第 4 章 結果及び考察
4.2 黄砂
2種類の国立環境研究所の黄砂標準試料,3種類の中国各地で採取された黄砂関連試料,
4 種類の京都で採取された黄砂関連試料の測定を行った.測定は 2004年 11 月に行ったの
で,2471 eVのピークはS2-のK吸収端,2478 eVのピークはS4+のK吸収端,2482 eVのピ
ークは S6+の K吸収端とそれぞれ対応する.Fig.4-2-1から Fig.4-2-9に測定結果を示す.同
じ試料を複数回測定したものについては同じグラフに並べて示すこととする.
Fig.4-2-1のCJ-1においてはいずれの価数の硫黄も検出されていないが,Fig.4-2-2のCJ-2
においては+6 価の硫黄を検出することができている.これはそれぞれの標準試料につい
て予想されたことであり,確実に測定が行われていることを裏付けている.
Fig.4-2-3において,バルクの情報を示すXFYにはピークが見られないが,表面の情報を
示すTEYには+6価のエネルギーでピークが見られる.それに対してFig.4-2-4においては,
XFY・TEY ともに+6 価のエネルギーでピークが見られる.これによって,黄砂がタクラ
マカン砂漠からシンヨウに飛来する過程で表面に付着した硫黄との化学反応がバルクにま
で進行している可能性が考えられる.
京都市内で採取された試料については,Fig.4-2-6,Fig.4-2-7,Fig.4-2-8の1階で採取され
たもの全てにおいて−2価と+6価の硫黄が検出されている.また,3 つ共に見られること
ではあるが,特に Fig.4-2-8 では−2 価のピークと別のピークがすぐ右に見られ,+4 価と
Fig.4-2-8とほぼ同時期に採取されたサンプルでり,同じビルの 8階と 1階という違いしか
ないにもかかわらず,+6 価の硫黄しか検出されていない.特に,表面の情報を示す TEY
に明らかな違いがあることは注目すべき点である.
2460 2480 2500 2520 2540
Intensity / a.u.
Energy / eV
XFY TEY
Fig.4-2-1
国立環境研究所黄土標準試料(CJ-1,China Loess)に対する測定結果2460 2480 2500 2520 2540
Intensity / a.u.
Energy / eV
XFY TEY
Fig.4-2-2 国立環境研究所黄砂エアロゾル標準試料(CJ-2,Simulated Asian Mineral Dust)
2440 2460 2480 2500 2520
Intensity / a.u.
Energy / eV
XFY TEY
Fig.4-2-3 タクラマカン砂漠の表土試料に対する測定結果
2440 2460 2480 2500 2520
Intensity / a.u.
Energy / eV
XFY TEY
Fig.4-2-4 シンヨウ市内のビルの3階において採取された乾性降下エアロゾル試料
2440 2460 2480 2500 2520
Intensity / a.u.
Energy / eV
XFY TEY
Fig.4-2-5 シンヨウ市内のビルの4階において採取された乾性降下エアロゾル試料
2440 2460 2480 2500 2520
Intensity / a.u.
Energy / eV
XFY TEY
Fig.4-2-6 2004年2月13日に京都市内のビルの1階で採取された乾性降下エアロゾル試料
2440 2460 2480 2500 2520
Intensity / a.u.
Energy / eV
XFY TEY
Fig.4-2-7 2004年2月25日に京都市内のビルの1階で採取された乾性降下エアロゾル試料
2440 2460 2480 2500 2520
Intensity / a.u.
Energy / eV
XFY TEY
Fig.4-2-8 2004年3月14日に京都市内のビルの1階で採取された乾性降下エアロゾル試料
2440 2460 2480 2500 2520
Intensity / a.u.
Energy / eV
XFY TEY
Fig.4-2-9 2004年3月17日に京都市内のビルの8階で採取された乾性降下エアロゾル試料