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5.1  緒言

ドキュメント内 目次.doc (ページ 82-85)

第5章  アンテナを利用したマイクロ波放電型

テナを放電室内に複数本に配置する事で均一化 が望める事以外にカットオフの制限を受けないという 利点がある.第4章でマイクロ波放電型中和器の実験結果からカットオフ密度を超えるプラズマの生 成が確認されている事を述べた.マイクロ波放電型中和器に限らず,小型の高密度プラズマ源は多く 開発されているが5−5),これらの小型で永久磁石を用いたプラズマ源の場合,磁場が急激に変化する.

その為,第2章で述べたような外部磁場Bとマイクロ波の波数kの方向の厳密な区別が難しく,Bと k の方向を分類する第2章のような方法での解析は難しい.従って高密度である理由は,分散関係の 観点からは明らかにされていないが,マイクロ波がカットオフ密度以上のプラズマ中にでもスキンデ プス長は進入する事が可能である為とされている.プラズマでのスキンデプス長 dは次式であらわさ れる5−6)

( ω

p2

ω

2

)

21

δ = c /

        ここで cは光速,?pはプラズマ角周波数,? はマイクロ波角周波数である.スキンデプスの効果は,

金属に電磁波を放射した場合によく見られ,電磁波のほとんどは金属表面で反射されるが,スキンデ プス長の分だけは金属中に進入可能である.これをプラズマに当てはめると,プラズマはマイクロ波 周波数がカットオフ周波数以上ならばマイクロ波を吸収,透過するように振る舞い,カットオフ周波 数以下ならば金属のようにマイクロ波を反射するようになる.しかし,金属と同様にマイクロ波のほ とんどは反射されるが,スキンデプス長の分はプラズマ中に伝播する事になる.大きなプラズマ源で ある場合はこの効果の影響は少ないが,小型プラズマ源である場合はスキンデプスの効果が大きくな る.(5.1)式を用いて中和器の場合のdを計算すると,? = 4.25 x 109 x 2p rad/sec,プラズマ密度n = 1 x 1018m-3,?p =5.6 x 1010 rad/secの条件では0.005 mとなる.放電室の半径が0.009 mの中和器ではdの 影響が大きい事が分かる.この利点を利用すれば,マイクロ波周波数に依存せずにイオンスラスタに 必要な高密度プラズマを得る事が可能となり,マイクロ波電源の電源効率が良い周波数帯でのプラズ マ生成が可能となる.4.25 GHzのマイクロ 波電源では電源効率が約60 %と低く,現在情報通信の分野 において研究が進んでいる効率の良い周波数帯の電源が利用可能となれば,イオンエンジンの大幅な 性能向上が可能となる.

前章でのマイクロ波放電型中和器の解析においては,放電室とヨークが一体となっており磁場形状 の任意の変更は困難であり,またアンテナ形状と磁場形状との関係の変更も困難であった.今後のア ンテナを利用した新型および改良型イオンスラスタの開発を考えると,より詳細な解析,そして設計 指針を得る必要があると考えられる.特に前述のマルチモノポールシステムを利用した10 cm級イオ ンスラスタについては,MUSES-C 計画のマイクロ波放電型イオンスラスタと同等の性能に到達でき ていない.そこで本章ではカップリングコード を利用して,アンテナを利用したマイクロ波放電型プ ラズマ源についての解析を行った.

(5.1)

Fig. 5-1 Schematic of multi-monopole antenna system

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