金星ではLIPsの親玉みたいなやつがある 半径(km) 平均密度
(g/cc)
地球 6400 5.52 金星 6040 5.23
上表のように内部構造はそっくりだが、内部活動は違うとわかった!
■金星の調査
1991年、人工衛星マジェランが金星の表面地形を調べる
□海嶺も海溝も無い⇒プレート・テクトニクスが起こっていない
∵金星には水が無いから(∵地球よりも太陽に近い)
プレートに水がしみ込んでそれが地下で絞り出されて…、の流れは既述
このとき、水に触れた部分の岩石が粘度になって滑るため、プレートがどんどん沈み 込んでいく
水が無いと、プレートががっちりはまって動かない!
□ホットスポットがある
クレーターの密度から金星の表面の年代がわかる
→クレーターは少ない
→金星の表面は若い(5〜8億年くらい)
→プレート・テクトニクスが起こってないのにこれだけ若いということは…?
→洪水玄武岩が表面の多くを覆ったのだろう
→表面の約80%を覆ったことになるが、こんなに大規模なLIP活動の原因は?
→プレート・テクトニクスじゃないなら、フラッシングだろう
→これが「リサーフェシング」
○金星のリサーフェシング
普段は上部は冷たいプルームの対流、深部で熱いプルームの対流
→たまに熱いプルームが上がってくる
→上下逆転(上が熱く、下が冷たくなる)、表面ではマグマオーシャンを形成
※この金星での大規模なLIP活動を「リサーフェシング」と呼ぶ
■27億年前の地球
金星の観察から、「■27億年前の変化(一つの説)」(2個前のトピック)を根拠 づける人がいた
90年代後半、これが信じられるようになってしまう…
− 7 スーパープ ルーム仮説
スーパープ ルーム仮説について
(※この項目は既述の内容をまとめたものに過ぎません)
■スーパープルーム仮説って簡単に言うと…
フラッシング
⇒スーパープルーム上昇
⇒LIP活動
⇒超大陸分裂+プレート運動活性化
■スーパープルーム仮説の根拠
□ホットスポットの分布 アフリカ、南太平洋に多い
□トモグラフィー
○太平洋とアフリカの下では地震波速度が遅い
→高温だとわかる→これスーパープルームだろ(ホットスポットを引き起こすプルー ムの源)
○沈み込んだプレートの形
トモグラフィーを見ると、日本の下で深さ660kmのところでプレートがたまって る
実はアメリカの下では660kmなんて関係なく下まで突っ込んでいるが、まぁとに かく日本の下ではたまっている
→660kmのところに境目がある→フラッシングの証拠
□地形(スウェル)
海底が盛り上がっているのはプルームがプレートを押し上げたからだろう
■過去へさかのぼってみよう
27億年以上前…無数の小さなプレート 20億年前…少数の大きなプレート
→27億〜20億年前の間にプレート・テクトニクスのスタイルが大きく変化
←LIP活動、大陸急成長の影響
∴27〜20億年前に大規模なフラッシングが起こったのだろう
□これは白亜紀(約1億年前)の地球と関連づけて考えられた 白亜紀=フラッシングの例→
・LIP活動活発(例:洪水玄武岩)
・プレート速度大きい→島弧活動活発→大陸成長
ゆりもどし
スーパープルーム仮説に対して「なんか変だな」「この解釈でいいのか?」という 動き(=ゆりもどし)が起こった
(1)南太平洋のスーパープルーム
南太平洋ではプルームが上昇流を起こしている
↑今までは地面の盛り上がり(=スウェル)が根拠とされた
でも、本当にプルームは上昇するのか?
上昇流が起こるためにはスーパープルームが軽く(密度が低く)なければいけない
■スーパープルームは本当に低密度なのか?
鉄・シリコンが多い→重い
でも、熱膨張によって軽くなりもする
「熱膨張による密度低下」と「化学組成(FeO、SiO2の高密度)」の影響 どっちが大きい?→微妙
⇒もう実際に密度を計っちゃおう!
地震波を用いてスーパープルームの密度を調べると、アフリカ・太平洋の下は密度が 高いという計算になる
∴スーパープルームは重い!?
※この調査法が間違っているという人もいるが、この調査によって「必ずしも軽いと は限らない」と言えた
■重力測定(ジオイドの利用)
ジオイドとは:重力の向きに垂直な面
□ジオイドの形を決める要素1
もし太平洋の真ん中に低密度のスーパープルームがあったら
→軽いところは引力が弱いので、プルームの上らへんの重力の向きは外側にずれる
→プルームの上のジオイドはへこむ
□ジオイドの形を決める要素2 プルームは上昇する
→海底を持ち上げる
→元々海水があった場所に岩石が持ち上げられる
→プルームの上らへんの密度が上がる
→ジオイドが上にふくらむ
□結局要素1と2のどっちの影響の方が強いんだよ!?
2らしいです
理由は、「2の原因の方が距離的に近いから」
1は地下深くに原因があるのに対し、2は海底です
□結局、「盛り上がったジオイドになる」というのが正しい
→でも、そうすると、スウェルの高さは1500mにならなければならないという計 算になる
→実際に観測すると、スウェルは500〜700m
→どういうこと?
□解消されない問題
上に述べたジオイドに関する矛盾はいまだに解決されていない 何かが間違ってるはずだが、どこが違うかは誰にもわからない
だから、研究者が論文を書く時は地形の観測とジオイドのことは一緒に書かない。ボ ロが出るから。これが研究者の間の常識らしい。
(2)本当にフラッシングがあるのか?
■トモグラフィー
い つ も 6 6 0k mで沈み 込 ん だ プレー ト が横た わ る わ け で は な い ( =Slab peretiation)
■数値シュミレーション
フラッシングの条件は厳しい→地球の中で条件を満たせるのか?
(3)白亜紀のスーパープルーム仮説
■1億年前のプレート速度
1億年前、プレート速度が速かった
←白亜紀のスーパープルームの根拠
プレート速度は、現在も残っているプレートの一部を調査して計算された
(※調査法は地磁気のシマ模様を見るやつです)
→でも…現在まで残っている部分が狭すぎる上に、1.2〜0.9億年前には地磁気 が反転しなかったということもわかった
→この時期のプレート速度の測定は困難!
しかも、現存する太平洋プレートの速度を調べると、1.8億年間ほぼ一定だとい うことがわかった
■海水準とプレート速度の関係
1億年前は海水面が高かった(現在より200mくらい高かった)
だから、プレート速度が速かったのだろう、とされていた
(※「プレート速度が速い⇒海進」の理屈を思い出してください)
→でも、プレート速度は一定なんだろ……?
■海水準の問題の解決 2億年前、
超大陸パンゲアが分裂してその裂け目から新しい海底ができた また、海洋の古いプレートは沈み込んでいった
∴新しい海底が増えて、古い海底が減った
(※「新しい海底=浅い」「古い海底=深い」の理屈も思い出してください)
この影響で海面が上昇していったが、その後、太平洋の若いプレートが沈み込むよ うになったため、海水面は下がっていった
∴海水面は2億年前から上昇⇒1億年前をピークに現在まで下がる
■結論
「プレート速い⇒海面上昇」が正しいからといって「海面上昇⇒プレート速い」とは 言えない
− 8 結局何が残ったか?
結局、「プルーム・テクトニクス」から何がわかったのか
プレート・テクトニクス
北米大陸の地層の観測→27億年前もプレート・テクトニクスがあったとわかった それ以前のプレート・テクトニクスの様式は?→35億年前の地層を観察
■ノースポールの地層観測(35億年前)
ノースポール…オーストラリアのピルバラ地区の地名、「北極」なんてふざけた名前 だが、実際はめちゃ暑いらしい
□シリカの岩脈
絵が描けないのでここで説明することは困難ですが、シリカの岩脈が存在するという ことから火山活動や地面が水平に引っ張られる力が存在していたということがわ かった
∴35億年前もプレート・テクトニクスがあった
■さらにその前は?
38億年前にイスアと呼ばれる沈み込み帯があった
∴38億年前にもプレート・テクトニクスがあった
27億~20億年前
大陸急成長、プレート・テクトニクスの構造変化の時期
■27億年前の大陸活動
小さな無数のプレート+島弧火山
■現在の大陸活動
大きなプレート、クラトン(安定大陸)、プレートと接して活動するのは大陸の活動 縁辺(クラトンの端っこの方)
プルーム→LIP s
プルームの活動により超大陸が分裂
27億年前…特に活発 最近2億年も活発
地球内 部構造
(※これはトモグラフィーの成果も大きい)
南太平洋・アフリカの下にはFeO・SiO2・U・Thが多くて高温のスーパー プルームが存在、その周りにはMgOが多くて低温のやつが存在する
スーパープルームの一部がちょっとプカプカ上昇したやつがホットスポット これは仮説云々とかじゃなくて観測事実に基づく
A~Dを大雑把にまとめると
大まかに言って2つのことがわかった
■地球の内部構造(これはそのまま)
■地球史(A~Cの大まかなまとめ)
27億~20億年前の変化
□変化以前
無数のプレートのカオティック(でたらめ)な運動 例:沈み込み帯がやたらたくさんある
□変化後
秩序だったプレート・テクトニクス
※確認になるが、これらは、プルーム・テクトニクスの仮説が原動力となって発見