関が他 医療機関で実施された診療の費用を算定し、入院基本料等の基本点数は控除せずに算定す ることができますが、入院医療機関で算定している入院料等に包括されている診療の費用 を算定することはできません。なお、この場合の医療機関間での診療報酬の分配は、入院 医療機関が他医療機関(外来医療機関)に合議の上で精算することになります。
合議については、医療機関間相互の自由契約の元で金銭収受を行う事を意味しているた め、明確なルールというものは示されていません。厚生労働省は、適切な精算を行うため、
保険局医療課の疑義解釈の事務連絡(平成22年7月28日)において、一部の医療機関の間で はA医療機関からB医療機関へ患者が受診する際に、「医科点数表に則って算定した点数 を、全額当院に請求してください」という趣旨の連絡をして精算を行っている参考事例を 紹介しています。
(3)他医療機関(外来医療機関)の取扱い
専門的な外来医療を行う他医療機関(外来医療機関)は、入院医療機関から提供される 診療に必要な診療情報(算定入院料及び必要な診療科を含む。)を確認した上で、算定が可 能な診療行為の費用を請求することになります。
他医療機関受診で外来医療機関が算定可能な項目
算定の可否 特記事項
基本診療料 初・再診料
○
短期滞在手術基本料2及び3は算定不可特掲診療料
医学管理等
×
診療情報提供料、慢性維持透析患者外来医学管 理料、認知症専門診断管理料は算定可
在宅医療 全て算定不可
検査
○
算定可画像診断 投薬
×
・当該専門的な診療に特有な薬剤を用いた受診日 の投薬又は注射の費用は算定可
・処方料、処方せん料、外来化学療法加算は算定 注射 不可
リハビリテーション 言語聴覚療法の疾患別リハビリテーション料は算定可 精神科専門療法
○
算定可処置 手術 麻酔 放射線治療
病理診断