1次健診:100mg/dL≦空腹時血糖(≦125mg/dL)
または 5.2% ≦ HbA1c (≦ 6.0% )、など
検査の流れ(試案)
検査の流れ(試案)
2次健診:尿中ミオイノシトール測定検査
(75gブドウ糖負荷、クッキーテストなどのテストミール負荷による)
精密検査:75g経口ブドウ糖負荷試験
陽性者
(Δ UMI ≧ 10mg/gCr )
(2007年総合健診学会発表より引用)
Ⅳ.クッキーテスト概要
1)クッキーテストについて
肥満に代表される生活習慣病の主要代謝性因子として、耐糖能異常、高脂血症、高 血圧そしてインスリン抵抗性が注目されています。高血圧以外の因子を同時にかつ 簡易に検出することを目的としてクッキーテストが開発されました。早期に上記要 因を検出し、これを指標に食事、運動習慣などの改善により、生活習慣病予防と対 策に役立つことを目指しています。
クッキーテストは経口糖負荷試験での負荷糖として、75gブドウ糖に相当するクッ キーを使用するものです。このクッキーには、小麦粉澱粉を主とする糖質 75g(マ ルトースを含む)とバターを主とする脂質 28.5gが含まれています。
澱粉は膵外分泌障害(慢性膵炎など)がない場合は良く消化吸収されるため、摂取後 2時間の血糖には液状ブドウ糖(トレーランG)との差がありません。またクッキー テストの特徴は、液状ブドウ糖と異なり日常の食品であり、反応性低血糖やそれに 伴う胃部不快感などが少なく、糖質と脂質に対するインスリンの処理能を同時に評 価可能なことです。
そのため、採血時に実施する様々な検査を組み合わせることによって、
○耐糖能異常 糖尿病 IGT IFG 食後高血糖 ○高インスリン血症 インスリン抵抗性 ○食後高脂血症
以上の生活習慣病代謝性要因の早期検出が可能です。
*液状ブドウ糖又は日内変動の食事負荷と同じ扱いで、医師の判断で耐糖能異常疑い 例では、「耐糖能精密検査」として、検査(血糖とインスリンなど)について保険適 用が可能です。クッキー自体は食品ですので、保険適用ではありません。
2)クッキーテストの実施概要
1.一箱(内容量 115g)をテストに使用します。一箱分で一般的な朝食のエネル ギー相当となります。(592kcal)。
2.クッキー一箱分の摂食時間は 10〜15 分程度を目安にします。
*食べにくい方でも50%を少なくとも10分以内に食して頂き、残りはその後20 分以内に食していただくと負荷試験としての基準が達成されます。
3.クッキーはお水またはお茶、紅茶 1〜2 杯で摂食します。
(砂糖・ミルクは使用しないで下さい)
4.空腹時の採血とクッキーを半分程度摂食した時間を 0 として、1 時間後、2 時 間後の採血を実施します。
クッキーの摂食後、澱粉と脂肪は血液中に血糖、脂肪として現れますのでインスリン作 用下の代謝、処理される過程を調べることができます。(精密耐糖能、高インスリン血 症、インスリン抵抗性、食後高脂血症の評価ができます。)
生活習慣病に関連する、血糖、高脂血症(特に食後高脂血症)、高インスリン血症や低 値、インスリンの効き方を観察することができます。日常の食習慣に即した代謝の流れ を観察できるよう考案いたしました。なお、慢性膵炎などのある方は、消化の遅れ、下 痢等の影響もありますので医師とご相談の上、判定に際してはご考慮ください。
空腹時 食後1時間 食後2時間 目的
血糖 ● ● ●
● ● ●
●
食後高脂
インスリン
TG ● ● ●
追加オプション1 RLP-C ▲ ● 7.5mg/dl以上でレムナント高値、3.3mg/dl以上の増加で食後高脂血症
追加オプション2 PAGE ● ● VLDL増加、ミッドバンド出現、LDL小粒子化
TC ● ●
HDL-C ● ●
追加オプション4 Apo-B ● ● ● アポ蛋白B 増加 (110mg/dl ↑) 、高アポB血症
耐糖能精密検査(900点) ▲ 精密検討用
◆クッキーテストで測定する血液検査項目
基本セット
耐糖能:正常、IFG 、IGT、糖尿病
高インスリン血症、インスリン抵抗性(AUCI、AUCI×AUCG)
血症(TG ⊿66mg/dl ↑)
追加オプション3 コレステロール変動(LDL-C 120mg/dl ↑)
HDL-C変動(40mg/dl ↓)
IFG、耐糖能異常、IGT 糖尿病
高インスリン血症 低インスリン血症 TG (mg/dl)
HDL-C (mg/dl)
Apo-B (mg/dl)
HOMA-R (mg/dl・μU/ml) インスリン面積 (μU/ml・hr)*1 血糖 (mg/dl)
高TG血症、食後高脂血症
RLP-C (mg/dl) 高RLP血症、食後高脂血症
低HDL血症
LDL-C (mg/dl) 高LDL血症
高アポB血症
Control 26例のMean+2SDを基準に算定
*1 Takeuchi, Harano, et al : Endocrine Journal 47(5),535-542(2000) にてインスリン抵抗性(SSPG)との有意相関を報告
◆クッキーテストによる総合的検出の基準値
2.1以上 インスリン抵抗性 空腹時血糖値×空腹時インスリン値÷405
インスリン面積×グルコース面積
(mg/dl・μU/ml・hr2 )*1 22800以上 インスリン抵抗性 (インスリン面積)×{(空腹時血糖値+
1時間血糖値+1時間血糖値+2時間血糖値)÷2}
110以上 インスリン抵抗性 (空腹時インスリン値+1時間インスリン値+
1時間インスリン値+2時間インスリン値)÷2
②インスリン抵抗性の評価*2
計算式 基準値 評価 備考
120以上
-
-110以上
-
-7.5以上 ⊿3.3以上 (1時間値-空腹時)
⊿3.3以上 (2時間値-空腹時)
40以下
-
-12以上 82以上 59以上
150以上 ⊿66以上 (1時間値-空腹時)
⊿66以上 (2時間値-空腹時)
3未満 18未満 25未満
160以上 140以上〜200未満
126以上
-
200以上インスリン (μU/ml)
①測定値
採血項目 基準値
空腹時 1時間 2時間 評価
110以上〜126未満
3)クッキーについて
クッキーテストの負荷食に使用されているクッキーが『ネオクッキー』として販売 されております。
商品をお求めの際、また詳細につきましては販売者のサラヤ株式会社にお問い合わ せください。
【販売者】 サラヤ株式会社
住
所
: 〒541-0051 大阪市中央区備後町 4-2-5 T
E
L
: 06-4706-6081
E-mail: Cookie-test@saraya.com 担当者: 芝地、川崎
【製造者】 ナカイ製菓 株式会社
4)研究会について
クッキーテスト研究会は、
○近年注目されている生活習慣病の代謝性因子の早期検出と経過観察の指標とし てのクッキーテストの意義と有用性を明らかにすること。
○生活習慣病の成因、機序、病態に深い理解が得られる手助けをすること。
○生活習慣病の対策に貢献すること。
を目的としています。
◆クッキーテストに関するお問合せ先 クッキーテスト研究会事務局
1)児成会 生活習慣病センター 所長 原納優
TEL:072-700-1135
2)サラヤ
(株
)担当: 芝地、川崎
TEL:06-4706-6081
E-mail: Cookie-test@saraya.com