有効性の結果
事前に規定した主要評価項目[24週時における
SELENA SLEDAI
スコアの変化率、及び52
週間において最初にSLE flare
が発現するまでの時間(SFI
により定義)]の結果から、本試験ではベリムマブのいずれの用量(1、4又は
10 mg/kg-iv
群)においてもプラセボを上 回る有効性は認められなかった。ベリムマブは、事前に規定した重要な副次評価項目(SELENA SLEDAIスコアの
52
週時 における変化率及び52
週間のAUC
、BILAG
スコアの52
週時における変化率及び52
週間 の血清中濃度-時間曲線下面積(AUC)、最初にBILAG
カテゴリーA又はB
のFlare
が発 現するまでの時間)による評価で、プラセボを上回る効果を示さなかった。1
及び10
mg/kg-2.7.3. 臨床的有効性
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2.7.3 - p. 38
iv
群では、24
及び52
週時におけるSELENA SLEDAI
スコアの改善率がプラセボiv
群を数 値的に上回った。一方、10 mg/kg-iv
群では、ステロイド投与量を7.5 mg/
日以下に減量でき た被験者の割合がプラセボiv
群より高く、ステロイド投与量を7.5 mg/日超に増量する必要
があった被験者の割合(Post-hoc解析)がプラセボiv
群より低かった。SF-36
では身体的健康サマリーが改善し(52週時のスコアの平均増加量:10 mg/kg-iv群3.4
点vs.
プラセボiv
群1.4
点)、精神的健康サマリーが悪化しなかったことから、ベリム マブ(10 mg/kg)はプラセボと比較して有用であると考えられた。バイオマーカーの結果では、
B
細胞数(CD19+
、CD20+
、活性化、ナイーブ、形質細胞様 細胞及び形質細胞のSLE
サブセット)はベリムマブの3
用量群すべてで減少し、プラセボiv
群で増加した。ベリムマブ群ではメモリーB
細胞数が4
週時に増加を示した後、徐々に減 少し、ほぼベースライン値に戻った。また、ベリムマブ群では、プラセボiv
群と比較してIgG
、IgA
、IgM
、免疫グロブリンE
(IgE
)及び抗dsDNA
抗体が低下し、C4
が増加したが、用量依存性はみられなかった。24週間の継続投与期の間、これらの変化は維持された。
安全性の結果
SLE
患者において、ベリムマブと標準治療の併用の忍容性が認められた。有害事象、重度 又は重篤な有害事象、中止に至った有害事象、注入後全身性反応の可能性がある有害事象及 び感染症の発現割合に、用量依存性及びプラセボiv
群との差はみられなかった。2例の死亡[自殺既遂
1
例(1 mg/kg-iv
群)及び呼吸不全1
例(10 mg/kg-iv
群)]が報告され、いずれ も治験責任医師により治験薬との因果関係なしと判断された。本試験におけるGrade 3
又は4
のリンパ球減少症の発現割合(プラセボiv
群21.4%
、ベリムマブiv
併合群25.7%
)は、被 験者が受けていた基礎治療及びベリムマブのB
細胞減少作用を考慮すると、予想外のもの ではなかった。その他の臨床検査値異常の発現割合は、ベリムマブiv
併合群とプラセボiv
群で同程度であった。ベリムマブは継続投与期にも引き続き忍容性が認められ、有害事象により治験薬の投与中 止に至った被験者は
8
例(2.3%)であった。自己抗体陽性の被験者集団を対象としたPost-hoc解析の結果
自己抗体陽性の被験者集団[ベースライン時に
ANA
陽性(抗体価80
倍以上)、抗dsDNA
抗体陽性(30 IU/mL
以上)のいずれか一方又は両方に該当した被験者と定義]を対象として
Post-hoc
解析を実施した。自己抗体陽性の被験者では、ベリムマブに対する反応(特に
PGA
に対する反応)が自己抗体陰性の被験者と比較して高かった。複合評価項目(SELENA SLEDAIスコアが
4
点以上改善し、PGAの0.3
点以上の悪化がみられず、かつBILAG
による評価でカテゴリーA
に悪化した臓器系がない、かつカテゴリーB
に悪化した臓器系が
2
つ以上ない場合と事後に定義)による評価では、自己抗体陽性の被験者における52
週時の効果(ベースラインとの比較)が、ベリムマブiv
併合群でプラセボiv
群と比較し て高かった(レスポンダー率:46.0% vs. 29.1%、p=0.0058)。また、自己抗体陽性の被験者 における安全性プロファイルは、試験対象集団全体と同様であった。2.7.3. 臨床的有効性
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2.7.3 - p. 39
まとめ
有効性の主要評価項目は達成されなかったが、本試験の結果から第
III
相試験のデザイン 設定の根拠となった有用な情報が得られた。SELENA SLEDAIスコアへの効果はベリムマブ1
及び10 mg/kg-iv
群で同程度であったが効果の発現は10 mg/kg-iv
群の方がやや速やかであ り、ステロイドの減量に対する効果も10 mg/kg-iv
群の方が大きかった。ベリムマブとSLE
の標準治療の併用の忍容性は良好であり、有害事象、重度の有害事象又は重篤な有害事象の 発現割合、中止理由及び臨床検査値異常はプラセボiv
群及びベリムマブの各用量群で同様 であった。有害事象の発現割合に用量依存性はみられず、継続投与期も忍容性が認められた。治験薬の投与中止に至った有害事象の発現もわずかであった。
以上の結果を元に、第
III
相試験での対象集団(ベリムマブの治療効果が期待される患者 集団として自己抗体陽性例)、ベリムマブの用量(1及び10 mg/kg)、有効性の複合評価項
目(SRI
レスポンダー率、2.7.3.1.3.6.1.
で考察)が設定された。2.7.3.2.2. 第III相試験 2.7.3.2.2.1. BEL110751試験
BEL110751
試験(スクリーニング1353
例、無作為化826
例、治験薬投与819
例)は有効 性の主要な成績が得られた第III
相試験の一つであり、欧州、北米及びラテンアメリカで実 施した。有効性の主要評価は他の第III
相試験と同様に52
週時に行ったが、本試験ではその 後も引き続き76
週時まで有効性を評価した。人口統計学的特性及びベースラインの疾患特性
人口統計学的特性は群間で同様であった。被験者の平均年齢は
40
歳、93.3%の被験者が女 性であった。人種は大部分が白人(69.5%
)であり、次いで黒人-アフリカ系アメリカ人(14.4%)、アラスカ先住民又はアメリカインディアン(12.6%)であった。
SLE
の平均罹病期間は、各群で同様であった。全体的にベースラインのSLE
の疾患活動 性は高かったが(SELENA SLEDAIスコアは平均9.7
点であり、過半数の被験者が10
点以 上)、一部の疾患特性でプラセボiv
群とベリムマブの各用量群間で不均衡な点も認められ た。SELENA SLEDAI
スコア、BILAG
及びSFI
で定義したSLE flare
では、プラセボiv
群と 比べてベリムマブの各用量群の方が疾患活動性の低い被験者が多かった。また、PGA
スコ アが1
以下の被験者の割合は、プラセボiv
群及び1 mg/kg-iv
群と比べて10 mg/kg-iv
群の方 が高かった。その他のSLE
の臨床的評価項目(SLICC障害指数及び尿蛋白を含む)は3
群 で同様であった。ベースラインのバイオマーカーは各群で同様であった。有効性の結果
本試験の有効性の主要評価項目には、第
II
相試験(LBSL02試験)の結果に基づく新たな 評価基準であるSRI
を用いた。2.7.3. 臨床的有効性
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2.7.3 - p. 40
SLE
の標準治療にベリムマブ10 mg/kg
を追加投与した結果、主要評価項目は達成された。52
週時のSRI
レスポンダー率(最終解析時)3で、ベリムマブ10 mg/kg-iv
群(43.2%
)のプ ラセボiv
群(33.5%)に対する優越性が検証された(p=0.0167)。ベリムマブ1 mg/kg-iv
群 のレスポンダー率(40.6%)はプラセボiv
群(33.5%)と比べて数値的に高かったが、統計 学的な有意差は認められなかった(p=0.0889)。76週時のレスポンダー率はプラセボiv
群(
32.4%
)と比べてベリムマブ群(いずれの用量群でも38.5
~39.1%
)の方が数値的に高かったが、統計学的に有意な差は認められなかった。レスポンダー率は、24週時(10
mg/kg-iv
群)及び36
週時(1 mg/kg-iv
群)からプラセボiv
群と比べてベリムマブ群の方が数値的 に高くなり、76週時まで維持されていた。52
週時のすべての感度分析及び76
週時のLOCF
法による感度分析で、10 mg/kg-iv
群では プラセボiv
群と比べて統計学的に有意に高いSRI
レスポンダー率が示された。SRIレスポン ダーの構成要素の1
つであるSELENA SLEDAI
スコアの改善基準を通常より高く設定したPost-hoc
感度分析でも、ベリムマブの効果の頑健かつ一貫した効果が複数の評価時点で認められた。特に、
SELENA SLEDAI
スコアの基準を5
、6
、7
、8
点以上の改善に設定した52
及 び76
週時の結果では、プラセボiv
群と比べてベリムマブ10 mg/kg-iv
群のレスポンダー率 の方が統計学的に有意に高かった。52
週時のSRI
レスポンダー率の各サブグループの結果は概ね同様であったが、層別因子 の1
つである人種のサブグループ(AIA vs.
その他)で治療効果(プラセボiv
群vs.
ベリム マブの各用量群)に対する有意な交互作用が示された。この作用は、プラセボiv
群での異 なるレスポンダー率の影響と考えられた。レスポンダー率は、プラセボiv
群のAIA 48.6%及
びその他の人種27.9%
に対し、1
及び10 mg/kg-iv
群の両サブグループ間では40.3
~44.3%
で あった。52
週時のSRI
レスポンダー率の10 mg/kg-iv
群とプラセボiv
群との差に、地域差のある傾 向が示された。10 mg/kg-iv群とプラセボiv
群との差は、西欧/イスラエル(27.2%)と比べ て米州(米国/カナダを除く)(-3.5%
)及び米国/カナダ(3.5%
)の方が小さかった。52
週時に認められた治療効果に対する人種(AIA vs. その他)の有意な交互作用、黒人の 被験者集団で認められたプラセボiv
群よりベリムマブの各用量群の方が低いSRI
レスポン ダー率、及び10 mg/kg-iv
群のSRI
レスポンダー率に地域差のある傾向は、いずれも76
週時 まで持続した。AIA、米国/カナダ、黒人の被験者集団のベースラインの疾患特性に不均衡が認められて
おり、ベリムマブの各用量群(特に10 mg/kg-iv
群)とプラセボiv
群とのSRI
レスポンダー 率の比較に影響を及ぼした可能性がある。また、理由は不明だが、AIAのうちアラスカ先住 民又はアメリカインディアンのプラセボiv
群でのSRI
レスポンダー率も高かった。被験者 数が少ないため、特にAIA
及び黒人の被験者集団の結果は慎重に解釈する必要がある。3 プラセボiv群の1例の評価変更に伴い、主要評価項目の最終解析結果は
BEL110751+BEL110752併合解析に用いた中間解析結果から変更となった。52週時のSRIレ スポンダー率は、中間解析時及び最終解析時でほぼ同様であった。
2.7.3. 臨床的有効性
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