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(1)認知症患者数

●高齢化の進行に伴い、認知症を発症する高齢者が年々増加しています。平成 27 年時点で、全国に約 517 万人の認知症の高齢者がいると言われており、今後も増加していくと推計されています。認知症の予防、

早期発見・早期対応等の取組が求められています。

【図】認知症の人の将来推計(全国) (単位:万人、%)

※出典:「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(平成 26 年度厚生労働科学研究費補助金特別

研究事業 九州大学 二宮教授)による速報値

※下段( )は65歳以上人口に対する比率

●平成 27 年の時点で、本県の認知症患者数は、約6万4千人と推定されており、その後も増え続けてい くことが予測されています。

【表】本県の認知症の人の将来推計 (単位:万人)

平成24年

(2012年)

平成27年

(2015年)

平成32年

(2020年)

平成37年

(2025年)

65歳以上人口 37.8 40.9 43.5 44.0

認知症者人口 5.67 6.42 7.48 8.36

※出典:長崎県福祉保健部による推計

(2)認知症の予防と早期診断

●生活習慣病は、認知症発症の危険因子であると言われており、日頃の生活の中で継続して取り組める生 活習慣病予防対策の普及、啓発が重要となります。また、運動、口腔機能の向上、趣味活動など日常生 活における取組が認知機能低下の予防に繋がる可能性が高いことから、高齢者にとって身近な住民主体 の運営による通いの場などの取組や、認知症予防に有効とされる運動を中心とした認知症リハビリテー ションが重要です。

462

(15%)

517

(16%)

602

(17%)

675

(19%)

0 100 200 300 400 500 600 700 800

平成24年(2012年) 平成27年(2015年) 平成32年(2020年) 平成37年(2025年)

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●認知症の人への日常的な診療や家族への助言において、かかりつけ医が担う役割が大きいため、かかり つけ医の認知症対応力の一層の向上が必要です。

●口腔機能の管理を行う歯科医師や服薬指導等を行う薬剤師が、高齢者と接する中で、認知症の疑いがあ る人に早期に気付き、かかりつけ医等と連携して対応するため、歯科医師や薬剤師の認知症対応力の向 上が必要です。

●医療や介護の専門的知識を有する看護師、介護職員等が「認知症地域支援推進員」として、地域包括支 援センターなどで、地域での相談支援、関係機関の連携等を行っていますが、さらに医療・介護等のネ ットワークの充実・強化を図り、認知症の人への支援を効果的に行うことが重要です。

●医療機関における認知症への理解は進んでいますが、さらに認知症に関する正しい知識の普及を進め、

県民が認知症に対する不安を感じた時に、身近な地域で受診できる医療機関の周知等が必要です。

(3)認知症疾患医療センターと連携体制

●認知症の症状の特定(鑑別診断)をはじめ、医療機関等の紹介など、認知症の容態に応じた適時・適切 な医療の提供や家族への相談・支援を行うために、認知症医療の中核となる専門医療機関として、「認 知症疾患医療センター」を指定しています。

●認知症疾患医療センターは、認知症の専門医療相談や早期の鑑別診断とそれに基づく初期対応及び身体 合併症、BPSDへの急性期治療への対応のほか、地域の医療機関や地域包括支援センター等との連携 を図るため、地域連携協議会や事例検討会を開催するとともに、認知症医療に関する情報発信や県民へ の普及啓発、医療従事者への研修等を行うなど、地域の認知症医療体制の中で連携拠点機能を有してい ます。認知症疾患医療センターには、県全域の認知症医療における連携拠点機能を有する「基幹型」と、

二次医療圏域における認知症医療の連携拠点機能を有する「地域型」及び「連携型」があります。

●「基幹型」認知症疾患医療センターでは、各圏域を担当する「地域型」及び「連携型」認知症疾患医療 センターとも定期的に情報共有や協議を行うほか、県全体の認知症に関する支援体制づくりに関する検 討を行っています。

●平成 29 年度から、国は認知症疾患医療センターのさらなる整備を促進するため、これまでの「診療所 型」の設置要件に「病院」を追加し、「連携型」を新設したことから、より身近な医療機関への指定が 可能となっています。

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【表】認知症疾患医療センター(平成 29 年 10 月 31 日現在)

医療圏 種類 医療機関

長崎 基幹型 長崎大学病院

地域型 出口病院

佐世保県北 地域型 佐世保中央病院

県央 地域型 諌早総合病院

県南 地域型 島原保養院

上五島 連携型 長崎県上五島病院

壱岐 連携型 長崎県壱岐病院

対馬 地域型 長崎県対馬病院

●かかりつけ医の認知症診断等に関して相 談役の役割を担う認知症サポート医は、認 知症疾患医療センター、各郡市医師会及び 地域包括支援センターなどとともに、地域 での認知症医療支援体制の構築に、重要な 役割を果たしています。

(4)認知症初期集中支援チーム

●早期に認知症の鑑別診断が行われ、速やかに適切な医療・介護等が受けられる初期対応体制を構築する ため、「認知症初期集中支援チーム」の設置が進められています。

●認知症初期集中支援チームは、医療・介護の専門職2名以上と、専門医1名の計3名以上の専門職で構 成され、特に、初回の観察・評価の訪問は、原則として医療系職員と介護系職員それぞれ1名以上の計 2名以上で訪問することとされています。

●平成 30 年度から全市町に配置しなければならない認知症初期集中支援チームは、平成 29 年 10 月現 在、県内ではまだ未設置の市町が多く、地域で認知症の人を支える支援体制は、まだ十分に確立されて いない状況です。

(5)認知症サポーター

●介護を要する認知症の人が、住み慣れた地域で安心して生活をするためには、社会全体で認知症の人と 家族を支える仕組づくり、地域づくりを推進する必要があります。

●認知症を正しく理解したうえで、認知症の人や家族を暖かく見守り、支援する応援者として、「認知症 サポーター」の養成が全国的に進められています。

●本県では、各市町において、県が育成した認知症キャラバンメイトと協働して、地域住民に対して認知 症に関する正しい知識と理解を普及するため、認知症サポーターの養成を行っています。

●認知症サポーターは、見守り活動や認知症カフェへ参加するなど、それぞれの地域で認知症の人や家族 を支える活動を行っていますが、認知症に優しい地域づくりを加速するため、さらにサポーターの活躍 の場を広げていく取組が重要です。

壱岐病院

佐世保中央病院 対馬病院

上五島病院

出口病院 諫早総合病院

島原保養院 長崎大学病院

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(平成 29 年3月 31 日現在)

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