まず最初に 「担当授業」をどのような教育目的のもとに行っているのかを探るため、 、 教育の目的を 図2‑1 の通り2つの分類軸で構成された枠組に従って4種類設定した。
図2‑1 「教育目的」の分類枠組み
、 、 ( )
図2‑1の縦軸は 教育目的を 専門性・特殊性 専門的な内容や特殊な内容を重視する
か一般性(一般的な内容を重視する)かによって分類する軸で、横軸は、学問的視点(学 問から要請された内容を重視する)か社会的視点(大学外の社会から要請された内容を重 視する)かによって分類する軸である。この2つの軸をクロスすることによって、理念と しての教育目的を4種類に分類した。
左下の第Ⅲ象限は、一般性と社会的視点を重視する教育目的を指し 「①一般社会人と 、 して必要な知識・資質を身につけさせる」と表現した。第Ⅳ象限は、一般性と学問的視点 を重視する教育目的を指し 「②幅広い学問的興味・関心・知識を身につけさせる」と表 、 現した。以下同様に、第Ⅱ象限を 「③専門的職業人として必要な知識・資質を身につけ 、 させる 、第Ⅰ象限を 「④学問の専門家(例.研究者)として必要な知識・資質を身につ 」 、 けさせる」と表現した。
この4つの理念としての教育目的を用いて、各大学の学士課程の教育目的が、これら4 つの教育目的とどの程度関連しているかを以下の通り質問した。
あなたが、昨年度の「担当授業」を行った際の教育目的は、以下の①〜④の各事項とどの程度関連しています
【 問 1 】
か。次の各事項の選択肢から最も当てはまるものを1つずつお選び下さい。
あ る 程 度 ど ち ら と も あ ま り
関 連 が あ る 関 連 が あ る 言 え な い 関 連 が な い 関 連 が な い
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
①一般社会人として必要な知識・ 1 2 3 4 5
資質を身につけさせる
②幅広い学問的興味・関心・知識 1 2 3 4 5
を身につけさせる
③専門的職業人として必要な知識 1 2 3 4 5
・資質を身につけさせる
④学問の専門家(例.研究者) 1 2 3 4 5
として必要な知識・資質を 身につけさせる
単純集計結果が、 表2‑1‑1 である。
「③専門的職業人として必要な知識・資質を身につけさせる」のみ「関連がある」を選 択した教員が6割を超えていた(62.4% 。続いて多いのは 「②幅広い学問的興味・関心 ) 、
・知識を身につけさせる (46.8%)であった。 」
「①一般社会人として必要な知識・資質を身につけさせる」や「④学問の専門家(例.
研究者)として必要な知識・資質を身につけさせる」を「関連がある」と選択した教員は
それぞれ35.8%と32.0%とけっして多くなかった。
と「②幅広い学問的興味・関心・知識を身につけさせる」は教養教育のみを担当している 教員が 「③専門的職業人として必要な知識・資質を身につけさせる」は修士・博士課程 、 まで担当している教員が 「④学問の専門家(例.研究者)として必要な知識・資質を身 、 につけさせる」は博士課程まで担当している教員が「関連がある」と回答していた。
専門分野別にみると 「①一般社会人として必要な知識・資質を身につけさせる」には 、 社会科学系教員が自分の担当授業の目的として強く関係づけており 「②幅広い学問的興 、 味・関心・知識を身につけさせる」には人文科学系教員が自分の担当授業の目的として強 く関係づけており 「③専門的職業人として必要な知識・資質を身につけさせる」には工 、 学系、医歯薬学系、教員養成系教員が自分の担当授業の目的として強く関係づけており、
「④学問の専門家(例.研究者)として必要な知識・資質を身につけさせる」には農学系 と医歯薬学系の教員が自分の担当授業の目的として強く関係づけていた。
年代と危険率1%において有意な関連性のある教育目的は 「①一般社会人として必要 、 な知識・資質を身につけさせる」のみである。60代以上の教員が最も多く関連があると回 答しており、逆に40代の教員が最も少なく関連があると回答していた。
このように、教員の属性によって、担当授業の教育目的に対する認識が異なっている。
ドキュメント内
橡Taro13-FDアンケート (教員)
(ページ 33-37)