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の で 、 そ の フ ロ ー 循 環 で 取 り 扱 わ れ る 。 そ れ に 対 し て 、 再 生 不 可 能 の 物 質 はエネルギー資源に集計されるが、そのうち、ストックの変化を含んでい る。これらの物質の各再生産における流出と流入が上付きのiとoのサフィ ックスによって区別されている。

このような「物質循環表」が定量的に作成されれば、広義再生産に関す る諸基本的な課題の研究は、この表に提供された各要素のバランス式に対 する考察によって具体化されることになる。例えば、ごみの問題がM1、

M2、M3の式によって、地球温暖化の問題がC,R,E2の式によって、資 源枯渇の問題がElの式によって、それらの深刻性と起因に関してマクロ 的に把握できるであろう。

4 基 本 法 則 構 造 的 把 握

前節で明確にされたように、自然、人間、経済という3つの再生産過程 がそれぞれに「自己組織最適化」「欲望拡大」「生産力拡大」という3つ の基本的法則によって稼動される。これに対して、広義再生産過程の全体 循環は、その3つの基本的法則の間に存在する相互依存、相互促進、相互 矛盾、相互制約など協同作用によって稼動されると考えられる。それらの 相互関係と協同作用は、主に図27の示すように理解される。

まず、その一方は、生産力拡大と欲望拡大及び自然自己最適化の相互促 進の関係である。周知のように、生産力の拡大は、人類存続の自然的必然 である生産活動の本質的契機として、人間の欲望を最大限に充足せしめる ための基礎条件である。かくて、人類の限界がない欲望の追求こそが、生 産力の無限の発展を必然的にする一般的な意味での主体的契機である。

要するに、本源的に考えれば、史的唯物論に主張されたように、生産力 の 発 展 は 、 人 間 の 欲 望 の 形 成 と 拡 大 の 根 本 的 な 要 因 で あ る 。 し か し 、 過 程 的に、特に、広義経済過程の視角で動的に考えれば、両者は、卵と雛との 関係のように、どれが原因か、どれが結果かは判定できない。が、唯物弁 証法によれば、両者は互いに原因でもあるし、結果でもあると考えられる。

図27に示されるように、欲望の拡大と生産力の拡大は、相互的に依存し合 って循環的に促進していくのである。

消費と生産を支える基礎が自然であるように、このような循環を支える

−82−

人 間 欲 望 拡大法則

図273つの基本法則間の相互関係概念図

のは、自然再生産過程における「自己最適化」原理である。というのは、

自然の「自己組織最適化」によって、自然生態系は、まず、人間の生存に 必要な基本的な物質条件を供給しているからである。もう一方は、「自己 組織最適化」過程において、自然界は、絶えず余剰のエネルギーを生産し たのである。この余剰こそは、生産余剰、そして、人間の欲望が拡大可能 になる基礎条件である。

ところが、広義経済過程における、3つの法則は相互に促進していくよう な楽観的な側面しかを持たないのではない。他方では、3者の間に制約し あう非楽観的な側面もある。欲望の拡大と生産力拡大の相互制約について は、従来の経済理論の枠内においてよく検討されているのでここでは省略 したいが、自然法則が他の2つの法則と制約関係ある点については議論し たいと思う。

一方では、「人間は世代ごとによって豊かな生活を送るようになるが、

満足しきることはないであろう。われわれの自然資源・設備・利用可能な エネルギー、そして、われわれの技術と能力の蓄積は、常にわれわれの欲 望を充足する財貨と並びにサービスを整え供給するには不足している。要

− 8 3 −

するに資源はいつでも有限であり、所与の欲望に対しては希少な状態にあ

る」(黒澤一情、p、253)。

他方では、このような自然法則は、長期にわたって一番の基礎条件、つ まり、生存の基本条件と生産の資源条件から人間欲望拡大と生産力発展を

するという特徴を持っている。

また、自然法則の経済・人間過程への制約作用は、もっと現実的には、

破壊された自然環境の自己組織最適化による強大な反作用力で、生態系保 護とエネルギーの代替・節約の技術開発をなすべきことを、人間に知らせ ていることである。この意味においては、生産力拡大の相当程度の結果は、

自然のこのような制約によって獲得してきたのであると云っても良いであ

ろう。

ところが、以上のような「自然法則」の制約作用は、言うまでもなく意 識がない自然という主体に人間、経済に対して無意識的に行われているが、

その作用メカニズムが次のような「無差別性」を持っているので、常に意 識がある人間、経済という主体にも無意識的に受けられている。

第1は、自然の制約作用の時間的な無差別性である。

つまり、自然のマクロ的な再生産周期が、人間再生産と経済再生産のそ れよりかなり中期的なの*8で、今世代の人間と経済の活動に起因される多 くの自然制約作用は次世代にも働くのである。これもいわゆる環境破壊問

題の「世代的転嫁」の現象となるゆえである。

第2は、自然の制約作用の空間的な無差別性である。

つまり、自然が、マクロ的に全地球範囲で分割できない諸物質循環から 構成されるので、ある地域に起因する自然制約作用は、あの地域に限らず、

物質循環によって他の地域の人間と経済にも、全地球のそれにも及んでい くことになるわけである。これもいわゆる自然破壊の「地域的拡散」の現

*83つの再生産過程に関する周期性問題は、このような広義経済理論のもう一つの 重要な課題である。この問題の解明は、自然法則と人間法則と経済法則との相互 作用におけるメカニズムを探求し、そして、なぜ、無視できない自然法則が長期 にわたって無視されたかを解けるには、キーポイントになるわけである。ところ が、本論文においては、この問題について、この結論的な考えを出す以上、触れ

ないようにする。

象となる要因である。

第3は、自然の制約作用の内容的無差別性である。

すなわち、自然が、生態系と非生態系、動物群と植物群、そして、諸物 質循環の間には、密接的な因果関係が存在するので、人間と直接に関連し

ていないある構成内容に関する撹乱行動に起因する自然制約作用は、他の

構成内容と人間、経済との関連によって行われることも時々である。これ

も自然環境問題の「内容的波及性」と言っても良いであろう。

第4は、自然の制約作用の対象的な無差別である。

すなわち、自然が、その法則の作用対象を選択する意識を持たないので、

ある対象の活動に起因する制約作用は、自然との関連度によってあらゆる 対象に掛けることとなる。これも、自然破壊問題の「対象的転嫁」の現象

の要因である。

v第0次産業の拡大による不調和循環からの調和循環への転換

以上において、広義再生産における内部循環構造とその全体循環構造の分 析によって人間、自然、経済という三つの再生産過程に異質性と関連性が検 出されていたが、それは質的分析に属するのである。広義再生産過程構築の 理論目的を達成し、特に、今日の環境問題へアプローチするには、質的分析 から一歩進んで量的分析を行われなければならないと思われる。そのために;

従来の「均衡」の概念に対して「調和」という概念を下記の通りに導入して

おきたい。

仮にそれぞれにflとf2の特性(内部関係)を持つAとBという二つの対象 間にfの特性(関係)があり、aとbがそれぞれにAとBに属する一つの特性 的な指標であり、Fがaとbの関数であるとし、また、F(a,b)は次のよう

に定義される。

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そうするとすれば、②の場合のFをAとBのaとbに関する均衡的関係と、

− 8 5 −

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不均衡

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図28均衡・非均衡、調和・非調和に関する概念図

②と①の場合のFをAとBのaとbに関する調和的関係と、③の場合のFをA とBのaとbに関する非調和的関係ということにする。この意味において、均 衡、非均衡、調和、非調和が図26のように区別されている(筆者)。以下に 特に説明がなければ図28と同じように「=」と「<」(「>」)でそれぞれ調 和関係と非調和関係を表す。

1 調 和 的 循 環 と 定 常 状 態 の 循 環

調和的広義再生産循環とは、自然X,人間Y,経済Zという3つの対象 主体が相互に人口、労働力、生産財、消費財、廃棄物などの各種の要素に 関して調和関係が成立することである。このような協調的循環構造は、広 義再生産過程のあるべき姿として、歴史的に従来存在したことがある。こ れは、産業革命以前のことであった。日本においては、江戸モデルがこの 例としてよく取りあげられている(室田、P264‑8)。この意味でこれを 定常状態の協調的循環という。これは方法論的に次の4つの側面から認識 できる。

第1は、再生産過程における生産定式の調和関係である。

調和的な人間再生産の生産定式は次の通りである。YIoは人間生産に必 要な最も基本的自然消費財と経済消費財である。これは人間が自然人口の 一定規模YBoとその一定の成長Y△Bの人口生存を維持するために必要な最 も基本的な吸収量YAoとそれを消費するために必要な廃棄量YNuoによって

ドキュメント内 循環構造: 環境問題への方法論的アプロ-チ (ページ 40-56)

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