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1対1の会話は大部分聞えるが、ささやき声や大勢の コは聞き取りにくい

叢20

軽度 2 1対1の会話は大部分聞えるが、ささやき声や大勢の コは聞き取りにくい

72

3

1対1の会話で大きい声は聞えるが、普通の大きさの コは聞き取りにくい

4

1対1の会話で大きい声でも聞き取りにくい

重度 5 会話はほとんど聞き取れない 134

6 ほとんどの音が聞き取れない

Table 5・4 軽度・重度今別のあてはまり度の平均

質問

質問項目

平均 標準 検 定

番号 偏差

29 他人を素直に信用しにくいこと 軽度 0.68 1.02

診=2,14禽

が嫌だ 重度 1.02 1.13

40 老後に不安を感じる 軽度 1.89 1.31

φ=2.19需

:重度 2.33 1.41

42 店員や職員の話が分からなくて 軽度 1.78 L14

6等3.70舜鼎

困る 重度 2.47 1.35

44 音楽や映画などの趣味を楽しめ 軽度 1.76 1.37

6=3,52轍

ないことが寂しい 重度 2.50 1.47

p<.05  **p<.01  ** 「kpく.001

 6検定の結果、この4項目にはすべて有意差があり、これ以外の

項目には:有意差はなかった(Table 5・4)。重度群は音声による情報

は殆ど聞き取れず、そのために他人を信用しにくくなったり(質問 番号29)、老後に不安を感じたり(質問番号40)する可能性が高い

42

のは理解できよう。

 しかしその他の24項日については、軽度群と重度群の「つらい こと」のあてはまり度には有意差が見られない。難聴者・中途失聴 者が抱えるさまざまな悩みの中で、難聴の程度の重さによって左右

されるものはさほど多くはなかった。

 全H本難聴者・中途失聴者団体連合会の「難聴者の聞こえと生活 についての実態シンポジウム」報告集(2002)によれば、「5〜6人以 上集まる賑やかな会話」及び「テレビを見るとき」については、「非

常に困る」「かなり困る」と答えた人が多く、手帳の有無及び等級(1

〜3級群と4〜6級群)による差は認められなった。本研究の結果 は概ねそれと一致している。

3.二二・性別の違い

 全体のあてはまり度の平均について性と難聴発生時期(早期群・

中途群)を要因として二元配置分:散を行った結果、性の主効果と群 の主効果が有意であり、交互作用はなかった(Table 5・5)。また中 途群のあてはまり度について性と精神状態(安定群・不安定群)を 要因として二元配置分散分析を行った結果、性の主効果と群の主効

果が有意であり、交互作用はなかった(Table 5・6)。

 性差が有意であったのは8項目である。このうち女性のあてはま

り度が高いのは質問項目23,24,26,27,43であった。難聴になったこ

と自体や進行の可能性に関する悩み(質問番号23,24)及び全般的 な心身の不調に関する悩み(質問番号26,27)が男性より深刻であ る。一方男性のあてはまり度が高いのは質問項目37,38,41であり、

恋愛・結婚に関する悩みと仕事や経済上の悩みであった。

43

Tab量e 5−5あてはまり度についての性と難聴発生時期による分散分析結果 質問

番号

質問項目

一一一一m一.一SS!L一一 女性 主効果

早 群 中途群 早期 中途群 性  発生時期 23聞こえが回復する見込みがないことがつらい

24難聴が進行する可能性があって不安だ

25難聴についての医療情報が不足していて不安だ 26全般的になんとなく体調が悪い

27精神的に落ち込んだり、不安定になる 28何事に対しても消極的であることが嫌だ 29他人を素直に信用しにくいことが嫌だ 30難聴であることを他人に知られるのが嫌だ 31聞こえなくても聞こえたふりをしているのが嫌だ 32家族の理解が得られないのがつらい

33友人や知人の理解が得られないのがつらい 34仕事や勉強で必要な情報が入りにくくて困る 35複数の人の雑談に入れないのが寂しい 36コミュニケーションが不自由だ

37先の仕事の見通しが立たなくて不安だ 38恋愛や結婚に不安を感じる

39子育てに不安を感じる 40老後に不安を感じる 41経済的に苦しい

42店員や職員の話が分からなくて困る

43テレビやラジオの聴取ができないことがつらい 44膏楽や映画などの趣味を楽しめないことが寂しい 45福祉制度がよく分からないので困る

46聴覚障害を持つ友人・知人がいないのが寂しい 47聴覚障害を持つ友人・知人との交際が難しい

48健の友人・知人との交際がしい

li31(1・44> 2s35(1・49)

1.23(1.34) 1.74(1.48)

1.5ZKI.39) 1.59(t29)

O.85(1.01) O.78(1.el)

O.96(IP8) 1.24(1.18)

1.50(1.30) 1.54(1.33)

1.27(1.22) O.77(1.03)

e.81(1.06) O.80u.11)

1.54(1.3e) t.72(1.36)

O.92(1.13> 1.24(1.45)

1.38(127) 1.57(1.21)

2.31(1.32) 2.39(1.37)

2.23(i.37) 2.70(126)

2.15(i.12) 2.59(1.17)

2.Oe(1.47) 1.48(1.35>

1.54(1.48) O.76(1.37)

i.15(i.26) O.63(1.e4)

2,08(1.23) 1.87(1.53)

1.81(1.02) 1.46(128)

1.フ3(t22)  2、28(136)

1.96(1.22) 2.43〈1.33)

1.62(1.53) 2.26(151)

1.541.30) 1.17(1.16)

O.54(O.99) O.43(O.91)

1.12(1.51> O.89(1.34)

1.58(1.39) 1.89(1.55)

t.92(1.65> 2,69(1.47)

1.67(1.62) 2.36(1.64)

1.64(1.18) 1.9EKI.36>

1.19(1,14) 1.55(1.27)

1.42(1.13) 1.88(1.39)

1.i7(1,08) 1.55(1.3i)

1.17(1.23) O.73(O.99)

O.67(e.89) O.99(1.14)

1.75(1.36) 1.73(1.41)

t.19〈1.37) 1,26(1.39)

1.33〈1.27) 1.63(1.37)

2.61(1.4e) 2.10(1.47)

2.8er1.31) 2.85(1.27)

2.50(1.40) 2.54(1.29)

1.36 .36) 1.12(1.39)

O.53(1.13) O.40(O.98)

t.e8(1.40) O.66(1.14)

2.11(1.37) 2.37(1.35)

1.44(1.18) 1.02(1.25>

2.44(1.18) 2.26(1.35)

2.81(1.28) 2.56(1.31)

2.14(1.57> 2.41(1.39)

1.58(1.32) 1.44(1.22)

O.47(O.91) O.64(1.14)

e.97(1.38) O.85(1.18)

1.47(1.34) 2.15(1.42)

4.e6* 14.81***

4.65* 6.01*

 n.s. n.s.

9.28** n,s.

7.64** n.s.

 擁.S、     n.S.

 n.s. 6.35*

 n.S亀      n.S」

 n.s. n.s.

 n.s. n.$.

 ns.   n.s.

 n.S,     挽.S.

 n.S.     n.S冨

 n.s. n.s.

5.29* n.s.

13.94*** 6.06*

 n.s. 6.69*

 n.s. n.s.

4.41* 4.14*

 n.s. n.s.

5.63* n.s.

 n.s. 4.03*

 n.s. n.s.

 n.s. n.s.

 n.s. n.s.

 n.s. 4.91*

()内は標準偏差 *ρ〈。05**ρ〈.Ot***ρぐOO1

44

Tabie 5−6中途群のあてはまり度についての性と精神状態による分散分析結果 質問

番号

質間項目

男性

安定群 不安定群 安定群

女性    __主麹塁__

 不安群 性精神状態

23闇こえが回復する見込みがないことがつらい 24難聴が進行する可能性があって不安だ

25難聴についての医療情報が不足していて不安だ 26全般的になんとなく体調が悪い

27精神的に落ち込んだり、不安定になる 28何事に対しても消極的であることが嫌だ 29他人を素直に信用しにくいことが嫌だ 30難聴であることを他人に知られるのが嫌だ 31聞こえなくても聞こえたふりをしているのが嫌だ 32家族の理解が得られないのがつらい

33友人や知人の理解が得られないのがつらい 34仕事や勉強で必要な情報が入りにくくて困る 35複数の人の雑談に入れないのが寂しい 36コミュニケーションが不自由だ

37先の仕事の見通しが立たなくて不安だ 38恋愛や結婚に不安を感じる

39子育てに不安を感じる 40老後に不安を感じる 41経済的に苦しい

42店員や職員の話が分からなくて困る

43テレビやラジオの聴取ができないことがつらい 44音楽や映画などの趣味を楽しめないことが寂しい 45福祉制度がよく分からないので困る

46聴覚障害を持つ友人・知人がいないのが寂しい 47聴覚障害を持つ友人・知人との交際が難しい 48健聴の友人・知人との交際が難しい

2.26(150) 2.64(1.50)

1.37(1.44) 2.91(e.94)

1.31(1.26) 2.45(1.04)

O.66(O.84) 1.18(1.40)

1.06(1.16) i.82(1.08)

1.40(1.40) 2.Oet1.00)

O.74(1.04) 1.1er1.33)

O.63(1.09) i.36(t.03)

IA(}(1.i2) 2.73〈1.10)

1.03(1.36) 1.91(1.58)

1.34(121) 2.27(e.91)

2,2C(1.41) 3.00(1.10)

2.63(1.26) 2.91(1.30)

2.43(1.23) 3.09(G70)

1.31(1.39) 2.00(1.10)

O.63(1.24) 1.18(1.72)

O.4ste.89) 1.09(1.38)

1.86(1.56) i.91(1.51)

IAO(1.31) 1.64(121)

2.26〈1.42) Z36(1.21)

2.43(1.31) 2.4Kl.44)

2.34(1.55) 2.oo(1.41)

1.09(1.22) 1.45(O.93)

O.37(O.91) O.64(O.92)

O.60(1.17) i.82(1.47)

2.1st 1.45) 2,07(1.36>

2.53(1.53) 3.07(1.25)

2.20(1.63) 2.76(1.64)

1,86(1.24) 2.31(1.58)

IAO(1.27) 1.90(1.24)

1.76(1.35) 2.t7(1.47)

1.50(1.33) 1.66(1.29)

e.71〈1.01) e.76(O.95)

O.83(1.01) 1.38(1.35)

1.500.36) 2.28(1.41)

1.06(1.31) 1,76(1.48)

1・61(1・39) ls66(1・34)

2.14(IAI) 2.00(1.63)

2.79(1.32) 3.eO(i.13)

2.44(1.24) 2.76(1,41)

O.99(1.26) 1.45(1.64)

O.33(O.90) O.59(i.15)

O.67(1.15) O.62(1.15)

2.34(1.37) 2.45(1.30)

O.93〈1.21) 1.24(1.33)

2.19(1.35) 2.45(1.35)

2.43(1.36) 2.86(1.16)

2.31(1.37) Z66(1.42)

1.39(1.20) i.59(1.30)

O.53(1.e9> O.90(1.24)

O.8et1.2e) e.97(i.t5)

1.74(1.65) Z36(1.12)

n.s.

n.s.

筋.S.

9.04**

n.s.

n.$.

n.s.

n.s.

n.s.

n.s.

n.s.

n.s.

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n.s.

n.s.

n.s.

n.s,

n.s.

n.s.

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n.s.

n.s.

n.s.

n.s.

n.s.

胸.S。

 n.s.

te.91**

8.ee**

4.44*

4r78*

 n.s.

 n.s.

8.08**

葉5.58***

7.86**

 n.s.

 n.s.

 n.s.

 n,s.

4.22*

 n.s.

 n.s.

 n,s.

 n.s.

 n.s.

 n.s.

 n.s.

 n,s.

 n.s.

7.86**

 n.s.

()内は標準偏差 *ρく05**p〈.Ol***ρぐOOi

45

 早期・中途の群間に有意差があったのは8項目で、早期群が高い のは質問番号29,38,39,41の4項目、中途群が高いのは質問番号 23,24,44,48の4項目であった。早期群は難聴者として少年期・青 年期を過ごしており、現在の平均年齢は45.1歳で中途群の58.0歳 と比べてかなり若い。このため恋愛・結婚・子育てに関する悩みの あてはまり度が高くなっていると考えられる。また「(29)他人を素 直に信用しにくいことが嫌だ」に有意差があるということは、早期 から難聴だった人は、幼少期から他人を信用できなくなるような体 験を積み重ねてきた可能性があることが示唆される。

 中途群の方があてはまり度が高い項目としては、まず「(23)聞え が回復する見込みがない」という喪失感があげられる。この項目は

中途群と早期群の差が顕著であり、「(24)難聴が進行する可能性」と

共に、難聴であること自体に係わる項目である。前述のように早期 群の中にもこうした喪失感・不安感は存在するが、全体的には中途 群の方が深刻である。また「(48)健聴の友人・知人との交際が難し い」、「(44)音楽や映画などの趣味を楽しめない」は、健聴だった頃 の友人・知人との交際や自分の趣味を、難聴になったことで変化さ せなければならないつらさを示していると言えよう。

 中途群の中での安定群と不安定群の比較では、まず全項目不安定 群の方があてはまり度が高く、精神的な安定・不安定は「つらいこ

と」全般に反映されていると考えられる。有意差があったのは9項 目であった。不安定群は安定群と比べて心身の調子がすぐれず(質問 番号26,27)、難聴の進行についての不安感が強く(質問番号24)、医 療的情報を求めている(質問番号25)。また「(30)難聴であることを 他人に知られるのが嫌だ」「(31)聞こえなくても聞こえたふりをして いるのが嫌だ」のあてはまり度が高く、自分が難聴であることをど のように認識し、他人にどう伝えるかという難しい問題に直面して いると言えよう。このため「(47)聴覚障害を持つ友人・知人との 交際が難しい」のではないか。

 またこうした悩みの背景として、「(32)家族の理解が得られない」

46

ことはきわめて重要だと思われる。藤田(1998)はドイツにおける中 途失聴者・難聴者のリハビリテーションプログラムを紹介し、日本 でも家族を包括する長期的なアフターケアが望まれると述べている。

また濱田(2000)も中途聴覚障害者のリハビリテーションの中で、家 族など日頃周囲で接する人が障害を正しく理解し、受け入れること が重要だと述べている。

4.カウンセラー等に相談したいこと

 カウンセラーに相談したいことがある人は33人(15.9%)に過ぎず、

全体的にカウンセラーへの期待度は低かった。

 カウンセラーに相談したい項目として、6人以上が選択した項目 は、「(34)仕事や勉強で必要な情報が入りにくくて困る」(10人)、

f(32)家族の理解が得られないのがつらい」(8人目、「(35)複数の人 の雑談に入れないのが寂しい」(7人)、「〈26)全般的になんとなく体

調が悪い」(6人)、「(25急心についての医療情報が不足していて不 安だ」(6人)であった。質問番号32,26は「つらいこと」のあては

まり度の平均では低位であるのにもかかわらず、カウンセラーに相 談したいことでは上位に登場する点が特徴的である。また日頃から 情報の入手困難を感じている人が多く、具体的な情報や対処法を求

めている人が多いと言えよう(質問番号34,35,25)。

5.自由記述からうかがわれる悩み

 自由記述に回答を寄せた人は27人(13.0%〉であり、その大半は質 問項目と重複するものであった。難聴であるために困難が生じる、具 体的な場面として、病院、商店での買い物(税の計算)、講演会、近 所付き合いや自治会の集会、家庭内など、濱田(2000)や全日本難i聴 者・中途失聴者団体連合会の調査(2002)と同じ場面があげられてい

た。

 聞こえにくいことが周囲に理解されていない事例として、「聞く気 がない」「ぼ一つとしている」「頼りない」「性格に問題がある」と思

47

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