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凡   例

2.3 km

6.14.3-35

北東風

風速 5m/s 以上

現 況 海 岸 線 ラ イ ン 水 位 -0.5m ラ イ ン 潮 風 害 予 測 時 海 岸 線

潮 風 害 の 影 響 ラ イ ン

( 潮 風 害 評 価 ラ イ ン か ら 2.3km )

図 6.14.3-17

予 測 結 果 潮 風 害 に よ る 影 響 範 囲(開門ケース 3-1)

6.14.3-36

2.3km

現 況 海 岸 線 ラ イ ン 水 位 -1.0m ラ イ ン 潮 風 害 予 測 時 海 岸 線

潮 風 害 の 影 響 ラ イ ン

( 潮 風 害 評 価 ラ イ ン か ら 2.3km )

北東風

風速 5m/s 以上

図 6.14.3-18

予 測 結 果 潮 風 害 に よ る 影 響 範 囲(開門ケース 3-2)

6.14.3-37 (3) 環境保全措置の検討

1) 環境保全措置の検討項目

環境保全措置の検討は、予測結果を踏まえ、環境影響がないか、または小さいと判 断される場合以外に行う。

開門調査に伴う農作物への影響については、表 6.14.3-17 に示すとおり、飛来塩分 量の増加により背後地における農作物への影響が考えられるため、九州農政局の実行 可能な範囲内で影響を回避又は低減させるための環境保全措置を検討した。

表 6.14.3-17 環境保全措置の検討項目

項 目 予測結果の概要 環境保全措置

の検討 ケース 1

ケース 1 では、開門調査により調整池内が塩水化し、大潮 の満潮時には内部堤防や旧干拓堤防まで水位が到達する。

現地調査結果では、風速 5m/s 以上の北東風が吹く場合に飛 来塩分の発生源(海岸線)より風下方向へ 2.3km の範囲では、

稲に塩害が生じる飛来塩分濃度となることが予測された。

その結果、中央干拓地や釜ノ鼻地区(森山干拓地)、湯田川 地区(山田干拓地)などの背後地では、北東方向の風によっ て農作物へ潮風害が生じるものと予測された。

ケース 2

ケース 2 では、開門調査により調整池内が塩水化し、第 3 段階(5 年目)の大潮の満潮時には、内部堤防や旧干拓堤防ま で水位が到達する。

現地調査結果では、風速 5m/s 以上の北東風が吹く場合に飛 来塩分の発生源(海岸線)より風下方向へ 2.3km の範囲では、

稲に塩害が生じる飛来塩分濃度となることが予測された。

その結果、中央干拓地や釜ノ鼻地区(森山干拓地)、湯田川 地区(山田干拓地)などの背後地では、北東方向の風によっ て農作物へ潮風害が生じるものと予測された。

ケース 3-1

ケース 3-1 では、開門調査により調整池内が塩水化し、大 潮の満潮時には内部堤防や旧干拓堤防まで水位が到達する。

現地調査結果では、風速 5m/s 以上の北東風が吹く場合に飛 来塩分の発生源(海岸線)より風下方向へ 2.3km の範囲では、

稲に塩害が生じる飛来塩分濃度となることが予測された。

その結果、中央干拓地や釜ノ鼻地区(森山干拓地)、湯田川 地区(山田干拓地)などの背後地では、北東方向の風によっ て農作物へ潮風害が生じるものと予測された。

○ 農 業 生 産

(潮風害)

ケース 3-2

ケース 3-2 では、開門調査により調整池内が塩水化し、大 潮の満潮時には内部堤防や旧干拓堤防まで水位が到達する。

現地調査結果では、風速 5m/s 以上の北東風が吹く場合に飛 来塩分の発生源(海岸線)より風下方向へ 2.3km の範囲では、

稲に塩害が生じる飛来塩分濃度となることが予測された。

その結果、中央干拓地や釜ノ鼻地区(森山干拓地)、湯田川 地区(山田干拓地)などの背後地では、北東方向の風によっ て農作物へ潮風害が生じるものと予測された。

注) ○:環境保全措置の検討を行う項目

-:環境保全措置の検討を行わない項目

6.14.3-38 2) 開門調査の実施における環境保全措置

開門調査の実施における潮風害への影響に対する環境保全措置及びその検証の結果 について表 6.14.3-18 に示す。

表 6.14.3-18 開門調査の実施における環境保全措置及びその検証の結果 項 目 農業生産(潮風害)

環境影響 海水導入により調整池が塩水化し、風速 5m/s 以上の風の場 合、風下側の背後地では飛来塩分量が増加する。飛来塩分濃度 の増加する範囲では農作物へ潮風害が生じ、農業生産に影響を 及ぼすおそれがあると考えられる。

環境保全措置の方針 付着した飛来塩分を洗い流す。

環境保全措置案 風向・風速及び飛来塩分量の状況をモニタリングし、潮風害 が発生する可能性があると判断される場合、影響範囲の農作物 において付着した塩分を洗い流すための散水を行う。

実施主体 九州農政局

実施方法 潮風害が発生する可能性があると判断される場合、自走式散 水器を用いて農作物へ散水し、付着塩分を洗い流す。

実施期間 風向・風速及び飛来塩分量の状況をモニタリングし、潮風害 が発生する可能性があると判断される時期

実施範囲 潮風害が発生する可能性があると判断される範囲 環 境 保 全

措 置 の 内

容 そ

他 実施条件 風向・風速データ及び飛来塩分量のモニタリング結果から、

潮風害が発生すると判断された場合 環 境 保 全 措 置 を 講 じ た 後 の

環境の状況の変化

特になし

環境保全措置の効果 農作物に付着した塩分量を低下させ、農作物に塩害が生じる ことを防止できる。

環 境 保 全 措 置 の 効 果 の 不 確 実性の程度

現地調査結果から得られた影響範囲と水稲の潮風害の事例 から予測・評価しており、水稲以外の野菜類に対して、飛来塩 分量と塩害の関係が不明確である。

環 境 保 全 措 置 の 実 施 に 伴 い 生 ず る お そ れ が あ る 環 境 へ の影響

特になし

環境保全措置の実施の課題 散水のための用水を確保する必要がある。

実施する。

検証の結果

散水して付着した塩分を洗い流すことにより、農作物への塩 害の発生が低減されると考えられる。これらのことから、実行 可能な範囲で塩害への影響ができる限り低減されていると考 えられる。

畑作物の許容塩分量については、室内試験等を行うなど更なる検討を行う必要が ある。その結果を踏まえ、北東の季節風のように 5 日~1 週間程度で蓄積する場合 については、風速や飛来塩分量のモニタリングを行い、今後、飛来塩分量が被害発 生許容量に達する可能性がある場合、例えば中央干拓地では、ローテーションブロ ックを考慮し、1 回の散水で 4mm 程度(土地改良事業設計基準 計画 農業用水(畑))

の散水を行い 2~3 日間のうちに全面積を洗い流すことが考えられる。このような手 法について、(参考)に示した。

6.14.3-39

(参考)

① モニタリング方法

飛来塩分量は、潮風害の影響が想定される中央干拓地等においてモニタリング 測線を設け、各測線の概ね 1km 毎にガーゼ法(1 方向)による飛来塩分を捕捉す る。また、風向・風速(長崎県農林技術試験場地点を想定)を併せてモニタリン グし、5m/s 以上の風による飛来塩分量の推定を行い、必要に応じてガーゼ法に よる飛来塩分量を分析する。その結果、今後被害発生許容量を超過する恐れがあ ると推定される場合には、ローテーションによる散水を開始することが考えられ る。

飛来塩分量の分析は、ガーゼに含まれる塩分を溶出させるのに 3 時間程度、そ の後、吸光光度法による塩化物イオンの分析に 1 時間程度の計 4 時間程度で分析 が可能である。

② 散水方法

潮 風 害 に 対 す る 散 水 量 に 関 す る 明 確 な 基 準 は な い も の の 土 地 改 良 事 業 設 計 基 準 計 画 農 業 用 水 ( 畑 ) で 示 さ れ た 潮 風 害 防 止 の た め の 用 水 量 の 目 安 と さ れ る 4mm 程度を散水する。

散水に必要な用水は、代替水源で確保するかんがい用水の範囲で行うこととし、

中央干拓地の場合は 8,800m3/日が確保されることから、200ha 程度ずつ 4mm 程度 の散水を自走式スプリンクラーによりローテーションブロックに分けて実施する。

例えばある自走式スプリンクラーの場合、1 ユニットで1回 4mm の散水に必要 な時間は 2.1hr(8.5hr×4mm÷16.3mm)で 3,060m2 の散水が可能であり、1 日に 18 時間(9 回)の散水が可能とした場合、1 セット当たり 2.75ha 程度の散水が可 能と考えられることから、必要な台数を常備し散水する。

表 6.14.3-19 スプリンクラー(自走式)の諸元の例 仕 様 スプリンクラー(自走式)

ノ ズ ル 径 7.9×4.8mm 流 量 97.4L/min 使 用 水 圧 0.25Mpa か ん が い 幅 30.6m 自走スピード 8.5hr/100m

散 水 深 16.3mm

6.14.3-40 3) 環境保全措置の検討結果

開 門 調 査 の 実 施 に お け る 潮 風 害 へ の 影 響 に 対 す る 環 境 保 全 措 置 の 検 討 結 果 を 表 6.14.3-20 に示す。

表 6.14.3-20 開門調査の実施における環境保全措置の検討結果 項 目 環境影響 環境保全措置

の方針 環境保全措置の内容 環境保全措置の効果 農業生産

(潮風害)

海 水 導 入 に よ る 調 整 池 の 塩 水 化により、背後地 へ の 飛 来 塩 分 量 が増加する。

飛 来 塩 分 濃 度 の増加範囲では、

農 作 物 へ の 潮 風 害が生じ、農業生 産 に 影 響 を 及 ぼ す お そ れ が あ る と考えられる。

付 着 し た 飛 来 塩 分 を 洗 い 流す。

北 東 の 季 節 風 の 際 に 飛 来 塩 分 が 蓄 積 し 発 生 す る と 予 測 さ れ る こ と か ら 、 風 向 ・ 風 速 及 び 飛 来 塩 分 量 を モ ニ タ リ ン グ し つ つ 、 被 害 発 生 前 に 洗 い 落 と す た め の 散 水 を行う。

農作物に付着した 塩分量を低下させ、農 作物に塩害が生じる ことを防止できる。

また、開門時は飛来 塩分量等を調査する こととする。

(4) 事後調査

開門調査の実施における潮風害の影響に対する環境保全措置については、予測に不 確実性を伴うため、背後地の農地において飛来塩分量と塩害の実態を把握するために 事後調査を実施する。

表 6.14.3-21 事後調査の項目及び手法等

項 目 手 法 等

農業生産 (潮風害)

・ 背 後 地 の 農 地 に お け る 飛 来 塩 分 量 の モ ニ タ リ ン グ 観 測

・ 潮 風 害 の 発 生状況の把握

1.行うこととした理由

環境保全措置の実施条件は、現地調査結果から得られた影 響 範 囲 と 水 稲 に 対 す る 塩 害 を 生 じ る 塩 分 量 の 基 準 の み で 設 定しており、その他の野菜類に対して、飛来塩分量と塩害の 関係が不明確である。

2.手法

背後地の主要な農地において風向・風速及び飛来塩分量の モニタリング調査を実施するとともに、調査地域における農 作物の塩害の発生状況と発生時の付着塩分量を把握する。

3.環境影響の程度が著しいことが明らかとなった場合の対応の 方針

保全対象農作物の栽培に問題が生じそうな場合において、

専門家等の指導・助言を得ながら、その時点での状況に応じ、

新たな環境保全措置の実施を検討する。

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