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ドキュメント内 修士論文別冊資料 (ページ 73-148)

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あき こは、前時 に課題 につ いて書かせた意見 の中で、反対 の立場 を取 つて いたのである。

書 くことよ り話す ことが得意な あき こは、初 め書 くことができなかったが、筆者が側 で話 を引き出 しなが らよ うや く最後 には 「N さ んは新 しい ことに挑戦 して いかな い。」 と記す こ とができた。

また あき こか ら引き出 した言 葉 の中に、 「同 じことを した らパ ク リにな る。」 とい う記述 が ある。 えて して子 どもは、授業 の中で このよ うな不完全でイ ンパ ク トのある言葉 に反応 す る特質が ある。

そ こで賛成意見 の対立軸 として、 あき こを選 んだ。発言 の得意なあき こは一人で もそれ に対抗 して考 えを出せ る と予想 した。そ して授 業の中盤で子 どもの思考 を焦点化す る発 問 として以下 の 3 つ を考 えた。

①この秘訣を知らせてもよいのか。それとも結果だけを伝えるのか?

②ハードスケジュールランキングがあるけれど、伝えて大丈夫なのか?

③Nさ んはもう新しいことに挑戦していかないのか?

である。

さて、当 日の授業では、あきこが最初の立場表明で賛成派の方に早々と移って しまった。

30名 中 23名 の子 どもたちが賛成派にネームプレー トを貼つたことと、意見を書いてか ら 2日 間が経過 していることが大きな理由と考え られる。

あきこがいな くな り、授業の構想は崩れたように思えたが、 この授業のキーマンとなる 児童が もう一人いたのである。それはゆ りこである。ゆ りこは前時に欠席 していた児童で ある。

第 2項  授 業 における教師 と子 どもの 「ずれ」 (授業記録は別冊資料参照) まず本時の授業の分節分けと本時の目標 を以下に記す。

第 1分 節 (lT〜2T)K農 園のバ ラ栽培の方法 につ いて説明す る。

第 2分 節 (3り か〜40あ き こ)Nさ んに伝 える方法が よい という意見。主 にや る気が 出る と い う観 点 と、K農 園の秘密がわか るという観点か ら。

第 3分 節 (41ち なつ〜48り ゅうた)K農 園 と Nバ ラ園のよい ところを合わせ る とい う意見 。 第 4分 節 (49T〜66ひ ろ こ)伝 えた方が いいのか、伝 えな い方が いいのか悩 んでいる という

観 点か ら。主 に Nさ んが仕事が忙 しす ぎる とい う点か ら。

第 5分 節 (67T〜82ゆ りこ)もう一度、伝えた方がいいのか、伝えない方がいいのかについ ての話 し合 い。

第 6分 節(83T〜100ゆ りこ)ライバル になってや る気が出るのか、や る気が出すぎて仕事が できな くなった り、失敗 して心が傷ついた りす るのか につ いて。

第 7分 節(101ゆか り〜123T)K農 園は、Nさ んにとって ライバルだか ら秘密を教えた くない と思 って いるか につ いて。

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あき こは、前時 に課題 について書かせた意見の中で、反対の立場 を取っていたのである。

書 くことよ り話す ことが得意なあき こは、初 め書 くことができなかったが、筆者が側 で話 を引き出 しなが らようや く最後 には 「Nさんは新 しいことに挑戦 していかない。」 と記す こ とができた。

またあき こか ら引き出 した言葉の中に、 「同 じことを した らパ ク リになる。」 という記述 がある。えて して子 どもは、授業の中で このよ うな不完全でイ ンパク トのある言葉 に反応 す る特質がある。

そ こで賛成意見 の対立軸 として、あき こを選 んだ。発言の得意なあき こは一人で もそれ に対抗 して考 えを出せ る と予想 した。そ して授業の中盤で子 どもの思考 を焦点化す る発間 として以下の3つ を考 えた。

① この秘訣 を知 らせて もよいのかoそれ とも結果だけを伝 えるのか?

②ハー ドスケジユ‑ル ランキ ングがあるけれ ど、伝 えて大丈夫なのか?

である。

さて、当 日の授業では、あき こが最初の立場表明で賛成派の方 に早々と移 って しまった。

30名 中23名の子 どもたちが賛成派 にネームプレー トを貼 った ことと、意見 を書いてか ら 2日間が経過 していることが大きな理 由と考え られる。

あき こがいな くな り、授業の構想は崩れたよ うに思えたが、 この授業のキーマンとなる 児童が もう一人いたのである。それはゆ りこである。ゆ りこは前時に欠席 していた児童である。

第2項 授業 にお ける教師 と子 どもの 「ずれ」(授業記録は別冊資料参照) まず本時の授業の分節分けと本時の 目標 を以下 に記す。

第 1分節 (1T‑2T)K農園のバ ラ栽培の方法 について説明す る。

第2分節 (3りか〜40あき こ)Nさんに伝える方法がよいという意見。主にやる気が出ると いう観点 と、K農園の秘密がわかるという観点か ら。

第3分節(41ちなつ〜48りゆうた)K農園とNバ ラ園のよいところを合わせ るという意見。

第4分節 (49T‑66ひろ こ)伝えた方がいいのか、伝えない方がいいのか悩んでいるという 観点か ら。主 にN さんが仕事が忙 しすぎるという点か ら。

第 5分節 (67T〜82ゆ りこ)もう一度、伝えた方がいいのか、伝えない方がいいのかについ ての話 し合い。

第 6分節(83T〜100ゆ りこ)ライバルになってや る気が出るのか、やる気が出すぎて仕事が できな くなった り、失敗 して心が傷ついた りするのかについて。

第7分節(101ゆか り〜123T)K農園は、Nさんにとって ライバルだか ら秘密を教えた くない と思っているかについて。

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あき こは、前時 に課題 について書かせた意見の中で、反対の立場 を取っていたのである。

書 くことよ り話す ことが得意なあき こは、初 め書 くことができなかったが、筆者が側 で話 を引き出 しなが らようや く最後 には 「Nさんは新 しいことに挑戦 していかない。」 と記す こ とができた。

またあき こか ら引き出 した言葉の中に、 「同 じことを した らパ ク リになる。」 という記述 がある。えて して子 どもは、授業の中で このよ うな不完全でイ ンパク トのある言葉 に反応 す る特質がある。

そ こで賛成意見 の対立軸 として、あき こを選 んだ。発言の得意なあき こは一人で もそれ に対抗 して考 えを出せ る と予想 した。そ して授業の中盤で子 どもの思考 を焦点化す る発間 として以下の3つ を考 えた。

① この秘訣 を知 らせて もよいのかoそれ とも結果だけを伝 えるのか?

②ハー ドスケジユ‑ル ランキ ングがあるけれ ど、伝 えて大丈夫なのか?

である。

さて、当 日の授業では、あき こが最初の立場表明で賛成派の方 に早々と移 って しまった。

30名 中23名の子 どもたちが賛成派 にネームプレー トを貼 った ことと、意見 を書いてか ら 2日間が経過 していることが大きな理 由と考え られる。

あき こがいな くな り、授業の構想は崩れたよ うに思えたが、 この授業のキーマンとなる 児童が もう一人いたのである。それはゆ りこである。ゆ りこは前時に欠席 していた児童である。

第2項 授業 にお ける教師 と子 どもの 「ずれ」(授業記録は別冊資料参照) まず本時の授業の分節分けと本時の 目標 を以下 に記す。

第 1分節 (1T‑2T)K農園のバ ラ栽培の方法 について説明す る。

第2分節 (3りか〜40あき こ)Nさんに伝える方法がよいという意見。主にやる気が出ると いう観点 と、K農園の秘密がわかるという観点か ら。

第3分節(41ちなつ〜48りゆうた)K農園とNバ ラ園のよいところを合わせ るという意見。

第4分節 (49T‑66ひろ こ)伝えた方がいいのか、伝えない方がいいのか悩んでいるという 観点か ら。主 にN さんが仕事が忙 しすぎるという点か ら。

第 5分節 (67T〜82ゆ りこ)もう一度、伝えた方がいいのか、伝えない方がいいのかについ ての話 し合い。

第 6分節(83T〜100ゆ りこ)ライバルになってや る気が出るのか、やる気が出すぎて仕事が できな くなった り、失敗 して心が傷ついた りするのかについて。

第7分節(101ゆか り〜123T)K農園は、Nさんにとって ライバルだか ら秘密を教えた くない と思っているかについて。

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本時の 目標

・K農園のバ ラがNバ ラ園のバ ラよ りも日持ちが した という事実を、西 さんに伝 えるべき か どうか について、N さんがイチゴ農家か らバ ラ農家へ転換 し、挑戦 という意志 を持っ て歩んできた こと、直売 して直 にお客 さんと接 して さ らによいバ ラをつ く り出そ うとし て いることや、N さんたちの仕事のスケジュール といった ことか ら総合的に考 え 自分な

りの考 えをもち、述べた り書いた りすることができる。

・N さんに伝えるときには、さ らにもう一度条件 を同 じにして比較実験 を行 う必要性があ る ことに気づ く。

さて、筆者が授業の中で子 どもとの問題意識の 「ずれ」を感 じた ところ と、授業記録 を作成 して後、子 どもとの問題意識 の 「ずれ」 を感 じた ところを記 していきたい。

(a)授業 の中で感 じた問題意識 の 「ずれ」 とそ の打開

筆者が、 この授業の中で子 どもたちに向かって主な発間 ・指示を行 ったのは、三回であ る。一回 目はT53の指示であ り、二回 目はT67の発間であ り、三回目はT83の発間である。

まず、筆者はT53の前 までの知 らせ る派の似たような意見の連続 にゆきづ ま りを感 じて いた。つ ま り、教師の感 じた子 どもとの問題意識の 「ずれ」は、知 らせる ことによってさ らにNさんの仕事が忙 しくなるのではないかを考 えることにあった。

そ こで、52なつかの発言を受けて当初の計画 にあったひろとOj 「え らいランキ ング」

を他 の児童に提示することによって、Nさんが働 きすぎているのではないかを問お うとし たのである。

ひろとの発言か らT67の発間 「どうす る ? え らいランキ ングが出てきた し、 この仕事 のスケジュール。本当に伝えていいんですか?」で、知 らせない派 を擁護 し、仕事の大変 さに目を向けさせ、それ を合わせて考えるように仕向けている。

しか しこの発間では、子 どもたちの問題意識は活性化 されなかった。 これ を打開 したの が、82ゆ りこの発言である。ゆ りこは話 し合いにそれ までなかった 「やる気が出て、K農 園のよ うに取 り組 んで も、失敗 して しまった らや る気が傷つ く。」という意味を持ち込 んだ。

筆者は、ゆ りこと対照的な意見でゆ りこの2つ前の発言者であったちなつの発言 とを比 較 し、83Tの発間を行っている。

そ の後、91しょうたはゆ りこの 「失敗」 という言葉について反対意見 を出 しているし、

91しょうたの発言 「K農園の人か ら来て もらって教 えて もらった らさあ、絶対失敗 しやへ んか ら。」 に、100ゆ りこ ・101ゆか り ・104げんた ・108ゆ りこ ・112あき こが関連 もし くは反対する意見 を出 して、授業の初めに出てきた42ゆ うじ「K農園の人 と友達 になって、

長持 ちす る方法 を教えて もらった らいいと思 う。」や しょうたの 「教えて もらう説」 に検討 を加 えている。

以上のような分析か ら、82ゆ りこの発言は、仮説1か ら仮説4までにつながる発言であ 本時の 目標

・K農園のバ ラがNバ ラ園のバ ラよ りも日持ちが した という事実を、西 さんに伝 えるべき か どうか について、N さんがイチゴ農家か らバ ラ農家へ転換 し、挑戦 という意志 を持っ て歩んできた こと、直売 して直 にお客 さんと接 して さ らによいバ ラをつ く り出そ うとし て いることや、N さんたちの仕事のスケジュール といった ことか ら総合的に考 え 自分な

りの考 えをもち、述べた り書いた りすることができる。

・N さんに伝えるときには、さ らにもう一度条件 を同 じにして比較実験 を行 う必要性があ る ことに気づ く。

さて、筆者が授業の中で子 どもとの問題意識の 「ずれ」を感 じた ところ と、授業記録 を作成 して後、子 どもとの問題意識 の 「ずれ」 を感 じた ところを記 していきたい。

(a)授業 の中で感 じた問題意識 の 「ずれ」 とそ の打開

筆者が、 この授業の中で子 どもたちに向かって主な発間 ・指示を行 ったのは、三回であ る。一回 目はT53の指示であ り、二回 目はT67の発間であ り、三回目はT83の発間である。

まず、筆者はT53の前 までの知 らせ る派の似たような意見の連続 にゆきづ ま りを感 じて いた。つ ま り、教師の感 じた子 どもとの問題意識の 「ずれ」は、知 らせる ことによってさ らにNさんの仕事が忙 しくなるのではないかを考 えることにあった。

そ こで、52なつかの発言を受けて当初の計画 にあったひろとOj 「え らいランキ ング」

を他 の児童に提示することによって、Nさんが働 きすぎているのではないかを問お うとし たのである。

ひろとの発言か らT67の発間 「どうす る ? え らいランキ ングが出てきた し、 この仕事 のスケジュール。本当に伝えていいんですか?」で、知 らせない派 を擁護 し、仕事の大変 さに目を向けさせ、それ を合わせて考えるように仕向けている。

しか しこの発間では、子 どもたちの問題意識は活性化 されなかった。 これ を打開 したの が、82ゆ りこの発言である。ゆ りこは話 し合いにそれ までなかった 「やる気が出て、K農 園のよ うに取 り組 んで も、失敗 して しまった らや る気が傷つ く。」という意味を持ち込 んだ。

筆者は、ゆ りこと対照的な意見でゆ りこの2つ前の発言者であったちなつの発言 とを比 較 し、83Tの発間を行っている。

そ の後、91しょうたはゆ りこの 「失敗」 という言葉について反対意見 を出 しているし、

91しょうたの発言 「K農園の人か ら来て もらって教 えて もらった らさあ、絶対失敗 しやへ んか ら。」 に、100ゆ りこ ・101ゆか り ・104げんた ・108ゆ りこ ・112あき こが関連 もし くは反対する意見 を出 して、授業の初めに出てきた42ゆ うじ「K農園の人 と友達 になって、

長持 ちす る方法 を教えて もらった らいいと思 う。」や しょうたの 「教えて もらう説」 に検討 を加 えている。

以上のような分析か ら、82ゆ りこの発言は、仮説1か ら仮説4までにつながる発言であ

ドキュメント内 修士論文別冊資料 (ページ 73-148)

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