双方向アンプ間通信
主軸同期システム例
CNC
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生すると軸同士で干渉が発生し、正常に制御を実施することが難しくなる。したがっ て、現在のアンプ間補正ではこのような主軸同期制御に活用することができない。
しかしながら将来的に通信周期を31.25μsecまで高速化することで、このようなア プリケーションでもアンプ間補正を活用できる。この時、現状(今回提案したハイゲイ ン化アーキテクチャ4th Stepでの主軸制御)では、主軸の位置偏差が発生しないよう にマージンを見て最大出力電流以下となるような運転しかできなかったところを、進化 型アンプ間補正を活用することで、少なくとも片方の軸が最大出力電流で制限されても 同期誤差を抑えることが可能となるため、加速時間を約17%短縮することが確認され た。
6 . 5 . 2 5軸加工機高精度化への展開
次に、この進化型アンプ間補正を最近、急速に普及してきている5軸加工機に展開し た場合の効果をシミュレーションで図6.16に示す。
ここでは、回転テーブルC軸とそのテーブルを更に回転させることができるA軸を 搭載したチルトテーブルを想定しており、それらC軸、A軸にはそれぞれダイレクト ドライブモータ(DDモータ)が使用されているモデルを想定。このモデルにおいて、
重心がアンバランスなワークがC軸テーブルの上に載せられている時に、そのA軸テ ーブルがダイレクトドライブモータにより高速に回転することで生じる慣性力がC軸 に干渉力として加わるケースをシミュレーションした。
左側の結果は、3rd Stepのアーキテクチャでの制御した場合は、A軸の動作により、
C軸が2.6/1000deg振られてしまっているのに対し、4th Stepによるハイゲイン化アー
キテクチャでは、約15%改善の2.2/1000degに改善している。これに対し、次世代で サーボ制御周期を通信周期と同じ31.25μsecまで高速化した場合は、現状の4th Step
から50%改善の1.1/1000degまで、更に、双方向アンプ間補正を可能とする進化型ア
ンプ間補正を実施して、A軸の動きに合わせてフィードフォワードでC軸に補正を実 施することで、0.1/1000以下の振られ量まで改善できる。
このような取り組みにより、分散制御での唯一の欠点であったアンプ間での補正につ いても十分な効果を上げることが可能となる。
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6.6 提案する手法に関するまとめ
近年、生産性を向上させるために一台の工作機械で様々な加工に対応する複合加工な どの要求が増加している。このような中、主軸とサーボが同期して加工するケースが増 加してきている。本章では、そうした主軸とサーボの同期加工における高速・高精度化 を実現するための実施した施策を紹介した。
今回は特に、ねじ切り加工や同期タップ加工といった主軸の回転位置とサーボ送り軸
3rdStep制御 4thStep制御 次世代アンプ
0 0.5 1
-2 0 2
Time s
振られ量【deg】
0 30
回転数【r/min】
0 0.5 1
-2 0 2
Time s
0 0.5 1
-2 0 2
Time s
振られ量【deg】 振られ量【deg】
x 10-3
x 10-3
x 10-3 0
30
回転数【r/min】
0 30
回転数【r/min】
A軸移動
C軸振られ
A軸移動
C軸振られ
A軸移動
C軸振られ
2.6/1000 deg 2.2/1000 deg 1.1/1000 deg
15%減 50%減
※シミュレーション条件 A軸移動時にC軸に250N・mの 干渉力が発生すると想定
想定モデル
A軸DDモータ C軸DDモータ
アンバランス ワーク
干渉力
0 0.5 1
-2 0 2
Time s x 10-3
0.1/1000 deg以下
サーボアンプ サーボアンプ
双方向アンプ間通信振られ量【deg】
CNC
進化型アンプ間補正
図6.16 双方向アンプ間通信を用いた5軸加工機の高精度化
104
の位置を同期させて制御する必要がある場合に対して、高速で信頼性の高いネットワー クを活用したアンプ間での補正を提案し、シミュレーション、および、実加工で加工精 度の向上と加工時間の短縮(生産性向上)に対しての効果を検証した。
本研究により主軸とサーボの制御において、CNCコントローラと分散して制御する 分散制御方式の特性を最大限に発揮する主軸・サーボ制御システムを構築することがで きた。これにより、従来制御と比較して、例えば、本章で示した同期タップ加工の条件 においては、実際の加工において13%の生産性の向上を実現することができた。
また、これは、半導体プロセスの今後の進化を主軸・サーボ制御に最大限に活用する ための指針にもなり、かつ、CNCコントローラと主軸やサーボ間のネットワークの重 要性も同時に示した。
今後は、更に半導体の進化やネットワークの高速化技術をタイムリーに取り入れなが ら、主軸やサーボの同期性能を最高に引き出すためのアーキテクチャや補正アルゴリズ ムの最適化などを継続して進めていく予定である。
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