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NPO 法人札幌・障害者活動支援センターライフ(北海道札幌市)

取材応対者:石澤利巳氏(専務理事)

■ヒアリング内容

1.基本情報

□運営主体

NPO 法人札幌・障害者活動支援センターライフ

□運営事業

就労継続支援事業 A 型、就労継続支援事業 B 型(複数)

札幌市障がい者協働事業所、など。

□事業の概要

印刷業(もじや・A 型)

軽作業全般(たねや・B 型)

自然食品の販売と弁当販売、レストラン(ひだまり・B 型)

簡易製本・ポスティング等(きばりや・札幌市障がい者協働事業所)

カフェ(キバリヤ・札幌市障がい者協働事業所)

□事業規模

もじや:10 名(精神・知的・身体)+職員(パート含む)5 名 たねや:障がい者 28 名+職員 4 名

ひだまりキッチン:障がい者 7 名+職員 2 名 ひだまり配送:障がい者 7~8 名+職員 2 名 きばりや:障がい者 6 名+職員 2 名

カフェ:障がい者 3 名+職員 3 名 2.起業・設立

□設立・起業の経緯

スタートしたのは 23 年前で、印刷から始めた。

たねやの母体の作業所は当初自分達で食べるために始めた。

3.売上・収益状況

□売上・収益概況

もじや:3~4,000 万円くらい。以前は 7,000 万円近くあったこともあったが、印刷は仕事が減っている。

福祉予算が 1,000 万円くらい。

ひだまり:月 70 万円前後、年 800 万円強。以前は自然食品だけで月 80 万円売っていたこともあったが、

価格競争が厳しい。

きばりや:カフェと合わせて 1000 万円位。

□従業員の給与

もじや、きばりや:全員最賃以上。人件費負担が大きいので低賃金・長時間労働になっている。

4.事業領域と優位性

□販売先とシェア

もじや:知り合いの人脈で、機関誌などの印刷を請け負っている。名刺や年賀状は減少傾向。

ひだまり:この地域は単身者・離婚者が多いので、食べに来る人が多い。その他高齢者。

イベントなどでは 140 といった単位の発注が入ることがある。

□商品・サービスの優位性

ひだまり:特別な料理ではないが、できるだけ地場のものを使い、添加物を避ける努力はしている。

□今後の市場性

印刷はそれほど伸びる産業ではないし、ひとつに依存すると危険だ。

多様性を持つことは、障がいにあわせた仕事を提供する上でも重要。

事業としての継続性を持つことが社会的な責任だと思う。

1 次~3 次までトータルにできる環境なので、「6 次産業」を展開できないかと検討中。

人手はあるので、農業をやって、ジャムや漬け物を作って販売できないか。

農地は提供してもらえる見込み。

5.アウトソーシングセンター元気ジョブ(独立事業体として運営)

札幌市の委託事業(ふるさと雇用再生特別対策推進事業)

工賃倍増計画の一環として委託を受けている。

札幌市には 250 ほどの作業所があるが民間が頼めるレベルにない。例えば封入なら万単位が普通だが、

請け負えるのが千単位など。

連携して事業所を作り、仕事を受けられるような形にしたい。

例えば、石けんを作るなら個別に廃油を集めたりするような無駄があるため、それを共働でやるなど。

廃校を事務所にしているところの清掃を請け負うような事例あり。

建築資材のジョイント清掃を 4 つくらいの事業所で受けたり、パンの箱詰めを日曜日にやったりしている。

その他、国の補助が年 2,000 万円くらいあるので、営業マンを 5 人くらい雇っている。

市から高校の廃校後を事務所に提供するから、ビジネスを考えてくれと言われている。

社会的な事業に広げていけないか検討中。

雇用型作業所「リンクル」(北海道北広島市)

取材応対者:森口正道氏(社団法人札幌市手をつなぐ育成会・事務局長)

森本千尋氏(社会福祉法人朔風・法人統括施設長)

柴田進氏(社会福祉法人朔風/有限会社SANY・代表取締役)岩間安泰氏(社会福祉法人朔風)

■ヒアリング内容

1.基本情報

□運営主体

社団法人札幌市手をつなぐ育成会(社会福祉法人朔風の母体となった社団法人)

□運営事業

リンクルは札幌市障がい者協働事業(※)補助を受けた作業所。実際の作業は環境開発工業(株)にて行 っている(今回の取材は朔風の事務所にて行い、現地は視察していない)。

□事業の概要

コピーなど OA 機器の分解リサイクル、トナー解体、自動車のオイルエレメントリサイクル。

□事業規模

知的障がい 9 名+職員 2 名

リンクルも含めて計 40 名くらいの障がい者が働いている(後述)。精神の方も入ってきている。

□リンクル以外のリサイクル事業

育成会では、札幌市環境事業公社の中沼雑がみ選別センターと駒岡資源選別センターの作業も受託。

中沼雑がみ選別センター 知的障がい者 42 名・支援者 4 名 売上約 7,000 万円 駒岡資源選別センター 知的 12 名・支援者 2 名 売上約 2,000 万円

それぞれ 1 名を除いて最賃除外(10~30%)。就業時間は 8:30~17:30×5 日。

人間関係などでリンクルも含めて異動あり。賃金ベースなどは最近揃えるようにした。

※札幌市障がい者協働事業

滋賀県の社会的事業所制度を参考に、障がい者も対等に働ける事業所を作ることを目標とする制度。

障がい者が 5 人以上で障がい者比率が 5 割以上の事業所を対象に、補助金を支給する。補助金の上限は 9 名の場合で年額 1045 万円(家賃加算あり)。障がい者に対する給与は補助の対象とならない。

H22 現在、9 つの事業所で計 54 名の障がい者が雇用されている。

2.起業・設立

□設立・起業の経緯

物流系コンサルタント出身の柴田氏が、福祉と就労の両立を目指して仕組み(後述のリンクル方式)を設計し、

実現するための受け皿を探して作った。

こちらから出かけて働く形でできないかと考え、3 年かけて準備した。

3.売上・収益状況

□従業員の賃金

リンクルでは最賃の 75%以上は支払っている。月 7 万程度~。

併設している B 型は時給 300~450 円、月 3 万円程度。

4.事業領域と優位性

□事業領域選択理由

これから伸びる業種として資源関連を当たった。札幌市内の会社をいろいろ当たったが、経営に問題があ るところなどもあり、環境開発工業が残った。

□商品・サービスの優位性

環境開発工業でアルバイトや社員が行っていた仕事を置き換えている。

環境開発工業にとっては、人材の安定確保に繋がる(産廃処理施設は都市から遠く、かつ単純作業で人 が集めづらい)うえ、障がい者雇用に繋がっていることから社会貢献でき、それが受注能力にも繋がってい る。

環境開発工業は障がい者を多数雇用しているので、大手企業からの受注においては、その都度入札す るのではなく年間を通した契約をいただいているケースもある。

環境開発工業の社内で作業をするが、環境開発工業からリンクルへの業務委託なので、雇用関係は発生 していない。従業員ではないため、人件費以外の社会保険などのコストはかからない。

□今後の市場性

同様の仕組みを導入する話を別の会社とも始めているが、まだまだ知られていない取り組みである。

基本的には働き手である障がい者の判断が不要な形で業務設計ができれば、どんな仕事にでもこの方式 は適用できると考える。

5.業務設計の特徴

□リンクル方式

福祉と就労の二択ではなく、両立を目指して設計した(リンクル方式と呼んでいる)。

単独の就労施設(リンクル)だけではなく、3 つの福祉法人が参画する就労移行支援・継続支援 B 型 2 施 設を併設し、その中で働く能力が高い人をリンクルで雇用している。また現在は、環境開発工業が設立し た NPO が運営する A 型事業所も併設されている。

リンクルや A 型で能力が高い人は、パート雇用から社員雇用への道が開かれ、一方で加齢や障がいの関 係で働くことが難しくなれば福祉就労の領域へ戻ることもできる。これまでパート雇用の実績が 4 名、外部 で就業している人も多数。パート雇用されても、リンクルを含め福祉のスタッフが目配りしている。

□就業のアセスメント

技術・意欲・生活面と、仕事の成果を主な視点として、従業者の評価を行っている。

どの職員がつけても主観的にならず同じ基準になるように配慮している。例えば生活面なら、遅刻がどれく らいあるかなど、すべて数字で記録している。記録することで、成長が見えてくる(記録を取らないと、成長 していないように見える)。

リンクルを含めた 40 人を 6~7 人のスタッフで見ているので、共通した基準が必要になる。

□作業現場の工夫

数字を読み取ることが難しい障がい者がいるため、分解したものの重さを量って入力する工程を、秤と連 動して自動的に入力するように変更(入力ミスを避ける)。

企業は手間を省く効率化しか考えないが、障がい者は手間を増やして効率化することもある。

障がい者を理解して企業利益に結びつける発想が必要になる。

□札幌市障がい者協働事業の効果

知的障がい者は見守っている人が必要で、現在はこの事業の補助金で雇えている。

企業にいきなりこのコストを負担してもらうのは難しい。

札幌市以外なら、B 型でスタートするしかないだろう(A 型は人数が多いので小さく始められない)。

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